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「セーラームーン」や「MOTHER」を愛するブラジルのクリエイターが作った,カワイイ系JRPG「Virgo Vs The Zodiac」。プレイレポート&インタビューをお届け
本作は,12星座が支配する銀河を舞台に,主人公である“おとめ座の女王”Virgo(ヴァーゴ)が他の星座の王たちに戦いを挑んでいく物語が描かれる。しゃべるジンジャーブレッドクッキーを引き連れたVirgoをはじめ,登場するキャラクターたちは,少女漫画的なエッセンスが入ったデザインになっていることが特徴で,8ビットテイストのドット絵と相まって,ゲーム自体はとても可愛らしい雰囲気を持っている。ただ,戦闘はシビアで,非常に歯ごたえのあるバトルシステムなのだ。
DEGICAブースには,「Virgo Vs The Zodiac」の体験版を試遊するために多くの人が訪れていた |
今回出展されていた体験版では,獅子座「レオ」の領域での戦いを体験することができた。バトルシステムはコマンド選択式のターン制だが,要所に挟まるQTE(クイックタイムイベント)が緊張感を高めている。
QTEは,攻撃のスキルを選択した後などに「タイミング良くボタンを押してゲージを止める」「指定されたボタン1つを押す」といった内容のものが発生する。一般的なRPGであれば,コマンド選択後は,ほぼ確定した内容の攻撃を繰り出すことが可能だが,本作ではQTEを成功すれば威力が上がり,失敗するとロクにダメージを与えられないといった形になるわけだ。
また,敵から攻撃された際も同様で,QTEを成功させれば,受けるダメージを最小限度に抑えることができる上,カウンター攻撃まで繰り出せる,戦闘においてのQTEが非常に重要な役割を持っているのだ。
回復アイテムの使用などを除き,基本的にはどのコマンドを使った際もQTEが発生する。敵の攻撃力が高く,先に述べた「敵から攻撃された際」のQTE対応もほぼ必須になるので,ポチポチとコマンドを選んだ後はメッセージを眺めているだけ……というわけにはいかない。また,スキルの中には,相手のバフを削除するなど,特定の状況下で高い効果を発揮するものが存在するので,ガードを固めつつ,相手の状況を見てスキルを使い分けることも大切になる。
その見た目から想像できないほどの緊張感と歯ごたえを味わうことのできる「Virgo Vs The Zodiac」だが,制作に携わったMOONNANAのディレクター・アーティストであるNana氏と,アニメーターのAnglerman氏にお会いできたので,本作についてお話を伺った。
写真左から,MOONNANAのアニメーターであるAnglerman氏と,ディレクター・アーティストであるNana氏 |
4Gamer:
よろしくお願いします。まずはおふたりの担当を教えてください。
Nana氏:
アーティストであり,ライターであり,ゲームデザイナーかつレベルデザイナーでもあり,スクリプトも少し書いたり……といろいろですね。
Anglerman氏:
僕は,ドット絵のアニメーションを描き,戦闘のバランスを取り,コードを書いたりしています。
4Gamer:
「Virgo Vs The Zodiac」の内容について改めて教えてください。
Nana氏:
主人公である“おとめ座の女王” Virgoが,世界を変えるために12星座の王たちと戦っていくRPGです。もちろん,戦うばかりのゲームではありません。Virgo自身の人間的な成長にも注目してほしいです。
4Gamer:
ターン制のバトルにもかかわらず,途中でQTEが発生し,その結果によって与えるダメージや受けるダメージが大きく変わるのが面白かったです。基本的に難度が高めで,遊び応えがあると感じられました。
Nana氏:
戦闘を有利に運べる単一のコマンドを機械的に選ぶのではなく,複数あるコマンドに意味を持たせ,スキルの使い道を考えたり,装備を変えたりと試行錯誤してもらいたかったのです。スキルを使い分けるのはもちろん,複数のスキルを組み合わせることによっても戦闘が有利になっていきますから,いろいろ試してほしいですね。
また,難度が高めになっていることについてですが,「キャラクターは可愛らしいけど,戦闘はちょっと難しくて歯ごたえがある」というギャップを持たせたかったのです。集中して遊ぶことでシステムを理解し,難関を越えていくようなゲームを作りたかったので。
4Gamer:
なるほど。狙ったとおりのギャップは表現されていると思います。Virgoをはじめとしたキャラクターたちは,アニメ絵的かつ,ちょっと少女漫画的なテイストも入っているように思えます。
Nana氏:
自分は,魔法少女系の変身するアニメ,特に「セーラームーン」が好きなので,それらに影響を受けているかもしれません。また,シンプルなデザインが好みなので,色々とディテールを付けすぎないようにしました。
4Gamer:
8ビット風のドット絵スタイルを選んだ理由はなんでしょうか。
Anglerman氏:
ゲームボーイで「ポケットモンスター」を遊んだときに,ドット絵で表現されるキャラクターが大好きになりました。アニメーションでの動きを見せる際にもやりやすいスタイルですので,「Virgo Vs The Zodiac」でも採用した形になります。
4Gamer:
「Virgo Vs The Zodiac」を作る上で,インスパイアされた作品はありますか。
Nana氏:
「スーパーマリオRPG」と「MOTHER」ですね。特に「MOTHER」はストーリーに感動しました。イベントが開催されているここ京都は任天堂のお膝元なので緊張します(笑)。
Anglerman氏:
自分は「真・女神転生」シリーズでしょうか。戦闘システムが凝っているところに加え,難度の高さに感銘を受けました。
4Gamer:
ゲーム全体のボリュームはどれくらいありますか?
Nana氏:
プレイヤーの選択で展開が変化するマルチエンディングで,だいたい20時間+αといったところと思います。
4Gamer:
途中で現れる選択肢は,物語の結末以外に影響を与えるのでしょうか。
Nana氏:
主人公であるVirgoの性格が変わりますので,ぜひとも注目してください。おとめ座自体が変化を象徴していることもあり,プレイヤーの選択で変化していく主人公を作りたかったんです。
4Gamer:
最後に,発売を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。
Nana氏:
ゲームが発売されたら,Virgoの物語を楽しんでください。数多くの特徴的なキャラクターが登場するので,そのうちの誰かに共感できるのではないでしょうか。物語がシリアスになりすぎないように笑いの要素も入っています。マップ上のいろいろなものにアクセスした際には,笑えるメッセージが出てきますので,そうしたところにも注目してください。
4Gamer:
ありがとうございました。
対応機種:Steam
プレイ人数:1人
公式トレイラー:https://youtu.be/Isstq2ZVk1o
クリエイターインタビュー:
http://store.tkool.jp/weekly-tkool/virgo-interview
Steam 商品ページ:
https://store.steampowered.com/app/920320/Virgo_Vs_The_Zodiac/
Steam 無料 DLC:
https://store.steampowered.com/app/1076420/
ツクールストア無料DLC:
http://store.tkool.jp/free-downloads/vvtz-cosmic-music-pack
「Virgo Vs The Zodiac」公式サイト
- 関連タイトル:
Virgo Vs The Zodiac
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