プレイレポート
片思いと失恋も丁寧に描いたPC用「片恋いコントラスト ―way of parting―」第1巻を紹介。2人の同級生との三角関係が楽しめる学園モノ
2018/09/28 00:00
アイディアファクトリーの女性向けブランド「オトメイト」とフロンティアワークスが贈るプロジェクト
「triAngle PROJECT」 。その第2弾にあたる
「片恋いコントラスト ―way of parting―」 の
第1巻 が2018年9月28日に発売されます。
本作の主人公,高校1年生の橘川冴子
(※名前のみ変更可能) は,小学生の頃に起きた“とある出来事”がきっかけで,学校でも親しい友達を作らずに1人で過ごしてきました。ところが,高校生活初日に
不思議なハリネズミ と出会ったことをキッカケに,一癖も二癖もある人々と関わることになり,やがて
“2つの恋” を経験します。
本シリーズでは,全3巻とも主人公が変わりません
第1巻では,
椎葉亜樹那(CV:緑川 光) と
樫永和兎(CV:日野 聡) ,2人の同級生との恋愛模様が描かれます。人との関わりを避けてきた主人公が経験する,ちょっと苦い初恋と新しい恋――2つの恋の間で揺れ動く,学生らしさに溢れた
“少女漫画チック” な本作を紹介します。
ずっと1人で過ごしてきた主人公が不思議なハリネズミと出会う「序章」
小学生の頃に経験した出来事がキッカケで,特定の友達を作ることなく,1人で過ごしてきた主人公は,中高一貫校である冠咲学園に通う高校1年生。
アルカンジェ舞渡華(CV:真殿光昭) というオネエがパーソナリティを務めるラジオ番組が大好きで,実際にお便りを投稿したりするヘビーリスナーです。
高校生活の初日。中高一貫校なので入学式特有のドキドキ感はなく,4月恒例のクラス替えも友達が不要だと考えているので興味がない……そんな主人公ですが,やはり緊張はしているようで,いつもより早く起きてしまいます。
時間ができてしまった主人公は,早めに登校し,1人でのんびり過ごそうと考えます。そこで立ち寄ったのは,早朝ということで人がいない学園の庭園でした。
主人公が住む初蕗市は,“人と植物の共生”というスローガンを掲げているため,作中の背景にも緑がいっぱい描かれています
昼間の庭園は,ほかの生徒達も利用しているため賑やかな場所ですが,その奥はちょっとした森になっているため,庭園のような賑やかさはありません。1人で過ごしたい主人公は,好んで森に足を踏み入れていたようですが,半年前に起きた出来事のため,それ以降足を運ばなくなっていました。
誰もいない庭園で,昨日のマドナイを聞こうとした主人公ですが,近くの茂みから何やら物音が……。動物らしい気配を感じた主人公が目を凝らした時,主人公の目の前に現れたのは,なんと
ハリネズミ! かわいい。
首元にはリボンが。誰かのペットかも?
走り去るハリネズミを思わず追いかけてしまった主人公ですが,ハリネズミはどんどん森の方へ。なんとか追いついて捕まえようとしたその時,主人公は1人で涙を流す亜樹那と出会うのでした。
人と関わらないように過ごしていた主人公ですが,亜樹那にハリネズミのことで話しかけられ,とりあえず会話することに。自分が飼っているわけでもない,ハリネズミの名前を聞かれ,とっさに出た名前は大好きな舞渡華。亜樹那にはハリネズミの名前が「マドカ」なのだと思われてしまいます。
結局,隙を見計らい,彼の前から逃げ出した主人公でしたが,実は同じクラスだった亜樹那。それからというもの,何かと絡まれるようになってしまいます。
さまざまな経験をする「初恋編」「傷恋編」。2つの恋に揺れる「三角関係編」
これまで友達を作らないようにしていた主人公でしたが,亜樹那と出会ったことでその生活は一変します。亜樹那と話すようになり,彼の幼馴染である和兎とも顔見知りに。これまで通り,1人で過ごすつもりだった主人公の高校生活は,次第に賑やかになっていきます。
見ためも態度も王子様のよう和兎ですが,ある秘密があって……
最初は亜樹那のことを避けていた主人公も,結局彼にほだされる形で距離を縮め,一緒に過ごしていくうちに,ついには
友達と呼べるような関係 になりました。
また,ハリネズミのマドカ――マドちゃんの本当の飼い主・
眞泉千種(CV:高垣彩陽) とも出会います。主人公の同級生ですが,友達を作らずに1人で行動しているミステリアスな雰囲気な女の子なのですが,同じ年齢とは思えないほど落ち着いた口調で,主人公に的確な言葉をかけてくれる頼れる存在です。
学校を舞台にした物語だけに,球技大会などの学校行事を挟みつつ,友達として程よい距離感の主人公と亜樹那の物語が進行していくのですが,
ある出来事から2人の関係が変わっていきます。
亜樹那は,コンビニなどで新商品を買うのが好きなのですが,その新商品はクセがありそうなものばかり。作中に何度もヤバそうな食べ物がでてきます
主人公が危険な目にあったと知った時,亜樹那の様子が少し変でした
ある日の放課後,亜樹那と一緒に帰っていた主人公が車に轢かれそうになった子供を間一髪で助けます。主人公が危険な目にあった時,立ち寄ったお店の店内にいた亜樹那ですが,主人公が危ない目にあったと知ると,慌てて駆け寄り,勢いよく主人公を抱きしめます。いままで友達として程よい距離で接してきた亜樹那に抱きしめられたことで,主人公は初めて亜樹那を男性として意識し,やがて彼への恋心を自覚します。
初めて経験する恋に戸惑い,だけど友達のままでいたいという気持ちから想いを伝えずに,今までどおり過ごすという選択をした主人公でしたが,その“今までどおり”というのがなかなか難しくて……。
ところが,ある日の放課後,主人公は思わず亜樹那に告白をしてしまいます。結果は玉砕……主人公は初めての失恋を経験します。
本作は必ず1度,主人公が失恋するという,ちょっと珍しい内容となっています
亜樹那にフラれた後,泣いてしまうほど落ち込んだ主人公ですが,そんな姿を心配した和兎に一緒に帰ろうと誘われます。帰り道,亜樹那にフラれたことを和兎に話すと,彼なりの不器用な優しさで主人公を慰めてくれました。
ところが,次の日も一緒に帰ろうと誘ってくれた和兎に
「僕と付き合わない?」 という,告白のようなことを言われて……。
4つの章に分かれている本作ですが,
「初恋編」 では亜樹那を好きになり,告白をしてフラれるまでが,
「傷恋編」 ではフラれたことで傷心中の主人公が和兎と
“恋人ごっこ” をすることになるといった物語が描かれています。この2つの物語は必ず進むルートになっており,初恋編では亜樹那と,傷恋編では和兎と一緒に行動し,それぞれの人となりが分かるようになっています。
そして初恋編,傷恋編をクリアした後に解放される
「三角関係編」 で,主人公が
“過去の恋”と“未来の恋”のどちらを選ぶのか が,好感度によって分岐します。
本作は,エンディングを1つでも見た後,再び最初からプレイすると,
男性キャラクター視点の物語 が合間で見られるようになります。場面と場面の間に何があったのか,主人公が知らない場所で男性キャラクター達が繰り広げたやり取りが確認できるので,物語の裏側に隠されていた彼らの心境を知ることができます。
メニュー画面の「通り道」では,章のなかで起きた出来事を自由に振り返ることができます。見たい話にカーソルを合わせると,その場面に登場するキャラクターが表示されるので,お気に入りのキャラクターのシーンを振り返りたいという時に便利かも。
「放課後」 には,イベントCGが閲覧できる
「美術室」 ,BGMが確認可能な
「音楽室」 ,ムービーがいつでも楽しめる
「視聴覚室」 が用意されています。
華やかな芸能界を舞台にした第1弾の「Tlicolity Eyes」とは違い,普通の学校を舞台に同級生,先輩,後輩,教師との三角関係な恋愛が描かれる「片恋いコントラスト ―way of parting―」。片思いと失恋も丁寧に描かれた本作は,両思いだけではなく,
ちょっと切なくて苦い恋愛 が楽しみたいという人におすすめできる作品です。
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