プレイレポート
第二次世界大戦FPS「Enlisted」プレイレポート。分隊長として戦いを勝利に導け
今回はDMM GAMESでのサービス開始に先んじて,本作のプレイレポートをお届けしたい。
FPSにも「Apex Legends」のようなバトルロイヤル系,「VALORANT」や「レインボーシックス シージ」などのチームベース系,「バトルフィールド」シリーズなど兵器が登場する大規模系とさまざまなサブジャンルがある。「Enlisted」はその中でも大規模系に類するタイトルだ。
歩兵に加え,戦闘機や攻撃機,戦車などが登場し,迫撃砲での間接砲撃,対戦車砲や機関銃陣地も用意されている。どちらかというとリアル寄りのゲームバランスで,一発の被弾が致命傷になる。
「War Thunder」で知られるGaijin Entertainmentが関わっていることもあり,戦車も装甲と砲弾の貫通力が考慮され,リアリティのある戦いが繰り広げられる。
現時点で戦場として実装されているのはドイツ軍対ソ連軍の「モスクワの戦い」と「ベルリンの戦い」,アメリカ軍対ドイツ軍の「ノルマンディー侵攻」だ。イギリス軍対ドイツ軍の「チュニジアの戦い」も実装予定となっている。
そんな本作で最大の特徴となるのは,プレイヤーは1人の兵士ではなく,分隊を率いる分隊長の立場であるということだ。戦場には1〜9人で構成された分隊で参加することになる。直接操作するのはその中の1人の兵士で,あとはAIが操作するが,操作する兵士はいつでも変更可能だ。また,自分が操作している兵士がやられると,別の兵士に切り替わる。
戦場には最大4分隊(プレミアムアカウントだと6分隊)まで連れていける。同時に戦場に出撃する分隊はひとつまでだが,状況に応じて役割の違う分隊を編成しておくということも可能だ。
分隊は兵士単位で変更でき,兵士は武器やアイテムなどを変更できる。
とはいえ,自由に組み合わせられるわけではなく,用意された分隊の特性にそって,自由が利く範囲で変更するという具合だ。兵士も同様で,兵種ごとに装備できるものに制限がある。
例えば,米陸軍第1歩兵師団“ザ・ビッグ・レッド・ワン”の分隊は,配属された当初は一般兵が5人編成だが,戦場に出て経験値を貯めることで,配属可能人数が増え,突撃兵や工兵,通信兵といった別の兵種も編成できるようになる。
キャンペーンによって違いがあるが,ノルマンディー侵攻の米軍の場合,分隊は22個用意されており,キャンペーンレベルを上げることで使用できる分隊,兵種,武器,アイテムが増えていく。
ちなみに兵士にもレベルの概念があり,使い込めばより強くなっていく。
なお,キャンペーンごと,そして陣営ごとにレベルが分かれているので,「ノルマンディー侵攻」でドイツ軍のレベルを上げたからと言って,アメリカ軍のレベルは上がらないし,「モスクワの戦い」のドイツ軍レベルも上がらない。
1〜9人の分隊と書いたが,1人分隊が存在するのは飛行隊が存在するためだ。原則,飛行機は1人での運用となる。
一方,戦車(装甲車)を扱う機甲師団の分隊は,1両で1分隊となる。1分隊当たりの人数はその車両を扱うために必要な人員となる。装甲車が被弾して人員が欠けた場合は,他のクルーが必要に応じて,兼務することになる。
例えば砲手がやられた場合,砲に関する操作(砲塔を動かす,射撃する)などができなくなるが,射撃が必要な時に車長が移動して,代役を務めることが可能だ。
武器や兵士はアンロックされればそのまま使えるというわけではなく,戦闘に参加したり,「1戦のバトルを完了する」などのタスクをクリアすることで手に入る「武器依頼書」「兵士依頼書」を使って補充する。
武器や兵士にはレアリティがあり,支給された段階で判明する。レアリティが高ければ性能は良くなるが,レアリティが低くても余った装備を分解することで手に入る部品を使ってアップグレード可能だ。
兵士の場合は軍学校に同じレアリティの兵士を3人送れば,一つ上のレアリティの兵士が戻ってくる。
プレイヤーの腕以外の部分で,ゲームに影響を与えるので好みの分かれるシステムだが,コツコツと優秀な兵士や武器を集めて,自分だけの分隊を編成するのは個人的には大好物だ。スプリングフィールドM1903小銃しか装備していなかった二線級の分隊が,M1ガーランドを装備した精鋭分隊へと成長していく過程は,心をくすぐるモノがある。
AIがいることによって生まれる気持ちよさ
さて,シューター以外のシステムを説明したが,ここからは戦場のプレイフィールを伝えたい。
本作で用意されているゲームモードは分隊を率いて戦う「分隊」モードと,分隊の兵士が1人ずつ戦場に出て戦う「一匹狼」モードの2つだ。今回は「分隊」モードをベースに話を進めていく。
ゲームルールには両陣営がいくつかある拠点を奪い合う「制圧」と,攻撃と防御側に分かれ,攻撃側が拠点を一つずつ制圧していく「侵攻」の2種類がある。
分隊モードで登場する兵士は,油断していると弾をぶち込まれる程度には強いが,プレイヤーが操作している兵士と比べると,それほど驚異的な存在ではない。要するに倒しやすいのである。
対戦型FPSというゲームは,当たり前だが,ほとんどの場合,プレイヤーVSプレイヤーだ。とすれば当然そこには腕の良し悪しが出てくるわけで,初心者はやられっ放しになってしまうことも少なくない。
ところが,本作ではAIが存在するため,敵を倒す爽快感を味わいやすいのだ。こちらからは相手がAIなのか,プレイヤーなのかは判別しにくいため,「AIを倒したところで……」となりづらいのもポイントだ。
とはいえ,本作はゲームシステムの仕様上あっさりと死ぬので,そのあたりでストレスを感じる人もいるかもしれない。ライフル弾が一発当たれば大抵はダウンするし,大口径の戦車砲の榴弾が着弾すれば,その周りの兵は宙を舞うことになる。
そもそも戦車にライフルでは太刀打ちできないし,対戦車用装備をすべての兵士が持っているわけでもない。ゆえに戦車と出会ったときの絶望感はかなりのもので,その存在自体が理不尽と思うかもしれない。
ただそれでも,ノルマンディー上陸作戦で,機関銃の弾幕を潜り抜け,敵陣地まで肉薄できれば楽しいし,立ち塞がる敵戦車に梱包爆弾をプレゼントして吹っ飛ばしたときは思わず「ざまあみろ!」と言いたくなる。それは困難な状況にあってこそ味わえる面白さだ。
そういう困難な状況で,うまくいく可能性はもちろん高くはないが,うまくいったときには他のゲームでは得難い爽快感がある。
当然,対戦ゲームをプレイしているからには勝利を目指しているのだが,本作はその過程を味わうタイトルだと思う。一味違うFPSを遊んでみたい,という人はぜひプレイしてみてほしい。
「Enlisted」公式サイト
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Published by EXNOA LLC. (C)2021 Gaijin Entertainment. Developed by Darkflow Software. All rights reserved.
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