ネクソンの新作スマートフォン向けアプリ
「OVERHIT」(
iOS /
Android)が,2018年5月29日に正式サービスを開始する予定だ。
タイトル名を見て気付いた人もいるだろうが,本作はアクションRPG「
HIT 〜Heroes of Incredible Tales〜」(以下,HIT)を手がけた開発スタジオ,NAT Gamesの最新作だ。
Unreal Engine 4による美麗なグラフィックスをウリとしている点はHITと同じだが,OVERHITは単なる続編ではない。文字どおりのオーバーヒット,つまり「HITを超える」という想いが込められている,完全新作のタイトルである。
本作のジャンルはRPGで,100体以上のプレイアブルキャラ
“英雄”の収集・育成などをたっぷり楽しめる。スマホ向けということで幅広いプレイヤー層に向けた工夫が盛り込まれており,もちろんHITのプレイ経験も不問だ。ちなみに,韓国での配信から半年遅れでの登場となる本作は,日本向けのカルチャライズもしっかりと行われている。
本稿では,この期待作の概要や主な魅力を,正式配信に先駆けて詳しく紹介する。もし興味を持ったら,以下のリンクから公式サイトをチェックし,事前登録を済ませておくとよいだろう。
昨年開催された韓国のゲームショウG-Star2017では,ネクソンがメインスポンサーを務めていた。その同社ブースで,100台を超える試遊機で大きくアピールされていたのが,このOVERHITだ
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OVERHIT韓国版は2017年11月に配信スタート。現地のApp StoreおよびGoogle Playの両ストアで,無料ランキング1位,売上ランキング2位を記録している(※韓国版の画像です)
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HITは「2016大韓民国ゲーム大賞」で大賞を受賞している。そのHITを超えることをタイトル名で宣言しているOVERHITだけに,ファンの期待も高まるばかりだろう
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世界を救うべくさまざまな世界を駆け巡る
聖女ソフィアを筆頭とする個性的すぎる登場人物に注目
OVERHITのゲーム内世界では,50年前,太古の魔神の復活をもくろむ秘密結社“コンクレイヴ”と,その野望を阻止するためにさまざまな世界から集結した“英雄”たちによる激しい戦いが繰り広げられた。その結果コンクレイヴの野望は潰え,魔神の身体は5つの部位に引き裂かれたうえ,それぞれ別の世界に封印された。
それにより世界はひとときの平和を得たが,最近になってコンクレイヴが再び暗躍しつつある……というのが本作のあらすじだ。
本作のメインストーリーでは,ルーモ法国の聖女
ソフィアが,新米傭兵
アッシュや,護衛を務める忍者
レンといった仲間とともに,コンクレイヴに立ち向かうべくさまざまな世界を旅することになる。魔法の世界グランバースからはじまり,科学技術の世界インダストリア,未開拓の世界ウルク・ラン,神が支配する世界 天州などで,英雄との出会いや別れを繰り返していくのだ。
メインストーリーでは,飛空艇に乗ってさまざまな世界を旅する。文化や文明が大きく異なる各世界で登場する英雄が,ソフィア一行とどのように関わるのかにも注目してほしい
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骨格となるストーリーは割と王道っぽいのだが,イベントシーンなどで登場する主要人物は一癖も二癖もあり,とてもコミカルに描かれている。また,どの英雄も
キャラクターとして“立っている”ため,アニメやJRPGなどを彷彿とさせられる人も多そうだ。ここでは,メインストーリーの序盤で登場する主なキャラを紹介しよう。
ソフィア(CV:内田 彩)
ルーモ法国の“太陽の聖女”で,ゲーム序盤のメインストーリーは彼女を軸に進行する。世界の行く末を大きく左右する人物だが,その世間知らずで天真爛漫な言動により,チーム全体はほんわかとした雰囲気に
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アッシュ(CV:石川界人)
50年前にコンクレイヴとの戦いを繰り広げた英雄集団“黒翼団”に,最近になって所属した駆け出し傭兵。ソフィアを護衛する初任務に燃える熱血漢だが,他の個性的すぎる面々に囲まれ,なし崩し的にツッコミ役も担当させられてしまう
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レン(CV:石川由依)
ソフィアの護衛を務める忍者。忍としての腕は一流で任務を忠実にこなすが,ソフィアのことが好きすぎて,彼女の前では常に動揺してしまう一面も。ソフィアと,それ以外の人物に接するときのギャップに注目
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マルピオン(CV:森川智之)
“黒曜宮の狂犬”の異名を持ち,より強い者と戦うことを生きがいとしているクールな暗殺者。ソフィアを中心にドタバタ劇を繰り広げるチーム内では,やや浮いているようにも見えるが,その真意は……?
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コレット(CV:井口裕香)
幼女と見せかけて,実は禁忌に手を出したことで不老の体を得ている魔女。御年149なのだが,こう見えて年齢のことは常に気にしており,たとえば150歳などと間違えると烈火のごとく怒り出す
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100体以上の英雄にそれぞれの“物語”がある
シネマティック・スキルは必見!
プレイヤーはメインストーリーやガチャなどを通じて,100体以上の英雄を入手・育成していく。そして手持ちのなかから5名によるパーティを編成し,
リアルタイムで進行するターン制オートバトルに挑むのだ。バトル中は,通常攻撃はオートで行われ,各英雄に用意された2種類のアクティブスキルを,任意のタイミングで使用するスタイルとなっている。
掲載している各スクリーンショットを見てもらえば,Unreal Engine 4で描かれたグラフィックスのクオリティの高さについて,細かく説明する必要はないだろう。しかし,アクティブスキルの使用時に盛り込まれるカットインムービーばかりは,ぜひ一度,実際に動いているところを見てほしい。同社が
“シネマティック・スキル”と呼ぶ映像美を,数秒から10秒程度のムービーでたっぷりと堪能できる。
また,メインストーリーとは別に,各英雄に専用の
“物語”がコンテンツとして用意されており,意外な側面なども明かされるのだ。これらの要素により各英雄の魅力が深掘りされているため,新たな英雄の入手そのものを楽しめるのだ。
本作では基本的に多対多のバトルを行う。美麗なキャラが入り乱れるOVERHITのバトルを見れば,単体のプレイアブルキャラに注力していたHITとは,その方向性が大きく異なることが分かる
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それぞれのシネマティック・スキルは数秒から10秒程度の長さ。専用のモーションやBGM,カメラワークなどによって,英雄の格好良さが表現されているのだ
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本作はスマホ向けに最適化されているが,新たな英雄を入手してシネマテック・スキルを目にするたび,思わず画面の大きなタブレット端末で遊びたくなってしまう人もいるかも
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現在OVERHITの公式Twitterでは,シネマティック・スキルを体験できるキャンペーンが開催されている。「こちら」のページで詳細を確認してほしい
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「すべてのバトルが、ここにある」
PvEやPvPなど,各方面のコンテンツが充実
メインストーリーの難度は抑えめに設定されており,オートバトルに頼りっきりのプレイでも,ノーマルモードであれば4〜5章までは難なく進められるはず。その課程で英雄を少しずつ育てていけば,
誰でもつまずかずに遊べそうだ。
ただ,メインストーリー以外の各種コンテンツを含め,ゲームを隅々まで味わおうとすると,それなりの戦術手腕が必要になる。中級以上のゲーマーでも手応えがありそうだ。
たとえば,バトルシステムにおけるポイントのひとつが,誰かがアクティブスキルを使用すると,パーティメンバーの全員にクールダウンタイム(約8秒)が課せられるという点だ
(※使用したスキルそのものに対する,一般的なクールダウンタイムも別途ある)。この制約があるため,無闇にアクティブスキルを繰り出すのは得策ではない。最適なスキルを,どのタイミングで繰り出すかを常に考える必要がある。
もちろん,各英雄によってアクティブスキルの性能は異なるので,ゆくゆくは各種コンテンツに応じたパーティ編成も求められる。
バトル中の倍速表示や,アクティブスキルの自動使用設定も可能。画面サイズの小さなスマホ端末でも,お手軽かつサクサク進められるだろう
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本作にはいわゆるMPの概念がない。アクティブスキル使用後のクールダウンタイムをさえクリアしていれば,基本的にいつでも使用可能だ。ただし,このクールダウンタイムが少々手強いのだ
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英雄の育成要素に関してはキャラクターレベルをはじめ,グレード(ランク),武具アイテム,アビリティなどのシステムを搭載しており,それぞれのボリュームもたっぷり
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高レアのキャラは素の性能が高い一方,育成のハードルも高くなる。低レアのキャラを手っ取り早く育成するという手も現実的だ。ちなみに,メインストーリーに登場する主役級のキャラを,バトルで使う義務はない。気に入ったキャラをマイペースで育てていっても問題なく遊べる
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コンテンツに関しては,メインストーリーを進める
「冒険」のほか,4種類の日替わりダンジョン
「七曜の地」や,フレンドと協力して巨大ボスに挑む
「討伐戦」,複数のチームで挑む連続ステージ
「探査」,放置系コンテンツ
「派遣」,PvPコンテンツ
「闘技場」など,たっぷり用意されている。
カルチャライズに注力しつつ短期間で日本語版を開発
最後にもうひとつお伝えしておきたいのが,日本語版の開発に伴う
カルチャライズ(各種システムなどの現地化)要素だ。というのも本作の日本版では,3Dキャラのモデリングが調整されているほか,すべての英雄に対し2Dイラストが追加されており,さらに
メインストーリーが丸ごと作り直されているのだ。
海外のゲームに詳しい読者なら,OVERHITほどの大作クラスであれば,テキストの翻訳やボイスの追加など,いわゆるローカライズ作業だけでも相当な時間が必要になることが分かるだろう。今回のOVERHITでは,さまざまなカルチャライズを施しつつ短期間で日本語化されており,ネクソンの日本市場に対する熱意が伝わってくる。
ネクソンが開催したカンファレンス「NDC18」で,HIT日本語版におけるカルチャライズの経緯が語られている(※関連記事)。これが好評だったことを受けて,OVERHIT日本版でもカルチャライズに力を入れているようだ
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このようにネクソンの「OVERHIT」は,100名以上の多彩な英雄の活躍を,Unreal Engine 4による
高品質グラフィックスで楽しめるスマホ向けRPGである。5月29日に正式サービス開始予定となっているので,もし興味を持ったら,ぜひこの機会に公式サイトで事前登録を行っておこう。
メインストーリーに関して,シナリオやカットシーンなどが丸ごと作り直されている。G-Star 2017の4Gamer取材記事では,ゲーム序盤の直撮りプレイムービーを紹介しているが(※関連記事),日本版ではこれとはまったく別の展開が用意されている
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実は,OVERHITは楽曲も洗練されている。さまざまな世界を旅するというコンセプトを反映しているのか,一般的なファンタジーRPGとは大きく異なるテイストだ。公式サイトではメインテーマ曲が視聴できるので,ぜひチェックしてほしい
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