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フロム・ソフトウェアの今後の展開,「FFVII」リメイクの次回作にも言及。PSアワード GRAND AWARD受賞作のメディア向けインタビュー
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印刷2024/12/04 15:45

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フロム・ソフトウェアの今後の展開,「FFVII」リメイクの次回作にも言及。PSアワード GRAND AWARD受賞作のメディア向けインタビュー

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントは2024年12月3日,「PlayStation Partner Awards 2024 Japan Asia」を東京都内で開催した。

画像集 No.001のサムネイル画像 / フロム・ソフトウェアの今後の展開,「FFVII」リメイクの次回作にも言及。PSアワード GRAND AWARD受賞作のメディア向けインタビュー

 このアワードはクリエイターたちの創作活動に敬意を表すとともに,PlayStationを盛り上げたバラエティ豊かなヒットタイトルを称えることを目的にスタートしたものだ。今回が通算30回目の開催となり,受賞タイトルは既報のとおり。

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 SIEは,「PlayStation Partner Awards 2024 Japan Asia」の受賞タイトルを本日(2024年12月3日)発表した。2023年10月から2024年9月までの期間中に発売され,全世界売上の上位3タイトルを対象としたGRAND AWARDには,「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」「黒神話:悟空」「FFVII REBIRTH」が選ばれた。

[2024/12/03 19:30]

 本稿では,GRAND AWARDを受賞した3タイトルのうち,「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」(フロム・ソフトウェア / バンダイナムコエンターテインメント)および「FINAL FANTASY VII REBIRTH」(スクウェア・エニックス)に関するメディア向けインタビューの内容をお伝えする。
 登壇者はフロム・ソフトウェアの宮崎英高氏,スクウェア・エニックスの浜口直樹氏である。

「PlayStation Partner Awards 2024」公式サイト



「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」

宮崎英高氏インタビュー


──今回のGRAND AWARDおよび「ELDEN RING」のPlayStation 4 Generetionsの受賞について,一言お願いします。

宮崎英高氏(以下,宮崎氏):
 本当にありがとうございます。とくにPlayStation 4 Generetionsは我々がいただいていいのかな,という思いが強いのですけれども,ユーザーの皆さんの投票結果ということで,本当にありがたくお受けいたします。

──「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」はDLCの枠を越えるほどのボリュームと密度で,ユーザーの遊び方も多彩です。そうした遊び方の中で印象に残ったものを教えてください。

宮崎英高氏
画像集 No.002のサムネイル画像 / フロム・ソフトウェアの今後の展開,「FFVII」リメイクの次回作にも言及。PSアワード GRAND AWARD受賞作のメディア向けインタビュー
宮崎氏:
 本編を含めて印象に残る遊び方はいろいろあって,すごく嬉しいです。一例を挙げると,いわゆるノーダメ攻略を楽しく拝見しているんですけれども,DLCだと「弾く硬雫」を使ったものがすごいなと。

──圧倒的な完成度とボリュームを誇る「ELDEN RING」本編にDLCを用意するという試みにおいて,最も苦労したポイントを教えてください。

宮崎氏:
 苦労したポイントはけっこうあるのですが,一番となると「ELDEN RING」本編のコンセプトである「冒険感」をどのように再現するのかというところです。結果として,DLCとしてはかなり大きなボリュームになってしまったのですが,その判断も一重に冒険感を再現するためです。

──1本のゲームに相当するボリュームといっても過言ではないDLCだと思いますが,単一のゲームとして販売することは検討しなかったのでしょうか。

宮崎氏:
 考えもしませんでした。もとからDLCとして計画されていたものですし,お話ししたように「ELDEN RING」本編のDLCとして冒険感を出すには,このくらいのボリュームが必要だろうと考えました。

──「ELDEN RING」本編の評価が高かったがゆえに,DLCに対するユーザーの期待値も高かったと思います。しかし,その期待を超えることで多くの褪せ人が影の地の冒険を楽しめました。期待以上の満足度を提供できた秘訣を,どう捉えていますか。

宮崎氏:
 一番は,繰り返しですがボリュームです。冒険感のために必要なボリューム,あるいは未知の部分など探索の要素をしっかり用意できたことが大きかったのではないでしょうか。その一方で,「ELDEN RING」本編のときもそうでしたが,DLCについても反省すべき点は多数あり,それらを真摯に受け止めて次に活かしていきます。

──ボリュームの大きさと言えば,マップの広さ,新武器や新戦技の豊富さが話題になりました。これはDLCの開発スタート時点から想定していたレベルだったのでしょうか。

宮崎氏:
 開発がスタートした時点で,「ELDEN RING」としての冒険感の表現のためには,これくらい必要だろうと期間やコストも最初から計画していました。そうでないと,DLCのリリースがこれだけ遅くなってしまったことを怒られてしまいますから。

──「ELDEN RING」本編,DLCは共に海外の人気が非常に高いですが,海外ファンならではの面白い捉え方はありましたか。

宮崎氏:
 ユーザーの皆さんの反応を考えるにあたって,国内や海外,あるいはアメリカ,アジア,ヨーロッパということ意識することはほとんどありません。むしろ「ELDEN RING」を含む,一連のフロム・ソフトウェアのゲームからは,どの国であれゲームを楽しむという点においては皆さん変わらないな,皆同じなんだなと感じることが多いです。自称ゲーマーとしてはそれがとても嬉しいですし,勇気づけられます。僕も含めて,皆ゲーマーという人種であるところに安心感を覚えます。

──「ELDEN RING」本編のマスターアップからDLCのリリースに至るまで,開発スタッフのモチベーションとなっていたものがあれば教えてください。

宮崎氏:
 スタッフに聞いて回ったわけではないので推測になってしまいますが,DLCは本編を楽しんでくださったユーザーの皆さんに感謝する気持ちで作ることが,一番大きなモチベーションになるかと思います。

画像集 No.003のサムネイル画像 / フロム・ソフトウェアの今後の展開,「FFVII」リメイクの次回作にも言及。PSアワード GRAND AWARD受賞作のメディア向けインタビュー

──「ELDEN RING」の今後の展開は,どのようにお考えでしょうか。あるいは新しいIPを展開するのでしょうか。

宮崎氏:
 現時点では「ELDEN RING 2」のような展開は考えていません。ただ過去に何度か言ってきましたが,「ELDEN RING」というIPの今後の展開を否定するわけではないということはお伝えしておきます。
 だったら何をするのかという話ですが,まだ発表されていませんから,この場でお話しできることはほとんどないのですけれども,フロム・ソフトウェアの社内では通常どおり複数のプロジェクトが走っています。バリエーションも多彩なので,ご期待いただければ幸いです。

──次回作はどんなゲームになるのでしょうか。ジャンルだけでも教えてもらえないでしょうか。

宮崎氏:
 お話ししたように,複数のプロジェクトが走っていてジャンルも多彩という以外のことはまだお答えできません。その中には私がディレクションするタイトルもあれば,私以外のディレクターが手がけるタイトルもあります。その意味では,いろいろな形で新しいゲームが出てきますので,ぜひご期待ください。

──「Demon's Souls」以降,フロム・ソフトウェアが世界のゲームに与えた影響は極めて大きいです。プレッシャーも多いかと思いますが,リラックスする方法があれば教えてください。

宮崎氏:
 たとえば家族と過ごしたり,アナログゲームで遊んだり,美味しいものを食べたりといったようなことですね。ただ,もともとプレッシャーを感じるほうではないので,「リラックスしなきゃ」と強く思うことはほとんどないです。
 ユーザーの皆さんにご期待いただいている状況がプレッシャーになるのではないか,というご意見も寄せられますが,むしろご期待いただけることは貴重で得がたいものですから,とてもありがたいという思いのほうが強いです。

──最後にユーザーの皆さんにメッセージをお願いします。

宮崎氏:
 我々のゲームを遊んでくださり,支持してくださる皆さんには本当に感謝しています。皆さんからいただく力と,我々自身の反省点も含めて,もっと素晴らしい形で皆さんに還元できるよう,よりよいゲームを一生懸命作っていきます。ぜひご期待ください。

──ありがとうございました。


「FINAL FANTASY VII REBIRTH」

浜口直樹氏インタビュー


──今回のGRAND AWARDおよびUSER'S CHOICE AWARDの受賞について,一言お願いします。

浜口直樹氏(以下,浜口氏):
 両賞の受賞をとても嬉しく思っています。とくにGRAND AWARDに関しては,世界における売上での評価,ビジネスという観点での評価というところを光栄に感じています。

──「FFVII REMAKE」から続く2作目のタイトルですが,前作の経験が生きたポイントを教えてください。

浜口直樹氏
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浜口氏:
 これまで「FINAL FANTASY」のフランチャイズは,とくにナンバリングだと1タイトルごとに開発構成が大きく変わることが多かったんですけれども,「FFVII」リメイクプロジェクトでは開発チームの母体が「REMAKE」から「REBIRTH」を作る感じでした。そのため,前作を作ったノウハウがそのまま今作に活かせて,さらなる大きなチャレンジができるようになり,ゲーム全体のクオリティにつながったと捉えています。

──前作をプレイしたユーザーからのフィードバックのうち,今作の反映した部分を教えてください。

浜口氏:
 ユーザーの皆さんから寄せられたご意見と,私自身が「REMAKE」を作ってみて,次にチャレンジしたいと考えていたことのベクトルが同じだったんです。前作は,ミッドガル脱出という非常に速い展開ですから,プレイの自由度や選択の幅を持たせつつ,ジェットコースターに乗っているかのようなストーリードリブンのゲームデザインにしました。
 しかし,ユーザーの皆さんからすると,ストーリー体験は当然重要ですが,そのゲームの中で自分らしく世界観に触れられるかも重要です。そこは私自身も感じていましたし,ミッドガルをもっと自由に探索したかったというご意見をいただきました。
 そこで今作では,ワールドマップをユーザーの皆さんが自由に探索してもらうところを実現したいと強く考えていました。

──3部作の2作目という難しさやプレッシャーがあったかと思います。どうやって乗り越えたのでしょうか。

浜口氏:
 私自身,子どもの頃にオリジナル版の「FFVII」をプレイしているので,そのリメイクをディレクターという立場で手がけることには,当然プレッシャーがありますしたが,むしろ楽しくワクワクしながら作業を進めているというのが本音です。
 開発スタッフも私と年齢が近く,やはり子どもの頃に「FFVII」をプレイしてクリエイターを志した人達ですし,日本人だけでなくアジア圏や欧州圏から来たスタッフが広く開発に携わっているんです。全員が「FFVII」にリスペクトを持って開発に臨んでいるので,本当にプレッシャーというよりは楽しんで開発しています。

──広大なオープンワールドが用意されるなど,前作と異なる部分が多かったと思いますが,最もチャレンジした部分と,それに対する手応えなどを教えてください。

浜口氏:
 繰り返しですが,今作ではストーリーを重視しつつ,ワールドマップで広大さやスケール感,ユーザーの皆さんがどう探索して,どんな体験ができるかの実現を重視しました。そのため,そこに対するチャレンジは開発の中でもすごくプライオリティが高いです。

 開発当初の1年くらいはいろいろ試作を重ねるのですが,そこでしっかりワールドマップの広さを定義して,その上にどのくらいのコンテンツ量を置くかを,あらかじめ決めることにすごく時間をかけました。とくに「FFVII」の場合,原作と同じく世界を冒険しながら探索することを実現しなければなりません。
 しかし,実際の世界のスケール感を実現するのは難しいので,いろんな大陸を回っていることを感じさせつつ,実際に開発可能なギリギリの広さを目指しました。そういった部分を最初に定義することは非常にチャレンジでしたし,楽しくもありました。
 結果としてワールドマップを自由に探索できて,かつミニゲームなど多彩なコンテンツを楽しめる仕上がりとなったところが,ユーザーやメディアの皆さんから評価されたと捉えています。

──今作でユーザーの反響が大きかった要素を教えてください。

浜口氏:
 まずはお話ししたとおり,ワールドマップです。
 また私は前作でもそうだったのですが,最初に明確なコンセプトをチームに提示するようにしています。今作では「絆」を掲げたのですが,そのためにバトルシステムに連携技が組み込まれたり,サイドコンテンツやクエストであればクラウドと仲間達の関係性を表現し,それがデートイベントつながったりしていました。それがユーザーの皆さんに届いて,非常に反響がよく,手応えを感じましたね。

画像集 No.005のサムネイル画像 / フロム・ソフトウェアの今後の展開,「FFVII」リメイクの次回作にも言及。PSアワード GRAND AWARD受賞作のメディア向けインタビュー

──レジェンドタイトルである「FFVII」を再構築するうえで,最も重視した部分を教えてください。

浜口氏:
 リメイクではありますが,分作プロジェクトでもあるので,原作とまったく同じものをただ作り直すだけだとユーザーの皆さんの興味や好奇心が削がれてしまいます。そこに対して何かしらのエッセンスを加える必要がある,いや絶対にやらなければならないと,プロジェクト立ち上げ時に決めていました。
 ただ,それがオリジナル版の「FFVII」と違うものになってしまっては,ファンの皆さんの期待を裏切ってしまいます。そこはすごく配慮して,原作をリスペクトしつつ,原作当時はハードウェアの制約があって表現したくてもできなかったような部分を,現在のスペックの高い環境で表現できるように努めました。
 チームには「懐かしくて新しい感覚を届けたい」と伝えていましたね。とても懐かしいけれども,今風のアレンジが施されているから新しく感じる。前作と今作は,そこにすごく注力しました。

──今作では,ティファの好感度をMAXにすることで,デートイベントでキスシーンが発生するようになっています。オリジナル版から約27年,初めての描写であり,ファンに大きな衝撃を与えましたが,どのような意図があったのでしょうか。

浜口氏:
 細かいところまで,よくプレイされていますね(笑)。
 このシーンには明確な意図があります。前作では,最後の神羅ビルに向かう分岐のイベントシーンにて,クラウドがティファを抱きしめるシーンがありますが,今作のクラウドには成長してほしいと考えました。そこで前作で抱きしめたのであれば,今作ではそれ以上を求めたほうがいいのではないかという話になりました。

──次回作はプロジェクトの完結編となります。意気込みをお聞かせください。

浜口氏:
 次回作に関しても,前作と今作同様の心構えが必要だと捉えています。私達は三部作で完結するように作っているので,本当の最終作と位置付けています。
 また,私自身を含めてファンの多いIPですから,どういう結末になるか,極めてたくさんの人が期待していると思います。そうした期待に応えられるゲームにしっかり仕上げたいと考えて,チーム一同開発を進めています。

──今作の反響を受けて,プロジェクトの構想を見直すようなことはありましたか。

浜口氏:
 大きな変更はありません。今作に関しては,私自身がイメージしたゲームの設計やデザインバランスといったところに自信を持っており,それがしっかりユーザーの皆さんに届いたと捉えています。
 ただ1点,今作ですごく反省したのはコンテンツ量が多すぎるために,全部のコンテンツをプレイするユーザーの皆さんの割合が非常に低かったことです。コンテンツ量を増やしたこと自体は間違っていなかったと思いますけれども,それらとトロフィーを紐付けてしまったので,トロフィーの獲得率が極めて低いんですね。
 次回作では,もっと簡単にトロフィーを取れるようにしようかなと考えています。

──最後にユーザーの皆さんにメッセージをお願いします。

浜口氏:
 今作は2月にリリースされてからかなり経ちますが,日本をはじめ,北米や欧州,アジア圏や中東といった地域に行き,メディアやファンコミュニティと接触する機会を作ってきました。20年以上前に日本から発信された「FFVII」というIPが,多くの国で多くの皆さんに愛されるものになっていると実感しました。
 まさに今,三部作の完結作の開発を進めていますけれども,本当に多くの人に届くタイトルに仕上げたいと考えております。ぜひご期待ください。

──ありがとうございました。

「PlayStation Partner Awards 2024」公式サイト

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