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発売の迫るCo-opアクション「World War Z」を最速でプレイ。大量のゾンビを仲間と一緒に倒していくのが爽快すぎた
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印刷2019/04/12 16:43

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発売の迫るCo-opアクション「World War Z」を最速でプレイ。大量のゾンビを仲間と一緒に倒していくのが爽快すぎた

 Focus Home Interactiveがパリで開催した自社イベントで,Saber Interactiveが開発した三人称視点のアクションゲーム「World War Z」PC/PlayStation 4/Xbox One)がプレイアブル展示されていたので,さっそくチェックしてみた。発売は2019年4月16日で,現時点で日本語版の予定はないものの,PC版はEpic Games ストアで予約できる

「World War Z」公式サイト


 タイトルからも分かるように,「World War Z」は2013年にパラマウントピクチャーズコーポレーションが配給した映画「ワールド・ウォー・Z」および,映画の原作となったマックス・ブルックス氏の小説「World War Z」の正式ライセンスを取得したタイトルだ。
 爆発的な感染力を持つウイルスが瞬く間に世界に広がり,多くの人々がゾンビ化したという設定は共通ながら,ブルックス氏の小説は,ゾンビ禍終結後に調査員が世界各地へ飛んで,発生状況や被害について生存者のインタビューを行うというオーラルヒストリー形式で書かれている。
 一方の映画では現在進行中の出来事として描かれており,このように映画と小説では内容が異なるが,ゲーム版はチャプター形式のストーリーを持ちつつ,高速で走ってくるゾンビの大群を片っ端から倒していくというCo-opメインのゲームにまとめられている。小説版のゾンビはノロノロ歩き回るタイプなので,ビジュアル面では映画の影響がかなり大きい。

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 ゲーム版「World War Z」は,原作小説をベースにした4つの「エピソード」で構成されており,世界各地の4か所のロケーションが登場する。各ロケーションは,さらに3つの「チャプター」に分けられている。
 登場するのは,クレムリンの秘密基地を捜査するために送り込まれた部隊を描いた冬のモスクワと,ゾンビが大発生した摩天楼から逃げるニューヨーク,衛星からの攻撃でゾンビを壊滅しようとするエルサレム,そして全国民の国外退避が決定した日本で,逃げ遅れた人々を探す救助隊を描く東京となっている

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 ちなみに「東京」は,日本に在住した経験を持つリードレベルデザイナーのアナトリー・コルカ(Anatoliy Koruka)氏の要望で導入されたものだという。原作小説では小倉市に住むオタク青年の体験談が語られるが,全国民の国外退避という興味深い設定を活かすため,「人々が東京から港のある神奈川へ避難している」という設定が決められたそうだ。

 もちろん,横浜港を望む神奈川区周辺が原寸大で再現されているわけではなく,日本的な風景を圧縮したような背景になっているのだが,コルカ氏は「Saber Interactiveが独自開発したゲームエンジンには,日本的な樹木を表現できるアセットさえなくて残念」と語っていた。また東京はもともと規模の大きなDLCとして開発が進められていたようで,ゲームでは東京のエピソードだけ2つのチャプターで構成されており,発売後に第3チャプターが無料で追加されるとのこと。

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 さて,今回筆者がプレイしたのはモスクワ編の第2チャプターで,博物館のような場所を通過して,救助ヘリが墜落した地点を目指すという内容だった。それぞれのエピソードには,各国をイメージした4人のキャラクターが用意されており,各キャラクターには好みのクラスを自由に設定できる。クラスは,「Gunslinger」「Hellraiser」「Slasher」「Medic」「Fixer」,そして「Exterminator」の6つだ。
 最大4人のプレイヤーが協力してゲームを進めていく本作だが,チーム内でクラスが重複しても問題はないようで,筆者の参加したグループは,ガイド役の開発スタッフのみがMedicで,ほかの3人は,ガイドに勧められるままに選んだGunslingerという構成だった。

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 チャプターの序盤は,ゾンビがところどころにボーッと立ちつくしている状況なので,手持ちのサイレンサーピストルや,デフォルトで装備されている剣やナタなどを使って静かに倒しつつ,ステルスで進んでいくのがセオリーだ。道中,ところどころに箱があり,そこで弾薬を補給したり,新しい武器に持ち替えたりすることができた。

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 誰かがサイレンサーの付いていない銃をうっかり撃つと,乗り捨てられた車や倉庫の積み荷の影から,たちまちゾンビ達が出現してこちらに向かってくる。
 ゾンビの中には,叫び声で仲間を呼び続けるスクリーマーや,もともと武装警官だったために防弾チョッキを着ているブル,そして黄色い化学防護服に身を包みヘッドショット以外で倒すとヘルスを削る毒ガスを周囲にまき散らすガスといったタイプが存在しているので,プレイヤーはお互いにコミュニケーションしながら,これらの特殊ゾンビを優先的に対処していかなければならない。

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 出現するゾンビは想像以上に多く,1画面で500体ほどが描かれるという。グループから少し離れるだけでもゾンビに囲まれる可能性が高く,TPSではあるが,背後から迫ってくるゾンビは確認しづらいので,お互いがお互いをしっかりフォローしなければならないのだ。
 進むべき方向は画面内にマーカーで表示されるので,マップに慣れていなくても迷うことはなさそうだった。

 戦いつつ移動していると壁にボタンがあり,扉の開閉用かと思って押すと,なんと,ジリジリと大きな音を立ててアラームが鳴り出した。ガイドのスタッフから「おい,何で押したんだよ!」と言われたものの,押してくださいと言わんばかりに目の高さにあったのだから仕方がない。
 まもなく,音を聞きつけた大量のゾンビが我々のいる場所へ四方から襲ってきた。さらに,吹き抜けから階下の中庭を見下ろすと,そこにもゾンビがあふれており,ヤツらはこちらのいる2階へ上がってこようと,映画のように折り重なっている。我々は,そこにグレネードを投げ込んで対抗する。
 叫び続けるスクリーマーのせいで,新手のゾンビがいつまでもやって来るし,少し離れた場所では,仲間がブルによって床に叩きつけられているという阿鼻叫喚だ。敵がやたら多いぶん,爽快感もハンパなく,アドレナリンの分泌量が高いゲームだと感じた。

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 開発スタッフによれば,各チャプターにはいくつかの,「ディフェンスポイント」が用意されているとのことで,モスクワ第2チャプターのクライマックスはそのディフェンスポイントが舞台になった。そこは凍った川に閉じ込められた大型ボートで,高くなった部分には機関銃や迫撃砲などが設置されている。ここで四方から襲ってくるゾンビの大群と対決するわけだ。
 どの方向から来るのかはランダムに決まるとのことだが,いずれにせよ,かなり遠くから一目散に突進してくるゾンビの群れは,かなりおぞましい。しかし,そこに迫撃砲を撃ち込むのは楽しい。
 機関銃や迫撃砲には弾数の制限があるので,弾が尽きたら手持ちの武器に持ち替え,それが尽きたらメレーウェポンで反撃するなど,次第に危機感が高まってくる感覚がうまく表現されている。

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 ゲームが終了すると経験値がもらえるので,それを貯めて新しいスキルを獲得し,パワーアップしていくというシステムになっている。今回の試遊は5段階ある難度のうち,易しいほうから2つめとのことだったが,新たなスキルを身につけることで以前は難しかった戦いが簡単になるので,仲間と一緒に何度も挑戦していくという遊び方が想定されているようだ。
 それにしても,これほどのワラワラ感で易しいほうから2つめなら,果たして最高難度では何が起きるのだろうか? Co-opでゾンビといえば,「Left 4 Dead」が思い浮かぶが,同作のファンなら間違いなく満足できるゲームだ。発売を楽しみにしたい。

日本在住経験を持つレベルデザイナーのアナトリー・コルカ氏(中央)ら,デモやゲームの解説を担当してくれた開発チーム
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