インタビュー
[インタビュー]「三國志 覇道」がサービス4周年。年数を重ねた今の開発事情や,好きなLR武将をもらえる周年企画について聞く
前回シーズン「龍虎相討」では,覇道初の一騎討ちシステムが搭載されたが,今度の「鏡光命運」では軍団戦の行く末を“鏡”が握る。
期間中,各プレイヤーはさまざまな効果を備えるアイテム「仙鏡」で部隊能力の向上を図り,軍団同士は「神仙鏡」を同時に発揮し,戦場に特殊な影響を与える。ものとしては半年前の天啓符と近しいだろう。
今回は4年経った現況や今後の展望のほか,新規LR武将として9月1日から登場中の「諸葛亮」「司馬懿」や,周年アップデートで追加されるLR武将「徐庶」「周泰」などについても,覇道プロデューサーの伊藤幸紀氏に話を聞いてきた。
[インタビュー]「三國志 覇道」戦場の華,一騎討ちで優勢をつかむ“龍虎相討”幕開け。4周年に向けた仕込みもあり?
コーエーテクモゲームスのスマホゲーム「三國志 覇道」の新シーズン“龍虎相討”が,2024年6月20日にスタートする。客将同士による一騎討ちがカギを握るシステムについて,プロデューサーの伊藤幸紀氏に話を聞いてきた。
「三國志 覇道」公式サイト
「三國志 覇道」ダウンロードページ
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落ち着いてきたからこそ粛々と
4Gamer:
「三國志 覇道」もサービス4周年。今年もあっという間でしたか。
伊藤幸紀氏(以下,伊藤氏):
毎回「早かった」では芸がないのですが,この1年は例年よりも荒波が少なく,落ち着いて進んでこられた印象です。昔は夜中に不具合対応をすることも多かったのですが,2024年は今のところないですね。
プレイヤーの皆さんのために対処せねばならないことはいくつもありましたが,総じて安定した開発・運営を実現できました。
4Gamer:
4年という月日の慣れで,プレッシャーを感じなくなったりは?
伊藤氏:
いえ,プレッシャーはずっとあります。私はもちろん,チームスタッフも日々の業務に責任感をもって取り組んでくれています。そのおかげと言うべきか,メンバーは代替わりしているものの醸成もしてきて,任せられる仕事の範囲が多くなり,少々気楽になれたのは確かです。
4Gamer:
なによりで。この1年の手応えはいかがでしょう。
伊藤氏:
印象に残っているのは,こじんまりとした改善ではありますが,2023年11月の「遠征のスキップ機能」でしょうか。
あれはそもそも,「遠征をもっと短時間で遊べるようにしてほしい」という意見を受けていたなかでの対応でしたが,環境に応じたアップデートとは別に,あると便利な機能はちゃんと順に入れていこうと。それができるようになってきた時期だったので,今年は細かな改修にも多数手をつけてこられました。
運営としてのスタンスも1年目から大きく変わっていませんが,落ち着いてきたからこそやるべきことを粛々と続けている感じです。
4Gamer:
サービス当初からまだ実現できていない構想は残っていますか。
伊藤氏:
それで言うと「軍馬」のシステムですね。三国志の世界では馬の存在感がけっこう大きいですし,開発メンバーともいつか実装したいねとずっと話し合ってきたものです。
軍馬は基本的には装備品のカテゴリで,強い馬を捕まえて装備することでステータスアップ,といった流れを現状で実装している武器などよりも一歩踏み込んで仕立てようとしてきました。
ただ,キャラクターの強化要素は単に搭載するだけだと,そのまま戦力格差を生むことにつながる恐れがあります。ですから,どうすれば納得感のある遊びになり,またそれを飽きずに楽しんでもらえるかを,今でもミーティングを重ねて磨いているところです。
4Gamer:
入れ方はいろいろと想像できますが,「ポンッと実装するだけ」だと,必須の装備アイテムってだけで広がりがなさそうですもんね。
伊藤氏:
ええ。だから馬をとって装備したら終わり,などとならない形を目指しているんですよ。そこの調整で試行錯誤してきたわけです。
4Gamer:
この4年,世界情勢にもいろいろありましたが,近年は「AIの話」が盛んになってきました。御社に関しても以前,AI専門組織のフューチャーテックベースにお話を聞かせてもらったことがありますが,覇道ではそうしたAI活用などを進められているのでしょうか。
伊藤氏:
今のところはまだ導入できていませんが,開発効率を上げるための実務面でいろいろ活用できないかと精査しています。デバッグ時にAIにチェック項目を洗い出してもらうなど,作業をスムーズにするためにですね。
4Gamer:
ゲーム面でのAI活用は?
伊藤氏:
覇道はプレイヤー主体のMMOですので,コンシューマの「三國志」シリーズのようにCPUのAIを強化しても恩恵が薄いというか,そもそも求められていないと思うんですよね。それにAIを導入して最適化したら,こういうゲームでは「最強すぎて誰も勝てなくなる」恐れがあるので,現状は開発・運営の業務側での活用を目指しています。
4Gamer:
最強AI軍団に挑戦,もまた催しになりそうな。
ついでに,4周年となるといろいろと用意されているかと思いますが,9月以降に仕込んでいる大きな施策などはありますか。
伊藤氏:
10月ごろにできればいいなという予定ですが,また新たに「覇道ならではの1人用コンテンツ」に挑戦しようとしています。
今はまだバランス調整もできていませんが,個々人が空いた時間に気軽に楽しめるものをそろそろ充実させていきたいタイミングです。
4Gamer:
システムさえ合致すれば,1人用需要の高いシリーズですしね。
個人的には,御社の目玉の新作「真・三國無双 ORIGINS」がシリーズ初のオリジナル架空主人公と知って思い浮かびましたが,エディット武将ないし君主とかはどうなんでしょう。考えられたことは。
伊藤氏:
覇道でですか?
4Gamer:
はい。「三國志」シリーズだと当たり前な機能で,まさに最新作「三國志8 REMAKE」の全武将プレイでは積極的に使う人も多いでしょうし。
伊藤氏:
エディット武将の魅力は分かっていたので,覇道でも過去に検証したことがありますが,結論は「覇道での導入はちょっと危ないな」でした。
こちらも導入の仕方はさまざまですし,イベントで1回試すことも検討しましたが,まずエディット機能の制作がなかなか骨です。それに最大の問題は攻城戦時の「相手のオリジナル武将の特徴が分からない」ということです。本作の仕組みでは,対処不可能な戦いも生まれるでしょうから,公平な戦闘につながらない可能性が高いんですよ。
この点を考慮して,これまで踏み切れていませんでした。
4Gamer:
あー,特化型エディットとかはワルさしそうですしね。残念。
では恒例の流れで,前シーズン「龍虎相討」の所感はどうでしょう。
伊藤氏:
三国志の華である一騎討ちを導入したシーズンでしたが,一定の遊びとしても,覇道の表現としても楽しんでもらえたかと思います。
ただ,一騎討ちはテンポを優先したシンプルな作りだったため,「もうちょっと遊びがほしかった」という意見ももらっています。
そうした要望と,イベントごとの攻城戦の発生回数などを比較して調べてから,また今後の改善に役立てたいところです。
4Gamer:
続けて,新シーズン「鏡光命運」はどんな内容になりますか。
伊藤氏:
今回は半年前に実施したイベント「勝機天啓」で取り入れた“天啓符”と似た仕組みで,攻城戦時に特殊な効果を発揮する「神仙鏡」を自軍と敵軍が一斉に発動し,互いの効果を受けた状態で戦います。
まず,各プレイヤーは個人で賊狩りや採集を行い,全6種の「鏡片」を集めて,「仙鏡」の復元を目指します。仙鏡は部隊能力を向上させる個人効果を備えていて,最大3つまで同時使用できます。
そしてこの仙鏡を軍団内で一定数獲得すると,軍団に「神仙鏡」が完成し,発動できるようになります。仙鏡と神仙鏡の効果は同時に受けられるので,これらの組み合わせを軍団ごとに追求してみてください。
4Gamer:
今回も洛陽争奪が目標の軍団戦ですか。
伊藤氏:
そうです。シーズンはいつもの3期制で,各期で順位を決めます。2期以降は「官位」が分かれて,各軍団は官位ごとに決められた都市で争ってもらいます。適正戦力で分けるゾーニングですね。
ここ3シーズンは軍団戦が連続していますが,勢力戦についてはあり方を考えなければと思っているので,改善に期待していてください。
三国志テーマだからこそ,ズラさない意志
4Gamer:
ここからは新要素のお話です。
まずはLR武将について,9月1日から「諸葛亮」「司馬懿」が登場していますが,加えて新武将「徐庶」「周泰」も提供されるようで。
伊藤氏:
皆さん,8月の「王翦」でにぎわっているかと思いますが,どうにか4周年らしい武将をと思って準備してきました。
諸葛亮と司馬懿に関しては,UR版のアップグレードを加味しつつ,三国志を代表する2人として,現環境における知力系武将のなかで最高峰の性能になるよう仕上げました。
4Gamer:
では,徐庶と周泰はいかがでしょう。
伊藤氏:
徐庶はUR版と同じく,蜀から魏に渡ったという背景を踏まえて,両勢力の武将と合わせられる汎用性を意識して設計しています。一番の特徴はUR版と同じく「自身が受けた能力弱化効果を,2倍して強化に転じる」効果で,わざと相手の戦法を受けてからの逆転を狙うことができます。
周泰のほうは呉の武将との組み合わせを意識した,高い物理耐久を持つ歩兵武将です。新状態変化「窮策(キュウサク)」により,敵の猛攻を耐えつつ一発逆転を狙えるポテンシャルを秘めています。
4Gamer:
徐庶は日本人人気が高いですよね。境遇がこうグッとくる的な。
伊藤氏:
蜀の軍師でありながら,曹操に母親を人質に取られて魏に行くものの,劉備には諸葛亮の存在を教えるなど,身の振り方がいいですよね。
4Gamer:
一方,周泰はこれはもう完全に「真・三國無双」の影響でしょうが,刀の居合使いっていうイメージが板に付きすぎましたよね。
ほかの三国志テーマの作品,あるいはコラボでも,劉備・曹操・孫権あたりはパブリックイメージの範疇で共通していますが,周泰などは無双チックな装いでデザインしているものも少なくなさそうで。
伊藤氏:
史実とはまるで違うんですけどね。
三国志だと,孫策の時代から呉で頭角を現して,孫権に重用されてからは命がけで彼を守り抜いた名将ですが,ビジュアルのイメージは確かに,無双シリーズの印象がひとり歩きしているかもしれませんね。
4Gamer:
最新作ではどうなっているものか。
続いて,新規UR「張春華」「曹真」はいかがでしょう。
伊藤氏:
張春華は司馬懿の配偶者のため,守りを得意とする司馬懿との組み合わせでシナジーを高められるような調整にしています。
曹真のほうはシーズンURで,駐屯中の機動力を上げつつ,高火力の戦法攻撃をたたき出すコンセプトになっています。
4Gamer:
曹操にひも付く曹家って,次点で知名度を誇るのは曹丕なのかなと思います。次が曹真か曹仁な感じだとは思いますが,ここで1つ。
覇道はコンシューマのナンバリングタイトルと同様,歴史上の活躍や知名度をベースに能力値を付けているかと思いますが,「曹操より曹真がメタで強い」みたいな。対戦ゲームでよくある,格と強さを一致させない調整といった方法論は今も考えていないのでしょうか。
伊藤氏:
基本的にはなしです。三国志題材のゲームでは,各人物の「イメージを崩さない」ことが大事だと考えています。
もちろん,ときには予期せぬ組み合わせが想定外の力を発揮するといった状況も生まれますが,そこは不具合でない限り,プレイヤー側が考えて楽しむ余地であるべきなので問題ありません。ただ,設計段階で意図して「劉備より廖化を強くする」といったことはないです。
なにより,それをするとお客さんの期待を外してしまうというか,単純に誰も求めていない方向性になりかねませんからね。
4Gamer:
確かに。自分で言ってて「違うだろ」ってなりそうな。
伊藤氏:
やっていいのは,それこそ1人用の「三國志」シリーズでしょう。「三國志8 REMAKE」を廖化でプレイして,成長要素を使って最強にするみたいな遊びは,個々人でやるならすごくいいと思います。
けれど,覇道でやったらおそらく皆さんに怒られてしまうので,そこは崩さないよう,三国志の印象に準拠しています。
4Gamer:
なるほど。今月のそのほかのアップデートはどうでしょう。
伊藤氏:
1日2回,12時から14時と18時から20時までにログインすると,軍令書回復と銅銭をもらえる「政務助成」ですが,従来は取り逃したときに購入費用がかかっていたところ,今後は“次回の配布時間がくるまで無料で受け取れる”ように仕組みを見直しました。
これについては公式生放送でもたくさん意見をもらっていました。人によってはゲームにログインできる時間も限られているでしょうし。そのため,提供から4年経っての今ではありますが,プレイヤーの皆さんの利便性を考えてこの機会に改修することにしました。
4Gamer:
プレイヤー側からするとログイン時間の縛りが減ったことで,単純に気楽になれてうれしい改善かと思います。
伊藤氏:
それと,攻城戦の参加時に“前回の攻城戦以降,任意遷都令を使用していた場合は無料で1枚配布”という新システムを設けました。
こちらは単純に,攻城戦のたびに遷都していると遷都令が足りなくなって軍団行動に差し支える,といった問題を解決するためのものです。ひとまずはこの使用と回収のサイクルを試してみようと思います。
4Gamer:
あと「低レベル施設の強化時間短縮」は初心者の体験速度に関わりそうですが,どれくらい短縮化されるのでしょう。
伊藤氏:
そちらは初心者が上級者により追いつきやすくするための改修で,具体的には“アジア圏で配信している繁体字版と同じ速度”になります。変化があるのは施設レベル35あたりまでで,そこまでの内政などで求められる要求時間が,早いものなら「3時間から5分に」なったりします。
4Gamer:
となると,今後は初心者の成長がかなり加速しそうな。
伊藤氏:
初心者サーバーでの体感はかなりサクサクになるかと思います。
ただ,施設レベル35あたりからは変わりがないので,あくまでスタートから軌道に乗るまでの速度が高まっているだけと考えてください。
4Gamer:
開発内にはアップデートや不具合の対応リストがあるかと思いますが,4周年の現時点で,残りの項目はどれくらいあるのでしょう。
伊藤氏:
今はもうけっこう潰せていて,新しい要望がきたらそれを直接検討できるような運営状態になっています。先月の生放送で触れたことの対処を,翌月の生放送で報告できることも増えましたしね。
皆さんも日々のプレイで思っていること,感じていることがそれなりにあると思うのでぜひ教えてください。順に検討していきます。
4Gamer:
いい意味で対応にも余裕が出ていそうですね。
そうした運営の安定化はおそらく念願だったかと思いますが,実際に環境が整ってきた今,日々の業務も楽に感じるのでしょうか。
伊藤氏:
楽ではないですね。「毎月なにかしらしないといけないプレッシャー」からは解放されませんから。不具合報告が少なくなり,ゲームの改善と変化に目を向けやすくなったぶん,「さて,どうしようか?」と思案するレベルも高まってきている実感があります。
遊んでくれている人たちにマンネリを覚えさせるのはダメですが,安定して動くようになったものを無理に変えようとすると,また違う問題が生じる。今後は変化の幅とバランスがより試されていきそうです。
4Gamer:
うむむ。改善だけ見つけるのも難しそう。
伊藤氏:
そうですね。それでも新しいシーズンイベントや武将だけではなく,毎月の「そのほかのアップデート」もあまり気が抜けないわけです。
堅調だからといって甘えない
4Gamer:
今回のサーバー動向について教えてください。
伊藤氏:
今回は新サーバー16と新サーバー17を「新16+17サーバー」に統合します。それとS33を新サーバー18として,初心者サーバーS35を新設。サーバー間移動の予約方式は今まで通りです。
4Gamer:
今回も大きな変化はない感じですね。
伊藤氏:
ただ,最近は「サーバー名称」がよく分からなくなってきている人も多そうです。どこかで直したい気持ちはあるんですけどね。
4Gamer:
ああ。名称がバラバラだと。
伊藤氏:
本当は刺史サーバーのあと,州牧サーバーと名付けていくとかも考えていたのですけど(三国時代の官職名つながり),使う機会がなくなってしまい,ゴチャゴチャした感じになってしまいました。
4Gamer:
初心者が見たら,不思議には思いそうな。
伊藤氏:
たぶん分かりづらいでしょうね。S35の前にもS34とS33しかなくて,ほかのサーバーも命名規則から違っていますし。
ただ,変えるとそれはそれで既存プレイヤーさんほど「あのサーバーどこだっけ?」となり,サーバー移動時にミスが生まれかねないので,安易に名前を整理するのも難しいんです。
4Gamer:
寄せ鍋でも具材ごとの味は分かってますしねえ。
続いて,4周年記念キャンペーンの内容はどうでしょう。
伊藤氏:
目玉は「4周年記念ログインボーナス」で,期間中に一定期日ログインしてくれた方々に“過去のLR武将・名宝を1つ選べるアイテム”をプレゼントします。取り逃した武将にするか,星を伸ばしたい武将にするか。自分なりに選んで受け取ってください。
4Gamer:
対象のLRの実装範囲はどのあたりまででしょう。
伊藤氏:
半年ほど前に実装された武将まで,という線で準備しています。最新のものまで対象にすると,それを自力で手に入れてくれた人の優位性が損なわれてしまうので,そこを回避するためにです。
このほか「4周年記念 名士紹介人来訪」や「4周年記念交換所」,さらに「4周年記念 還元キャンペーン」を開催します。
還元企画では期間中,周年パックを買っていただいた方々に抽選権を付与して,応募者のなかから抽選で覇道グッズを贈呈します。今回はロゴやゲーム内のモチーフがあしらわれたヘッドホンやモバイルバッテリー,バスローブなど,こだわりの景品を用意しているのでご期待ください。
4Gamer:
周年日にはオフ会も開催されるんですよね。
伊藤氏:
ええ,9月15日に行います。会場にはいつもの生放送メンバー4人が参加して,36名の来場者とディープなお話をできればと思っています。
4Gamer:
36名はどんな基準で選ばれた人なのでしょう。
伊藤氏:
基本は抽選ですが,参加者の所属サーバーがある程度ばらけるようにしたり,同じ軍団からは何人も呼ばないようにしたりして,そのうえでランダム性を加味して選出させてもらいました。
それと申し訳ありませんが,新規プレイヤーの方々はあまり多くは招いていません。単純な話,オフ会は凝縮された少人数での実施のため,プレイ日数があまり経ってない人はおそらく,現地での話題や周囲のベテランとの会話についていけない恐れがあるためです。
4Gamer:
空気感が容易に想像できますので,致し方なしかと。
ついでに,覇道の周年と言えば「東京ゲームショウ」がやってくる9月ですが,TGS 2024の御社ブースはどんな感じですか。
伊藤氏:
今年の目玉はやはり「真・三國無双 ORIGINS」と「FAIRY TAIL 2」のプレイアブル出展です。「三國志8 REMAKE」については映像出展ですが,ノベルティとして特製“孔明扇”を配布します。
当の「三國志 覇道」については大々的な出展はありませんが,ブースでゲーム画面を提示してくれた人に「極求賢札×5枚のシリアルコード付きカード」を贈呈します。「信長の野望 覇道」も同じような施策をやるので,皆さんぜひ足を運んでください。
4Gamer:
今年も行くだけでお得なやつですね。
伊藤氏:
ちなみに,カードのデザインは「趙雲」「呂布」「孫尚香」の3種類で用意します。趙雲と呂布は現環境を代表しての選出ですので,好みの軍配がどちらに上がるのかはちょっと気になっていますね。
まあ,彼らより先に孫尚香がなくなるかもしれませんが。
4Gamer:
「カードはなくなり次第〜」の注記が必須で。
しかし「真・三國無双 ORIGINS」にはとても期待しています。
伊藤氏:
ゲームの手触りも一新されているであろうことは,先日お披露目したトレイラーを見てもらえれば分かるかと思います。
主人公がシリーズ初のオリジナル武将という立て付けもそうですが,なにより敵兵士の表示数がものすごいことになっています。
4Gamer:
20年前とかに開発陣が夢見ていたであろう光景ですもんね。私はとくに「BLADESTORM 百年戦争」が好きだったので,軍勢感がたまらない。
伊藤氏:
懐かしいですね(笑)。
覇道チームは昨今,メンバーの顔ぶれもだいぶ若返っているので,そのあたりの時代のゲームのことは知らない人も多いかもしれません。
4Gamer:
逆に言えば,人員をうまくサイクルできているわけですよね。
伊藤氏:
そうですね。それにただ若いスタッフというわけではなく,最初に言ったとおり,今では私のほうが彼らに頼って任せられるチームになってきているので,そこも4年の変化をしみじみと感じるところです。
4Gamer:
それではここで,「シブサワ・コウ」ブランドのブランド長としても,現在のビジョンをお聞かせください。
御社は「三國志 覇道」のリリースから先,モバイルゲーム市場でも存在感を確立し,近年では「信長の野望 覇道」や「信長の野望 出陣」を送り出して,モバイル領域の領地も盤石なものに変えられたかと思います。その一方,「三國志8 REMAKE」のようにコンシューマ展開も欠かしてはいませんが,旧来の「三國志」および「信長の野望」のシリーズナンバリング展開については少々間が開いている。
モバイルゲームで成功しているからこそ,今後はどうなのか。端的に言って「片方に比重が高まっていく,傾倒していく」といった動きも想像できる今,ブランドの展望はどうなのか教えてもらえますか。
伊藤氏:
今おっしゃられたように,「シブサワ・コウ」ブランドは現在,モバイルゲームが好調に推移している状況にあります。人員としても全体の3分の1のスタッフがこれらに関わっている状態です。ブランドのミッションも「アプリを成功させる」というのが長らく至上命題でしたので,モバイル展開には今後も注力していくかと思います。
ようやく4周年といった「三國志 覇道」としても,理想は「パズル&ドラゴンズ」や「モンスターストライク」のように,目指すべきところは10年以上続く定番のゲームアプリになることです。
しかし,堅調だからといってこの先もずっと安定して続けられるといった考え方はしていないので,ゲームを支えてくださっているプレイヤーの皆さんの思いに応えられるよう,アップデートのみならず,新たな楽しみはこれからも創造していきたいと思っています。
4Gamer:
そもそも,モバイルゲームでの成功を狙った理由とは。
伊藤氏:
最大の想定として,「三國志」も「信長の野望」も古くからのファンは高年齢に突入していますので,そうした方々がゲームを遊ぶとき,近年はコンシューマゲーム機よりもスマホゲームのほうが気軽により遊んでいただけるだろう,と考えてのことです。実際,覇道はそうして遊んでもらえている感触があり,今につながったのだと思っています。
そのうえで,「三國志」シリーズは当社の歴々のスタッフたちが積み重ねてきた作品群があり,その功績のおかげで今も私たちが糧を得られているという状況に違いはないため,ただ消費することはせず,各方面の期待に応えられるよう,常に新しいことを積み上げていくつもりです。
4Gamer:
(この数時間前に)PS5も値上がりが発表されましたしねえ。
定価がPSX(2003年12月発売のPS2機器)に追いつく勢いで。
伊藤氏:
昔で言う“コーエー価格”みたいな値段差でしたね。
ただ,最近はPCゲーム市場も活況ですし。
4Gamer:
Steamなどダウンロード版の販売が大盛況ですね。
伊藤氏:
昔は「三國志」も「信長の野望」もPCパッケージを主力にして作っていましたが,今はパッケージ版に加えてダウンロード版の販売も主力になりつつあります。そこは当社にも追い風になりましたが,今後の戦い方もちゃんと考えなければなりません。
両作は近年,コンシューマのナンバリングタイトルとしては新たにやれることを,これまで以上に模索しなければならない時期のため,昔のようなスパンでは提供できていませんが,まずは肝いりの最新作「三國志8 REMAKE」で,2024年の進化を感じてみてください。
4Gamer:
シリーズで一番遊んだのが「三國志VIII」なのでぜひとも。
それでは最後に,4年間の総括と,5年目の意気込みをお願いします。
伊藤氏:
この4年間は本当にいろいろなことがありました。先ほど言ったようにチームメンバーも代替わりで若返りして,なかには4年前のサービス開始当初のことを知らないスタッフもいます。ただ,そういったなかでも覇道イズムのような精神は脈々と受け継がれていて,しっかりと保てていることは,自分としてもうれしく思っています。
もちろん,運営が落ち着いてきたといっても,たびたびの不具合でプレイヤーの皆さんにご迷惑をおかけしています。そこは本当に申し訳なく思っています。同時に,不具合が減ってきたからこそ「最近はお詫びがもらえない」と思っている人も増えてきていることでしょう。
不具合はできるだけ出さないよう心がけますが,もしあったら「しっかりお詫びします」ので,今後ともお付き合いいただけると幸いです。
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(C)2020-2023 コーエーテクモゲームス All rights reserved.
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