日本に住んでいる人の多くがあれこれ悩む,干支の素材集め時期が今年もやってきた。自分で描いたり,イラスト集を買ったりと,着々と準備している人と同じくらい,何もやっていなくて困っている人もいるだろう。
2021年の干支は丑と聞いた筆者は,神話の怪物ミノタウロス,張り子人形の赤べこ,ドナドナ,カルビ,黄金聖闘士,果ては拷問器具等々,いろいろなものを思い浮かべたが,ゲーマーの端くれなら,やはりゲームにちなんだものにしたい。
ゲーム内で撮影した牛のスクリーンショットを,SNSの挨拶などで積極的に使うべきではないか……!
画像は「レッド・デッド・リデンプション2」より
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そこで本稿では,今からでも撮影が間に合いそうな,
牛が登場する3タイトルをピックアップして撮影方法や作例を紹介する。ぜひ素材集めに役立ててほしい。
この3タイトルはいずれも人気作で,素材集めが終わってからもプレイを楽しめること請け合い。しかも掲載時点なら
セールやフリープレイの対象となっているので,コストパフォーマンス的にも満足できるはずだ。
家畜種から伝説級まで幅広い牛揃え
「レッド・デッド・リデンプション2」
PC版はSteamやEpic Games Store,PS4版はPS Store,Xbox One版はMicrosoft Storeでセール中
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牛といえばカウボーイ,カウボーイといえば西部劇。というわけで,最初に紹介するのは,荒くれギャングたちの生き様を描く
「レッド・デッド・リデンプション2」(
PC /
PS4 /
Xbox One。以下,RDR2)だ。さまざまな種類の牛が登場するので,撮影対象には困らない。
本作の牛は,牧場と名の付く場所を中心にあちこちで見かけられるが,まずはマップ内を移動できるよう,チュートリアルとなっているチャプター1のクリアを目指そう。
筆者おすすめの牛撮影スポットは,ゲームのスタート地点から比較的近く,牧場主にもあまり怒られず,ならず者たちにも狙われにくかった「エメラルド牧場」周辺。このあたりでは3〜4種の牛を見かけることができるはずだ(ポップはランダムの模様)。
撮影したいシーンになった瞬間にメニューを開いて,フォトモードを起動しよう。「軌道/フリーカメラ」「高さ」「レンズ」「傾ける」「焦点距離」「ブラー度合い」「露出」「露出固定」「コントラスト」「フィルター濃度」「フィルタ」といった多くの設定項目が用意されているので,それらを調節してこだわりの1枚を撮ろう。
メニュー画面からフォトモードを起動
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フロリダクラッカー種の牛。牛は駆け寄ったり騒がしくすると逃げてしまうことが多いので,静かに近寄ろう
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力強い見た目のアンガス種の去勢牛。NPCやプレイヤーに気付くと容赦なく突進してくる荒ぶった牛もいるので,背後には気をつけたい
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タイミングをうまく合わせればこんな1枚も切り取れる。新しい年は,これくらいの勢いでいろいろなことにチャレンジ!
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かつて突進されて痛い目に遭った八つ当たりのため,ヘレフォード種の雄牛に忍び寄る主人公アーサー。使うエフェクトで見え方もガラリと変わる
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「レッドバス」のフィルターを使うと,草木もこんな表情に。ほかにも30種以上のフィルターがある
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さて,ゲームを進めるうちに「伝説の白いバイソン」が出現するという噂を聞いた撮影班(筆者)は現地へ向かった。
やっと見つけたので遠方から撮影。こんな風景画のような構図もあり
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銀板写真の効果を使うと,一瞬で古びた雰囲気に
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離れた距離からの撮影でも,フリーカメラ機能を使えばここまで肉迫。さすが伝説の白いバイソン,寒冷地仕様だ
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ストーリーをさらに進めると,別の伝説級の牛が登場したり,牛を捕獲するミッションが楽しめたりするようだ。RDR2のグラフィックスは非常に美しく,特にPC版は圧巻。さまざまな種類の牛を,さまざまなシチュエーションで,美しい風景と共にカメラに収めてほしい。
スタンプ機能で“映える”!
「Ghost of Tsushima」
PS Storeでは2021年1月8日まで40%オフの4554円で購入可能
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続いて紹介するのは,2020年の大ヒットタイトルである「
Ghost of Tsushima」。対馬を舞台に主人公の武士,境井 仁の活躍を描く本作に登場する牛は,RDR2とは正反対の癒やし系だ。
RDR2同様,まずストーリーは序章・チュートリアルあたりまで進めて,マップ内を探索できるようにしよう。牛は,マップ上に点在する「流民の野営」にいることが多いようだ。
今回目にした限りだと,登場する牛は1種のみのようだが,どことなく優しさを感じる目が魅力的。被写体として申し分ない
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本作のフォトモードは,撮影したいタイミングで方向キーの右を押すことで起動する。ズーム,被写界深度,ピント調節,色補正,露出補正などといった基本機能は十分に備えつつ,天候や時間,主人公・境井 仁の表情,風の強さ,雲の位置や刃の光らせ方といった部分まで調整できる充実ぶりだ。加えて,エフェクトでは葉や鳥を舞わせたり,スタンプを押せたりするなど,スマートフォンのARカメラアプリを思わせるような機能も取り入れられている。
エフェクトで紅葉を降らせてみる。降らせる量や風向きなど,本当に細かなところまでいじれる
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中でもオススメは,スタンプや縦位置での撮影だ。12種あるスタンプはどれもクオリティが高く,フレーム的なものも含まれており,ただレイアウトするだけでもとにかく“映(ば)える”。
刃の輝き具合も調整できるということで,主人公の仁にも加わってもらった
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フレームを使って,かわいい雰囲気に
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上は色補正機能の白黒,下はゲームの「画面設定」で「黒澤モード」にしてからの撮影。同じモノクロでも黒澤モードではスタンプまでモノトーンになるうえ,ザラつきやノイズが強調されていて,気分はなんちゃって映画監督の筆者
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隙間があればついつい配置してしまいたくなるスタンプ。パッと見なら,ポスターやパッケージのように見えなくもない出来ではないでしょうか(自画自賛)
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 縦位置スナップにもトライ。撮影時は昼間だったが,時間を深夜に変更して蛍を飛ばせてみた |
 ときには大胆な色使いも。仁の長年の相棒のように寄り添う牛だが,さっき出会ったばかりである |
仁を非表示にできるのは,今回のような撮影に便利な機能
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牛を主役にしつつ,こっそり仁に変顔(接吻の表情)をさせてみた。この他にも怒り,喜び,憤怒など10以上の表情が設定できる
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プレイ中にGOTOツシマ気分も堪能できる本作。誉れ高いフォト侍を目指して精進してみてはどうだろうか。
秘密兵器「カウガン」でシュールな牛を撮りまくれ!
「ジャストコーズ4」
PS Plusのフリープレイタイトルとして入手できるのは2021年1月4日まで。Microsoft StoreではXbox One版が2021年1月3日までセール中
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最後を飾るのは,現在PS4版がPlayStation Plusのフリープレイ対象タイトルになっている
「ジャストコーズ4」(
PC /
PS4 /
Xbox One)。イロモノ枠(?)での参戦だ。
CIAエージェントのリコ・ロドリゲスが架空の国ソリスに潜入して大暴れする本作。牛はマップのところどころにいるものの,実はフォトモードがない。
だが,オプションで画面情報を非表示にできるうえ,NPCなどを牛に変身させる武器
「カウガン」が存在するため,それらを組み合わせればユニークな写真が撮れるのだ。
カウガンは,マップ南西のヴァイベネスにある牧場付近まで行って手に入れる必要がある。ゲーム開始時は敵が制圧しているエリアなので,安全確実に手に入れたいなら,味方の軍(カオスアーミー)を進軍させてからにしよう。
カウガンがある場所はこのあたり。ゲーム開始地点からは少々離れている
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民家的な建物の軒先に,噂の迷惑武器,カウガンが……
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さっそく一般市民を牛にしてみる。歌ったり踊ったりバカンスしているところに紛れ込んで記念撮影。みんな開放感にあふれて楽しげだ
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ちなみに,カウガンを牛に向けて使うと何故か「ジャストコーズ3」での宿敵,ディラベロ将軍になる
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NPCは牛になっても驚くことなくそれまでの行動を続けてくれる。歩いている人は牛になっても二本足で歩き,ダンスしている人は牛になっても踊り続けるので,いい“被写体”を探してみよう。
ただ,敵兵は牛に変身させても攻撃してくるし,一般市民にしても意図した場所に配置するのは手間がかかるので,なかなか思うような絵作りは難しいかもしれない。また,フォトモードがないため,画面内に主人公であるリコの姿が入り込んでしまうのが気になる人もいるだろう。
そんなときには,カウガンのもうひとつの機能を使うのも手だ。ここまでのスクリーンショットでお気付きの読者も多いと思うが,カウガンは自分自身を牛にすることもできる(今回使用したPS4版では[R1]ボタンで変身)。これなら思った場所に移動できて,思い描いた構図に近づけるというわけだ。
ド派手な破壊や爆発が醍醐味のひとつでもある本作。牛になってもやることは変わらない。着弾までに時間がかかる武器を使ったり,爆発物に突っ込む途中で車から飛び降りたりすれば,視線をカメラへ向ける余裕が生まれるはず
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グラップリングフックで高速移動したり,車やバイクを縦横無尽に乗り回したり,ウイングスーツで空をかっこよく飛んだり……これほどまでワイルドな牛がかつていただろうか。いや,いまい(多分)。
自分すら牛になることができ,目を引きやすい派手な爆発エフェクトも使い放題と,お笑い要素を求める人にぴったりの本作。撮影は少々難しいが,プレイをムービーで撮影しておき,後から決定的瞬間を切り出す手を使ってもいい。うまく工夫して傑作を生み出してほしい。
いかがだっただろうか。こんなときだからこそ,牛のスナップを使って明るい年明けのメッセージを送ってもらえると嬉しい。
ゲーム内での牛探しは,現実世界では難しい旅行気分も味わえ,ちょっとした気分転換にもなった。そのうえ,どれもメインストーリーの続きが気になる作品ばかり。撮影が終わったら,ぜひ普通にプレイもしてみてほしい(筆者が時々寄り道してストーリーを進めていたことは内緒だ)。