Bethesda Softworksは,
PlayStation 4 /
Xbox One版「RAGE 2」を,2019年6月6日に国内で発売する。
2011年10月にリリースされた「
RAGE」の続編となるFPSで,
海外では5月14日に発売済みの本作だが,国内では日本語吹き替えによるローカライズを施されての発売となる。この発売に先駆けて,Bethesda Softworksにてメディア向けの先行体験会が行われた。
この体験会では,製品版と同等の試遊向けビルドが用意され,ゲームスタートから2時間程度のプレイ時間が設けられた。本稿ではそのプレイレポートをお届けしていく。
RAGE 2は,前作の発売から約8年ぶりのリリースとなる。筆者は,4Gamerで
前作もレビューを担当し,そのときはラストまでプレイしているのだが,かなり前のことなので,ストーリーに関してはほとんど覚えていなかった。
Bethesda Softworksの公式サイトに設けられた前作の“復習”ページ(
外部サイト)を見てあらためて思い出したのは,地球への小惑星衝突に備え,地中深く埋められた
「アーク」でのコールドスリープから目覚めたのが前作の主人公であり,地球上に埋められていたアークがすべて浮上したところで物語が終わるということだ。
敵対する組織
「オーソリティー」の指導者クロス将軍もまた,アークの生存者であったわけだが,結局その姿を現さずに終わる……という部分はすっかり忘れていた。
前作は小惑星衝突から100年後の世界で,本作はそこからさらに30年が経過している
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本作の舞台となるのは,前作の物語から30年後の地球=ウェイストランド。世界は荒廃から復興する動きを見せているようだが,本作のプロローグは激しい戦乱から始まる。前述のクロス将軍がこの冒頭から登場し,小惑星衝突が彼らによって仕組まれたものだということが分かる。復活したオーソリティーが,荒廃を生き残った人間に対して攻撃を始めたのだ。
クロス将軍とともに復活するオーソリティー
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プレイヤーとなる主人公のウォーカーは冒頭の戦いで,この世界の秩序を守る「レンジャー」の装備を身に付ける。クロス将軍に殺されたレンジャー部隊のリーダーに代わり,オーソリティーとクロス将軍を殲滅する計画
「プロジェクト・ダガー」を実行するため,それに関わる3人の人物を探して協力を求め,自らの力を高める旅へと出るわけだ。
主人公のウォーカーは男女の性別を選べる。性別によるセリフ以外の違いはないそうだ
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レンジャーの拠点となるヴァインランドは,オーソリティーの襲撃を受けて壊滅する
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冒頭から登場するオーソリティーの創設者であるクロス将軍。アークの生き残りとのことだが……
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前作では,ストーリーのエンディングが若干尻切れのような状態で終わったという批評があり,本作はそこに応えるようなドラマチックなプロローグが用意されていた。この展開に負けないような本編のストーリーにも期待がかかる。
戦いで倒れたレンジャーのアーマーを身に付けるウォーカー
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このヴェイランドでの戦いがチュートリアルとなっていた
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レンジャーのリーダーの娘リリー。本作のヒロイン的な存在となるのだろうか
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前作はFPSでありながら車で移動ができるという,当時としては斬新なゲームシステムを導入していた。フィールドはオープンワールド風ではあったものの,実は特定部分の移動のみがそうなっていただけで,自由にどこでも行けるというわけではなかった。
それが本作では,待望のオープンワールドのウェイストランドを実現し,序盤から広大な荒野を自由に移動することも可能となったのだ。
広大なウェイストランドのマップ。記されたポイント以外にも,移動することでさまざまな場所を発見できる
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移動手段はもちろん車がメイン。道中で見つけた車は規定の手続きをすることで自分の車となる
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乗り物はバイクも登場。車とはかなり操作感覚が違うのも面白いところだった
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自由に移動ができるといっても,その先には強力な敵が待ち構えているので,駆け出しのレンジャーであるプレイヤーは,それに対抗するための力を付けていかなければならない。
それを叶えるのが,各地にあるアークだ。前作で浮上したアークでは新しい武器が入手できるほか,
「ナノトライト」と呼ばれる過去のテクノロジーが残されていて,プレイヤーはこれを身体に注入することで,新たな力を得られるようになっている。
点在するアークは,レンジャーの「フォーカス」によりアンロックされる
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フィールドにあるアークは野盗が占拠していて,彼らを倒さなければならない
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一部のアークやプロジェクト・ダガーに関わる人物が存在する拠点はマップに記されているので,そこを目指すのが序盤の目的となるようだ。もちろんその道中には新たなポイントやアクティビティが用意されているので,寄り道も大いに楽しめる。
野盗により道路が封鎖されていた。敵を倒さないと先へは進めない
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移動中に敵が襲いかかってくることも。車の装備で走りながら蹴散らすのだ
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道中や各ポイントで出会う敵とは当然,銃撃をメインとした戦いが繰り広げられる。ウェイストランドを暴れ回る暴徒達や,小惑星衝突時に現れたミュータント達は健在で,さらにはオーソリティーの兵士なども現れる。
RAGE 2で使用できる武器は,ストーリーの進行に合わせて1つずつアンロックされていく。本作を象徴する3枚羽のブーメラン「ウィングスティック」をはじめとするサブ武器もあり,プレイヤーはこれらを使いこなしながら戦っていくのだ。
装備ホイールを確認した限りでは,メインの武器は8種類あるようだ
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投擲武器のウィングスティック。敵の首をはねる強力な武器で,壁にぶつからなければ手元に戻ってくる
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別の場所ではミュータントとも遭遇。驚異的な身体能力で飛びかかってくる。ショットガンの効果が高いようだ
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こうした物理的に攻撃する武器とは別に,本作では
「ナノトライト・アビリティ」という,特殊能力も登場する。これは,アークにて身に付けられるスキルのような能力で,筆者がプレイした範囲では,高速で移動する「ダッシュ」,前方に突進して敵を吹き飛ばす「シャター」,空中でもう一度ジャンプできる「グラヴジャンプ」といったものがあり,戦闘の選択肢が増えるとともに,アクションの要素も大幅に強めている。
身に付けたナノトライト・アビリティは,チュートリアルで使い方を覚えられる
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戦闘で溜まるゲージが一杯になると使える「オーバードライブ」は,プレイヤーの力を一時的に大きく高める
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新たな力を身に付けたプレイヤーに対して,敵もかなり賢くなっているようで,筆者は序盤のアークを守る暴徒に蜂の巣にされること数度。試遊時間の関係などもあって途中で難度をイージーに落とすという,個人的に不本意なプレイとなってしまったわけだが,それでもヌルいわけではなかったので,それなりに歯ごたえのあるゲームだと思ってもらって構わない。
今回のプレイでは,数か所のアークと,拠点となる交易所の2か所を巡り,プロジェクト・ダガーの重要人物2人に出会えた。またストーリーが進行すると,プレイヤー自身の能力や武器,移動手段のアップグレードも可能となる。
RPGのような経験値の概念はないが,要所で手に入る「プロジェクトポイント」や「ナノトライト・ブースター」といったアイテムを消費することで,前述のナノトライト・アビリティの強化なども含め,自分好みのキャラクターに作り上げていくのも,本作の醍醐味となっている。
前作に登場したジョン・マーシャル(元レジスタンス指導者)やルーサム・ヘイガー(前作で主人公にウィングスティックを教えた女性)も,30年後の重要人物として登場
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前作の乾いた世界観は,いわゆる終末世界の空気感を強く引き立てていたが,画面的には若干地味な印象があった。しかし本作は,同じ終末世界でも夜には拠点に鮮やかなネオンサインが輝き,画面のエフェクトやインタフェース周りのデザインなども含めて,派手になっている印象だ。ストーリーも,序盤からかなりの盛り上がりを見せていて,先の展開にも期待がかかる。
見渡す限りの荒野だが,密林や氷が覆う地域なども登場するらしい
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ゲーム中は昼夜が変わり,夜の雰囲気を演出する街並みもある
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主要キャラクターを紹介する演出やショップのアイコンなどはかなりポップな印象を受ける
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世界観や一部の登場人物などは前作から引き継がれているので,プレイ済みならより楽しめるのは間違いないが,オープンワールドとなったフィールドや,新たな能力が使えるようになったプレイヤーキャラクターなど,大幅に進化したゲームシステムにより,本作から始めても十分に楽しめる手応えが感じられた。国内でもまもなく発売されるので,生まれ変わったRAGEの世界に,ぜひ触れてみてほしい。