任天堂は,パズルアクションゲーム「ハコボーイ!」シリーズの最新作「
ハコボーイ!&ハコガール!」を,2019年4月26日に発売した。
ハル研究所が開発する本シリーズは,これまで3作品がニンテンドー3DSで展開されてきたが,「ハコボーイ!&ハコガール!」はNintendo Switch用ソフトとしての発売となった。大画面でのプレイや協力プレイが可能になった本作のプレイレポートをお届けしよう。
仲良く暮らしていたハコボーイ達のもとに謎の黒い雲が現れ,世界を浸食してしまう……というプロローグ
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自分の体からハコを繰り出せるハコボーイの「キュービィ」,またはハコガールの「キューシィ」を操作して,ステージ上の障害物やトラップを避け,ゴールまで進んでいく本作。ハコは1回につき規定の数を出せて,投げたり押したり乗ったりできる。ただし,1度ハコを出して投げたり置いたりした後,新たに出すと,前に出したハコは消えてしまうという仕組みだ。
キュービィ(右)とキューシィ(左)。ワールド選択時に使用キャラクターの切り替えが可能だ
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ハコは1回につき画面右上の数字の数だけ出せる。つながった状態で置いたり投げたり押したりといったことが可能だ
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ハコをうまく使い,トラップを回避したり,スイッチの作動させたりして,ステージを進んでいく
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こういった基本のシステムはこれまでのシリーズ作品と同じなので,プレイ経験がある人ならすんなり入れるはず。また,最初のステージはチュートリアル的な作りになっているので,初めて遊ぶ人も安心の仕様だ。
手持ちの「メダル」を使うと,ハコをどう使えばいいかのヒントが見られる親切設計
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シリーズ4作品めだけあって,各ステージはしっかりと作り込まれている。ハコを使って掘り進める「砂ブロック」,高くジャンプできる「スプリング」,瞬間移動できる「ワープホール」など,
ワールドごとに異なるギミックが用意されており,それぞれプレイフィールが異なるので,飽きずにプレイできるだろう。
ハコを出して掘って進む砂ブロック。空間ができても落下はしない
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いくつかのワールドをクリアすると,演出とともに新たなシーンへと変わる
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無重力の「スペースエリア」では,一度動くと壁のあるところまで止まらない
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さらにキュービィとキューシィは,ゲームを進めると
「ハコ技」という,特別なテクニックを習得する。これにより,ハコを使ったアクションに応用が利くようになり,ステージ攻略の幅が広がるのだ。
出したハコだけが地面に接している(本体は宙に浮いている)状態からジャンプできる「ハコホップ」,ハコを前方にまっすぐ放り投げる「ハコストレート」など,本作から登場するハコ技もあり,これらがステージクリアのカギとなっている。
ハコ技は,ワールドの途中で救出した仲間が伝授してくれる
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ハコを足場に引っかけて上がる,シリーズおなじみのハコフック
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ハコホップを使えば,トゲのある床の上でも難なく移動できる
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各ステージにはゲームクリアに直接関係のない「王冠」が置かれていて,過去作ではそのステージにあるすべての王冠を規定内のハコ使用数で取ると「パーフェクト」になるというやり込み要素が用意されていた。
本作では王冠の取得と,ステージクリアまでのハコ使用数に応じた評価がそれぞれ別の「ミッション」となり,狙いやすくなった。もちろん各ステージは,最高評価のハコ使用数でも,すべての王冠を取ってクリアできるように設計されているので,シリーズを遊んできたプレイヤーならば,初見で両ミッションのクリアにチャレンジするのもいいだろう。
ステージに置かれた王冠。取らなくてもクリアは可能だ
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全王冠取得と,使用したハコ数によってもらえるメダル
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足場を作るときなどは,ハコをちょっとずらして置くと,数を節約できる場合がある
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さて,記事の冒頭でも少し触れたように,本作はプラットフォームが携帯機から据置機に変わったこともあってか,オフラインの2人プレイが楽しめるモード
「ふたり旅 編」が導入されている。キュービィとキューシィが同じ画面に現れて,2人プレイの場合はそれぞれを操作するという内容だ。
2人プレイなら,キュービィとキューシィを同時に動かせる。おすそわけプレイなら,別途コントローラを用意することなく,手軽に楽しめるのが嬉しい
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「ふたり旅 編」は,キュービィ達のアクションやワールドごとのギミックこそ「ひとり旅 編」を踏襲しているものの,ステージの構造は大幅に異なっている。例えば両者のいる場所が分断されていたり,一度に出せるハコの数が両者で違っていたりするなど,コンビネーションが意識された設計で,ゴールとなる出口も両者が揃わないと進めないようになっているのだ。
相手の上に乗って移動するのは,「ふたり旅 編」における基本中の基本
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キュービィとキューシィのいる場所が上下に分かれたステージ
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ハコを出せる数が違うステージは,両者にちょっとした役割が発生することが多い
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「ふたり旅 編」はプレイヤーが1人の場合でも,キュービィとキューシィを切り替えてプレイできるが,実際に遊んでみるとリアルタイムで進められる2人プレイのほうが圧倒的に効率がよく,なおかつ楽しい。ときには互いの行動が足の引っ張り合いになることもあるが,そういったハプニングまで含めて,これまでのシリーズ作品では味わえなかったものなので,ぜひ一度は試してほしい。
キュービィとキューシィのどちらか一方にしか反応しないスイッチも登場
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各モードの成績によって報酬としてもらえる2種の「メダル」は,ショップでアイテムとの交換が可能だ。ゲーム中で使える便利な「おたすけアイテム」,BGMを聴ける「サウンド」,ハコボーイたちの4コマ漫画「ハコまんが」,ミニゲーム「バルーンチャレンジ」のステージ,そしてキュービィ達が身に付けるコスチュームなどがラインナップされている。
ゲームで頭を使った後の息抜き的に楽しめるハコまんが
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ステージ中の風船を割る時間を競うバルーンチャレンジは,2人プレイも可能
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中でもコスチュームを入手するには,ステージごとのハコの使用数によって得られるメダルが必要になるので,キュービィ達の見た目をいろいろ変えて楽しみたいなら,自ずとハコ節約プレイへのモチベーションがアップするはず。コスチュームは全部で90種類あり,コンプリートには270枚のメダルが必要となるので,じっくり挑むといいだろう。
コスチュームはメダル3枚でダブりなしのガチャを回して入手する
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コスチュームは4か所の部位に対応していて,持っているものを自由に着用できる
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シンプルかつ手触りのいいプレイフィールは,さすが任天堂・ハル研究所という名タッグによるものだ。フレームレートが上がるなど,ハードウェアが変わったことによる恩恵も感じられ,これまで以上にプレイが快適になった印象がある。
「ひとり旅 編」の全ステージをクリアすると,背の高いプレイヤーキャラクター「キューディ」が出現する
「たてなが 編」がアンロックされる。全モード合わせてのステージ総数はシリーズ最多の270となっており,文句なしのボリュームだ。家でも外でも,1人でも2人でもと,Nintendo Switchというハードウェアにマッチしたタイトルと言えるだろう。
価格は1200円とかなりお手頃なうえ,現在体験版も配信中なので,ぜひ一度遊んでみてほしい。