プレイレポート
[TGS 2019]ぐにゃぐにゃのキャラがオープンワールドで宅配する「Totally Reliable Delivery Service」のプレイレポート
「Totally Reliable Delivery Service」は,tinyBuildの3Dアクションゲーム。プレイヤーは宅配会社の労働者となり,お客様に荷物を運んでいく。
本作には物理演算が使われており,プレイヤーたちの身体はふにゃふにゃふらふらぐにゃぐにゃとした,いわゆるラグドール物理で動く。ぶっちゃけてしまうとプレイヤー周りのシステムは「ヒューマン フォール フラット」(PS4 / Switch / iOS / Android)に非常に近い。
左手と右手がコントローラの左右トリガーに割り振られており,これを引くことで物を掴むあたりはそのまんま。「ヒューマン フォール フラット」にも瓦礫やアイテムを掴んで運ぶシーンがあったが,あれをオープンワールドでプレイすると考えてもらえばイメージは伝わりやすいかもしれない。
大事な荷物をしっかり掴んだはずが,いつのまにか腕がねじれてガリガリ地面に引きずってしまったり,荷物を持ち上げた際にバランスを崩して転倒してグダグダになったり,仲間と2人で橋を渡って荷物を運ぼうとしたら,足並みが揃わずに転落してしまうなど,愉快なハプニングが起こる。
ここまでなら「ヒューマン フォール フラット」でも見られる光景だが,本作はオープンワールドであることと,多彩な乗り物の存在によって差別化されている。
プレイフィールドのそこかしこに,配送すべき荷物を出してくれる機械や,さまざまな乗り物が配置されている。機械から荷物を受け取ると,配送先が表示されるのだが,そこへ行くための手段は自由。特殊なミッションを除いては時間制限もないようで,乗り物を使ってもいいし,ひたすらに走っていってもいい。極端な話,4人が協力することなく別々の荷物を個別に運んでもまったく問題ない。何ともフリーダムな労働環境だ。
乗り物の種類も豊富。トラックやバイク,カートといった宅配業者らしい乗り物だけでなく,ヘリコプターやセスナ,ボート,さらにはプレイヤーを発射する大砲など,プレイ時に確認できただけでも,さまざまな移動手段が存在していた。
こうした乗り物には操縦席にレバーが付いており,トリガーで掴むだけで運転できる。しかしながら,本作を支配しているのは物理演算とラグドール物理。この手のゲーム特有のカオスと協力の面白さは,乗り物の存在でより加速していく。
荷台に荷物を乗せるだけでも一苦労なのに,乗り物で高速移動するとなると,何も起こらないわけがない。会場ではtinyBuildのスタッフや来場者と協力プレイができ,即席のメンバー同士でのプレイではあったが,抱腹絶倒の光景が展開した。
セスナに仲間と荷物を乗せて出発したら,加速で荷物の位置がジリジリとずれていき,押し出された仲間が転落する。カートで走っていたら横から乗用車がぶつかってきて,もの凄い勢いで吹っ飛ばされてしまう。ヘリの操縦を誤って墜落してしまい,危険を悟った仲間が自分だけ脱出する。
こんな感じで,普通にプレイしているだけでもハプニングの連続で,初顔合わせの4人が一緒になって大笑いしていた。お互いに声を掛け合いながらともに荷物を運んでいると,連帯感も生まれてきてなかなかに楽しい。これぞ協力プレイの醍醐味だと感じられた。
筆者は「ヒューマン フォール フラット」を遊んだ際,レバーや機械類を操作するのが妙に面白く,こうした部分をピックアップしたゲームが出ないかと思っていたのだが,本作はそんなニーズを満たしてくれる作品だと感じられた(同じことを考えているプレイヤーも多いはずだ……たぶん)。
オープンワールドとラグドール物理の相性も良好。オープンワールドは普通に遊んでいても色々なハプニングが起こるが,デフォルメされたラグドール物理のおかげで,そうした傾向がより強くなっており,笑いに転化しやすくなっている印象だ。
ともあれ,見ず知らずの人と遊んでも笑いが絶えなかった本作は,友達と一緒にプレイするにはピッタリのソフトになりそうだ。
「Totally Reliable Delivery Service」公式サイト
4Gamerの東京ゲームショウ2019特設サイト
- 関連タイトル:
Totally Reliable Delivery Service
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