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インタビュー
[インタビュー]「オーバーウォッチ 2」ルートボックスは購入不可。ヒーローBANは投票制で「お気に入りヒーロー」をアピールする仕組みも
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オーバーウォッチ 2:スポットライトの配信前日に,Blizzard Entertainment本社で新コンテンツの先行体験や各種アップデートに関するインタビューがメディア向けに実施された。
本記事では,シーズン15以降のライバル・プレイをトピックに,「ヒーローBAN」や「ルートボックス」などについて,Sr. Systems Designer(シニアシステムデザイナー)のGavin Winter氏に国内メディア合同で行ったインタビューをお送りする。
「オーバーウォッチ 2」,戦況を変える「パーク・システム」や購入フェーズありの3人称視点モード「スタジアム」などを発表
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Blizzard Entertainmentは本日(2025年2月13日),「オーバーウォッチ 2」で2025年に実施予定のアップデートを紹介するイベント「オーバーウォッチ 2:スポットライト」を配信した。戦略の幅を広げる「パーク・システム」や新モード「スタジアム」など,これまでにない大規模なものとなっている。
[インタビュー]「オーバーウォッチ 2」,大規模な新要素「パーク・システム」は戦略だけでなく,ヒーローのストーリーにも深みを与える
![[インタビュー]「オーバーウォッチ 2」,大規模な新要素「パーク・システム」は戦略だけでなく,ヒーローのストーリーにも深みを与える](/games/484/G048450/20250214041/TN/008.jpg)
Blizzard Entertainmentがサービス中のチーム対戦FPS「オーバーウォッチ 2」のシーズン15では,戦況を大きく変える「パーク・システム」が導入される。ヒーローの能力を引き上げる新要素について,先行体験したプレイレポートとリードゲームプレイデザイナーへのインタビューをお届けする。
なお,本記事に掲載している情報は,執筆時点におけるアップデート予定であり,正式に実装される内容とは異なる可能性がある。
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――来シーズンからのライバル・プレイで変わる点や,注目して欲しい点を教えてください。
Winter氏:
まず,ライバル・プレイは,ランクのリセットを行います。これまでもシーズン9とシーズン12で同様のリセットを行っていますが,今回のリセットはやや大規模なものを実施予定です。
番組で私が話したものだと,ヒーローBANが登場します(※シーズン16に実装予定)。
これはライバル・プレイ専用の新機能で,最大4人のヒーローをBANできます。各プレイヤーは使用されたくないヒーローを3人選び,各チームの投票結果で上位2人のヒーローがそれぞれBANされます。
また,マップ投票もライバル・プレイ専用の機能として登場します(※シーズン17に実装予定)。
現在のシステムは,ロビー全体でもっともプレイ回数が少ないマップが選ばれる仕組みです。
マップ投票では,最近プレイしていないマップの中から選択肢が提示され,プレイヤーはそれに対してプレイしたいマップを選びます。
さらに,ライバル・ダスト(ライバル・プレイでもらえるポイント)で交換できる武器にギャラクシー武器が追加され,ジェイド武器はレガシー・ライバル・ダストで交換可能になります。
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また,プラチナ以上のプレイヤーには,武器チャームを配布予定です。
シーズン15をプラチナ以上のランクで終えると,シーズン16で武器に装着できるチャームがもらえます。これは称号と同様に1シーズン限りの報酬で,そのランクを維持できなければ失います。
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あとは,ルートボックスを再び導入します。ゲーム内のチャレンジや,バトルパス(無料版および有料版)の報酬で獲得可能です。
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それから,最高ランクの調整も予定しており,マスター以上のランクにより多くのプレイヤーが到達できるようになります。
今回のランクリセットで,これまでよりも高いランクに到達できる可能性が高くなるでしょう。
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――ルートボックスは,今回復活するにあたって,何か変更を加えましたか。
Winter氏:
ルートボックスで一番特徴的なのは,購入不可という点です。ルートボックスは,プレイによる報酬として獲得するものになります。
排出アイテムは,すべてのショップアイテムから,バトルパスの報酬と最新シーズンのものを除いたものが対象です。
また,重要な変更点として,アイテムの重複をほぼ排除しています。もし特定カテゴリのアイテムをすべて所有しているなら,重複する可能性がありますが,その場合は,コインではなく追加のルートボックスと交換できる通貨がもらえます。
アイテムをすべて引き終わったら,ルートボックスは,次のシーズンまで取っておいてください。
――現在OWCSでは,戦略的なヒーローBANを導入していますが,今後実装される一般向けのヒーローBANはどのような違いがありますか。コンセプトなどを教えてください。
Winter氏:
OWCSとはかなり異なるシステムです。大きな特徴は,スピーディーな選択プロセスを重視している点です。
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一般的なBANシステムは,チームが交互にBANを選択します。しかし,今回のシステムは一番BANしたいヒーローを第1希望から第3希望まで投票し,その結果をもとに1回のフェーズでBANを完了します。
このシステムは,BANされるヒーローの数を変更するなど,バックグラウンドの調整が行いやすく,プレイヤーのフィードバックをもとに柔軟に変更を加えられる特徴があります。
――ヒーローBANでは,「自分が使いたいヒーロー」を味方にアピールできるシステムは用意されていますか。
Winter氏:
実は,その機能も組み込まれています。プレイヤーは,BAN投票前の時間で,お気に入りのヒーローをアピール可能です。
ただし,デメリットとして,プレイしたいヒーローを表明すると,チームメイトが(からかい半分で)そのヒーローをBANしてしまう可能性もあります。
そのため,お気に入りのヒーローを表明するかは,完全にプレイヤーの選択に委ねられています。
――バランス調整は,トップ500やライバル・プレイのデータを基準に行われているのでしょうか。
Winter氏:
私はヒーローチームに所属していないのですが,ときどきミーティングなどに参加していますので,わかる範囲でお話します。
ヒーローチームは多くの要素を考慮して調整を行っており,各ヒーローの勝率を異なるランクやプラットフォーム別に分析しています。
高ランク帯だけで強すぎる場合もあれば,低ランク帯だけで強すぎる場合もあり,どちらの理由でもナーフを検討します。
また,プラットフォームによる違いもあり,コンソールではPCより強力なヒーローもいます。
プレイヤーの感想も重要な要素で,勝率がそこまで高くなくても,対戦するのがストレスフルなヒーローについては,それを理由にナーフすることもあります。
私たちも実際にゲームをプレイしているので,バランスや操作感について,データだけでなく,自分たちの見解も持っています。
これらデータ分析の結果やコミュニティの意見,開発チームの見解という3つの要素が,主な判断基準です。
――(コミュニティの意見でナーフされたのは)ハザードとかでしょうか。
Winter氏:
はい。新ヒーローは,勝率が50%をやや上回るような,安全圏なレベルに調整することを心がけています。
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新ヒーローの場合,プレイヤーはまだ使い方を理解していないので,上手くプレイできません。そのため,勝率が50%を下回ってしまうと,「このヒーローは弱すぎる」と判断して使わなくなってしまいます。
少なくとも新ヒーローを試してもらえるように,やや強めの設定にしています。
今後も,新ヒーローについては,ハザードと同様のパターンで,最初は「弱すぎる」という意見が出て,そのあと「強すぎる」という意見に変わり,そこでナーフを実施することが予想されます。
――ランクシステムに関する開発で難しいところは,どこでしょうか。ランクシステムの構築なのか,それともマッチメイキングシステムなのか,何か難しいポイントがあれば教えてください。
Winter氏:
オーバーウォッチでとくに難しいのは,ヒーローの性格が大きく異なる,というところです。
たとえば,ウィドウメイカーとトレーサーは,大きく異なるスキルが必要です。
Call of Dutyなどは,キルデス比などの指標を使ってパフォーマンスを正確に判定できますが,オーバーウォッチでは,キルデス比などは意味のある指標ではありません。
ヒーローごとにまったく異なる役割や動きをする中で,パフォーマンスを正確に判定するのは非常に困難で,オーバーウォッチにおける大きな課題となっています。
――ゲーム内で,スキルの詳細情報を確認できるアップデートを予定していますが,どのように表示されるのでしょうか。
Winter氏:
ヘルプ画面(PCではF1キーを押した時に表示されるもの)に,機能の追加を予定しています。
現在のスコアボードには,ほかのプレイヤーの音声をミュートしたり,音量を調整したりする機能が追加されていますが,それと同様の操作性になります。
ヘルプ画面を開いている時に,マウスカーソルをヒーローのアビリティに合わせると,ダメージ量やクールダウン時間,射程距離など,追加の情報が表示される予定です。
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――6v6のライバル・プレイを開催予定ですが,モード選択画面のどこに追加される予定でしょうか。
Winter氏:
6v6に関して,多くのテストを実施していますが,プレイヤーの意見が一致するような,みんなが楽しめるバージョンを見つけられていません。
メインモードとして配置されるかどうかは,リードデザイナーの権限にあたる非常に重要な決定です。私の判断できる範囲を超えていますが,まだ検討段階だと思います。
現在も両方のモードを運用しながら,収集したデータの分析を行っています。2-2-2に戻した場合のキュー時間など,考慮すべき潜在的な問題が多くあるため,何が最善かを慎重に検討している段階です。
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――ランクシステムの担当者目線で,パーク・システムはライバル・プレイにどのような影響を及ぼすと考えていますか。
Winter氏:
パーク・システムで新しいスキルセットが必要になるので,今回ランクリセットを実施します。
たとえば,上手いプレイヤーはすべてのパークを記憶し,射撃の合間にすばやくボタンを押して,左右の選択肢を即座に判断でき,より優位に立てます。
新システムの導入により,「オーバーウォッチの上手さ」という定義が変化し,パーク込みのスキルを発揮できるプレイヤーはランクが上がり,順応できない人はランクが落ちるでしょう。
――ポートレートが復活しますが,動画ではランクとディビジョンを示しているようでした。前作だとプレイヤーのレベルで外枠のデザインが変わっていましたが,今作ではヒーローごとのレベルがデザインに反映されることもありますか。
Winter氏:
ヒーロープログレッションについては,現時点でポートレートに反映されませんが,いつか実装してみたいと思います。
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オーバーウォッチを「2」に移行する時に,新しいUIエンジンを採用したため,すべてのUIを1から作り直す必要がありました。
ランクポートレートが復活するのは,今になってやっと作る時間ができたからです。
ヒーロープログレッションも含めて,いろいろな機能を追加していきたいです。
――ありがとうございました。
「オーバーウォッチ 2」公式サイト
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