企画記事
「アルゴナビス」榊原優希さんが語るεpsilonΦ。ポップと狂気が混在する音楽性とは? ボーカリストインタビュー企画第1弾
ブシロードがおくる「バンドリ!」発のボーイズバンドプロジェクト「ARGONAVIS from BanG Dream!」に登場し,2021年初春リリース予定のスマートフォン向けゲーム「アルゴナビス from BanG Dream! AAside」(iOS / Android)で活躍するバンド,εpsilonΦ(イプシロンファイ)の配信ライブイベント「εpsilonΦ S-SOL -Play With You-」が,2020年8月29日に実施される。「ARGONAVIS(アルゴナビス) from BanG Dream! 公式サイト
4Gamerではこれを記念して,εpsilonΦのボーカル・宇治川紫夕役の榊原優希さんにインタビューを行った。本稿ではオリジナル楽曲に込めた想いや制作秘話など,εpsilonΦの音楽を中心に話を聞いたのでお届けしよう。なお,YouTubeではコメント動画も公開中だ。
「紫夕くんには一目惚れしました」(榊原さん)
4Gamer:
今回から,ARGONAVISプロジェクトのボーカリスト5か月連続インタビューが開始となります。本日はよろしくお願いいたします!
榊原さん:
トップバッターは緊張しますね(笑)。僕はεpsilonΦというバンドを率いる,ボーカルの宇治川紫夕くん役の榊原優希です。僕から見ると,εpsilonΦはひたすらに尖ったバンドです。心地いい狂気というか,暴力的なエネルギーがあって攻撃力は高いけどどこか繊細で,色鮮やかな世界観が脳内に飛び込んでくるような絶妙なバランスを持っています。ついつい何度も聴いてしまうような中毒性があるんですよ。
4Gamer:
εpsilonΦは中学1年生で最年少の紫夕くんをはじめ,全員が中高生ですね。
榊原さん:
そうなんです。5つのバンドの中で一番平均年齢が若くて,それゆえの危うさも魅力なんじゃないかなと思います。紫夕くんはすべてのキャラクターの中でも飛び抜けて若いんですが,プロフィールを見ると「幼い頃から多くの(他人の)人生を台無しにして生きてきた」という,最年少キャラとは思えないような文言が並んでいます(笑)。御曹司であり,お金も権力も美貌も才能も,一見すると何もかも持っている子なんです。でも,「一見すると」っていうところがポイントなんですよ。ここは重要です,テストに出ます!
4Gamer:
しっかりと覚えておきたいところですね! 榊原さんはこのプロジェクトへの参加が決まったとき,紫夕くんにはどんな印象を持ちましたか?
榊原さん:
紫夕くんには,オーディションで最初に資料をいただいたときに一目惚れしました(笑)。もともと二面性やギャップのある子は好きなんですけど,僕には「中性的なイメージの少年を演じたい」という欲もすごくあったんです。自分の実の弟にも,「たぶんお兄ちゃんは,これから中性的な少年をたくさん演じることになるんじゃないかな」と言われていたのもあって,そのとおりになったなと。
このプロジェクトに参加させていただくことが決まったときは,ものすごく嬉しかったですね。シナリオの収録もレコーディングも楽しみにしていましたし,待ち遠しかったです。もちろん,普通の男の子らしい日常を演じるのも楽しいですが,僕は紫夕くんみたいに意地悪な立ち回りをする機会はないので,新鮮な体験をたくさんさせてもらってるなと思います(笑)。
4Gamer:
ご自分の中に,紫夕くんに近い部分はあるんでしょうか?
榊原さん:
いやー,かなり違うと思いますよ! でも僕,幼稚園くらいから“中二病”だったんです。そこから中学生までは勉強というかテストが得意だったので,「あれっ,もしかしたら世の中って意外と生きやすいんじゃないか? 世界征服できるかも!」と思ってました(笑)。
4Gamer:
その部分,紫夕くんにちょっと似ているような……?
榊原さん:
あれっ? もしかしたら意外と近いんですかね!?(笑)。ひょっとするとあの頃の考え方は紫夕くんに近い部分があったのかもしれないです。とはいってもこれまでに誰かの人生を踏みにじってきたことはないですし,今はちゃんと中二病は脱出しているので,そこはぜひ明記しておいてください!(笑)
榊原さんが語る,
εpsilonΦの音楽性とオリジナル楽曲解説
4Gamer:
今回のインタビューでは,とくに音楽や楽曲面について詳しくお聞きしたいと思っています。はじめにεpsilonΦというバンドは,音楽的にどういった方向性であるかを教えていただけますか?
榊原さん:
カタログスペック的なことを言うと,ジャンルとしてはテクノポップとかオルタナティブロックに分類される曲が多いですね。紫夕くんを演じる僕からの目線で内面的な部分を言えば,最初に話していたとおり,バランスがギリギリの狂気というか,破裂寸前の美しさみたいなものが曲にすごく表れていると思います。シンセサイザーが多用されているのもありますが,音数が多くて,全体的にテクニカルでデジタルなサウンドが前面に出ています。どこか冷徹,クールな部分もありつつ美しくて,癖になる中毒性があるのがこのバンドの特徴かなと。
4Gamer:
音はデジタルで無機質なところもありながら,歌詞はかなり尖っていますよね。狂気とか残酷さとか……。
榊原さん:
そうなんです,歌詞の攻撃力も高いんですよ。その言葉を紫夕くんがどんな気持ちで書いたんだろう,歌っているんだろうと想像するのも楽しいんですよ。しかも,歌詞を読んだだけでは分からない,実際に歌を聴いてみないと伝わらないところもあります。
さらに紫夕くんが明るくかわいく歌っているなと思ったら突然ドスを利かせてきたり,奔放な面を見せて笑ったりしている横で,(二条)遥くんがもう1人のボーカルとしてビシッと締めてくれる曲もあります。バランス的にも,もう少し行き過ぎたら散らかっちゃうんじゃないかっていうギリギリなところを攻めているイメージがありますね。εpsilonΦはどんな曲でもそうで,オリジナルだけじゃなくてカバー曲でも“彼ら色”がしっかり表れているのではないでしょうか。
4Gamer:
まさに奇跡的なバランスのバンドですよね。ではここからは,これまでに公開されているオリジナル楽曲3曲について詳しくお聞きしたいと思います。
◆光の悪魔
榊原さん:
「光の悪魔」は“εpsilonΦとは?”を示す,εpsilonΦらしさがすごく表れている楽曲です。ただ,バンドの看板曲とは言いつつ,自分のバンドを「チーム」というより「僕のもの」くらいの感覚で見ている紫夕くんのカラーがものすごく前面に出ているとも思います。彼はこの曲を書いている最中に筆がどんどん進んでいってしまって,彼自身も気づいていない自分の内面まで書き留めてしまったという歌詞になっているんですよ。
あとは制作的な話で言うと,この曲を作ってくださったTKさん(凛として時雨)がよく使われる手法……言葉をちょっとあやふやにしてわざとほかの意味に聞こえるようにするなど,持っていらっしゃる技を駆使して書いてくださった曲でもありますね。
4Gamer:
ここに印刷された歌詞があるんですが,たしかに曲だけを聴いていたときと表記された言葉を見るのとではかなり印象が変わりますね。
榊原さん:
そうなんですよ! とくに印象が違うところを挙げると,ラスサビの「欲しかったのは“eye”だ」という歌詞だと思うんですよね。ここは普通に曲を聴くと,恋愛や家族愛や友愛の「愛」に聞こえると思うんです。でもたぶん,紫夕くんには「愛」という発想がないんですよ。
彼自身は自分が愛なんて求めてないと認識していて,じゃあ欲しかったのは何? って考えたとき,僕は紫夕くんが「僕を求めるその目」が欲しいんだと,必要としているんじゃないかと感じました。
じつは,作詞してくださったTKさんも最初は「愛」にするという案を考えの1つとして入れておられたそうなんです。でも,収録のときに「どうしようか,これでいいかな?」と僕に聞いてくださったんですよ。僕も「えっそんな,話し合わせていただいていいんですか!?」と驚きつつ,お互いに話しているうちに,「やっぱり彼はここで『愛』は使わないよね」と考えが一致しました。それで,じゃあどの「アイ」だろう? って考えて決めた部分なので,僕的にも思い入れがあるし,紫夕くんのいろいろが詰まっている部分だと思います。
4Gamer:
なるほど……!
榊原さん:
“eye”は他者からの羨望の眼差しでも憎しみでも何でもいいんですけど,僕がこの曲を歌うときに意識していたのは,紫夕くんの「何でもいいから何かの感情を僕に向けてよ,無視しないでよ」という気持ちなんです。もしかしたら紫夕くんは,そんなふうに思っているんじゃないかなって。
4Gamer:
とくにラストに向けての叫ぶような歌声は,聴いているこちらにも彼の感情がグサグサ刺さりますね……。
榊原さん:
とにかく僕を見てよ,という彼自身が気づいていない願望です。普段の紫夕くんは「音楽なんて楽勝」なスタンスだけど,この曲に関しては,彼が出さない部分が意図せず出てしまったという。これはすべてを飲み込んでしまう光の悪魔が誕生するまでの物語だけど,この曲自体が聴く人を飲み込んでしまうような,魔力を持つ曲に仕上がっているんじゃないかと思います。
4Gamer:
それを踏まえて曲を聴き直すと,また違った印象になりそうですね。あと,耳で聴こえる言葉と実際の歌詞の違いで言うと,サビの「めちゃくちゃに〜」の前で叫ぶ言葉にも驚きました。こんなふうに言っていたのかと。
榊原さん:
びっくりしますよね(笑)。曲を聴いて歌詞を聞き取ってくれている方はたくさんいらっしゃると思うんですが,今のところ正解は出ていないんじゃないかな……?
4Gamer:
難度はかなり高そうです。榊原さんはもともとTKさんがお好きだったんですよね?
榊原さん:
そうなんです。そもそもTKさんも凛として時雨も大好きなので,歌うときもついつい脳内に染み付いているTKさんの歌い方を真似しそうになったというか。TKさんが作る曲にはやっぱりTKさんの歌い方がすごく合っているなと思うので,その部分はリスペクトしつつ,紫夕くんらしさも出しつつという塩梅を求めて歌いました。この曲はラストに向けて畳み掛けるように歌っていくところとか,生のライブで歌ったら気持ちいいだろうなー! と思っています。
4Gamer:
ぜひいつか生のライブで聴いてみたいですね! レコーディングに関してはスムーズでしたか?
榊原さん:
どの曲もですが,何テイクも録ったというよりは,そうした事前の打ち合わせのほうに時間をかけました。ここの気持ちはどうなんだろうとか,このフレーズを歌うときはもしかしたらこっちの音を使うんじゃないか? と音程を変えたりすることも。だから,細部までこだわりがあるんです。
◆Play With You
作詞:新田目駿(HANO) 作曲:藤井亮太
編曲:青木宏憲(HANO)/日直伸次(HANO)
4Gamer:
続いては「Play With You」ですが,これは8月29日のサウンドオンリーライブのタイトルにもなっていて,翌日の30日にはデジタルシングルとして配信予定です。
榊原さん:
「光の悪魔」では,紫夕くんが意図していなかった“素の自分”が殻を食い破って表に出てきてしまったイメージがあるのに対して,この曲は「僕にとってはすべてが玩具なんだ」という,紫夕くん自身がイメージする紫夕くんが描かれている曲だと思います。
歌い方としても余裕ある感じなんですよね。歌詞にはとんでもなく残酷な言葉が散りばめられているんですけど,むしろ笑顔でかわいらしく歌っています。「もしかしたらすごく優しい歌なのかな?」と錯覚してしまうような曲調と歌のテンションで,その歪(いびつ)さがどこか心地よくて癖になるんじゃないかなと。
4Gamer:
ポップでかわいらしくて紫夕くんの年相応らしさを感じますが,ある意味で子供ならではの残酷さもありますよね。
榊原さん:
そうなんですよ。この曲では紫夕くんが「別にええやろ? 僕は宇治川紫夕なんやから」と言いながらニヤっと笑っているイメージがあって,かわいいやら憎たらしいやら……(笑)。
彼はよく「弄ばれる覚悟はよろしおすか?」と言うんですけど,彼にとっての“歌”は道具というか,歌が持つ“人の力に訴えかける力”を使って聴く人の心を弄ぶものなんですよ。明るい曲かと思ったら歌詞がえげつないとか,こわめなトーンで迫ってきたから身構えたらかわいい部分を出してくるとか,手を伸ばしたらふっと避けられたりとか,そんな紫夕くんのいたずらっ子な部分がどの曲にも出てますね。でも,聴けば聴くほどもっと紫夕くんに弄ばれたい,いじめられたいと思ってもらえればいいなと,歌わせていただきました。
4Gamer:
この曲はとくに,耳で聴いたときと歌詞を読んだときのギャップがすごいですよね。
榊原さん:
はい。あと,これは歌っていてなのかな? 聴いていて面白いなと思うのは「魅力がないならその身を燃やせ 愛と共に」というフレーズです。さっきも「愛」について話しましたが,普通なら紫夕くんが使わない言葉なんですよ。だから,別の「アイ」にしようかって案もあったんです。
最初は「愛」は使わないから「哀」でいくという案もあったのですが,制作の方から本当にこれでいいのかしっくりきていないと伺ったので,僕から「逆に『愛』でもいいんじゃないか,むしろそれをあざ笑うように歌ったら面白いんじゃないでしょうか(チラッチラッ)」と提案してみたら,いいじゃん! と言っていただけて採用になりました。このフレーズは,紫夕くんとしては「どうせみんな『愛』とか好きなんやろ?」みたいに,ちょっと小馬鹿にするようなイメージで歌っています。
4Gamer:
たしかにここはシニカルな雰囲気がありますね。先ほどの「光の悪魔」の“アイ”とは,言葉としても想いとしても別の意味があって面白いです。
榊原さん:
紫夕くんは,皮肉でなら「愛」という言葉を使えてしまうんですよ。
4Gamer:
この曲に限らずですが,そういったイメージはレコーディング前にあらかじめご自分で作られていくんですよね。
榊原さん:
自分の中でも作っていきつつ,現地でいろいろな方と話し合いながら作り上げる感じです。僕から提案することもありますが,制作の方から「こういうパターンも面白いのでは?」と出していたただくこともあって,お互いに「ああー,紫夕くんらしいですねえー!」みたいな(笑)。
◆Cynicaltic Fakestar
作詞:出口 遼 作曲:HaTo 編曲:廣澤優也(HANO)/HaTo
4Gamer:
ラストは,二条 遥とのツインボーカルが印象的な「Cynicaltic Fakestar」です。
榊原さん:
紫夕くんはかなりεpsilonΦを私物化しているんですが……というか私物なので(笑)。紫夕くんがメインだったり紫夕くんしか歌っていなかったりする曲もあるんですけど,その中でもこれはツインボーカルの良さがかなり出ている曲ですね。紫夕くんと遥くんの持つ声色の対比が良くて,すごく綺麗に混ざるなって。声の相性がいいのかもしれません。
εpsilonΦって尖った部分が目に付きやすいバンドなんですけど,バンドとしての実力の高さも伝わる曲だと思います。ボーカルだけじゃなくて後ろで鳴っている音も綺麗で格好いいし,玲司くんのドラムもパワフルだし,「自分たちはこんな曲もできちゃいます」と,初手で打ってくる曲というか。
4Gamer:
初手でこれが来たらちょっと勝てる感じがしないですけどね……(笑)。
榊原さん:
εpsilonΦにしては,最初から最後まで“素直に格好いい”と感じる曲ですよね。紫夕くんは聴く人を弄んでいろんな色を見せてくれるけど,遥くんの歌声は引き締める黒というイメージです。彼の存在があることによって画面がビシッと締まる感じ。歌詞は強めというか尖ってはいるんですけど,εpsilonΦにしてはまだ牙を隠している感じもあります。
4Gamer:
先ほどの2曲とは,ちょっと歌詞の口調というか雰囲気が違いますね。
榊原さん:
この歌詞モチーフは,じつは(烏丸)玲司くんなんですよ。玲司くんの紫夕くんに対する想い,内側で抱えているぐちゃぐちゃしたものが少しだけ見えているんです。でも,それを紫夕くんはすべて分かったうえで「だからどうした」とばかりに格好良く歌いきっちゃうんですよね。
紫夕くんにとってみれば,玲司くんから向けられる憎しみも心地いいのか,「そんなに憎いのに僕の近くにいないと駄目なんやね」みたいに満たされているのかもしれません。これはバンドの実力を示す曲でもあるので,ボーカル的には遥くんと気持ちよく声が混ざるように設計してある箇所もすごく多くて,歌っていても気持ちいい曲ですね。バンドとして「うちら強いんで?」みたいな感じで演奏もしていると思います。
4Gamer:
εpsilonΦの楽曲にはいろいろと細かいヒントが散りばめられていて面白いですね。ちなみに,εpsilonΦの楽曲はすべて紫夕くんが書いているのでしょうか? また,設定としてこうした楽曲が生まれた時期や背景などはあるのでしょうか。
榊原さん:
ほとんどは紫夕くんなんですが,メンバーに書かせる場合もあるようです。でも気に入らなければ破り捨てますけど(笑)。基本的に曲のプロデュースは紫夕くんが行っていますね。
それから,曲のできた経緯や彼らの関係性などは,これから出るアプリゲーム(2021年初春リリース予定のスマートフォン向けアプリ「アルゴナビス from BanG Dream! AAside」)のほうで出てくるかもしれません。なので,いまはまだ細かいところが分からない段階で曲を聴いて,いろいろ考察してみてアプリが出たら答え合わせをすると楽しいかもです!
4Gamer:
ライブで歌っているところを想像するのも楽しそうですよね。
榊原さん:
そうですね! たとえばさっきの「Play With You」なら,遥くんが必死になって難しい箇所を演奏しているところに,紫夕くんが「がんばって弾いてはるなあ〜」って遥くんの背中にどん! ともたれかかったりして,「邪魔くせえな!」って思われたりしそうです(笑)。でも遥くんは職人なので,歌も演奏も完璧にこなしそうですけど。「Cynicaltic Fakestar」はもしかしたら,2人ともちゃんと前を向いて格好良く歌ってる珍しい曲になるかもしれません(笑)。
4Gamer:
目に浮かびますね……! ちなみに榊原さんは学生時代などにバンドをやられていたことはあるんでしょうか?
榊原さん:
本格的だったわけではないんですけど,高校生のときに文化祭に出たことがあります。僕はボーカルで,女性曲を歌ったのを覚えてますね。
8月29日のSOLはお楽しみが満載!!
4Gamer:
そしていよいよ8月29日には,εpsilonΦの配信ライブイベント「εpsilonΦ S-SOL -Play With You-」が行われます。これはサウンドオンリーライブで,εpsilonΦのソロライブイベントとしては初になりますね。やはりファンのみなさんは,新曲があるかどうかも気になっているのではないかと思いますが……。
榊原さん:
ふふふ。いやー,どうなんですかね? でも紫夕くんが,まだみなさんが聴いたことのない曲を出してくれるかもしれないぞって僕の第六感が言っています(笑)。すごく期待してくださってもいいのではないでしょうか!
4Gamer:
おお! それはオリジナルですか?
榊原さん:
あくまでも僕の第六感ですが,オリジナル曲は「Cynicaltic Fakestar」ですごく格好いいところを見せているので,その反対側の“あざとい”感じが来るんじゃないかな? どうかな? と思っています(笑)。新しいものはカバー曲も……おっと,ここまでにしておきますね!
4Gamer:
これは楽しみです。イベントではボイスドラマもあるようですが,収録を終えてみていかがでしたか?
榊原さん:
そうですね……ついに始まってしまったなというか。ついに彼らの,紫夕くんのやばさが出始めてしまったなと。「なんてことをするんだ」というか,彼はいったいどんな実害を及ぼす子なんだと……。
4Gamer:
実害!
榊原さん:
今まではまだふわふわした感じもあったと思うんですけど,じつはこんなレベルのえげつなさだったんだというのが見えてくるかもしれません。これまでは紫夕くんが際立っていましたが,ラジオなどで微妙に(二条)奏くんの危ないところが出てきていたりしましたし,今度のドラマでも紫夕くんに対する周りのメンバーの反応もやばいんですよ。というかこのバンドけっこうやばいな? っていう(笑)。
以前に出たバレンタインの配信番組(2020年2月15日配信,アルゴナビス from BanG Dream! AAsideバレンタインスペシャル生放送)でも少しだけアプリでのボイスドラマを紹介しましたが,あれよりもっとεpsilonΦらしいというか,εpsilonΦ内部での温度感が伝わるんじゃないかなと思います。「狂気」なんて表現されるバンドのバンドらしさって果たしてどんなものになるのか,乞うご期待です。
4Gamer:
プロフィールを見ているだけでも,εpsilonΦは全員が何かしら抱えていますよね。
榊原さん:
僕は遥くんにアイスを持っていってあげたいです,ねぎらいとして(笑)。
4Gamer:
そうなんですね(笑)。せっかくなので他のメンバーにもコメントをいただけますか?
榊原さん:
そうですね,奏くんは「僕は君のことを優しい子だと信じたかったよ……」という感じで,玲司には,血圧を下げる作用のある食べ物を送ってあげたいです(笑)。これから彼らについて詳しく分かっていったあとにみんなのやりとりを見返すと,玲司くんはどんな思いでこのやりとりを見ていたんだろうって考える楽しさがあるかもしれません。そして,唯臣くんにはあえてのノーコメントで。僕は彼の謎を謎のままにておきたい(笑)。もしかしたら紫夕くんですらまだ見えていない部分があるかもしれないので,続報を待て! という感じです。
4Gamer:
ありがとうございます。では最後に,ライブを楽しみにしているみなさんや,応援してくださるファンの方に向けてメッセージをお願いします。
榊原さん:
まずは……いつもいつも紫夕くんが失礼していてすみません!(笑) 僕はほかのバンドのメンバーも大好きだし,僕はほかのバンドの曲も大好きなんです(「僕は」を強調する榊原さん)。
ですが,紫夕くん自身というかεpsilonΦというバンド自体,ほかにはない独自の魅力を持っています。もちろんどのバンドにも魅力はありますが,ライブではぜひεpsilonΦワールドと言うか,彼らならではの狂気的な美しさを期待していただけたらと思います。彼らはきっと全力で応えてくれると思うので。
εpsilonΦは,外側から観客として見ているぶんには本当に素敵なバンドです(笑)。これからもεpsilonΦが,宇治川紫夕くんが大変失礼いたしますが,どうぞよろしくお願いいたします!
4Gamer:
締めのメッセージで謝罪がくるのも珍しい気がしました(笑)。
榊原さん:
僕はもうすでに,紫夕くんとεpsilonΦの毒牙に魅了されて状態異常に陥っているので,彼らが何をやっても「もう,仕方ないんだから!」と思っています(笑)。このライブでみなさんも狂気に染まって,「紫夕くんなら,εpsilonΦなら何でも許しちゃう」となってくださると嬉しいです。みなさんも一緒に状態異常になりましょう!(笑)
4Gamer:
本日はありがとうございました!
――2020年8月18日収録
εpsilonΦ「Play With You」デジタルシングル情報
「BanG Dream!」発のボーイズバンドプロジェクト「ARGONAVIS from BanG Dream!」に登場するテクノポップバンド・εpsilonΦ(イプシロンファイ)初のデジタルシングル「Play With You」が8月30日(日)に配信リリース決定。
「Play With You」はポップなメロディと激しいシンセサイザーサウンドに、シニカルで攻撃的な歌詞が印象的な楽曲に仕上がっている。JKはVo.宇治川紫夕(CV.榊原優希)がぬいぐるみを手に不敵な笑みを浮かべる天使と悪魔の二面性を感じるデザインだ。
カップリングには他1曲とボイスドラマが収録される。
配信詳細:https://argo-bdp.com/music/post-3146/
「ARGONAVIS(アルゴナビス) from BanG Dream! 公式サイト
ライター:たまお(エンタメ系フリーライター。Twitter @tamao_writer)
撮影:大路政志
動画編集:まりメラ
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