コンパイルハートは,Yostarが国内展開を行うスマホゲーム
「アズールレーン」(
iOS/
Android)をベースにしたPlayStation 4用ソフト「
アズールレーン クロスウェーブ」を2019年8月29日に発売する。
本稿では,原作でもおなじみの艦船が登場し,迫力の3Dシューティングバトルを繰り広げる本作の
プレイレポートをお届けしよう。
海上に漂う,謎の“キューブ”を回収せよ
4大陣営のメンツをかけた合同大演習が開催
本作のメインストーリーは,この世界の4大陣営の1つである「重桜」の新人,
「島風」と
「駿河」の目線で進行する。あるとき,演習でタッグを組むことになった2人は,その途中で航路を間違え,何もかもが謎に包まれた勢力「セイレーン」の艦隊と遭遇。2人は逃走せずに相手を撃退してしまい,敵艦隊が護衛していた輸送船から謎のキューブが流出する。
優れた速力と聴力を持つ,重桜の新人駆逐艦「島風」。何事にも全力かつ前向きだが,自分の身に迫る危機には無頓着な性格で,周囲の仲間達(主に駿河)をハラハラさせてしまうことも
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「駿河」は島風と同期の新人戦艦。人付き合いが苦手で,他人と話す機会を減らすために常に気難しそうな表情をしている。積極性と功名心にあふれる島風とは正反対の性格で最初は苦手意識を持っていたが,交流を続ける中で少しずつ変化が生まれていく
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キューブは既存の物理法則を無視する未知の存在であり,海上に残されたキューブは意思を持っているかのように移動を始めているという。拾い集めるにも他勢力に対する領海侵犯の恐れがあり,ヘタに手を出すこともできない……。その報告を受けた重桜上層部の赤城が提案したのが,4大陣営が共同で行う
“合同大演習”という名目によるキューブの収集競争だった。
シナリオはフルボイスを実現。本作でしか見られないイベントCGもあり
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ストーリーモードの難度は「EASY」「NORMAL」「HARD」の3段階。難度が上がると敵の攻撃力と防御力が上昇し,HARDでは敵の能力がNORMALの5倍以上になる。難度はいつでも変更可能なので,ひとまずEASYやNORMALでゲームを始めてみるのがオススメ
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ストーリーモードは章立てになっており,島風や駿河を操作して海域マップに表示されたバトルやイベントをこなすことで進行する。シナリオの進行に関わるものはアイコンが赤色で表示されるので,メインストーリーのみを選んでもいいし,ほかのイベントを見ながらゆっくり進めるのもアリだ。
海域マップにはアイテムが落ちていることも。同じ海域でも,バトルやイベントをクリアしたあとでアイテムが増えている場合があるので,余裕があれば探索しよう
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緑色のアイコンで表示されるバトルやイベントは,クリアしてもシナリオが進まない。また,発生したバトルには再挑戦できるので,ドロップアイテムを集めたいときは周回するのもアリ
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バトルに勝利した際に得られる
「Aポイント」と引き換えに新たな艦船を部隊にスカウトすることができる。ポイントをしっかり溜めれば,長門や赤城,加賀といった強力な艦船も早い段階から編成可能になる。
戦闘勝利時に得られる経験値は出撃していない艦船にも割り振られるので,欲しい艦船を獲得できるAポイントが溜まったら積極的に使っていこう
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スカウトした艦船に応じて「エピソードモード」のサブストーリーが開放されるというメリットもある
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メニュー画面に登場する秘書艦は,艦隊に編入可能になった艦船から自由に選べる
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艦船には個別に“好感度”のステータスが設定されており,最大値まで上げてから一定の条件を満たすことで,おなじみの「ケッコン」もできる。もちろん,登場する艦船はすべてケッコンの対象なのでご安心を
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バトル相手に合わせて艦隊と兵装を組み換え
多陣営が入り乱れる大演習を勝ち抜こう
バトルは,事前に編成した3隻の
「主力艦隊」と,別の3隻の
「支援艦隊」とを合わせた,最大6隻で挑む形になる。このうち,操作できるのは主力艦隊のみ。プレイヤーは主力艦隊の1隻を操作し,それぞれの戦場で設定された目標を達成すれば勝利だ。プレイヤーが操作している艦船以外はAIが自動で操作してくれるが,方向キーの左右でいつでも交代できるので,戦況を見て使い分けよう。
●艦種ごとの特徴
艦種 |
装甲 |
解説 |
駆逐艦 |
軽装甲 |
大口径の砲を装備できない代わりに,高い速力と高威力な魚雷を持つ。耐久が低いが,速力を活かして攻撃を回避しつつ魚雷を叩き込むアグレッシブな戦い方を得意とする。 |
軽巡洋艦 |
軽装甲 |
駆逐艦と重巡洋艦の中間的存在で,どんな場面でも運用できる万能型。 |
重巡洋艦 |
中装甲 |
ロックオン攻撃のチャージが速く,魚雷と対空砲に頼らずとも安定した火力と対空を発揮できる攻撃の要。耐久も高く,軽巡洋艦ほどではないが,ある程度の速力も持ち合わせているので,機動戦も十分にこなせる。 |
空母 |
中装甲 |
航空機を装備できる唯一の艦種。装備する航空機によって運用方法が変化するので,ステージに合わせて付け替えよう。 |
戦艦 |
重装甲 |
大口径の主砲を備え,防御能力も極めて高い。その代わり速力が低いので,周囲の艦船で対空などをしっかり行えるように編成したい。 |
プレイヤーが操作していない艦船は,プレイヤーと同じタイミングでしか攻撃しないが,防御はキッチリと行う。大きなダメージを受けたら交代しよう
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多くのステージではメインの攻撃目標だけでなく,量産型の軍艦や航空機も連携して攻撃を仕掛けてくる。これらを撃破しても経験値には加算されないが,回復キューブや装備コンテナなどをドロップすることもある。新たな装備が欲しい場合は,バトルの終了条件を満たす前に周囲の敵を一掃しておこう
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支援艦隊は戦闘に直接参加せず,バフや回復といった支援専用スキルで味方を援護してくれる。出撃させるためのコストなどは不要なので,まずは枠をすべて埋めるように編成しよう。ある程度,艦船が集まってきたら,自分の戦い方に合わせて編成を工夫するといいだろう。
艦船は“主力艦”と“支援艦”の2種類に分かれている。主力艦を支援艦隊に組み込むことも可能だ
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支援艦には,主力艦に存在しない「工作艦」や「潜水艦」などの特別な艦種も登場する。戦闘中に操作できず,カットインでしか姿を確認できないのは残念
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主な攻撃手段としては,R1/R2ボタン(キーコンフィグ可能)に割り振られた2つの兵装と,ゲージが溜まると◯ボタンの長押しで発動できる
「ロックオン攻撃」がある。R1/R2ボタンでの攻撃は装備している兵装によって変化するので,使いやすいものを探すのも重要だ。
砲撃系の兵装は,小口径でボタン押しっぱなしで連射できるタイプと,大口径で時間経過でストックされる弾薬を発射していくタイプがある
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魚雷系は時間経過で回復していくストックを使用するタイプの兵装で,駆逐艦や軽〜重巡洋艦が装備できる。厚い装甲を持つ相手に大ダメージを与えられる強力な攻撃手段だが,弾速が遅いため,確実にヒットさせるのは難しい。魚雷は一度に複数発射されるが,種類によって弾道が異なるのも特徴だ
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航空機は空母だけが搭載できる特殊な兵装。射程距離が長く,威力も高いが,敵の対空攻撃で破壊されてしまうと効果を発揮しない。周辺の敵迎撃機をしっかり撃ち落とすなど,運用には対策が必要だ
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画面上に表示されたサークル内の敵をロックオンし,それらをまとめて攻撃してくれるロックオン攻撃はとくに強力だ。ロックオン攻撃の威力は兵装や艦船の能力に依存するので,できるだけ強力な装備を選ぼう。
量産型の敵艦船や航空機をまとめて迎撃したり,ボス単体に大ダメージを与えたりと,ロックオン攻撃の用途は幅広い
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ロックオン攻撃を発動すると,艦船固有のカットインが入る。AIに僚艦の操作を任せているとロックオン攻撃のゲージを余らせてしまうこともあるので,操作を切り替えて連続して放つのが有効だ
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攻撃は敵との距離が近いほど威力が増加するので,短期決戦を狙う場合は距離を詰めるのも戦法の1つ。当然ながら,敵からの攻撃がヒットしやすくなるリスクもある
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特殊回避行動を行うと,戦艦以外の艦船は無敵時間がある短いダッシュを繰り出し,戦艦は防御態勢をとってダメージを軽減できる
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また,スキルゲージが溜まった状態で□ボタンを押すと,操作している艦船が持つ固有の
「スキル」を発動できる。効果は艦船によってさまざまだが,スキル発動中は強力なバフ効果を得られるものが多い。艦隊を編成する際は,それぞれの艦船が持つスキルも考慮に入れてみよう。
島風のスキルは,一定時間だけ攻撃力と速力が増加する「雷光石火」。魚雷による攻撃や,ロックオン攻撃の発動に合わせて使用すれば,瞬間的に大火力を叩き出せる
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駿河は一定時間ダメージを軽減したうえに,効果終了後に耐久を回復するスキル「不滅の盾」を持っている。戦艦である駿河本人の耐久の高さと相まって,どっしりと構えた戦い方ができる
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艦船はバトルを重ねることでレベルアップし,能力値が向上していくが,それと同じくらい大切なのが装備品だ。
艦船の装備は,主な火力源である
「主砲」,補助的な攻撃手段となる
「副砲」,高威力だが海上の敵にしかヒットしない
「魚雷」,空母だけが装備できる
「航空」,自動で空中の敵を攻撃する
「対空」,そのほかの特殊兵装を示す
「設備」の6種類ある。これらは必要なパーツや資金を使って
「強化」することもできる。
同じ名前の装備でも「T1」から「T3」といったランクが設定されており,より高ランクの装備ほど強化できる回数が多い
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装備を選ぶときは性能だけでなく,その装備の“攻撃属性”も確認しておきたい。戦う相手に合わせた属性の装備なら,戦いを有利に展開できるのだ。
●装備ごとの攻撃属性
攻撃属性 |
色 |
有効な対象や効果 |
通常弾 |
黄 |
軽装甲の相手に大ダメージを与える。 |
榴弾 |
赤 |
状態異常「炎上」が発生し,鎮火まで耐久の2.5%のダメージを与える。耐久が高い対象に有効。 |
徹甲弾 |
紫 |
重装甲の相手に大ダメージを与える。 |
雷撃 |
なし |
魚雷攻撃がこれに分類される。重装甲の相手に大ダメージを与える。 |
爆撃 |
なし |
航空攻撃がこれに分類される。あらゆる対象に一定のダメージを与える。 |
属性はヒット時に表示されるダメージ数値の色でも判別可能
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アイテムの売買が行える「購買部出張所」や,物々交換で新たなアイテムを入手できる「研究所」で,必要な装備や素材を手に入れよう。ストーリーの進行によってラインナップが変わるほか,一定確率で“掘り出し物”も出現するので,確認は小まめにしたい
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ストーリーモードの1章をクリアすると,
「エクストリームバトル」や
「フォトモード」といった特別なゲームモードも登場する。
エクストリームバトルは,プレイヤーの艦隊と同様,最大6隻で編成された敵艦隊とのバトルが楽しめるモードだ。出現する敵艦隊は強敵揃いで後半ほど手ごわくなるが,クリア報酬には豪華な素材や,研究所で強力な装備を購入できるようになるアイテムなどが用意されている。
敵艦隊に編成されている艦船は使用できないので,攻略のためにいろいろな艦船を育成しておく必要がある
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フォトモードでは,登場する艦船とステージを選び,ポーズなどを調整してスクリーンショット撮影が楽しめる。3Dモデルを鑑賞しつつ,あんな組み合わせやこんな組み合わせの写真を撮影してみよう。
艦船全員にメニュー用のボイスがあるなど,キャラクターへの愛情が感じられる「アズールレーン クロスウェーブ」。アクションゲームとしての手触りも良好で,難度を調整すれば誰でもド派手で爽快な海戦を存分に楽しめる。
アプリ版からプレイしている歴戦の指揮官はもちろんのこと,本作から「アズールレーン」に興味を持った人にもオススメしたいタイトルだ。