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“100%ソニック”です。「ソニック AT 東京2020オリンピック」開発陣にメールインタビュー
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印刷2020/04/28 17:00

インタビュー

“100%ソニック”です。「ソニック AT 東京2020オリンピック」開発陣にメールインタビュー

 セガは新作スマホゲーム「ソニック AT 東京2020オリンピック」iOS / Android。Fire OSも対応)を,2020年5月7日に配信する。本作はその名のとおり,ソニックキャラクターたちを操作し,公式のものから特殊なものまで,さまざまなオリンピック競技を体験できるタイトルだ。

画像集#001のサムネイル/“100%ソニック”です。「ソニック AT 東京2020オリンピック」開発陣にメールインタビュー

 今回は配信に先駆けて,本作のプロデューサーの都築靖之氏,ディレクターの小林由佳氏へのメールインタビューを実施した。また,ソニックシリーズを統括する飯塚 隆氏からのコメントももらっている。

上から都築靖之氏小林由佳氏のイメージ画像。今回はメールインタビューということで,同社の「東京2020オリンピック The Official Video Game」のゲーム内機能を用いて,各々のアバター画像を作成してもらった
画像集#009のサムネイル/“100%ソニック”です。「ソニック AT 東京2020オリンピック」開発陣にメールインタビュー
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 残念なことに「東京2020オリンピック競技大会」自体は,2021年7月の開催予定へと延期が決定してしまった(※2020年4月22日現在の情報)。しかし,それまでに全世界のプレイヤーが実力を仕上げる準備期間ができたとでも考えれば,熱の入れ方も変わるかもしれない。

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 セガゲームスが2020年春に配信予定のスマホアプリ「ソニック AT 東京2020オリンピック」は,東京2020オリンピックを題材にしており,ソニックらおなじみのキャラクターを操作してオリンピック競技の醍醐味を味わえるタイトルだ。本稿では,400mハードル走,フェンシング,トラップ射撃が楽しめた先行プレイレポートをお届けする。

[2019/09/11 12:00]


「ソニック AT 東京2020オリンピック」公式サイト

「ソニック AT 東京2020オリンピック」ダウンロードページ

「ソニック AT 東京2020オリンピック」ダウンロードページ

「ソニック AT 東京2020オリンピック」Amazon アプリストア



事前登録200万突破の大反響


4Gamer:
 最初におふたりの自己紹介をお願いします。

都築靖之氏(以下,都築氏):
 私は過去にPS Vitaの「ファンタシースターノヴァ」,PSPの「けいおん!放課後ライブ!!」のプロデューサーを担当してきました。
 そしてセガでは,東京2020オリンピックの公式ゲームを広く展開しておりまして,今回は私もこのオリンピックプロジェクトへと合流し,本作のプロデューサーを担当することになりました。

小林由佳氏(以下,小林氏):
 私もこれまで,さまざまなハードでのゲーム開発に関わってきました。お答えできるソニックタイトルだと,「ソニック ワールドアドベンチャー(Wii版)」「ソニックカラーズ(DS版)」「ソニック ジェネレーションズ 青の冒険」「ソニック ロストワールド(3DS版)」などで,これまでもソニックシリーズとの関りは多かったです。そして今回のタイトルでは,ゲームディレクターを務めさせていただくことになりました。

4Gamer:
 本作はどのようなきっかけで生まれたのでしょう。

都築氏:
 これまでのセガは「マリオ&ソニック」シリーズでオリンピックゲームを継続して制作してきましたが,今回のオリンピックでは「東京2020オリンピック The Official Video Game™」「マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック™」と,さまざまプラットフォームでオリンピックゲームを展開するという,新たな試みをしております。
 そして昨今のゲーム市場を鑑みるに,モバイルも決して外せないプラットフォームとなりました。そのため,当然のように「モバイルでもオリンピックゲームを作ろう」との企画が立ち上がったわけです。

画像集#002のサムネイル/“100%ソニック”です。「ソニック AT 東京2020オリンピック」開発陣にメールインタビュー 画像集#003のサムネイル/“100%ソニック”です。「ソニック AT 東京2020オリンピック」開発陣にメールインタビュー

4Gamer:
 そのなかでソニックが主役になった経緯というのは。

都築氏:
 ソニックシリーズはモバイルにおいて,「ソニックダッシュ」が全世界で3憶2000万ダウンロード,「ソニックダッシュ2」も9450万ダウンロードと好調な記録を見せているのもありますが,なによりセガのフラッグシップIPである“ソニック”にこだわり,「ソニック×オリンピックで挑戦しよう!」の想いが強かったことから,今回の運びとなりました。

4Gamer:
 内容はカジュアルゲームに分類されるのですか。

都築氏:
 分類するのであれば,カジュアルゲームになると思います。「本格オリンピックゲームを手軽に楽しめる」というコンセプトのもと,簡単操作ながらも奥深いゲーム性を提供していきたいと考えています。

4Gamer:
 どのような人たちに遊んでもらいたいのでしょう。

都築氏:
 特定のプレイヤー層というのはなく,より多くの人たちに遊んでもらいたいです。それこそオリンピックという世界最大のイベントには,世界中の皆さんが関心を持っていらっしゃいますから。オリンピックとして,スポーツゲームとして,もちろんソニックのゲームとしても,どんな切り口でも結構ですので,少しでも興味をもっていただけたら嬉しいです。
 遊び方だって自由です。ストーリーを楽しむもよし,記録を突き詰めるもよし,世界中の人たちと競い合うもよし,友達同士でワイワイ遊ぶのもいいですね。それくらい間口の広いゲームに仕上がっています。

4Gamer:
 事前登録でも,すごい反響を見せていますよね。

都築氏:
 おかげさまで,事前登録者数も累計200万人を超えました(※4月22日時点)。多くの方々から,非常に高い評価をいただけております。

4Gamer:
 ちなみに,有料要素はどのようになるのでしょう。

都築氏:
 本作は最初の約10ステージまで無料で遊べます。それ以降のステージや一部要素は,アプリをご購入いただくことですべてを楽しんでいただける仕様です。また購入者の皆さんは,フレンドに特典チケット「プレミアムパス」を贈れるようになります。これをもらった人は無料で遊べるステージが増えるほか,割引価格でゲームを購入できるようになります。


キャラも物語も“100%ソニック”


4Gamer:
 あらためて,ゲームの見どころやコンセプトを教えてください。

小林氏:
 コンセプトは「オリンピックの競技の臨場感,スポーツの楽しさをとことん気軽に楽しめる」,かつ「それを可能な限り,世界中の人たちに届ける」です。難しい説明もなく,触れるとすぐに“遊びの面白さ”に到達できるようにしていて,またオリンピック独特のスタジアムの高揚感や緊張感,それらをしっかり感じられるようにと意識しました。
 さらにもう1つの命題は,ソニックのゲームらしく「やりこむほどにスコアやタイムが縮まる気持ちよさ」を味わえるようにしていることです。誰にとっても気軽に楽しめるゲームでありつつ,ソニックらしいやりこみの楽しさも提供する,これらの両立を最優先しつつ制作してきました。

4Gamer:
 ソニック的な要素は,どれくらいあるのでしょう。

小林氏:
 “100%ソニック”です。ストーリーでは登場キャラクター全員に見せ場があるよう描いています。世界中のロケーションをめぐりながら「エッグマンに奪われた街をソニックが取り戻す」という,いつものソニックらしい展開を見せつつ,東京の街の多彩なエリアで,その場所を特徴づけるようなキャラクターたちが活躍するんです。
 例えば六本木であれば,「宝石のような夜景を舞台に,ルージュが大活躍」といった内容を楽しんでもらえます。

4Gamer:
 コアなファンも喜びそうな小ネタなどは。

小林氏:
 一例としてはBGMです。かなり力が入っています。各ボスキャラクターのテーマBGM,それと競技のBGMはすべて“さまざまな年代のシリーズ楽曲”をもとにアレンジしていて,とても豪華な仕上がりです。
 たくさんのソニック作品の楽曲が流れてきますので,すべての元ネタがわかった方々は,相当コアなファンかと思います(笑)。

画像集#004のサムネイル/“100%ソニック”です。「ソニック AT 東京2020オリンピック」開発陣にメールインタビュー 画像集#005のサムネイル/“100%ソニック”です。「ソニック AT 東京2020オリンピック」開発陣にメールインタビュー

4Gamer:
 ゲーム内の競技についてはいかがでしょう。その特徴などは。

小林氏:
 複雑な操作はなく,気軽に挑戦できて,すぐに熱中できる。これを全競技で心がけました。そのうえで「操作が簡単=なにを遊んでも同じ」と感じさせないよう,プレイヤーの皆さんにそれぞれの競技ならではの「体験」を楽しんでいただくべく,個々の特徴を立たせています。
 例えば「トラップ射撃」と「アーチェリー」は,いずれも親指だけで遊べる簡単シューティングですが,トラップ射撃は“とにかく撃ち落とす”ことがスコアにつながる,爽快感と高揚感を重視した作りです。一方でアーチェリーは“一射の精密さ”をとことん追求してもらう,細かな操作の差がスコアの明暗につながる,緊張感を重視した作りとなります。

4Gamer:
 セガのオリンピックゲーム,としての差別化については。

小林氏:
 いくつかの競技を“ソニックらしいプレイ感”に近づけていることですね。「400mハードル」なら,ちょっとした操作がタイムの差につながります。早く走れば走るほど,障害物を避けるのは難しくなりますが,高速で走りきれたときの爽快さを強く味わえる。「3m飛板飛込」なら,お馴染みのスプリングやリングの配置を読みながら飛ぶ方向を調整していく,各々にとってベストなルートを見つける喜びが盛り込まれています。

4Gamer:
 ゲーム全体のプレイサイクルはどのようになるのでしょう。

小林氏:
 東京を舞台にした全7エリアのステージ進行型で,各エリアが20〜30ほどのステージ数で構成されています。基本的には一本道なので,迷わず進めます。ただコレクションアイテムを集めたり,ランキングに挑んだり,得意な競技をたくさん遊んで「挑戦状」を多くの人に送ったりと,とどまることも楽しみになる,そんな寄り道の魅力も込めました。
 それと本作は,各エリアのステージをクリアすると物語が進み,遊べる競技も増えていく仕組みですが,遊ぶなかで「この競技は難しい」と感じるものについては,お助け機能を使ってクリアできるようにもしています。やりこみたい人が各競技の金メダルやランキング上位を目指す一方で,そうじゃない人もいる。ですから,より多くのプレイヤーさんの好みに合うよう,多様な遊び方ができるようにと設計しています。

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4Gamer:
 ゲームのボリュームはどれくらいになりますか。

小林氏:
 リリース時点で200ステージは用意していますので,ストーリーを進めるだけでも10時間から20時間は遊んでもらえるはずです。
 あと,オンライン要素の「ランキング」もあります。個人のスコアを競うのはもちろん,各ステージの上位100名が所属する国・地域のポイントが集計される「国・地域対抗ランキング」では,1位を取った国の旗が該当ステージに立てられます。だから「浅草は我々の旗で埋め尽くすぞ!」といった,陣取り合戦のような楽しみも備わっているんです。

4Gamer:
 友人や知人と楽しめるコンテンツもありますか。

小林氏:
 フレンド同士のランキングや,自分のプレイデータをほかのプレイヤーに送れる,非同期型の対戦機能も用意しています。あと,挑戦状を送り合ったりするともらえるコレクションアイテムもあります。
 本作では世界中の人たちとフレンドになれますので,できるだけ多くの国の人たちと,ゲーム内のオリンピックで交流してほしいですね。

4Gamer:
 これまでの開発中に苦労したことはなんでしょう。

小林氏:
 セガでは東京2020オリンピックの公式ゲームをコンシューマ,アーケードなど4つの軸で展開させていただいております。そして本作はモバイルということもあり,チームとしても「このタイトルは,4作品のなかで最も多くの人に届くタイトルにする!」と意気込んできました。
 すなわち,できるだけ多く幅広い端末をフォローするため,品質を維持しながら,アートアセットやサウンドデータをどのように最適化していくか。そこにかなりの試行錯誤を費やしてきたことです。なにを切り捨て,なにを残すべきか。その取捨選択にはとても苦心しましたね。

4Gamer:
 開発中の苦労は報われたでしょうか。

小林氏:
 結果として,モバイル向けの3Dアクションタイトルとしては非常に幅広い端末,ないしスペックをフォローすることができています。さらにセガとしては初の「Fireタブレット対応」も実現していて,より多くの方々の手に届くような環境を作れたと考えております。


セガもテレワークに移行して


4Gamer:
 昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により,ゲーム業界の制作者らもここにきて開発事情の変化を求められたかと思いますが,本作に関してはどのような舞台裏が展開されていましたか。

都築氏:
 セガは2020年4月8日から,全社的にテレワークに移行しています。本作の開発スタッフらも,みんな自宅にこもっての作業に切り替わりました。とはいえ本作については元々,テレワークでの作業でもとくに支障がない制作環境であったため,大きなトラブルもなく移行できましたね。でなければ,リリース日は延期になっていたかもしれません(笑)。

4Gamer:
 ゲーム開発におけるテレワークの実情はどうでしょう。

都築氏:
 開発自体はできます。ただ,すぐ近くにいるスタッフと気軽にコミュニケーションできる環境とは言えないため,やりにくさはあります。言葉だと1分で済むことも,チャットだと10分かかることもありますし。
 それと,自宅作業は身体への負担が大きいと感じます。というのも,私の場合は「仕事をするための環境が家の中に整ってなかった」ので,長時間作業をしていると腰が痛くなります……。あらためて「職場の業務環境って結構よかったんだなぁ」と実感しています(笑)。

4Gamer:
 配信後についても聞かせてください。追加競技があったりは。

都築氏:
 いろいろと考えてはいます。ですが,実際にプレイされた方々からの意見がなによりも大切ですので,まずは皆さんに遊んでいただき,ご意見をうかがいたいと思っています。

4Gamer:
 最後に,本作の意気込みをお願いします。

都築氏:
 「ソニック AT 東京2020オリンピック」は,セガが制作するオリンピックゲームとしては,初のスマートフォンタイトルとなります。今までオリンピックゲームを作ってきたノウハウを存分に活かして,ソニックらしさとスマートフォンならではの体験を追求しました。
 皆さんには配信日の5月7日にダウンロードしていただき,ゲームに触れていただきたいと思っています。ぜひプレイしてみてください!

■ソニックシリーズ プロデューサー
 飯塚 隆氏からのコメント

飯塚 隆氏のイメージ画像。こちらも「東京2020オリンピック The Official Video Game」のアバター機能で作成
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 これまで「マリオ&ソニック」シリーズでオリンピックタイトルにも関わってきましたが,今回はソニックや仲間たち,そしてエッグマンが東京を舞台に大暴れするということで,開発前からとても楽しみにしていました。
 今回,私はストーリーモードをメインにキャラクター監修を担当しています。エッグマンが占領した東京を解放するために,ソニックたちが浅草やお台場など見知った場所で活躍するのはとても新鮮です。あの場所にソニックが……などと想像しながらお楽しみください。

 それと日本では公開が延期になってしまいましたが,今年はソニックがハリウッド映画に進出し,記録的な活躍をみせてくれました。来年迎える30周年を控え,今後も一層ソニックブランドを盛り上げていきたいと思ってますので,応援よろしくお願いします!

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    ソニック AT 東京2020オリンピック

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