「Path of Exile2」大型アップデート「Dawn of the Hunt」では，新クラス「ハントレス」や，自分の武具を強化できる新アセンダンシーが登場

　「Path of Exile 2」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / Mac）では2025年4月5日4：00に大型アップデート「Dawn of the Hunt」が配信される。3月28日にWeb配信「GGGライブ」が行われたが，これに先立ってメディア向けのオンラインブリーフィングが行われたので，その内容をお伝えしていこう。
　槍を使って遠距離と近距離の両方で戦える新クラス「ハントレス」や，自らの武器防具を強化できる新アセンダンシーの登場で，プレイ環境に大きな変化が加わる。

遠近ハイブリッドの新クラス「ハントレス」や，自分の武器防具を強化できる新アセンダンシーが登場し，新たな戦いが始まる

　敵との戦いとアイテム収集，キャラクターの成長を楽しめるアクションRPGが「Path of Exile 2」だ。2024年12月に早期アクセスがスタートし，多くのプレイヤーたちがハックアンドスラッシュの沼にドップリと浸かっている。

　4月5日4：00には大型アップデート「Dawn of the Hunt」が実装され，新クラスであるハントレス，5つの新アセンダンシー，25の新スキルに100以上のユニークアイテム，100以上のサポートジェムが登場する。
　なお，オンラインブリーフィングは英語版の動画をもとに同時通訳が行われたため，クラスやアセンダンシー，スキル名について日本語版での正式名称は不明だ。本稿ではクラスやアセンダンシーについては既存の日本語版に倣って英語の発音をカタカナ表記している。スキル名はカタカナのものと日本語訳したものが混じっているため，アルファベットとしている。


　ハントレスは実装が暗示されていた新クラスだ。自分の村を守るためにスキルジェムの力を使ったことで追放されてしまった女性である。彼女の武器は槍で，突いて近距離の敵を攻撃することも，投げて遠距離攻撃することも可能だ。
　いわば近距離と遠距離のハイブリッドだが，このユニークなコンセプトを象徴する技が「Whirling Slash」である。ハントレスの周囲に渦を作り出して攻撃するもので，渦は敵の目をくらませる能力を併せ持つ。また，ハントレス自身が渦を離れると竜巻と化して飛び，周囲に反射しつつ攻撃する……と1つの技がさまざまに活用できる。


　槍の投擲にはエレメンタルのパワーを乗せられ，稲妻が敵のあいだを飛び回ったり，突き刺さった場所で時間をおいて爆発し，範囲内の敵を巻き込んだりする。竜巻と組み合わせることもでき，火の竜巻を作り出せたりするという。

　ハントレスは敵に槍を突き刺して流血させたり，モンスターと戦う中で手なずけたりすることも可能だ。手なずけたモンスターはコンパニオンとしてともに戦ってくれるが，連れていけるのは1匹のみ。ただ，モンスターを変えてもMODはそのまま維持できるため，良いMODを持つモンスターを探すのも重要であるという。


　特にユニークなのが「Parry」である。発動ボタンを押し続けることでハントレスはバックラーによる防御態勢を取り，敵の攻撃を受け流して反撃する。スキルの中にはParry後に使うものもあるそうで，バラエティに富んだ戦い方ができそうだ。

　今回紹介されたハントレスのアセンダンシーは「リチュアリスト」と「アマゾン」である。

リチュアリスト

　リチュアリストは動物を生贄として捧げ，疫病の力を使って戦う。敵の皮膚に腫物を作り出し，そこから腐敗した血をまき散らす「Corrupted Lifeforce」や，追加の指輪を装備してアミュレットのボーナスが上昇する「Unferled Finger」，モンスターの死体からMODを短時間拝借する「As the Whispers Ask」，自分の血を捧げて能力をアップさせる「As the Whispers Ask Demand」を使うことで，一味違った戦法を作れそうだ。

アマゾン

　狩りに優れるアセンダンシーがアマゾンで，「Elemental Infusion」ではチャージを消費して槍にエレメンタルの力を注ぎこみ，投げると爆発を起こす。また，エレメンタルダメージの分だけライフを吸収する「Mystic Harvest」など，使いやすい能力が揃っているという印象だ。

　また，既存クラスである「ウォーリアー」「マーセナリー」「ウィッチ」にも新たなアセンダンシーが追加される。

スミス

　ウォーリアーの新アセンダンシー「スミス」は，自分が装備する武器や鎧を強化する能力を持つ。特に面白そうなのが鎧の強化システムで，鎧のMODがすべて無効になる代わりに，自分が欲しい能力を付与できるという。通常のMODにはないような効果も付与できるというから，大きな可能性を秘めていると感じられた。

タクティシャン

　「タクティシャン」はマーセナリーの新アセンダンシーで，クロスボウを操る。「Right Where We Want Them」では敵の身体に矢を射こんで一切の行動ができないようにし，「Whoever Pays Best」は複数のバナーを設置，「Watch How I Do It」で自分の武器の攻撃力を味方に分け与えるといったマルチな活躍が可能だという。

リッチ

　そしてウィッチの新アセンダンシー「リッチ」は，自らがアンデッドと化して混沌と呪いの力で戦う。自らの魂をジェムに封じ込めて強化したり，呪った敵を倒して爆発させたりと，こちらも面白そうな能力が揃っている。

　また，100以上のサポートジェムと，100以上のユニークアイテムも実装される。これにより，ほぼすべてのベースアイテムにユニークが存在することになるという。なお，新たなユニークアイテムは中盤からエンドゲームにかけて出現するとのこと。


　マップにも新たなギミックが登場する。「アズメリのウィスプ」はマップ上をさまよう奇妙な鬼火で，プレイヤーから付かず離れずの距離を保つ。ウィスプに触れたモンスターはウィスプの種類に応じた強化を受けて危険な存在と化すが，こうしたモンスターを倒した数に応じて報酬もより豪華になるという。

　新たな7つのマップも追加される。足元で地形が作られていくものや，レアモンスターにエッセンスを投入する数によって強さと報酬が変化するものなど，さまざまな趣向が凝らされているという印象だ。

Rogue Exile

　中でもユニークなのが「Rogue Exile」という敵である。ストーリー的な背景は明かされなかったが，プレイヤーのライバルとなる疑似キャラクター的なNPCであるようだ。彼ら12人はモンスターよりも賢いうえにそれぞれ個性を持ち，こちらの攻撃をローリングで避けるなど，機敏な動きを見せる。その戦いは通常よりもアクション性が高いPvP的なものだ。
　そしてRogue Exileは新アイテムを身につけており，何を装備しているかによって彼らの能力や戦いの様相が大きく変化するそうだ。


　そしてアトラスマップにも5つのユニークマップが追加されるほか，全体的に報酬がアップするなどの改善が加えられているという。塔の数はこれまでの1/3になるが，それぞれの石板には「従来の2倍となるメカニクスが搭載される」ため，その影響はよりパワフルなものになるそうだ。なお，石板の効果がアップするのか，石板に付与される効果の数が増えるのかは不明である。


　また，プレイヤーから寄せられた「ウェイストーンの維持が大変である」「デスペナルティがきついのでピナクルボスと戦いたくない」という声に応えた調整も行われている。
　開発チームは「キャンペーン中は死にながら学習できるものの，アトラスマップでは死ぬとウェイストーンや経験値が失われるなど，ペナルティが非常に重いものとなっている」と現状を認識しているという。
　「高難度コンテンツで慎重に立ち回って欲しい」というコンセプトではあるが，ミスを許容するキャンペーンからの変化があまりにも急すぎたと感じているそうだ。


　そこでアップデート後は，アトラスマップでやられても同じ場所から6回まで再開できるようになった。ただ，その回数はウェイストーンにMODを追加するごとに減っていく。リスポーン回数を確保する安全策を採るか，逆にリスクを冒すかを選べるようになったわけだ。
　そして，ボス戦ではリスポーンの仕様がピナクルボスと同様のものとなり，マップのオーナーはパーティの全員を同時に復活させられる。そして，ピナクルボスに倒されても経験値が減らなくなったという。


　「Dawn of the Hunt」リーグもスタートする。ゲーム内経済や低レベルからのゲームプレイなど新鮮な体験をしたければ，こちらの新リーグがおススメとのことだ。

　この日はクリエイティブディレクターであるJonathan Rogers氏にインタビューを行っている。アクションRPGのアップデートは新コンテンツの追加とQOL向上，低レベル帯の変化とエンドコンテンツの追加といった普遍的なテーマを持ち，さらに「Path of Exile 2」では前作のアップデートも両立しなければならない。
　こうした状況下における「Path of Exile 2」の運営理念について聞いているので，興味のある人はそちらも合わせてチェックしてほしい。

「Path of Exile 2」公式サイト