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[TGS 2019]炎に漏電,バックドラフト。さまざまな困難を乗り越えて人命を救助するCo-opアクション「Embr」のプレイレポートを掲載
「Embr」公式サイト(英語)
MUSE GAMESの「Embr」は,火事をテーマとした一人称視点のアクションゲーム。最大で4人のマルチプレイに対応するが,会場で体験できるのはシングルプレイのみとのこと。火事のゲームといえば火を消すことを主目的としたものが多いが,本作における消火は,あくまで人命救助のための手段である。燃え盛る建物に閉じ込められた住人達を助け出し,安全なところまで運ぶのがプレイヤーの仕事なのだ。
「Embr」の特徴は,刻々と変化していく状況に対応するスリリングな体験,そして装備品を使いこなす面白さにある。
現場となる建物は燃え続けており,時間とともに建物の耐久力が減っていく。もちろん全焼させてしまうとゲームオーバーだ。そうなる前に突入し,住人達の元へと急ぐのだが,これがなかなか一筋縄ではない。行く手を阻む窓やドアは消防士のオノでブチ破れるが,炎が燃えているところを開けようものなら,バックドラフトが起きて大ダメージを食らいかねないのだ。
燃え盛る炎は放水機から水を噴射して消していく。だが放水機は手持ちタイプなので,水の量にも限りがある。なので,浴槽や水道といった水源を使って,適宜補充しなければならない。水に余裕があるからといって,コンセントのあるところで盛大にぶちまけるのも考えものだ。漏電が起こって部屋が電気のスパークに包まれてしまえば,ライフはどんどんと減っていく。電気地獄になった部屋の向こうに住民がいることもあり,なかなかに厄介なギミックとなっていた。
こうした事態が起きても,解決法が複数あるのが本作の面白いところだろう。配電盤やスイッチを探しだし,電源を落とせば安全は確保できる。あるいは問題の部屋が屋外に面しているなら,一度外へ出てから,窓を割ってスパークが及ばない場所から入る方法もある。時間に余裕があるなら前者,そうでないなら後者が適切だろう。
首尾良く住人を見つけたなら,引っつかんで屋外の安全地帯まで運んでやらなければならない。しかし,来るときには安全だった場所も,帰る時には炎で包まれていることがある。これが上層階の階段だったりすると,なかなかのピンチである。
そんなときに役立つのがトランポリンだ。トランポリンはどこにでも置けるため,庭などに予めセットしておけば,危険な場所を通ることなく飛び降りて脱出できる。トランポリンの上に住民を安全に落とし,自分は現場へ戻るような使い方も可能だった。
なおトランポリンと同様,ハシゴもどこにでも掛けられるので,炎を避けて移動したり,ショートカットを作ったりと,地味ながら色々と工夫ができそうな感触だった。
ロープ付のかぎ爪を発射し,打ち込んだ場所へ移動できるグラップリングフックも面白い。ひさしや上層階の窓に使えば階段を行き来する手間と危険をなくせられる。移動の時間も短縮できるので,これも工夫のしがいがある。
なお現場に持ち込める装備品は,あらかじめ用意されたロードアウトから,出動前に選択するシステムなので,何でも自由というわけではない。グラップリングフックとハシゴで移動に特化したビルドや,自動散水デバイスを設置できるビルド,ブリーチングチャージでドアを破壊できるビルドなどがあったので,今回体験できなかったマルチプレイでは,お互いの役割を分担するのが攻略のコツとなりそうだ。
用途の想像しやすい装備品と高い自由度によって,予備知識のない筆者でも,咄嗟に工夫ができるのが楽しいと感じた「Embr」。今年後半からアーリーアクセスが開始され,正式発売は2020年の第3四半期を予定しているとのことあった。一足先に遊びたいなら,TGS 2019会場の9-A51にあるMUSE GAMESブースをチェックしてみよう。
「Embr」公式サイト(英語)
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Embr
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Embr™(C)2020 Muse Games. Licensed by Curve Digital Publishing Limited.