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【Role&Roll連動企画】マフィア梶田と遊ぶ「シャドウラン 5th Edition」。前日譚となるシナリオ「運命の輪は回らない」のリプレイ本編をお届け
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印刷2019/04/27 10:00

プレイレポート

【Role&Roll連動企画】マフィア梶田と遊ぶ「シャドウラン 5th Edition」。前日譚となるシナリオ「運命の輪は回らない」のリプレイ本編をお届け

Bang! Bang! Bang!


 私はモリイ・ゴースト。略称MG。
 尊敬しているランナーの名前を二つつなげてみたけれど,みんな,「お嬢」としか呼んでくれない。
 グール退治なんて楽勝。
 このサイバー・マシンガンが火を吹くわよ。

マフィア梶田:
 俺とお嬢の前にグールが3体(1〜3号)。1体ずつ処理していこう。

MG:
 了解。グール1号に,片腕に仕込んだサイバー・サブマシンガンを長バーストで撃ちます。

 銃器の数と射撃モードのバリエーションの豊かさは本作の魅力の一つだ。
 MGが腕に仕込んでいるサイバー・サブマシンガンには,セミオート(SA)とバーストファイア(BF)の2モードがあり,1度の射撃で撃てる弾の数が1発,3発,6発から選択できる。
 弾をばらまけばばらまくほど,相手の防御にペナルティがつくが,その分反動を受けて攻撃側も当てるのが難しくなる。
 ここでMGは1体目のグールを仕留めるべく,6発撃てる長バースト(複雑動作)を選んだが……。

MG:
 あれ,2ヒットしかしない(汗)。

GM:
 長バーストで−5の修正を受けるも,防御テストの結果は2ヒット。同値だから避けきった!

マフィア梶田:
 お嬢,何やってるんだ!

画像集 No.023のサムネイル画像 / 【Role&Roll連動企画】マフィア梶田と遊ぶ「シャドウラン 5th Edition」。前日譚となるシナリオ「運命の輪は回らない」のリプレイ本編をお届け

GM:
 続いてオルカスの行動。コンバット・アックスを振り回しつつ,「お前ら,どけーーーー」と言いながら突進します。が,PCのところまで届かず。

マフィア梶田:
「俺に任せろ!」と叫びながら,前に飛び出してグール1号にショットガン(エンフィールド AS-7)で攻撃します。

GM:
 ショットガンを撃つ場合,チョークの設定で散弾の拡散範囲を変えられます。広範囲に弾をばらまくと複数の敵を巻き込めますが,その分ダメージが下がるという感じですな。あと,射撃モードもSAとBFが選べます。

マフィア梶田:
 お嬢が外したのを見てるし,ここは3点バーストで。念入りに【エッジ】も使っておこう。

※【エッジ】は運の良さをあらわす特殊な能力値だ。さまざまな判定において,使用を宣言することで振れるダイスを増やす,もしくは失敗したダイスを振り直すといった使い方ができる。

GM:
 君がショットガンを構えると,網膜に照準線と着弾予想が浮かんだ。スマートガン・リンクから送られてくる情報が表示されたのだ。ダイス・プールの16個に,【エッジ】で5個プラスして21個ダイスを振ってくれ。

マフィア梶田:
 なんかカッコいい! てか,【エッジ】でダイスがこんなに増えるんだ。(ジャラジャラ)うし,7ヒット!

GM:
 ショットガンの散弾3点バーストは避けにくいんだよねえ。ダメだ1ヒットしか防御できない。基本ダメージに成功分の6ヒットを加えて21Pダメージ。君の放ったフレシェット弾がグール1号を切り裂いた。完全にオーバーキルです。

マフィア梶田:
 やっぱ,ショットガンは気持ちいい! お嬢の腕もショットガンにしたほうがいいんじゃねえのか?


魔法使いの選択


 私はシスター。これはコードネームだ。
 ランナーをしているのは家族のため。養わなきゃいけないガキンチョがたくさんいてね。
 呪文で戦うのは好きだけど,色々思い出すものがあるわね。
 まずは生きて帰ること。子供達に美味しいものを食べさせないとね。

シスター:
 ここは魔法使いらしく,範囲魔法の《火球》で敵をどかんとやっつけたい。【フォース】6でオルカスと4号・5号・6号を巻き込めるかな?

GM:
 範囲魔法は場所を指定して撃つことになる。【フォース】6だと範囲は半径6mだけど……〈呪文行使〉でテストして,ヒット数が足りないと着弾ポイントがずれることになる。その結果次第だね。

ライトニング:
 あれ? 手前にズレたら,自分が巻き込まれるんじゃ……。

シスター:
 むむむ……ここ廃車置き場ですね? 《火球》で残った燃料とかに引火したりはしないですよね?

GM:
 気づいたか(笑)。電気自動車が普及して久しいシアトルだけど,ガソリン車がなくなったわけじゃない。馬力をあげようとすると,どうしてもね。街中でもちょくちょく見かけるし,こういう場所なら言わずもがなだ。

シスター:
 さては爆発させる気だったな! なら単体攻撃用の《魔力破》に切り替えて(コロコロ)……5ヒット。

GM:
 トロールの【意志力】で判定して,5マス分の身体ダメージだ。【強靭力】が11あるので,転倒はなし。

シスター:
 ぐぬぬ,化物め。


プロの仕事


 ウィリス・ウィルヘルム。元カナダ・アメリカ合衆国陸軍中尉だ。
 ドローン部隊に長年勤めて,退役後も新兵の面倒を見ているので,教授(プロフェッサー)と呼ばれている。
 今回は,新人のMGとライトニングがいるので,技術面からサポートを依頼された。給料分の仕事はするよ。デッカーが本業だが,身を守る程度に武器も使ってみせるさ。

 続いて教授(プロフェッサー)はサブマシンガンHK-227を両手に持ち,ストックを延ばして安定させたうえで,共に長バースト(FA)で牽制射撃,オルカスと2号にスティックン・ショック弾をぶち込む。
 牽制射撃は,命中すればイニシアティブをー5する攻撃。スティックン・ショック弾はダメージが1マスでも入れば電撃によってイニシアティブがー5され,かつ麻痺する可能性もある。

シスター:
 これはひどいハメ技! 最近のナードはずいぶん乱暴だね。

GM:
 むむむ……グール2号は牽制射撃+電撃のW効果でイニシアティブー10(残り2),ダメージは6マスで,負傷修正でイニシアティブー2。何もしないうちに行動不能になり昏倒。オルカスはダメージほとんど打ち消したものの,電撃効果でイニシアティブが5まで下がってしまった。

MG:
 防具に絶縁とかないんだ。

GM:
 あれって,意外とお高いんだよねえ。あと電撃のおかげで,彼のコムリンクがひどいことになってしまった。

シスター:
 これでヤツはもう,パズドラすらできないってわけね。


グールの反撃


 グール達の脳裏にあったのは,オルカスへの恐怖と根源的な飢えだった。せっかく,美味そうなヒューマンの女を二匹も捕まえたのに,ボスのオルカスは「セレブどもに売る」とか言ってカプセルに入れてしまった。
 腹が減った。
 ちょうど,餌がやってきた。
 引き裂いて,夜食にしよう。

 PCの攻撃があらかた終わり,ようやくグールの手番。グール達の戦闘意欲はそれほど高くないものの,オルカスが怖いので彼がいるかぎり戦い続ける。とはいえグール4号はすでに死亡し,2号は昏倒中。さらに1号は転倒しているので,普通に動けるのは無傷の3号,5号,6号のみである。
 まずグール3号がライトニングに鉤爪を向けるも,うまく防御されダメージが通らない。続いて5号がMGに殴りかかり,3ヒット分防御を抜いたが,追加装甲を加えたサイバーアームを備え,さらに皮膚装甲までついたMGを傷をつけることはできなかった。グール6号は手近なマフィア梶田に攻撃するも,その鉤爪は空を切ってしまう。

MG:
 「きゃあ」と装甲付の腕を上げたところに鉤爪が当たり,ダメージ全部消し。

マフィア梶田:
 ふう,当たらなかったか。ラッキーだ。


3秒間の出来事


 ドワーフ・デッカーのギズモは,サイトの更新中で,マグロックがハックされたことも,偵察ドローンが飛び込んできたことも気づかなかった。
 銃声が響きわたったので,慌てた彼は命より大事なサイバーデッキと,預かった宝箱を抱え込んだ。こいつを売って金にするんだ。

 ここで全員の行動が終わり,第一行動パスが終了。イニシアティブ・スコアから10を引いて,数字が1以上のキャラクターだけで第二行動パスを開始する。

【現在のイニシアティブ・スコア】
ライトニング12 / MG:11 / シスター:7 / マフィア梶田:7 / オルカス:5 / 教授(プロフェッサー):4 / ギズモ:1 / 3号・5号・6号:2 / 1号・2号:行動なし

シスター:
 あれ,敵のデッカー(ギズモ)は?

GM:
 ああ,彼はバスの陰でがくがく震えながら何か荷物をかき集めているね。

ライトニング:
 じゃあ自分から。3号を回避してオルカスに突撃!

GM:
 イニシアティブ・スコアが低くて進路妨害すらできない(汗)。

ライトニング:
 こいつが首魁っぽいので,ショックグローブを起動して電撃拳に変更。ここはカッコつけておきたいので【エッジ】を使います。突撃を加えた18個に,【エッジ】の5を追加して23個で殴る! (ジャラジャラ)おおお,振り足して10ヒット!

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GM:
 オルカス君の回避は10ですが,先程のスティックン・ショックによるー1,攻撃を1回受けたことによるー1により,振るダイスの数は8個に(コロコロ)。……2ヒットだから差し引き8ヒット。ショックグローブのダメージ値8Sに,ヒット数の8を加えて16Sの電撃ダメージ。装甲値+【強靱力】は23だけど,ショックグローブの装甲貫通修正(AP)がー5あるので18個でテストして……(ジャラジャラ)よし,5ヒット! 16Sー5で最終的なダメージは11Sだ。

ライトニング:
 こいつ精神コンディション・モニター,ぴったり11だけど?

GM:
 あれ? ……気絶した。

ライトニング:
 我が拳に二撃目はない。

一同:
 カッコいい!

 これを見たMGも【エッジ】をつぎ込み,グール5号に3点バーストで攻撃する。結果は9ヒットして5号は転倒。マフィア梶田も【エッジ】入りでショットガンをぶっ放し,7ヒットを得る。吹き荒れる弾丸の嵐により,吹き飛ぶグール6号。シスターはグール3号に再び《魔力破》を叩き込み3ダメージ。そこに狙いをつけた教授が止めを刺した。

MG:
 やりました!(LINEスタンプ)

GM:
 うぐぐ,オルカスが倒れたので,唯一無傷なギズモは逃げ出そうとする。ここで第二行動パスが終了だ。ギズモの行動に気づいたのは(コロコロ)……マフィア梶田のみ。箱か何かを大事そうに抱えているようだ。

マフィア梶田:
 あれが依頼のブツだな。誰か届かない?

GM:
 第三行動パスに動けるのは,ライトニングとMGだけだね。

ライトニング:
 自分はバスの反対側にいるんだけど……《軽身》と《壁走り》というアデプトパワーがありまして。マフィアの声を聞いて,【エッジ】を使い壁を駆け上がって追いかけます。(コロコロ)5ヒット!

 疾風のごとくバスの壁を駆け上がり,ドワーフ・デッカーの前に飛び出すライトニング。動きの止まったギズモにMGのサイバー・サブマシンガンが命中し,そのまま死亡とあいなった。これにて戦闘終了。戦闘開始からこの間,わずか3秒の出来事である。


エマージェンシー・コール


 透明な医療用カプセルの中で,彼女達は眠っていた。
 グールに捕まったのに,食われなかったことは幸運かもしれないが,私達がやってこなければ,彼女達はこのまま,どこかの食卓に出荷されていたのかもしれない。
 今,助けるから。


教授(プロフェッサー):
 要救助者の状況は?

こんな感じ(ルールブックより)
画像集 No.014のサムネイル画像 / 【Role&Roll連動企画】マフィア梶田と遊ぶ「シャドウラン 5th Edition」。前日譚となるシナリオ「運命の輪は回らない」のリプレイ本編をお届け
GM:
 部屋に置いてあった医療用カプセルの中に,対象者らしい母子の姿を確認できる。助け出すには〈医術〉か〈応急処置〉のテストが必要だ。

MG:
 私,〈応急処置〉技能を持ってますよ! よーし助けちゃうぞ(コロコロ)。あれ,1ヒットしかでない。じゃあ【エッジ】で振り直して……アレ?

マフィア梶田:
 おいおい。ここまで来て被害者発生か?

GM:
 カプセルがぴーぴーと警報を発しだしたよ。

MG:
 あわわわ……。

教授(プロフェッサー):
 落ち着いて。ー2で「再試行」できますか?

 再テストの結果,二人の救出に成功。カプセルから出すにあたってのトラブルで,母親の方に2点の精神ダメージが入るも,無事である。

教授(プロフェッサー):
 新人衛生兵が患者を蘇生しようとバタバタしているのを見ると,軍隊時代を思い出すなあ。

ライトニング:
 さっきのデッカーが持ってた箱は?

 シスターの〈霊視〉でギズモが持っていた箱を調べると,明らかにヤバイ気配を感じる。箱には結界の効果があるようだが,なんらかの魔力が中から漏れ出している。ヘルメットに超音波センサーを仕込んでいる教授(プロフェッサー)が透視すると,中には絵柄は分からないものの,1枚のタロットカードが入っていることが判明した。

シスター:
 これはヤバイよ。本当にわたしていいのかな(汗)。

マフィア梶田:
 どのタロットなのか,知りたいなあ。

シスター:
 それはやっぱり「塔」なんじゃ?

MG:
 ドワーフのサイバーデッキに,何か情報があるんじゃない?

シスター:
 あ,この流れ! 分かります,日記が出てくるやつですね!

GM:
 「クトゥルフ神話TRPG」じゃないから! いや,日記が出てくるのはそのとおりなんだけど(苦笑)。

 教授(プロフェッサー)が,ギズモの安物のサイバーデッキをハッキングすると,そこにはデス・ロードが人々をさらい,セレブなグールに売った記録が残っていた。そのほかにも彼の日記が発見され……。

GM:
 日記には,「昨日,魔法のカードを拾った。縄張りに魔法使いが入ってきたので,後ろから殴ったら死んだ。そいつが魔法のカードを持っていた。カードは強い魔法の光を放っていたので,知り合いの吸血鬼の魔法使いに売ることにした。明日,取りに来る予定」と書いてあるね。

ライトニング:
 それ,昨日の話だよね? のんびりしていると,ヴァンパイアの魔法使いが来ちゃう!

 PC達は,慌ててこの場を離れることに。ちなみに,魔法使いは美味しいそうです。


オン・ザ・ロード


 いいかい,お家に帰るまでが遠足だ。
 分かるだろ?

GM:
 君達が下水道を出て,自動車のところまで戻ったところで,ヤンからメッセージが飛んでくる。「うちの店が襲われた。依頼人と一緒に逃走中(なう)。救助者とアイテムを埠頭まで持ってきて!そこで落ち合おう」とのことで,メッセージには座標データもついている。

マフィア梶田:
 「なう」じゃねえよ! ったく。仕事の報酬は大丈夫なのか?

教授(プロフェッサー):
 可能性は2つ,ヤンが狙われたか,あの依頼人が狙われたか。

シスター:
 落ち着こう。〈魔法理論〉で何か分からないか振ってみますね。(コロコロ)4ヒット。

GM:
 では目の前にあるタロットカードの魔力から,あなたはある確信を得た。以前耳にして笑い飛ばした噂は真実だったのだ。ある企業が強力な精霊の力で業績を回復させたという与太話だったが,確かにこのカード――「第六世界タロット」があれば,特定の精霊の召喚にボーナスが得られる。噂のようなことも不可能じゃない。つまりそういうカードを狙う企業が,あの依頼人を追ってきた可能性があるんじゃないかな?

マフィア梶田:
 こりゃあ,一人5000新円では安いな。

シスター:
 このまま,埠頭に行っていいのかなあ。ヤンを口にくわえたドラゴンが待っていたりして。それで,「そのカードはまだ人類には早すぎるのだ」とか言われたりするっていう。

教授(プロフェッサー):
 とはいえ,ほかに選択肢もない。行くしかないだろう。

MG:
 サイバー・マシンガン撃ちまくっちゃったし,今のうちにリロードしておこう。嫌な予感もするので,APDS弾(徹甲弾)に変えておきます。

 こうして埠頭に向かい走り出したバンとバイクの一行。しかしその道半ばで,GMはおもむろに〈知覚〉テストを指示する。

GM:
 なんか音がするね。

ライトニング:
 どんな音?

GM:
 何かが回転している機械音。

ルールブックより
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シスター:
 ヘリだああぁぁぁ。

 聴覚強化を持つMGには,背後から迫りくる戦闘ヘリのローター音が聞こえてくる。あれは日本帝国海軍も使っているニッサン・ハウンドだ。探照灯がPC達の車とバイクを照らし,と同時に「止まれ!」という声がスピーカーから響いた。

ライトニング:
 日産! なにかと話題の!

GM:
 「シャドウラン」の世界線では,日産はGMやミツハマと縁がありますが,経営権を奪われるようなことにはなってません。MGはヒット数が多かったので,どこの所属機かも分かっていい。ミツハマだ。

MG:
 やっぱりミツハマなんじゃん! 怖い!(顔が引きつる) ……でも,なんでバレた?

シスター:
 あ,まさか……。

 ここでシスターが霊視すると,探知呪文がタロットにつながっているのが判明。これで追跡されていたことに気づく。慌てて,〈呪文対抗〉で解除するも,時すでに遅く……。

GM:
 魔法による追跡は断ち切ったけど,このヘリを振り切らないと逃げられない。

教授(プロフェッサー):
 脇道とかに飛び込めません?

GM:
 この戦闘ターン終了時に,その選択肢が発生します。

シスター:
 長い3秒になりそうだなあ。

マフィア梶田:
 対物ライフルの出番か。バイクで走りながら撃てるんだろうか。

GM:
 戦闘ターン中に1回,〈地上機操縦〉のテストに成功すれば問題ない。複数回行動できるなら射撃も可能だね。この時代のバイクは自動運転もできるので,運転はバイクに任せて撃つのに集中してもいい。彼我の距離は40mだ。

ライトニング:
 じゃあ戦闘に入る前に,《能力値ブースト【筋力】》で【筋力】を上げておこう。(コロコロ)9になった。これで手榴弾が届くぞ。

GM:
 じゃあイニシアティブだ。

【イニシアティブ・スコア】
シスター:20 / ヘリ:19 / ライトニング:18 / MG:16 / マフィア梶田:16 / 教授(プロフェッサー):15 /

シスター:
 げ,敵が速い!

GM:
 敵のパイロットはリガーだからね。リガーというのは,ヴィークル(乗り物)と神経を直結することで,自分の肉体のように操縦できる人のこと。直結操縦なのですっごく速いよ!

MG:
 APDS弾を入れておいてよかった。ここは【エッジ】で先行を取ります※。残る最後の【エッジ】も使い切って,フルオートの長バースト射撃。6の目を振り足して……3ヒット。しょぼい!

※【エッジ】を使うと,イニシアティブ・スコアに関わらず,その戦闘ターンで最初に行動できる。

GM:
 相手は戦闘装甲ヘリだからね。カンカンカンカンと装甲で弾かれてしまった。

MG:
 あうう,小口径じゃダメか(涙目)。

 続いてシスターが《混沌界》の呪文をヘリに打ち込む。本来はかなりの効果が期待できるペナルティ系の幻覚呪文だが,リガーのダイスが走ってダイス・プールにー1の修正を与えるにとどまった。ヘリはそのまま30mまで近づいてきて,長バーストで中機関銃をばらまき始める。

シスター:
 仕事はしました! 車を運転しているのは教授(プロフェッサー)ですね。あなたが生命線です!

教授(プロフェッサー):
 回避機動を宣言し,恥も外聞もなくヒューマンの最大値まで振った【エッジ】7を投入して……8ヒットで回避成功!

GM:
 じゃあバンがぐいっと横に振れたかと思うと,アスファルトを中機関銃の弾丸が削りとっていくのを君達は目にする。回避機動は全力防御に相当するので,これで教授(プロフェッサー)のイニシアティブはー10され,5になります。

マフィア梶田:
 さすがですわ。この人の運転で良かった。

教授(プロフェッサー):
 あとは任せた。

ライトニング:
 任された! 炸裂手榴弾を全力で投擲します!

GM:
 ヘリにダメージを与えるなら,動体センサー型の近接信管にする必要があります。つまりグリッチしたら足元か手元で爆発するので注意。さらに【筋力】9だと中距離なのでー1。さらに動いているヴィークルに乗っているのでー2の補正が入ります。

ライトニング:
 〈投擲〉3+【敏捷力】8で11。【エッジ】を使って+5。補正のー2を入れて13個でテスト。さらに【エッジ】で振り足して……5ヒット!

GM:
 リガーが《混沌界》の呪文で混乱してて,4ヒットしか出ない。ヘリの目の前で手榴弾が爆発する。8Pのダメージ。

ライトニング:
 やったか!?

GM:
 まだ落ちないね。手榴弾の爆煙の中から,戦闘ヘリはぐらつきながら姿を現した。前面の装甲ガラスにひびが入っているが,その脅威は去っていないようだ。

マフィア梶田:
 よし,この対物ライフル「アレス・デザートストライク」の出番だな。

 マフィア梶田は高速で走るバイクに自動運転を命じると,対物ライフルを構えてヘリを振り返った。銃口を向けると,スマートガン・リンクの赤い照準が網膜に映る。気圧,風光,湿度すら計算に入れて補正された射撃支援システムが真っ向からヘリを捉えている。

マフィア梶田:
 3点バーストします。〈長銃〉5+【敏捷力】8+スマートガン・リンク2。さらに【エッジ】の5を投入して合計20。ヴィークル移動中のー2を入れて18個で……(ジャラジャラ)7ヒット!

GM:
 負傷と《混沌界》,さらに一度攻撃を受けたことによる補正を合計してー4。まあ8個も振れば多少は(コロコロ)……は? 

 なんと転がったダイスは2と3と4ばかりでヒットはゼロ。前面装甲をぶち抜いた対車両用の徹甲炸裂弾がリガーとヘリの重要パーツを破壊し,ヘリは姿勢を崩して落下していく。

一同:
 やった!

マフィア梶田:
 いやあ,気持ちいいっすね。

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埠頭にて


GM:
 ヘリを撃退した一行は,なんとか埠頭までたどり着いた。指定された座標に向かうと,そこには埠頭に面した倉庫がある。車が近づくと,ヤンが姿を現し,皆さんに手を振る。依頼人のセミラミスとその護衛も一緒のようだ。「ご苦労だったな。まず,女性達をこっちに渡してくれ」

シスター:
 2人をヤンの方に押しやります。「それはさておき,少々,ハードな仕事でしたよ。ま,カードは我々の身に余るものでしたけど」

マフィア梶田:
 これは割増料金を請求したいねえ。

MG:
 ヤンさんには含むところはないので,セミラミスさんと交渉しましょう。あ,でもエルフかあ……。

 MGがセミラミスと交渉を試みるが,エルフは【魅力】が高いので交渉に強い。対抗テストであっさり蹴られてしまった。

MG:
 うぐぐ,駆け出しのお嬢には過ぎた相手でした。

GM(セミラミス):
 「しかし,あなたがたの言いたいことも分かります。せっかくですので,回収したカードの種類によっては,ボーナスをさしあげてもいいでしょう」といって箱に手をかける。

シスター:
 やめて! うちにはお腹をすかせた子供たちがー!

マフィア梶田:
 でも,中身は知りたいじゃない?

GM:
 どのカードが入っているかはランダムに決めましょう。(シャッフルした第六世界タロットを差し出し)はいどうぞ。

マフィア梶田:
 引きます!

「Sixth World Tarot」より
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GM:
 これは「剣の騎士」。描かれているのは女性のストリート・サムライですね。小アルカナですが,トランプで言えば,スペードのジャック。かなり強いカードです。正位置であれば,勇敢,障害の突破を現し,逆位置ならば,暴走,歯止めがきかない,トラブルが絶えない。

シスター:
 このシナリオそのものじゃないですか!

GM:
「おや,予想したより良いカードでした」。では,誰か+8の修正付きで再度〈交渉〉のテストを。ヒット数×500新円を一人あたりに上乗せで。

マフィア梶田:
 ここはガッチリ増やしていただきたい。

ライトニング:
 じゃあ自分が。ここは師匠の教えを思い出して……「Don't Think.Feel!」。

教授(プロフェッサー):
 なぜにブルース・リー?

ライトニング:
 ドラゴンなので! よし,6ヒット。

GM:
 シアトルにはブルース・リーのお墓もあるしね。では収入が3000新円プラスになりました。各自の取り分は合計1万8000新円です。

MG:
 きりが悪いから2万新円に……。

ライトニング:
 欲をかくと,絶対よくないことが起こるって。

シスター:
 「ここらで手を打っておきましょ」と言ってたしなめる。あと,その箱を狙った探知呪文が来ていますよ,とセミラミスに警告しておきます。

「Sixth World Tarot」より
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GM:
 「ええ,注意しておきます」 そう答えたセミラミスの背後に,拘束されたエスニックな女性神官の姿が幻のように浮かび上がる。その姿にまとわりつくのは八本の剣。おそらくは,彼女の持つ“もう1枚のタロット”,なのだろう。そして,そこから【フォース】8の大気の精霊が浮かび上がる。「ここに後30分立っていられたら,もう3000新円あげてもいいけど?」

マフィア梶田:
 ……いや,それはないな。

GM:
 かくしてグールとタロットを巡る冒険は終わり,君達は街へと戻っていった。数日後,ヤンから一本のコールがある。「従兄弟がやっているラーメン屋があるんで,飯を食いに来いよ」。どうやらミツハマに襲われた1号店は修理中のようだ。

マフィア梶田:
 そっちの店主も中華系エルフか。信用ならねえなあ。

ライトニング:
 生活が下流なので,食費が浮くのは助かるけど。

MG:
 まあじゃあ,行きましょうか。ところでミツハマとの手打ちはもう済んだの?

GM:
 ヤン曰く,代理人のタナカサンと話をつけたそうだよ。君達がのれんをくぐって円卓に座ると,ほどなくしてラーメンが出される。ラーメンだけじゃなく,点心系も充実しているようだ。君達の前に次々と皿が置かれていく。

マフィア梶田:
 あー,なるほど。ところで,飯を食いに来いっては,やっぱり仕事なのか?

GM(ヤン):
 ああ,セミラミスの護衛だ。タロットの新たな1枚の所在に目星がついたんだと。そいつを探しに,ちょいとサンフランシスコまで出かけてくれる勇気あるランナーを募集中だそうだ。今ならファーストクラスで優雅な空の旅もついてくるぜ。

シスター:
 ちょっとそれ,落っこちる予感しかしないんだけど?

ライトニング:
 誰かが困っているなら手助けしてもいいんだけどさ……今度こそ「塔」のカードじゃないでしょうね。

教授(プロフェッサー):
 大アルカナはご免こうむるね。というか,何枚あるんだそのタロットは。

MG:
 でもシアトルの外の仕事ってのは……ちょっと魅力的じゃない?

マフィア梶田:
 きっとまたろくな目に合わないんだろうけどな!

――シナリオ「海の中の金貨」に続く



 というわけで今回のシナリオは終了となったが,シャドウランナー達の冒険は,この後も続いていくことになる。
 繰り返しになるが,今回プレイしたセッションの続編シナリオ「海の中の金貨」が,現在発売中の「Role&Roll Vol.175」に掲載されている。今回のミッションを乗り越え,サンフランシスコに向かうランナー達にどんな運命が待ち受けているのか。この続きは読者の皆さん自身で体験してほしい。

 なお3ページ目のキャラクターデータは,この続編シナリオを遊ぶにあたっても,参考になるはずだ。キャラクターをそのまま使用してもいいし,自己流にアレンジしても構わない。なお記事では省略したが,マフィア梶田達は今回のシナリオで9点のカルマ(経験点)を獲得している。そのまま使用するのであれば,このカルマを使ってキャラクターを強化しておくといい。空の旅へと赴く,シャドウランナー達の健闘を祈る。

画像集 No.004のサムネイル画像 / 【Role&Roll連動企画】マフィア梶田と遊ぶ「シャドウラン 5th Edition」。前日譚となるシナリオ「運命の輪は回らない」のリプレイ本編をお届け

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  • 関連タイトル:

    シャドウラン 5th Edition

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