2023年8月6日,セガとColorful Paletteによるリズムゲーム
「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(
iOS /
Android 以下,プロセカ)のゲーム内にて,オリジナルユニット「ワンダーランズ×ショウタイム」(ワンダショ)による
コネクトライブ「ワンダーランズ×ショウタイム 1st STORIES」が開催された。全3公演の中から,本稿では14時から行われた第1公演の模様をレポートする。
コネクトライブは,ゲーム内で開催されるバーチャルライブとは異なり,フルバージョンの楽曲披露や豪華なステージ演出,公演によって変化するトークやユーザーから寄せられるメッセージへのリアクションなど,よりリアルにプロセカのキャラクターを感じられるライブステージだ。7月に開催された「25時、ナイトコードで。」に続く,今回のワンダショは5ユニット目,最後の登場となった。
さまざまなショウを一度に堪能できる
ワンダショ初のコネクトライブ
ライブの始まりを待ちわびていると,ワンダショの4人に加え,鏡音レンとMEIKOによる開演前のアナウンスが行われた。レンとMEIKOが4人を応援する微笑ましい一幕もあり,ここではユーザーのメッセージに対するリアクションなども行われた。
ワンダショのステージはテントの屋根や幕,飾り付けなど,サーカスのショウを思わせるデザインになっていた
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会場が暗くなると,いよいよ開演だ。「待たせたな!」と
天馬 司が開幕を宣言すると,演劇でも始まるかのようなブザーが鳴り響く。そして,明かりが点いたステージには
初音ミクと
KAITOの姿があり,ステージ中央には幕で囲まれた空間が出現した。
曲に合わせて,軽やかに踊るミクとKAITO。幕が上がると,そこにワンダショのメンバーの姿が現れた。
自己紹介ではそれぞれのメンバーに合わせて会場演出もまったく違うものが用意されていた
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全員で決めポーズ。「ワンダーランズ×ショウタイム 1st STORIES」の開幕だ!
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注目の1曲目
「ショウタイム・ルーラー」は,鏡音リンと共に披露された。ハイテンポでノリのいい曲なので,会場の熱気を高めるにはもってこいの選曲だ。観客側のアクションも多く,一気に会場の熱気が高まる。
ダンスはもちろん,全員がステージ中を動き回るので,見ているだけでも楽しくて引き込まれてしまう
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最初のナンバーが終わると,
神代 類の「お話の世界に出発しようか」というセリフで会場が暗転した。どういうことなのかと少し考えてしまったが,
鳳 えむの「これは,とある旅の一座の物語」という言葉から,すぐにその答えが分かった。今回のライブは1つのショウのように物語を演じる形になっており,この旅の一座は各地を巡って,人々に笑顔を届けていたのだ。
流れるように始まった演劇。寂れた遊園地にたどり着いた旅の一座が目にしたのは,壊れたメリーゴーランド,水の枯れた噴水,道具が散乱したステージだった
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寂れた遊園地を見て,このままでは先が長くないと感じ取るメンバーたち。するとそこに現れたのは,ミク扮する遊園地の妖精だった。どうやら普通の人には見えなかった妖精が,旅の一座には見えるらしい。
分かりやすく「しくしく」と言いながら現れた妖精のミクは,姿が見えていることに驚き,それを確かめるためにポーズをとる。とっさに同じポーズをする司はさすがだ
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ほかの人には見えないことを,草薙寧々が「幽霊かなにか」と発言すると,司とえむが怖がって隠れる一幕も
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妖精のミクによると,昔は遊園地に笑顔がいっぱいあり,ミクたちの姿も見えていたという。しかし,国同士の争いが起こったことでお客さんの笑顔がなくなり,その結果,ミクたちの姿も見えなくなってしまったそうだ。
このまま笑顔が戻らないと,ミクたちは消えてしまう。そんな話を聞いたところで,司が声高らかに「俺たち以外に適任はいない!」と決断。まずは笑い方を忘れてしまったミクにショウを披露して,笑顔を取り戻してもらおうと考える。
ショウの配役は司が座長,類が演出を担当。えむはピエロ,寧々は歌姫となっていた
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「にっこりを探しに行こう」というセリフで,次の曲はもうお分かりだっただろう
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2曲目は
「にっこり^^調査隊のテーマ」。頻繁に登場するセリフの小気味いいやりとり,明るい曲調が楽しく,ステージ演出もアイコンが多数登場する賑やかなものになっていた。元気に動き回るワンダショのパフォーマンスを見ていると,自然と笑顔になってくる。
みんなでやりたい「わんだほーい!」
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曲が終わると,壊れていたメリーゴーランドはきれいに修復され,妖精のミクも元気になった。「妖精さんのにっこり見つけちゃった」と笑顔のえむが眩しい。
元気になったミクから「仲間を助けてほしい」とお願いされる旅の一座。もちろん断る理由はない。一同はミクと別れて,水が枯れた噴水広場へ向かった。
噴水広場では,巡音ルカ扮する妖精が寝ていた。一度は目を覚ましたものの,自分ではみんなを笑顔にできないと諦めているようだ
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寝ているルカにショウを見せても伝わらない。えむは全力のわんだほいによる呼びかけで起こそうと提案し,類は囁くように声をかければ気になって起きるかもしれないと提案する。ここでコネクトライブ恒例となっている,ペンライトによる投票が行われた。
赤が「わんだほいで起こす」,青が「囁き声で起こす」
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投票結果の集計を行っている間,どうするかを悩んでいると,類が「むかしむかし,あるところに……」と昔話の冒頭を読み上げる。これには一同も驚きを隠せない。
即興でショウをすることに戸惑い,止めさせようとする司。しかし,類は止まらず「あるところに,おじいさんとおばあさんがいました」と続ける。その後を促された司は慌てながらも,類のプレッシャーに負けて続きを即興で披露した。
司が演じたおじいさんは,鬼ヶ島に鬼退治に行くという。どうやら,おじいさんは伝説の戦士だったようだ。展開が見えない物語の続きを託されたのは寧々。おじいさんの伝説を膨らませるかと思いきや,「それはそれとして」とすべて投げ捨てて,おばあさんと共に大きな桃を持って帰るという力技の軌道修正に出る。
だが,寧々は桃を持って帰った後,どうしていいかわからなくなってしまった。困っていると,えむが突然
「桃だよー!」と助け舟を出す。桃になりきったえむは,そのまま元気に成長して桃の男の子になりましたと発言。驚く寧々と司,それを見てこらえきれずに笑ってしまう類。何が飛び出すかまったく予想ができなくて,ユーザーも吹き出してしまうほどだった。
桃になりきったえむに対して,「桃のまま成長するの!?」と寧々。当のえむは「うおぉぉ! 元気桃!」と元気よく叫んでいた
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桃の男の子は桃太郎と名付けられ,寧々と一緒に鬼退治に行くことに。寧々は役柄ではなく,寧々として鬼退治に行くことに戸惑いを隠せないようだった。
しかし,戸惑う状況はさらに増えていく。桃太郎のえむが敵に囲まれている亀(司)を見つけてしまう。敵という単語に疑問しか浮かんでいない寧々を横目に,ストーリーテラーと化した類はどんどん話を進めていく。
ここで寧々が絞り出した行動は,敵に桃太郎のきびだんごを食べさせるというものだった。桃太郎が次々にきびだんごを敵の口に投げ入れていくと,敵(これも司)が全員味方になった。こらえきれず笑ってしまう寧々,笑いながらも物語を進める類,桃太郎になりきって語尾が「もも!」になっているえむ。そして,もはや何役なのかわからない司。ハチャメチャな物語は,みんな仲良く暮らしたというハッピーエンドで締めくくられた。
きびだんごを投げまくる桃の姿の桃太郎と,亀と敵をすべて一人で演じていた司
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桃太郎と,寧々と,亀と……あと誰だ? 類も把握できていなかったハチャメチャな物語だったが,最後は「めでたしめでたし」
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即興のショウが終わると,投票結果の発表だ。結果は青の「囁き声で起こす」に決定。すぐさま全員がルカを起こそうと,囁くように言葉をかける。だが,起きそうで起きない。最後は会場の全員で囁くように
「わんだほーい」と言葉をかけると,ついにルカが目を覚ました。
ルカと一緒に歌う3曲目は
「Glory Steady Go!」だ。魚をモチーフにしたような衣装に身を包み,元気よく海を泳ぐようなパフォーマンスで楽しさを感じさせる。ステージ演出も海らしさをイメージした気泡や魚群の泳ぐ様子,海中の光を思わせるライティングが印象的だった。
パフォーマンスが終わる頃には,枯れていた噴水は元通りになり,噴水広場もきれいになった。ルカは元気を取り戻し,安心して再び眠りにつく。今度は穏やかな寝顔だ。
最後に訪れたステージでは,これまた妖精に扮したKAITOが登場。人々から笑顔が失われたことで姿が見えなくなり,ステージのピアノも音が鳴らなくなってしまったという。KAITOは「取り壊してくれ」と半ば投げやりに言うが,もう一度ピアノが引きたいという気持ちはずっと持っているようだ。
「一緒にショウをしよう」と誘う司。それでもまだ踏み出せないKAITOに対し,司はあるピアノ弾きの話を始める。そのピアノ弾きは,追い詰められて心が折れそうな時,決まって星を見上げていた。
そして,司はKAITOに再び問う。すると,KAITOは力強く「ショウがしたい」と答えた。その言葉を待っていた4人は,KAITOと一緒に4曲目
「88☆彡」を披露してくれた。
星が光る静かな夜空で始まるステージは,サビに入ると明るく輝く星が増え,ステージを照らした
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ピアノの音色が特徴的な楽曲は,このステージにピッタリで,ピアノソロでは音が鳴らなくなったピアノが蘇ったようだ。それは司の「聞こえるか,このピアノの音が」というセリフからもしっかりと伝わってきた。
ピアノの音色が舞っているかのような演出や,駆け上がった大きな星が夜空に輝く演出など,エモさ抜群だった
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ステージが元通りになり,音が戻ったピアノ。KAITOも嬉しそうだ
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また,このステージでショウをしようと約束して,KAITOと別れた一同は,最初に訪れたメリーゴーランドに向かう。戻ってみると,遊園地全体がきれいな姿になっていた。さらに,遊園地を目指す人々の姿も見られ,きっと笑顔でいっぱいになる日も近いと確信する。
それでも少し不安を抱くミクに対し,司はショウを教えることに。旅の一座はもう少し,この遊園地に留まることを約束して物語はフィナーレを迎えた。
ワンダショが退場すると,モニターにはキャスト一覧が映し出された
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アンコールの声に応えて登場したミクとルカは,会場に手拍子を促し,ワンダショのメンバーを呼び込んだ。
アンコール1曲目は,司と類による
「KING」だ。シックな衣装に身を包んだ2人のスタイリッシュかつ,色気たっぷりなダンスと歌声がかっこいい。火花や鉄線,トランプといった演出やライティングなども決まっている。
続いて披露されたのは,えむと寧々,リンによる
「ポジティブ☆ダンスタイム」。打って変わって可愛さあふれるパフォーマンスが繰り広げられ,ライティングはとにかく明るく,星が飛んだり飛び出したりするキラキラな演出になっていた。
そして何より,この曲ではなんと
ネネロボが登場し,一緒に踊っていたのだ。これには来場者も大いに驚いたことだろう。
ステージを動き回ることはなかったが,腕を上下に動かしたり,足を上げたり,軽く跳ねたりするネネロボ。類の技術力の高さを感じずにはいられない。なお,登場時は上空から降りてきたが,帰るときはジェット噴射で飛んでいった。これも類が改造した結果だろうか
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歌い終わると,全員がステージに集合した。メッセージへのリアクションを返したところで,本当のフィナーレが近づいてきたが,その前に旅の一座がどうなったのか,少しだけ語られた。
旅の一座が遊園地に留まり,ミクにショウを教えたことで,少しずつお客さんの笑顔が戻り,ミクら妖精の姿が見えるようになった。こうして遊園地に笑顔を取り戻した旅の一座は,泣いている人を笑顔にするため,再び旅へ。寂しく思うミクに,ワンダショから最後の曲が贈られた。
最後は
「セカイはまだ始まってすらいない」。軽やかなリズムと希望も感じるが,ちょっぴりビターな歌詞のギャップが印象的な楽曲だ。メリーゴーランドのように回りながら踊るダンス,曲に合わせたステージ演出もふんだんに盛り込まれ,おもちゃ箱をひっくり返したような賑やかな空間が広がっていた。
ラストはミクに一座の名前を聞かれ,「ワンダーランズ×ショウタイム」と名乗って物語の幕が閉じられた
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今回の公演では,これまで以上に演出面のパワーアップが感じられた。ライティングやアイコンはもちろんだが,個人を対象にしたエフェクトが多く見られ,新しいコネクトライブの可能性を垣間見たようだ。
これで全ユニットがコネクトライブを経験したことになる。徐々に進化してきたコネクトライブを見ていると,次はどんなことをしてくれるのか,楽しみでならない。
最後はみんなで「わんだほーい!」。その後,退場までステージを回りながら言葉をかけていた
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コネクトライブ「ワンダーランズ×ショウタイム 1st STORIES」セットリスト
1 ショウタイム・ルーラー
作詞・作曲:烏屋茶房
天馬司・鳳えむ・草薙寧々・神代類・鏡音リン
2 にっこり^^調査隊のテーマ
作詞・作曲:じーざす
天馬司・鳳えむ・草薙寧々・神代類・初音ミク
3 Glory Steady Go!
作詞・作曲:キノシタ
天馬司・鳳えむ・草薙寧々・神代類・巡音ルカ
4 88☆彡
作詞:まらしぃ,作曲:まらしぃ,堀江晶太(kemu)
天馬司・鳳えむ・草薙寧々・神代類・ KAITO
<アンコール>
5 KING
作詞・作曲:Kanaria
天馬司・神代類
6 ポジティブ☆ダンスタイム
作詞・作曲:キノシタ
鳳えむ・草薙寧々・鏡音リン
7 セカイはまだ始まってすらいない
作詞・作曲:ピノキオピー
天馬司・鳳えむ・草薙寧々・神代類・初音ミク