1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故によって立ち入り禁止となった地域での物語を描く新作として
先日発表された,サバイバルホラー
「Chernobylite」(
PC / コンシューマ機)。その開発を手がけるThe Farm 51が開発者ビデオダイアリーを公開し,事故後に無人となったプリピャチの町での撮影の様子を紹介している。
Chernobyliteは,原発事故で恋人を失った主人公の男性が,その思い出を辿るように,立入禁止となり朽ち果てた地域へ潜入するというストーリーとなっている。そこでプレイヤーは,さまざまな超自然現象を体験していくことになるようである。この地域では食料や医療品などが希少ということで,プレイヤーはそこで出会った仲間達と協力したり,反目したりつつ,サバイバルを繰り広げることになるのだ。
今回のビデオダイアリーには,1万3414世帯,5万人余りの退去によりゴーストタウンと化した町で,The Farm 51の撮影班が,廃墟の内部からエネルゲティック文化会館を含む町の全景までを,ドローンなども駆使して撮影している様子が収録されている。
同社は「
GET EVEN」や
「Chernobyl VR Project」(
関連記事)といった作品で
フォトグラメトリ(写真測量)という技術を使用しているが,これは複数の観測点から撮影された無数の写真の視差情報を専用ソフトで解析し,大きさや形,位置を求めるという測量技術を応用したものだ。何万枚ものスチル写真から得られるデータを基に構築されたゲームの世界は極めてフォトリアルなものとなっており,動画で紹介されている3Dモデルも,CGなのか実写なのか判別が難いほどの仕上がりである。
ジメジメとした独特の世界設定や,
「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズよりもホラー要素の強そうなストーリーにフォーカスしている点などから,本作に興味をひかれる人は多いだろう。現時点では日本語対応に関するアナウンスはないが,発売は2019年秋とそれほど遠くない。今後のビデオダイアリーシリーズにも楽しみにしておきたいところである。