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[G-Star 2018]「TRAHA」開発会社のCEOにインタビュー。ベテラン達が妥協なき開発姿勢で挑むスマホ向けMMORPGとは
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印刷2018/11/19 20:42

インタビュー

[G-Star 2018]「TRAHA」開発会社のCEOにインタビュー。ベテラン達が妥協なき開発姿勢で挑むスマホ向けMMORPGとは

 韓国・釜山で行われたゲームショウG-Star 2018のNexonブースに,新作スマートフォン向けMMORPG「TRAHA」がプレイアブル出展されていた。

画像集 No.014のサムネイル画像 / [G-Star 2018]「TRAHA」開発会社のCEOにインタビュー。ベテラン達が妥協なき開発姿勢で挑むスマホ向けMMORPGとは

 TRAHAは,新興デベロッパが開発を担当する新規IPながら,PC向けMMORPGと同等以上のクオリティを目指して制作されているという。対外的にアピールするうえで,こういった発言が行われることは珍しくないのだが,筆者は実際にTRAHAに触れ,その言葉に偽りはないと感じた(関連記事)。
 そんな本作について,開発会社のMOAI GAMESでCEOを務めるLee Chan氏にインタビューする機会を得たので,その模様をお伝えしよう。


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 韓国で開催中のG-Star 2018のNexonブースに,新作スマホ向けMMORPG「TRAHA」がプレイアブル出展されている。本作はゲーム内で武器を切り替えられ,クラスに縛られないプレイスタイルを実現しているのが大きな特徴だ。ハイクオリティなグラフィックスにも要注目の本作のプレイレポートをお届けしよう。

[2018/11/17 15:14]
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 韓国・釜山で開催中のゲームショウG-Star 2018にて,Nexon Koreaのスマホ用MMORPG「TRAHA」がプレイアブル出展されている。武器の持ち替えだけでクラス(職業)を変えられるシステム「インフィニティークラス」はゲームの大きな特徴といえるだろう。本稿では,そんなTRAHAの直撮りプレイムービー3本を紹介する。

[2018/11/18 10:10]

「G-Star 2018」出展情報の「TRAHA」特設ページ(韓国語)



ベテラン開発者達が妥協なき開発姿勢で挑む

ハイクオリティのスマホ向けMMORPG


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。最初にTRAHAの開発コンセプトと,MOAI GAMESの紹介をお願いします。

「TRAHA」の開発会社,MOAI GAMESのCEO,Lee Chan氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / [G-Star 2018]「TRAHA」開発会社のCEOにインタビュー。ベテラン達が妥協なき開発姿勢で挑むスマホ向けMMORPGとは
Lee氏:
 TRAHAを一言でいうと“PC向けMMORPGの同等以上のクオリティを目指して開発しているスマートフォン向けMMORPG”で,制作を担当するMOAI GAMESは「リネージュ2」「ECHO OF SOUL」といった,PC向けMMORPGの開発経験が豊富なスタッフが立ち上げた会社です。
 今から数年前,スマートフォン向けアプリの市場が急成長するのを見て,このままデバイスの進化が続けば,PC向けMMORPGと同等以上のグラフィックスやコンテンツを実現できると確信しました。そこでベテラン開発者を約30人集めてMOAI GAMESを設立し,コアなMMORPGの開発に着手しました。それが,今回お披露目したTRAHAになります。

4Gamer:
 最初に会社を設立したときから,コアなMMORPGを目標に掲げていたと。開発期間は約3年とのことですが,スマホ向けアプリとして見ると,けっこう長いですね。

Lee氏:
 デバイスの進化を踏まえ,正式サービス開始時点で最先端のMMORPGを作るとなると,最低でも2年半の開発期間が掛かると予測していました。

4Gamer:
 MOAI GAMESは独立系開発会社とのことですが,ゲーム開発にそれだけ長い期間を掛けるというのは,いろいろと大変だったかと思います。

Lee氏:
 そうですね。制作中からたくさんのパブリッシャに関心を持っていただいたのですが,そのお声掛けが嬉しくも悩ましいものでした。というのも,当時としては2年半以上の開発期間を設けるアプリは珍しく,「期間を2年以内に短縮してほしい」というオーダーが多かったのです。
 でも我々としては,納期を短縮することには納得できませんでした。今後,スマホ向けMMOの競争は激しさを増すはずで,納期短縮に応えたためにクオリティが落ちてしまっては,結果に結びつかないと思ったんです。

画像集 No.016のサムネイル画像 / [G-Star 2018]「TRAHA」開発会社のCEOにインタビュー。ベテラン達が妥協なき開発姿勢で挑むスマホ向けMMORPGとは

4Gamer:
 最終的にNexonとパブリッシング契約を結ばれたわけですが,納期を短縮せずにリリースできそうですか。

Lee氏:
 はい。昨年から今年にかけて登場しているハイエンドのスマホ向けMMORPGを見ると,どれも3年以上の開発期間が掛かっているんですよ。クオリティ面で妥協しなかった判断は間違っていなかったと思います。

4Gamer:
 例えば「HIT 〜Heroes of Incredible Tales〜」iOS / Android)や「OVERHIT」iOS / Android)で結果を出してNexon傘下に収まったNAT GAMESのように,今後正式にオファーが来るかもしれませんね。

Lee氏:
 そうなってくれると嬉しいです(笑)。ですが今は,TRAHAのローンチに向けてクオリティを高めることに専念しています。

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武器種変更でさまざまなプレイスタイルを生む

「インフィニティークラス」


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4Gamer:
 続いて,今回のプレイアブル版で気になったゲームシステムについてお聞きします。
 プレイヤーキャラクターには,3種類の武器種を切り替えられる「インフィニティークラス」というものがありました。実際に試遊してみてプレイスタイルの可能性の広がりを感じるシステムでしたが,こちらの開発経緯を教えてください。

Lee氏:
 例えば一人のキャラがクラス(職業)を自由に変更できたら,そのときの気分や挑戦するコンテンツなどに応じて,タンク,アタッカー,ヒーラーといった役割を気軽に選べますよね。もし実現できれば,MMORPGで発生しがちなストレスが軽減できるのではと考えたのが,最初のきっかけです。

4Gamer:
 一般的なMMORPGでたとえるならば,クラスを変えられるようなものであると。プレイアブル版では全部で6種類の武器種を確認できましたが,正式サービス開始時も変わりはありませんか。

Lee氏:
 そうですね。実際には同じ武器種でも,複数のプレイスタイルが用意されています。会得しているアクティブスキルの一覧から,ゲーム画面の右下のスロットにどれを入れるかによって,役割が微妙に違ってくるんですよ。
 分かりやすい例を挙げると,「杖」の武器種には,攻撃魔法が含まれるキャスター系と,回復魔法が含まれるヒーラー系という両方のアクティブスキルが含まれています。つまりスキルの組み合わせ次第で,キャスターかヒーラーか,あるいはハイブリッド型か……といったバリエーションが生まれるわけです。
 そのほかにも「メイス」+「盾」の武器種であれば,仲間を守ったり,攻撃に特化したり,いわゆるパラディン系のプレイスタイルも選べますよ。

4Gamer:
 手軽に武器種やスキルスロットを変更できれば,例えばインスタンスダンジョンでマッチングを行うとき,いわゆる“ヒーラー待ち”のような状況には陥らなさそうですよね。
Lee氏:
 ええ,まさに(笑)。ただ,ゲーム内には6種類の武器種があるのですが,一人のキャラは全部を選べないようになっています。具体的には,キャラ作成時に4種類から選ぶ「体型」によって,選べる3種類の武器種がそれぞれ異なります。

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4Gamer:
 体型が4種類用意されていたのはそういうことだったのですね。プレイアブル版では体型の選択後に身長などをスライドバーで細かく調整できたので,この分類には一体どういった意図があったのかなと思っていました。

Lee氏:
 仮に1人のキャラで全部の武器種を選べてしまうと,ゲーム内のキャラの外見が似たり寄ったりになるのではという懸念がありました。いろんな外見のキャラクターがいたほうが,MMORPGの景観としても好ましいですから。
 ちなみに,例えば女性はグラマラスと幼女の2種類の体型が用意されていますが,前者の体型をもっとも小さくしても,後者ほど小さくはならないようにしています。

4Gamer:
 確かにそういった分類がなければ,日本では幼女だらけになるという可能性もあります。

Lee氏:
 (笑)。とはいえどの体型を選んでも,パーティプレイで欠かせない役割を担えるようにはなるので,その点はご安心ください。
 これまでのMMORPGを振り返ると,タンクやヒーラーといったクラスはパーティプレイで求められる一方,ソロプレイでの効率はやや落ちることが多いです。ゲームの序盤はソロプレイで過ごすので,興味を持ってもその点でハードルを感じてしまう。多くのMMORPGで,タンクやヒーラーのプレイヤーが足りない理由には,こういた部分も影響していると思うんですよ。

画像集 No.005のサムネイル画像 / [G-Star 2018]「TRAHA」開発会社のCEOにインタビュー。ベテラン達が妥協なき開発姿勢で挑むスマホ向けMMORPGとは 画像集 No.006のサムネイル画像 / [G-Star 2018]「TRAHA」開発会社のCEOにインタビュー。ベテラン達が妥協なき開発姿勢で挑むスマホ向けMMORPGとは

4Gamer:
 気軽に役割を選べるTRAHAでは,多くの人がタンクやヒーラーの面白さを味わえそうです。

Lee氏:
 RvRにも同じことが言えますね。普段のPvEではヒーラーを使っているけど,RvRでは思いっきりPKしたいという人だっているはずです。「メインキャラのヒーラーだとPKできないし……」という理由で,RvRそのものを敬遠されてしまうのは,とてももったいないです。

4Gamer:
 実際にインフィニティークラスを開発するとき,苦労された部分などはありますか。

Lee氏:
 気をつけていたのは,武器種の自由度を確保することです。“この状況は特定の武器種じゃないと攻略できない”といったゲームバランスになってしまうと,途端に堅苦しいゲームになってしまいますので。

4Gamer:
 プレイアブル版では武器種を変更したとき,武器だけでなく防具も丸ごと変化していました。武器種に応じて,防具セットをそれぞれ用意する必要があるのでしょうか。

Lee氏:
 武器種の変更時に,マクロで防具を一括変更できるシステムを搭載しています。ただ,防具の変更は強制ではなく,例えば一張羅で武器だけを変えても構いません。
 とはいえメイス+盾の武器種でローブを着たキャラクターが,タンクとして活躍できるのかというと疑問が残るでしょうけど(笑)。

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スマホならではの“手動操作の面白さ”を

追及したバトルシステム


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4Gamer:
 アクティブスキルの使用時に,ロングタップを行う「ホールドスキル」と,揺れ動くゲージに合わせて再タップを行う「タイミングスキル」の2種類が確認できましたが,これも面白いシステムですね。

Lee氏:
 あれはプレイヤーからの評判がいいですね(笑)。正式サービス開始時は,その2種類だけでなく「チャージスキル」と「チェンジスキル」を実装予定です。

4Gamer:
 最近のスマホ向けMMORPGは,オートバトルで簡単さをアピールすることが多いですが,TRAHAでは,プレイヤー自身が操作する面白さを追求していますよね。

Lee氏:
 その点は,とくに意識していたわけではないのですが,競合タイトルと見比べると,TRAHAの持ち味になっているのかなと思います。
 最初にお伝えしたとおり,MOAI GAMESはPC向けMMORPGの開発経験が豊富なスタッフが揃っているので,“手動操作の面白さ”を追求するというのはごく自然なことなんです。
 確かにスマホというプラットフォームはPCと比べて制約がありますが,だからといって,ゲーム体験の質を落とすつもりはありませんでした。そのうえで,スマホならではのゲーム体験を追究した結果,ホールドスキルやタイミングスキルが誕生したわけです。

4Gamer:
 お時間が限られているので駆け足で聞いていきます。RvRはどのようなシステムになっていますか。

Lee氏:
 今回のプレイアブル版は短時間のプレイだったので,RvRまでは紹介できませんでした。基本コンセプトとしては,少人数や大人数で局地戦のPvPを行うだけでなく,国家レベルの壮大なバトルを実現しています。
 例えば,ワールドマップ内にある鉱山をいずれかの国家が占領したとします。味方のプレイヤーキャラクターは鉱石が入手しやすくなりアイテムの制作活動が捗るようになりますが,一方の敵対国家では素材品が高騰してしまう。そういった状況が生まれます。

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4Gamer:
 韓国では2019年の春にサービス予定とのことですが,海外展開に関してはいかがでしょう。

Lee氏:
 韓国語版のサービスが落ち着いたら,グローバルでの配信を予定しています。いまのところ日本は含まれていないのですが,ぜひ日本の皆さんにも遊んでほしいですね。

4Gamer:
 期待しています。本日はありがとうございました。

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