DETUNEとコルグは,2017年10月29日に東京流通センターで開催された音系・メディアミックス同人即売会のM3-2017秋において,Nintendo Switch用ダウンロードソフト「
KORG Gadget for Nintendo Switch」のプレイアブル出展を行った。
DETUNEの出展ブース。見切れているのはDETUNE代表取締役社長の佐野電磁氏
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本作は,Mac/iOSでリリースされているDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)の
「KORG Gadget」をNintendo Switch用に最適化したもの。価格は未定で,発売は
2018年春と予定されている。
コルグの出展ブースでは,本作とMac/iOSの「KORG Gadget」が出展されていた。ちなみにMac/iOS版に関して,新たなガジェットのラウドネスマキシマイザー「DeeMax」とシンセサイザー/サンプラー「Lisbon」「Vancouver」が発表されている
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ツマミを回すと限界点に達したところでHD振動が「コツン」と響くなど,細かい演出もこだわられている
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本作はJoy-Conを用いたボタン操作に対応しているほか,ジャイロセンサーによる入力が可能となっている。これは,Joy-Conを傾けるとそれに合わせたノートが書かれるという機能で,アナログ感覚での打ち込みが可能だ。スケールを指定することで,特定の音階だけにノートを書くこともできる。
ジャイロセンサーを利用したJoy-Conの角度による入力。スケールの指定が可能だ
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上の画像とは異なるスケールを指定した場合。このような細かいフレーズも一気に入力できる
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また,最大4人での同時プレイに対応しているので,「俺はスネア打つからお前はキック打って」や「僕はリード書くから君はベース書いて」,あるいは
「貴様が打ったハイハットを全部消す!」などの遊び方が可能だ。まあ,ケンカになるので他人の邪魔はギャグで済む範囲までにするといいだろう。
複数人でひとつの曲を編集することが可能。ある意味で対戦ゲーム的なプレイ感覚もあるという
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初期状態で収録されているガジェット(音源)は,現在検討中とのことだが,iOS版の初期状態と同じ程度を予定しているという。筆者としては,せっかくのゲームハードなので,
KAMATA(旧ナムコが「マッピー」や「ドルアーガの塔」などに用いていた波形メモリ音源“C30”を再現し,ガジェットとして構築したもの。Mac/iOS版で提供中)のリリースに期待したいところだ。
今回のデモ版で実装されていたガジェットは,London,Marseille,Wolfsburgの3種類
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作った曲の書き出しやMac/iOS版とのデータ連動は,Nintendo Switchの仕様上,発売段階では実装が難しい模様だ。作った曲をPCに取り込みたい場合は,少なくとも初期状態では3.5mmミニピンからの出力を録音したり,HDMI出力をキャプチャして音声だけ抜き出したりする必要がある。もし今後のファームウェアアップデートでNintendo SwitchがMicroSDカードへのデータ書き出しなどに対応すれば,本作や
「Fuze Code Studio」(
関連記事)のようなツール系ソフトで利便性が向上すると思われるが,どうなるだろうか。
複数人で1つのDAWを操作するという独特の体験をしてみたい人や,「
KORG DS-10」や「
KORG DSN-12」などによる「ゲーム機での作曲」を趣味としている人は要注目だ。