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「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」を実機でチェック。新型SoC「Tensor G2」採用とカメラの性能強化が見どころ
搭載SoCは共通だが,メインメモリ容量は,Pixel 7が8GB,Pixel 7 Proが12GBと異なる。内蔵ストレージ容量は,それぞれ128GBモデルと256GBモデルを用意する。
日本国内では,10月7日より予約の受け付けを開始しており,10月14日以降の出荷を予定しているとのこと。Google Storeで販売するSIMフリーモデルの税込価格は以下のとおり。米国市場の価格を踏まえると,換算レートは125ドル/円程度で,国内価格は現状の為替レートよりも有利な設定と言えそうだ。
●Pixel 7
- 内蔵ストレージ容量128GB:8万2500円
- 内蔵ストレージ容量256GB:9万7900円
●Pixel 7 Pro
- 内蔵ストレージ容量128GB:12万4300円
- 内蔵ストレージ容量256GB:13万9700円
国内の通信キャリアでは,KDDIとソフトバンクが販売する。キャリアにおける販売価格は,KDDIの場合,Pixel 7が87,310円で,Pixel 7 Proが134,900円だ。ソフトバンクはそれぞれ88,560円,131,760円となる。
キャリアによる各種販売施策はもとより,Google Storeにおいても,事前登録者へのクーポン配布や,端末購入時のストアクレジット付与,対象端末の下取りなど多くの割引施策を用意しており,製品発表会では「Pixel 7が実質0円〜」というスライドも登場した。
搭載ディスプレイは,Pixel 7が約6.3インチサイズで解像度1080×2400ドット,Pixel 7 Proが約6.7インチサイズで解像度1440×3120ピクセルの有機ELパネルを採用する。パネルの縁は,Pixel 7がフラット,7 Proは両側面に向けてわずかにカーブする形状になっており,好みが分かれそうだ。最大リフレッシュレートは,Pixel 7が90Hz,Pixel 7 Proが120Hzで,Pixel 7 Proは,表示するコンテンツの内容に合わせて,リフレッシュレートを1〜120Hzで調整する機能を備えている。
Pixel 7,Pixel 7 Proともにカラーバリエーションは3色展開で,黒系のオブシディアン,白系のスノーは共通だ。これらに加えて,Pixel 7ではレモングラス,7 Proではヘーゼルが選択可能だ。また,側面やカメラ部分のフレームは,Pixel 7がマット仕上げ,7 Proが光沢仕上げといった違いもある。
上側面にマイク孔があるだけ。樹脂によるフレームのパーテーションが,端ではなく中央に位置するのは珍しい |
下側面。インターフェースは,スピーカー孔に挟まれた中央にUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートを備える |
上側面は前面から見て左側にマイク孔がある。左端にあるのは,金属フレームからミリ波を通すため仕組みだろうか |
下側面。インターフェースPixel 7と同じで,スピーカー孔とUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートが並ぶ |
Pixel 7のアウトカメラは,標準と広角の2眼式で,Pixel 7 Proはこれにペリスコープ式の望遠カメラを加えた3眼式だ。Pixel 7 Proの望遠カメラは,広角カメラに対して光学5倍のレンズを備える。撮像素子のピクセル4つ分を1つにまとめて扱うQuad Bayer式の撮像センサーを組み合わせることで,センサーに取り込む光の量を増やしたという。また,望遠端で画像をクロップした場合に,個々の画素を生かして高解像度の望遠画像を作る仕組みも採用する。
さらに,望遠カメラで撮影するときに,標準レンズと組み合わせて,複数の画像レイヤーを統合することで,30倍のデジタルズームでも高精細な写真が撮れるというのがGoogleの主張だ。こうした画像処理を高速に行える背景にもTensor G2があるという。
Pixel 7シリーズの目玉といえるカメラ機能は,画像処理を前提とした写真撮影である「Computational Photography」の路線を一層強化したのが特徴だ。Tensor G2の処理能力に加えて,大型の撮像センサーを搭載することで,暗い場所でも効率的に光量を確保して,より明るい写真が撮影できるようになったという。
また,撮影した写真に写り込んだ通行人や車といった不要な要素を検出して取り除ける「消しゴムマジック」や,肌の色の違いを正確に表現する「リアルトーン」といった従来からある機能に加えて,ピンボケを画像処理で補正する「Photo Unblur」を新たに搭載したのも見どころと言えよう。なお,Photo UnblurはTensor G2を生かした機能とのことで,Pixel 6シリーズでは利用できないとのこと。
セキュリティ機能も,「Titan 2セキュリティチップ」とTensor G2の組み合わせで向上したという。また,Pixel 7シリーズの購入者に対して,クラウドサービル「Google One」のVPN機能を無償で提供するほか,OSのセキュリティアップデートを最低5年間実施するなど,ハードウェアだけでなく,ネットワーク環境やソフトウェアを含めたセキュリティを提供するそうだ。
通信機能は,Pixel 7が5GのSub 6のみで,Pixel 7 ProはSub 6に加えてミリ波にも対応する。SIMフリーモデルとキャリアモデルで,対応周波数帯の違いはない。ただし,5Gバンドのn79に対応していないため,NTTドコモの通信網を使う場合は,最大速度やエリアに制限がある点は覚えておきたい。
SIMの構成はnano SIMとeSIMで,デュアルSIMデュアルVoLTE(DSDV)も利用できる。無線LANはWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応する一方,データ通信に6GHz帯を利用するWi-Fi6Eには対応しないという。
メーカー | |
---|---|
OS | Android 13 |
ディスプレイパネル | 約6.3インチ有機EL, |
プロセッサ | Google製「Tensor G2」 |
メインメモリ容量 | 8GB |
ストレージ | 128GB,256GB |
アウトカメラ | 2眼式 ・標準:約5000万画素,画角82度,F1.85 ・広角:約1200万画素,画角114度,F2.2 |
インカメラ | 約1080万画素,画角92.8度,F2.2 |
対応5Gバンド | n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n14/n20/n25/n28/n30/n38/n40/n41 |
対応LTEバンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/17/18/19/20/25/26 |
対応3Gバンド | 1/2/4/5/6/8/19 |
無線LAN対応 | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) |
Bluetooth対応 | 5.2 |
バッテリー容量 | 4355mAh |
待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB 3.2 Gen 2 Type-C |
公称本体サイズ | 約73.2(W)×155.6(D)×8.7(H)mm |
公称本体重量 | 約197g |
本体カラー | レモングラス,スノー,オブシディアン |
メーカー | |
---|---|
OS | Android 13 |
ディスプレイパネル | 約6.7インチ有機EL, |
プロセッサ | Google製「Tensor G2」 |
メインメモリ容量 | 12GB |
ストレージ | 128GB,256GB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約5000万画素,画角82度,F1.85 ・広角:約1200万画素,画角125.8度,F2.2 ・望遠:約4800万画素,画角20.6度,F3.5 |
インカメラ | 約1080万画素,画角92.8度,F2.2 |
対応5Gバンド | n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n14/n20/n25/n28/n30/n38/n40/n41 |
対応LTEバンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/17/18/19/20/25/26 |
対応3Gバンド | 1/2/4/5/6/8/19 |
無線LAN対応 | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) |
Bluetooth対応 | 5.2 |
バッテリー容量 | 5000mAh |
待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB 3.2 Gen 2 Type-C |
公称本体サイズ | 約76.6(W)×162.9(D)×8.9(H)mm |
公称本体重量 | 約212g |
本体カラー | ヘーゼル,スノー,オブシディアン |
Pixel Watch
また,Googleブランドとして初めてのスマートウォッチとなる「Pixel Watch」も発表となった。Wi-Fiモデルと4G LTE対応モデルという2機種をラインナップしており,税込価格は順に39,800円,47,800円となる。
本体のスチールケースはブラック,ゴールド,ホワイトを用意しており,既存のPixel Buds Proと合わせたカラーコーディネイトができるように工夫されている。
なお,すべてのモデルでFelicaを搭載するが,Suicaのみの対応に留まるのは残念だ。PASMOをはじめとするSuica以外の交通系ICカード機能は利用できず,iDやQUICPayといったキャッシュレスサービスにも対応しない。さらに,記名式のSuicaとして定期券などを利用することもできないという。
Pixel Watchの特徴は,Googleが買収したウェアラブルデバイスメーカーであるFitbitの技術を幅広く採用する点にある。Fitbitは,買収が発表された後も継続してFitbitブランドのスマートバンドを販売しており,Googleのオンラインストアでも購入できる。一方,Pixel WatchはあくまでもGoogleブランドから登場したのが重要で,パーソナルトレーニングを含むFitbitのヘルスケア機能に加えて,Googleが提供するサービスも利用可能だ。また,Pixel Watchの購入特典として,6カ月分のFitbitのプレミアムプランが付属するという。
ただし,北米などでは心電図(ECG)機能として提供する機能が,日本国内で心拍計センサーになるといった制限もある。これは国内における医療機器認証がからむ課題だが,Googleによれば認証に向けた取り組みを継続していくそうだ。
GoogleのPixel 7製品情報ページ
GoogleのPixel 7 Pro製品情報ページ
GoogleのPixel Watch製品情報ページ
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