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印刷2016/10/14 21:23

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今明かされる,「イヴラークの骨」の謎! ディレクターのトークショーも行われた「Neo ATLAS 1469」の体験会をレポート

 アートディンクは2016年10月14日,東京都内において「海賊のアジトへ潜入『Neo ATLAS 1469』体験会」を開催した。このイベントでは,ATLASシリーズの生みの親であり,本作のエグゼクティブディレクターであもる山口洋一氏と,シリーズを愛することで知られる高橋ピョン太氏がトークショーを行い,「イヴラークの骨」の由来など制作秘話を聞くことができたので,その模様をお届けしよう。

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ファンが集い,発売直前のゲームを楽しむ


 10月27日に発売を控えた「Neo ATLAS 1469」が,海賊達の手によって工場から運び出されてしまった。調査に向かった提督からは,“海賊達のアジトへ行けば,発売前のゲームを遊ばせてくれるらしい”との報告が。この情報を「信じる」か「信じない」かはあなた次第だ。
 この報告を信じたファン達が,東京都港区アクアシティお台場にあるレストラン「KING OF THE PIRATES」に集結し,製品版相当のROMによる試遊を楽しんだ。

店内には,海賊が奪ったNeo ATLAS 1469のソフトが山盛りに
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 Neo ATLAS 1469は,世界を探索して自分だけの地図を作り,貿易や探検を楽しむという一風変わったシミュレーションゲーム。世界は霧に包まれており,探検に送り出した提督の報告を信じるか否かで地形はどんどん変化していく。
 対応ハードがPlayStation Vitaというだけあって,タッチパネルをフルに使った操作はなかなかに快適。いきなり放り出されるようなことはなく,物語を通じて貿易や探検のノウハウがしっかり学べる作りになっているという印象だ。詳しくは東京ゲームショウ2016のプレイレポートを参照してほしい。

 初代からシリーズを手がける山口氏も店内を巡って,ファンと歓談するなど,アットホームな雰囲気で体験会は進んだ。

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抽選で選ばれた熱心なファン達は,一足早くゲームを楽しんだ。中には海に面したデッキへPS Vitaを持ち出し,潮風の中でプレイする人も
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「イヴラークの骨」の由来など,制作秘話が明かされたトークショー


 体験会もたけなわ,というところで山口氏と高橋氏のトークショーがスタート。シリーズの制作秘話など貴重なエピソードを明かした。

シリーズを手がけるエグゼクティブディレクターの山口洋一氏(左)と,ATLASシリーズを愛することで知られる高橋ピョン太氏(右)。高橋氏は元「LOGIN」のスタッフであり,シリーズを初代作から推している
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 ATLASシリーズの初代作「THE ATLAS」が発売されたのは1991年のこと。世界は平らでその端は滝となって流れ落ち,海のあちこちには奇怪な魔物が潜んでいる……という迷信が信じられていた大航海時代を舞台とし,プレイヤーは未開の地に調査船団を派遣したり,そこで見つけた産物による貿易で利益を上げていく。

 この独特なシステムが生まれたきっかけは,山口氏が大航海時代の古地図を見たことにあるという。怪物などが描かれた幻想的な地図を見た氏は,こうした世界をゲームにしたいと考え,地図を作りつつ探検と貿易をするTHE ATLASを構想。黄金の国ジパングや,遙かなるインドといった未踏の地に憧れた当時の人々の気分を味わってもらうためには,どうすればいいか……と試行錯誤した結果,“世界の全容が知られておらず,正確な地図が存在しなかった”ことをゲームに活かそうと考えたとのこと。
 そして,プレイヤー自身が探検に行くのではなく,提督に船を与えて現地へ送り込み,その報告を信じるか,信じないかで地形が変化していく独特のシステムを作り上げたのだという。

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 そんなTHE ATLASに心惹かれたのが,当時PC雑誌「ログイン」のスタッフとしてアートディンクを担当していた高橋ピョン太氏だ。ゲームに登場するゴメス提督のコスプレをしてさまざまな場所へ赴く「走れ!ゴメス!」という連載を展開するなど,その面白さを布教した。その甲斐あり,編集部ではゲームでおなじみの「信じるか,信じないか」というフレーズが流行したのだという。

 同作には,さまざまな怪物や宝物が登場することでも知られている。その多くは史実から題材を採られているが,中にはお遊びで作られたものもあるという。その代表が,ゲーム内で謎を解くことで発見できる宝物,イヴラークの骨だ。その由来は謎とされてきたが,発売25年目にしてついに真実が明かされた。
 “読者が謎を解いて宝箱を探す”という絵本を見た山口氏は,宝探し要素をゲームに取りいれることを思いついたという。当初は,現実世界に金貨などの宝物を埋めるというアイデアだったが,諸事情により断念。ゲーム内の宝物を探すという現在の形に落ち着いたようだ。なお,ゲーム内で謎を解くと現実の宝物がもらえるというアイデア自体は,発売時に行われたメイプルリーフ金貨のプレゼントキャンペーンとして結実している。

Neo ATLAS 1469
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 その宝物を何にするかと考えていた山口氏は,ある日焼き肉屋で骨付きカルビを食べていたとき,カルビをローマ字にして「KARUBI」,反対から読んで「IBURAK」,骨が付いているのでイヴラークの骨というネーミングを思いついたのだという。
 イヴラークという曰くありげな響きだけに,学生時代の筆者のように「きっと実在する聖人だか魔神に違いない!さすがアートディンク!」と思い込んでいた人も多いと思う。確かにイヴラークは「聖牛」と呼ばれていたが,カルビの逆さ読みとは気付かなかった。これでやっとスッキリしたというものだ。
 ちなみに,高橋氏が気にしていたのはシリーズでおなじみの「肉人」は,今回も登場するか否かという点だが,山口氏によればちゃんと出てくるそうなので一安心である。

 そんなシリーズの最新作であるNeo ATLAS 1469。ゲームの本質はこれまでのままに,旧作を好きだった人が楽しめるのはもちろん,若い世代のゲーマーにも入りやすいものになっているという。例えばキャラクターデザインも,単に流行している絵柄にするのではなく,“今,ATLASシリーズを作るとどうなるか”という考え方で決められていったそうだ。

左から,Neo ATLAS 1469に登場する「フランシスコ・ペレス」「アントニオ・ゴメス」「マリア・アルメイダ」「ルイス・バルディ」
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 ゲームの中に世界を作るのがアートディンクらしさであり,遊べる世界を作るのがゲームデザイナーの仕事,と考える山口氏。Neo ATLAS 1469も,氏が作った世界でプレイヤーの皆が楽しめるような内容になっているそうなので,10月27日の発売日を期待したい。
 最後に山口氏から,Neo ATLAS 1469の体験版が配信されるという嬉しいサプライズが明かされた。「喜望峰」の発見までをプレイすることができ,データは製品版に引き継ぐことができるという。配信時期についてはあらめて発表が行われるとのこと。

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 また,高橋ピョン太氏のTwitterでは10月15日頃より製品版をプレイしてのレポート「航海日誌」がスタートするそうなので,こちらも注目だ。山口氏は「体験版では最後にちょっと凝った演出が用意されているので,ぜひやってみてほしいです」と語ってイベントを締めくくった。

「Neo ATLAS 1469」公式サイト

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    Neo ATLAS 1469

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