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スロバキア生まれのスチームパンクRPG「Vaporum」は,「ダンジョンマスター」を超えるか
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印刷2017/04/27 13:45

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スロバキア生まれのスチームパンクRPG「Vaporum」は,「ダンジョンマスター」を超えるか

 3Dで非リアルタイムのダンジョン探索RPGといえば,いまだに「Wizardly」がその頂点に君臨していると思う筆者だが,これが,3Dでリアルタイムのダンジョン探索RPGとなると,「これがベスト!」と言える作品を推すのは難しい。「ダンジョンマスター」がマスターピースであるのは間違いないが,とはいえ「Legend of Grimrock」も捨てがたく,実際,海外のファンサイトではダンマスとLoGの評価が拮抗していることも珍しくない。
 そんな中,3Dでリアルタイムのダンジョン探索RPGというジャンルに,新たな挑戦者が出現した。それが,スチームパンクの世界観を濃厚にまとったスロバキア生まれの「Vaporum」だ。

「Vaporum」公式サイト



よりアクション性を重視したダンジョン探索


 「Vaporum」の基本的な構造は「ダンジョンマスター」や「Legend of Grimrock」と同様で,プレイヤーはダンジョン内を自由に移動できるわけではなく,グリッドの上をリアルタイムで移動していくというシステムだ。
 このため,プレイヤーが向ける方向はきっかり4つだし,前進,後退はマップの1マス単位で行われる。イメージとしては「世界樹の迷宮」シリーズと同じと思っていただければ,それで正解だ。
 ただし本作はリアルタイム進行なので,放置していれば敵がこちらに寄ってきて,一方的にキャラクターを殴り続けるという状況が発生する。

画像集 No.004のサムネイル画像 / スロバキア生まれのスチームパンクRPG「Vaporum」は,「ダンジョンマスター」を超えるか

 「Vaporum」の大きな特徴はアクション性の高さで,敵の攻撃タイミングを見切って一歩後退し,すかさず間合いを詰めて反撃といったことが可能だ。もちろん横移動によって攻撃を回避することもできるし,射程が長かったり扇状の攻撃範囲を持っていたりする武器も出てくるので,それらの利点を駆使して戦っていける。

画像集 No.013のサムネイル画像 / スロバキア生まれのスチームパンクRPG「Vaporum」は,「ダンジョンマスター」を超えるか

 もっとも,「殴ったら一歩下がる」を繰り返していればノーダメージで敵に勝てるわけはなく,攻撃速度の早い敵が相手だと後退が間に合わないことも起きる。キャラクターを成長させれば移動速度も上がるので,このあたり,プレイヤーの腕前だけでなく成長要素も大事という,RPGとしては妥当なバランス配分になっている。

 実際にプレイした感触を言うなら,間合いを詰めたり回り込んだりするアクションを駆使することが戦闘の大前提になっている印象がかなり強い。というか,敵と真正面からガチンコで殴り合うのは,可能な限り避けたい。
 このため,敵が1体だけのときは大丈夫だが,2体以上出てくると,たとえ格下の敵であっても結構苦戦する。実際,試遊台では,横についている開発者が「そのあたりでセーブしておいたほうがいいよ」と助言するシーンがしばしば見られ,大抵の場合,その直後に複数の敵と同時に戦うことになった。

画像集 No.005のサムネイル画像 / スロバキア生まれのスチームパンクRPG「Vaporum」は,「ダンジョンマスター」を超えるか

 また,パズル要素もかなり色濃い。最もシンプルなパズルは「床のスイッチの上に重たいアイテムを置いて重しにしておく」というダンマス時代からおなじみのものだが,「押して移動させられるブロックをうまく動かして穴を埋める」といったパズルも比較的序盤から登場しており,戦闘以外の面でも頭をひねる局面が出てくる。


スチームパンクな世界を満喫


 「Vaporum」を面白くしているもう1つの要素は世界観だ。本作の世界観はスチームパンクのそれで,さまざまなゲーム要素もそれに沿っている。
 例えば,一般的に「魔法」に属する要素は,「ガジェットのインストール(装着)」として表現される。ガジェットは倒した敵から拾えることもあり,もし放電攻撃をしてくる敵を倒せれば,放電攻撃が可能になるガジェットが手に入る場合もあるというアンバイだ。

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 武器は,開発者のこだわりがとくに強い部分でもある。担当者によれば,「RPGにはいろんな武器が登場するけれど,結局DPS(1秒間あたりのダメージ)だけで評価が決まってしまうことが多い」とのことで,この不満をもとに,「Vaporum」ではDPS以外の面でさまざまな個性が発揮されるようになっている。
 上記の射程や攻撃範囲の違いなどは,まさにこの典型的な例だが,それ以外にも「敵をスタンさせるハンマー」など,各武器がなるべく個性的になるように調整しているという。

 グラフィックスも非常によく作り込まれており,見るからに「スチームパンクだ!」という印象の強いダンジョンになっている。
 グラフィックスが緻密なゲームとなるとPCに対する負荷が気になるところだが,「ゲーム用のPCが必要になるほどではない」とのこと。画質を調整するためのグラフィックスオプションも豊富に用意されているとのことで,このあたりは安心できそうだ。

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 「Vaporum」を作っているのはFATBOT GAMESという4人のチームで,スロバキアのブラチスラヴァに本拠を置くデベロッパだ。本作の開発は2014年頃に始まっており,まずはデモを作って出資者を探し,出資者を得たあと,2015年8月にフルタイムで制作を開始したという。
 2か月後の2017年6月にはまずSteamでリリースし,その後,GoG.comなどのデジタル配信サービスを使ったリリースも考えているという。ちなみに,6月のリリースはアーリーアクセス版ではなく,完全な製品版になるそうだ。
 なおFATBOT GAMESでは本作をなるべくたくさんの地域で遊んでもらいたいと考えており,日本語版へのローカライザーも探しているという。リリースを楽しみにしたい。

FATBOT GAMESの開発スタッフ全員がドゥブロヴニクに来ていた。といっても4人だが
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