2017年2月23日に正式サービスが開始されたスマートフォン向けアプリ
「陰陽師」(
iOS /
Android)は,平安時代を題材とし,幾多の式神を使役する陰陽師がバトルを繰り広げるという内容のRPGだ。海外で制作されたゲームだが,(海外でリリースされた段階から)
「安倍晴明」を始めとするキャラクターのボイスを演じるのは杉山紀彰さんや釘宮理恵さんといった豪華声優陣で,音楽監督には作曲家の梅林茂氏を起用するなど,日本展開を強く意識した作品である。
本稿では,そんな「陰陽師」のプレイインプレッションをお届けしよう。
海外版でもボイスは日本語というこだわりっぷりだ。料金形態は基本プレイ無料のアプリ内課金制が採用されている
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記憶を失くした「安倍晴明」と「神楽」に待ち受ける運命とは
本作のストーリーは「安倍晴明」と「神楽」という2人を中心に描かれる。両者共に失った記憶を取り戻すべく,魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)する平安京を旅することになるが,友の敵(かたき)として誤解されて襲われるなど,その道中は基本的に穏やかではない。
天才陰陽師「安倍晴明」は優しくて穏やかな性格だが,俗離れした一面もある
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晴明と行動を共にするヒロイン「神楽」。ときおり神秘的な雰囲気ものぞかせるが,基本的には天真爛漫な女の子だ
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プレイし始めてすぐにグラフィックスの作り込み具合が見て取れる
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日本画を彷彿とさせる背景も美しい
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ストーリーはフルボイスで展開し,キャラが動く“人形劇”風の演出が没入感を高めてくれる
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ゲーム開始早々,敵だと誤解されて襲われた晴明を,とっさに庇った神楽だが……
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式神と陰陽師の連携がカギを握る
コマンド選択式のターン制バトル
戦闘システムはコマンド選択式のターン制バトルが採用されており,1人の陰陽師と3体の式神からなるパーティで敵を倒すことになる。
画面右の行動ゲージで各キャラの行動順を把握し,陰陽師と式神の通常攻撃やスキルを繰り出していこう。
スキルには攻撃型や防御型,補助型とさまざまなタイプがあり,発動には“鬼火”というリソースが必要となる。鬼火は通常攻撃によって溜められるが,式神全体で共有されるリソースなので,どう管理するかも重要だ。
バトル中,スワイプ操作でカメラを移動でき,スキル発動時の演出も好きな角度から見られる
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序盤で陰陽師としてパーティに組み込めるのは晴明のみだが,ストーリーの3章クリアで神楽,7章クリアで源博雅(みなもとのひろまさ)がそれぞれアンロックされる。陰陽師のレベルは陰陽師全体で共有されるが,各キャラによって使えるスキルが異なるので,連れていく式神によって使い分けていきたい。
可愛らしい陰陽師の神楽は3章クリアでアンロックだ
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晴明なら“龍神”,神楽なら“白蔵主”といった具合に,それぞれの陰陽師は固有の「御霊」を身に宿している。御霊を強化すると陰陽師のステータスアップ,スキル習得といった恩恵がある
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式神は「御魂」を6個まで装備できる。同じ御魂を揃えるとセットボーナス効果も発生
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式神は召喚(ガチャ)やイベントの報酬,欠片を集めるといった形で獲得でき,すべて「勾玉」が6つのランクまで育成可能だ。式神のスキルはいずれもユニークな性質を持っており,レアリティが式神の実力に直結するとは限らないのも面白いところだ。
ガチャにはノーマルガチャとレアガチャの2種類が用意されている。☆を一筆書きするという演出はなかなかニクい
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なお,「探索」モードで1つの章をクリアするごとに生成される「探索ダンジョン」では,経験値や式神の強化素材が手に入る“探索”か,式神チャレンジチケットを消費する“挑戦”のどちらかを行うことが可能。後者の場合はバトルに勝利するとランダムで式神の欠片を獲得し,必要数を集めると新たな式神を召喚できる。
ゲームを始めたばかりのうちは,基本的に探索モードでストーリーを読み進めつつ,生成された探索ダンジョンで戦力の強化を図るといいだろう。
“探索”では素材が,“挑戦”では式神の欠片が手に入る
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遊びやすいだが,やり込み度は高め
平安時代を題材とした世界観に,日本人ならおおよそ誰もが知っている安倍晴明を主人公としたストーリー,そしてスマホ向けRPG定番の戦闘システムと,海外制作でありながら日本人が遊びやすい作品に仕上がっている「陰陽師」。育成/収集といったやり込み要素も盛り込まれており,プレイする人を選ばないところが本作の大きな魅力だ。世界累計で2億ダウンロード突破が謳われていることも,それを裏付けている。
ギルドシステムに相当する「陰陽寮」や,強敵を相手に最大3人のプレイヤーが共闘できるマルチプレイも搭載されているので,和風ゲームが好きならぜひプレイしてみてほしい。