インタビュー
今度は“リドルアナ”で松野節が炸裂する。「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」パッチ4.3直前,吉田直樹氏インタビュー
今回は奇数パッチということで,新しいコンテンツが普段より多く追加される。とくに注目なのは,「リターン・トゥ・イヴァリース」の第2弾「封じられた聖塔 リドルアナ」だろう。タイトルの通り,舞台は「ファイナルファンタジーXII」に登場した“リドルアナ”となっており,第1弾に引き続き,株式会社ALGEBRA FACTORY代表取締役/ゲームデザイナー/脚本・松野泰己氏(『ファイナルファンタジータクティクス』『ファイナルファンタジーXII』等)と,「牙狼<GARO>」シリーズ原作・総監督でイラストレーター、キャラクターデザイナーの雨宮慶太監督が制作に参加している。
パッチ4.3のリリースとは少しタイミングをずらして,新たなディープダンジョン「アメノミハシラ」や,超高難度8人向けレイド「絶アルテマウェポン破壊作戦」といったハードコアなコンテンツも登場する。その他に,前回のパッチで好評だった「禁断の地 エウレカ」の第2弾,パゴス編も実装予定となっている。
コンテンツ以外にも,ワールドの垣根を超えたクロスワールドリンクシェル(以下,クロスワールドLS)が実装されたり,オシャレを楽しむのに役立つ「ミラージュドレッサー」のアップデートが入ったりと,システム面でも様々な更新が行われる予定だ。
いつも以上に大きなコンテンツがたくさん詰まったパッチ4.3について,今回も本作のプロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏(以下,吉田氏)にインタビューしてみた。
「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」公式サイト
いよいよドマ編が大詰め。新シリーズに向けて進み始めるメインストーリー
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。今回のトレーラーも,気になる点が山ほど出てくる作りになっていました。とくに気になったのは,アサヒやゼノスが関わるメインストーリーの展開です。
今回のトレーラーには,意図的に編集したところもありますから,プレイヤーの皆さんに色々想像してもらえると嬉しいです。
4Gamer:
今展開している「ドマ編」は,パッチ4.2と4.3で前後編になっていますが,今回で完結ということでしょうか。
吉田氏:
はい,今回で完結します。これでパッチ4.0からの物語は綺麗に描き切れたと思います。ドマやアラミゴの復興はこれから始まりますが,そこに関してはプレイヤーが関与するところは多くなく,その土地に住む彼らが歩んでいく道という風に考えています。
4Gamer:
たしかに,復興まで光の戦士が関与し続けるわけにはいかないですよね。
今回の新討滅戦についても聞いていきたいのですが,プロデューサーレターLIVEでの発表時は内容がすべてシークレットという形になっていました。これは,メインストーリーに関わっているからなんでしょうか。
吉田氏:
今回は四聖獣ではないのでそういうことになりますが,誰と戦うかは一切伏せたままパッチリリース日を迎えようと思っています。
4Gamer:
タイミング的に,アサヒかゼノス辺りなんじゃないかな? と思うのですが。
吉田氏:
さて,どうでしょう。パッチ4.3では,次のシリーズに向けた新しいストーリーも入ってきていますから,色々な驚きも含めて楽しんでいただけると嬉しいです。また,新討滅戦の相手が気になる人は,パッチリリースからしばらくの間は,ネタバレ防止のためにネットを封鎖してもらった方が良いかもしれませんね。
4Gamer:
では次に,新しいIDについても聞いていきたいと思います。リリースなどで詳細が発表されていますが,説明に“風水術”と出てきますよね。これがプレイヤーの間では,新ジョブの伏線なのでは? と話題になっているようです。
吉田氏:
ああ,言われていましたね。まったく関係ないです(笑)
4Gamer:
関係ないんですか。ちょっと残念。
吉田氏:
でも,そう予想されるのは嬉しいですね。今回のIDはメインストーリーではなく,四聖獣のストーリーで行くことになります。綺麗ですし,曲も良いのでじっくり遊んでもらえると嬉しいです。
「リドルアナ」を舞台に松野節が炸裂する新アライアンスレイド
4Gamer:
松野さんと雨宮監督が参加していることでも話題の「リターン・トゥ・イヴァリース」第2弾,「封じられた聖塔 リドルアナ」も実装になりますね。今回はBGMに「FFXII」の楽曲がかかっていましたし,FFXIIのボスキャラなどが登場するのでしょうか。
吉田氏:
もちろん,FFXIIの要素も登場します。第1弾のフィードバックを受けた松野さんが「もっと盛ろう」という方向に舵を切りましたので,今回はアライアンスレイドとは思えないほどに,とにかくストーリーが長くて濃いです。それにカットシーンなども丁寧に面白く作ってあります。実装初日に急いでコンテンツに行きたい人もいると思いますが,ヒントトークなどそのフラグの瞬間でしか読めないテキストもあるので,あまりスキップせずに,じっくり松野節を味わってほしいです。
4Gamer:
今回はロットルールが“GREED限定”になりますが,プレイヤーの反響はいかがですか。
吉田氏:
反対意見の方が多くなると予想していたんですが,反響は半々といった感じでした。装備が取りづらくなるとか,周回する時間が長くなるんじゃないか,という懸念を抱かれているようですが,基本的にはその逆の期待をしてのテストケースでもあります。
4Gamer:
今までもパーティ内に同じロールの人がたくさんいて,NEEDだからと言っても,なかなか装備を取れないことがありました。よくあったのは,レンジの胴や脚狙いで突入したら,吟遊詩人4人のPTとか。
吉田氏:
仮にNEEDだとしても,ロットに勝たなくちゃいけなくて,かなりハードルが高いですよね。それ以前に,狙った装備が出るかどうかもわかりませんし,そもそもコンテンツに突入できるまでのアイテムレベルを用意するのも大変です。GREED限定にした場合,ドロップさえしてしまえばロットはできるし,全員がロットするとも限らない。
4Gamer:
たしかに,1つ取ってしまうとその週は他の物が取れなくなりますし,みんながみんなロットするとは限りませんね。
吉田氏:
それに,「コレかコレ!」という複数アイテムへのヤマの張り方もできるかなと思っています。今までだと,絶対NEEDでこの装備を持って帰る! って意気込んで,決めた物しか取らない人もいたと思いますが,GREEDだったら他のロールで欲しかった装備が手に入る可能性もあります。今週はこっちでも良いかって考え方もできるかなと。
4Gamer:
なるほど。全体で見たら,周回数は減るかもしれませんね。
吉田氏:
反響は半々でしたし,入れてみてやっぱりネガティブな意見が多いようであれば元に戻すので,今回はこのルールで試させてください。
4Gamer:
では,もう1つの新しいコンテンツ,ディープダンジョンシリーズの新作「アメノミハシラ」についてもお聞きします。前回の「死者の宮殿」は200階でしたが,今回は何故100階になったのでしょうか。
吉田氏:
前回はレベル1〜60までのレベリングの場として用意したので,その分のフロア数が必要でした。ただ,今回はレベル61〜70のレベリングに使ってもらうのと,シナリオをクリアするためだけなら30階分で十分だろうという判断をしました。そこから200階まで高難度ダンジョンが続くとなると,さすがに長すぎるだろうということで,今回は全100階層です。
4Gamer:
セーブは10階ごとなんでしょうか。
吉田氏:
10階ごとです。システムは前回と同じと考えてもらって大丈夫です。
4Gamer:
前回はソロでやるのも面白くて好きでした。200階ソロ踏破も全世界で2名出ましたよね?
吉田氏:
そうですね,あれは本当にすごいなと思います。今回もソロで挑む人はいるだろうと予想していて,ソロプレイで100階到達のアチーブメントも用意してあります。でも,ソロを想定して難度を調整しているわけではないのでまさしく挑戦,ですね。
4Gamer:
前回は武器と防具を強化値+99にすると,銀の宝箱は100階以降ほぼ意味がないイメージでした。
吉田氏:
今回は,銀の宝箱からしか出ない別の要素もあるので,そこは改善できていると思います。それに,「アメノミハシラ」でしか手に入らないマウントなども用意してありますよ。
4Gamer:
それは楽しみです。「アメノミハシラ」に挑むために,前回の「死者の宮殿」をクリアしていなければいけない,といった前提条件はありますか。
吉田氏:
紅蓮のリベレーターのメインクエストで「紅玉海編」が完了していることと,「死者の宮殿」において50階に存在するボスの撃破が,「アメノミハシラ」の開放条件になっています。ストーリーは完全に独立していますが,ディープダンジョンというコンテンツの基礎を知っていただくために,「死者の宮殿」50階層の突破を前提としています。セーブデータ等の共有や,強化値の共有はありませんので,まだディープダンジョンそのものに挑んだことのない方は,「死者の宮殿」50階までを軽く踏破して,基礎を学んでおいていただくとスムーズかと思います。
(※5月17日17:15追記:「アメノミハシラ」の開放条件に関して修正を加えました)
あの3蛮神も暴れまわるのか?! 超高難度8人向けレイド「絶アルテマウェポン」
4Gamer:
超高難度コンテンツの“絶”シリーズ第2弾「絶アルテマウェポン 破壊作戦」がパッチ4.31で登場します。今回もレイドレースに注目が集まりそうですが,どれぐらいの期間で攻略されると予想していますか。
吉田氏:
こればかりはわからないですね。ただ,希望としては2週間ぐらいでクリアしてくれたら嬉しいなと思います。モチベーションが続くのってやっぱり限界がありますし,前回のワールド1stぐらいで決着してくれると,すごくありがたいです。あれ以上長引いてたら,絶望感が漂い始めると思うので……。
4Gamer:
前回の絶バハムートは,戦闘時間が約20分あったので,長すぎるという声が多かったように思います。
吉田氏:
絶アルテマウェポンは,前回よりもバトルのトータル時間を短くしてあります。その分展開がすごく早い。ワイプする時は一瞬でワイプするな,というのが僕のプレイの印象でした。
4Gamer:
トレーラーの最後に3蛮神が登場していましたが,やはりアルテマウェポンと言えば,あの3体も出てくるということなんでしょうか。
吉田氏:
それは見てのお楽しみということで。絶バハムートの時も須藤(バトルコンテンツデザイナーの須藤賢次氏)が盛りに盛っちゃいましたからね。絶バハムートって言ってるのに,最初ツインタニアだし。
4Gamer:
絶バハムートの時は,第1弾だし「いったん容赦ないものを作る」とおっしゃっていましたが,絶アルテマウェポンとどちらが難しいのでしょうか。
吉田氏:
人によると思います。絶バハムートは約20分も戦闘時間がありましたから,長時間決まった動きをしっかり維持するのが得意な人に向いていたと思います。でも,絶アルテマウェポンはスピーディな瞬間判断力が高い人の方が向いているかもしれません。なので,難しさはクリアした人によって分かれると思いますよ。
4Gamer:
絶バハムート実装から半年ほど経ちますが,どれぐらいのプレイヤーがクリアしているのでしょうか。
吉田氏:
長期間挑んでくださっている方が多く,正確な数字は控えますが,クリア者がもっとも多いのは日本ですね。クリア者は今も増えていっています。
4Gamer:
今でもPT募集が立っていますもんね。
へたに制限解除しなくて良かったなと思っています。ずっとチャレンジできるコンテンツになっていますし,少しずつでも長期間しっかり攻略していけばクリアできると思うので,今でもクリアを目指してコツコツやってらっしゃる方はたくさんいます。
絶アルテマウェポンは,見ていても面白いコンテンツだと思うので,配信も盛り上がると思いますよ。
4Gamer:
そういえば,吉田さんは絶バハムートの配信を見ていたそうですね。
吉田氏:
あの時はたしか,Paris Games Weekの時で海外に行っていたのでずっとは見れなかったのですが,移動の合間もネット環境がある場所では常に見ていました。あと,配信以外にも開発チーム側から「どのチームがどこまで進んでいる」というデータが送られてくるので,それを見ながら「あと10時間ぐらいでクリアするんじゃない?」みたいな話をしていたのですが,そこからが長かったですね……。
4Gamer:
最後にエクサフレアを持ってくるのは卑怯だなと思いました。最後の最後にコレをもってくるかと。
吉田氏:
でも開発初期はもっと難しかったんですよ。エクサフレアをやりながら,他のギミックが2つ被っていたのかな? さすがにこの長さ戦ってきているのに,これは残酷すぎる!ということで,いろいろ外して結局残ったのがエクサフレアのみというシンプルな構成です。
4Gamer:
あれにギミック2つじゃ絶対無理ですね(苦笑)。
では関連して,今回行われるジョブ調整について教えてください。
吉田氏:
今回大小ありますが調整が行われるのは7つのジョブで,暗黒騎士,侍,モンク,忍者,黒魔道士,学者,占星術師となっています。このうち忍者はほぼ使い勝手のみの調整で,ディープダンジョン向けになります。また,黒魔道士はラインズステップとエーテリアルステップという移動アビリティの硬直を短くしたのみ。
侍は他のジョブに対しての支援を持たないジョブということで,今回は純粋に火力アップの項目がもっとも多く,多くのコンボにダメージの底上げ調整が行われています。加えて敵視を抑える手段が欲しいと,フィードバックを受けていましたので敵視抑制の効果を追加しています。モンクは侍に倣って,敵視抑制の効果を特定のアクションに付与しています。
学者はペットであるフェアリーの使い勝手を調整。占星術師は攻撃魔法各種の詠唱時間短縮が大きく,ライトスピード中のペナルティも無くし,MP効率をさらにアップさせました。かなり手触りが向上し,燃費も良くなると思います。
最後に残った暗黒騎士ですが,いただいたフィードバックの中にある大きなシステム変更を伴うものは,どうしてもパッチという短い作業期間では実装しづらい状況です。それら理解できるフィードバックの中から現状でできる範囲の調整を主にしています。ダークアーツを使いすぎるのではないか,という点は解消できていませんが,火力も使い勝手も防御面も,いずれにも調整が行われています。今よりも若干操作が忙しくなるかもしれません。
本当は“ノの民”を撲滅しようと考えていた。「禁断の地 エウレカ」の第2弾パゴス編が登場
4Gamer:
パッチ4.36になりますが,「禁断の地 エウレカ」シリーズの第2弾「パゴス編」が登場します。その前に,第1弾「アネモス編」の反響はいかがでしたか。
吉田氏:
予想以上に多くのプレイヤーが遊んでくれていて,すごくポジティブに受け取っています。どこまでをプレイヤーの手にゆだねるか,色々とディスカッションを重ねたりもしましたが,初動としてはとても良い着地になったと思います。それに,カンストした後もずっと遊んでくれている方が多いので,空気というか,雰囲気が良いのかな。
4Gamer:
トークンが美味しかったり,サブジョブの装備を作ったり,意外と長く遊べますよね。
吉田氏:
リセット日にみんな行ってますよね。開発の時点から拠点放置,日本で言われる「ノの民」も想定はしていて,撲滅しようかという話も出ていたんです。拠点に居すぎるとデバフがかかって死ぬみたいな。でも,そこはいいんじゃないかという議論を経て,今の状態でリリースすることにしました。結果的にこれは良かったと考えています。皆さんも独自ルールを作られて楽しそうにやってらっしゃいますし。
4Gamer:
ノートリアスモンスター(以下,NM)狩りは,低レベル帯のプレイヤーが置いていかれるのではと心配していたのですが,案外みんな秩序的に動いていて面白いと思いました。それに,トリガーをすぐ発見するのがすごいですよね。
吉田氏:
本当にすごいですよね。エウレカに限らず,新生エリアのSモブだってよくトリガーを見つけられるなって思いました。紅蓮エリアは,モブハンターの出しているヒントが割と直接的なのでわかりやすいですが,新生エリアは直接的じゃないものも多いですしね(笑)。
4Gamer:
あと,プレイしていて気付いたのですが,モンスターの感知能力に新しいものが加わっていますよね。
吉田氏:
旧FFXIVの時から,FFXIの流れを受けてなのか,異様なほど感知の種類はあったのです。使ってなかっただけなんです。ですので,今回エウレカでそれらを再実装したりしています。元々旧FFXIVにあった,知覚とか,聴覚とか,「嗅覚」なんてものもあったかな。
4Gamer:
嗅覚と言うと,特定の種族によって感知されやすいとか?
吉田氏:
特定の臭いアイテムを持っていると感知されないとか,モルボルの臭い息を受けたら臭いデバフだけ残るとか,色々と考えていたようです。
4Gamer:
ちなみに,アネモス編のNMは今出ているのが全てでしょうか。実はまだ発見されていない隠れNMがいたりしませんか。
さすがに全部出ていますね。アネモス編が好評だったので,パゴス編はまだ使っていないトリガーとかを盛り目に作っています。
4Gamer:
ストーリーもありますし,パゴス編を遊ぶためには,アネモス編をプレイしておかないとダメですよね。
吉田氏:
はい。アネモス編を終わらせてある必要があります。パッチ4.3で攻略手帳に「禁断の地エウレカ」の項目が増えるので,ソロでも毎週それをやっておけば出遅れてしまった人も,パゴス編実装までには追い付けると思いますよ。パゴス編ではエレメンタルレベルのキャップが開放されて,30までになります。
4Gamer:
パゴス編はまたマウントが無い状態からスタートでしょうか。
吉田氏:
そうなりますね。
4Gamer:
エウレカのおかげで,今まで使っていなかった2人乗りマウントが活躍してすごく嬉しかったんです。でも,2人乗りマウントって課金アイテムだったり,友達招待キャンペーンの特典だったりで,持ってる人が少ないですよね。今後ゲームを進めている中で,入手できる機会が増えたりしませんか。
吉田氏:
今のところ予定はしていないです。そもそも2人乗りマウントが活躍するのを想定して作ったわけでもないですし,マウントの計画もかなり先まであるので,いきなり2人乗りマウントを追加することはできないのです。課金に持っていきたいわけではないですが,あれは友達招待をしてくれたり,マウントを買ってくれた人のメリットと言いますか,ちょっと人に優しくできるというコンセプトで作られています。それに,全員が持てるようになったら,今度はそれがあって当たり前になってしまって,それもちょっと違うなと思うのです。
4Gamer:
なるほど。たしかに全員が持つようになったら意味が変わってきますね。そういえば,前回のインタビューでは「モンスターがずっと追いかけて来る」って話だったのですが……実際は,通常のフィールドより少し長いくらいでした。
吉田氏:
ギリギリ長くした上で,ギリギリまで調整した点ですね。あれだけの数のモンスターがいて,あちこちで地の果てまで追いかけるようにしてしまうと,サーバーが負荷に堪えられなかったのもあり(苦笑)。
「ミラージュドレッサー」がより使いやすくアップデート
4Gamer:
今回のアップデートで「ミラージュドレッサー」に収納した装備が,取り出せるようになります。ドレッサー実装時には,サポートセンターにすごい数の問い合わせが来たとか。
吉田氏:
「間違って入れてしまったので,取り出してください」という問い合わせが,100件弱来ました。そう聞くと多くないような印象になるかもしれませんが,僕たちにとっては,アイテムの復活に際して100件は相当多いのです。いまだに入れたら消えると思っている方がけっこういらっしゃるようなので,今回思い切って取り出せる仕様にしました。
4Gamer:
ミラプリとしては永久に使用できるんですが,やはり取り出せないと不便というか,不安もあったのかなと思います。
うーん,200個まで幻影化できるから,消す必要が出てくるのは200個をオーバーした時だけなのですが……。でも,「入れたら消える」という考えが頭に定着してしまっているなら,それを解消しない限り使ってもらえないと思うので,じゃあ取り出せるようにしようと。もう気軽に突っ込んじゃってください。ただ,銘や錬成度はクリアされますのでご注意ください。
4Gamer:
ちなみに,プレートの枚数は増えませんか。
吉田氏:
今回のアップデートでは,ミラージュドレッサーを冒険者小隊へ対応させることに専念したので,プレートの枚数は増やしていません。増やすとしたら次のドレッサー関連の大型更新が行われるタイミングからになると思います。
4Gamer:
ミラプリ関係で思い出しましたが,「ファッションチェック」で100点を取るためにレアカララントが必要になることが多いですよね。
吉田氏:
ちょうど開発でも,染色も含めると判定条件が複雑すぎると議論していたところで,パッチ4.3からは染色情報自体を判定から外すようにしました。
4Gamer:
レアカララントが使いやすくなりますね。ただ,ジェットブラックとピュアホワイトに限っては,ゲーム内の価格がすごく高くて……,もう少し入手しやすくなりませんか。
吉田氏:
うーん,難しいですね。あれは同一テーブル内にレアカララントという種別で入れてあるだけなので,レアカララントの種類が増えたときに均等になっているだけなのです。僕らは実装した当初から意図的に確率を下げたりはしていません。ピュアホワイトとかジェットブラックだけ確率を上げちゃうと,他のカララントが引きずられて出にくくなってしまいますし,カララントで生計を立ててる人もいるので,簡単に入手確率を上げるわけにはいかないと判断しています。
4Gamer:
ファッションチェックに関してもう1つ,すごく言いにくいのですが,そのテーマでこの見た目って本当に合ってる? って内容が多くないですか。
吉田氏:
あれは担当しているプランナーのコーディネートセンスですね。僕にチェックが来た時はもっと酷かったので,けっこう言ったんですが(苦笑)。QAチームにも協力してもらっているのですが,すみません,なんとかローズさんのセンスがちょっと微妙なんだなってことで許してください……。
4Gamer:
な,なるほど。なんとかローズさんがすごいとばっちりな気もしますが。80点以上を目指すとなると,持っていない装備を用意するのもけっこう大変です。
吉田氏:
でも,週にあのMGPは美味しいと思いますよ。とりあえず参加するだけで1万MGPは確定ですし。
4Gamer:
ファッションチェックに限らず,MGPが入手しやすくなりましたよね。
吉田氏:
ゴールドソーサーに関しては,MGPをずっと稼いでいる人と,全く稼ごうとしない人の二極になってきていて,交換アイテムを全部取ってる人もいれば,まったく取っていない人もいるので,全体を引き上げようとしているのはたしかです。
今回のパッチでは,「チョコボレース」に関するアップデートも入っていて,コンテンツファインダーに対応して,クロスワールドマッチングするようになりました。それと,強すぎるチョコボと当たると勝負にならないので,チョコボレベルシンクも追加します。
4Gamer:
それだけゴールドソーサーに手が入るということは,交換アイテムの追加も期待していいんでしょうか。
吉田氏:
シーズナルイベントであるゴールドソーサー・フェスティバルに向けて,ぜひMGPは貯めておいてください。
4Gamer:
そろそろ次のマウントが?
吉田氏:
その声はプレイヤーからもいただいてます。ただ,超目玉マウントの実装は,ほかの景品を交換してくれる人を増やしたいので,もっと人がゴールドソーサーに通ってもらえるようにしてからにしたいと思っています。
クロスワールドLSはチャットだけじゃない。ワールドの垣根を越えてPTへ誘えるように
4Gamer:
今回は新規コンテンツ以外にも,既存システムにいくつかアップデートが入ります。個人的にはクロスワールドLSの登場が一番嬉しいのですが,一緒にコンテンツへ行くとなると,現在は直接PTへ誘えないのでちょっと面倒ですよね。
吉田氏:
フレンドリストだとそうなのですが,クロスワールドLSに関しては新しい仕組みで作ってあるので,LS内であれば直接PTへ招待できるようになりました。
4Gamer:
すごく便利になりますね。では,いずれフレンドリストでもPTへの招待が行えるようになるのでしょうか。
吉田氏:
フレンドリストはコネクションが別ルートなので,一度作り直さないといけませんが,それも徐々にやっていくつもりです。
4Gamer:
クロスワールドLSは持てる数が1つだけですが,今後増えていくのでしょうか。
吉田氏:
負荷が大丈夫そうであれば,増やしていく予定です。最大人数を増やす方向に行くか,掛け持ちできるLSの数を増やすのか,負荷のかかり方がそれぞれ違うので,状況を見てから決めたいと思います。
4Gamer:
以前のインタビューで話題に出た「日替わりフロントラインルーレット」も,今回のパッチから登場しますが,バランス調整は入るのでしょうか。
吉田氏:
「制圧戦」は,「シールロック」や「砕氷戦」と横並びになるように,オブジェクトのヒットポイントやダメージなどを調整しました。なので,いずれのルールも同じバランスで遊べるようになっています。
4Gamer:
対象となるルールは,ルーレット申請時に確認できるのでしょうか。
吉田氏:
もちろんです。今日はこのルールと書いてあるので,好きなルールの日に遊んでもらえればいいかなと。
4Gamer:
先日のプロデューサーレターLIVEでも発表していたスマホアプリですが,前回のインタビューではパッチ4.2から4.3の間で出したいとおっしゃっていました。配信日は決まりましたか?
吉田氏:
チーム内では決まったのですが,Androidの機種多すぎ問題にぶち当たりまして……,パッチ4.3までには間に合いませんでした。ここまで時間をかけて作ってきたので,今焦ってあまり良くない状態で出しても仕方ないですし,アプリは一度インストールしてみて,使えないと思われたら二度と使ってもらえないので,きちんと品質を高めてお届けしたいと思います。
4Gamer:
アプリの機能やサービス内容も発表されていましたが,今後追加していく予定はありますか。
吉田氏:
もちろん色々協議しています。例えば,リテイナーベンチャーの指示を出せるようにしたりとか。プレイヤーの皆さんがやれたら良いなと思うことは,できるだけ実現していくつもりです。
4Gamer:
プレイヤーの反応を見ていると,プレミアムプランを選ぼうかどうか,内容を見て迷っている人が多い印象でした。
吉田氏:
無料でほとんどのことができるので,無理に課金はしなくて良いと思います。まずは無料でガンガン使ってみて,もっと使いたいな,と思った時にご検討ください。
4Gamer:
わかりました。駆け足になりましたがそろそろお時間のようなので,最後にパッチ4.3を楽しみにしている読者へ向けてコメントをお願いします。
吉田氏:
今までFFXIVでたくさんのパッチを出してきましたが,今回のパッチが最もプロデューサー兼ディレクターチェックがきつかったと感じるぐらい,ボリュームがめちゃくちゃ多いです。絶アルテマのような超ハードコアコンテンツや,みんなでワイワイ楽しめるリターン・トゥ・イヴァリース第2弾「封じられた聖塔 リドルアナ」,蛮族デイリー「ナマズオ」では,ギャザラー&クラフターにもスポットが当たるので,全方位に向けてコンテンツを用意できました。そして,パッチ4.3のメインクエストも楽しんでいただければと思います。
今から始める人と既存プレイヤーが,一緒に遊べるコンテンツも多いです。特に「アメノミハシラ」は友達を誘って,レベリングに付き合ってあげることもできるので,今から始めるという人にも一番良い時期になると思います。
そろそろ春の大作ゲームラッシュも落ち着いた頃だと思いますので,ぜひこの初夏からFFXIVを遊んでもらえると嬉しいです。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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