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印刷2019/09/12 22:04

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[TGS 2019]1人だけど1人じゃない感覚。「DEATH STRANDING」のオンラインシステムなどが明かされたステージイベントをレポート

 東京ゲームショウ2019の初日となる2019年9月12日,PlayStationブースにて,コジマプロダクションが制作中のPlayStation 4向け新作タイトル,「DEATH STRANDING」のステージイベントが行われた。このステージは,最新のゲームプレイを収録したデモ映像を見ながら,小島秀夫監督自らが解説を行うというもので,本作がどのようなゲームなのか,かなり分かる内容だった。本稿でまとめてみよう。

「DEATH STRANDING」公式サイト

東京ゲームショウ2019 PlayStationブース特設サイト


 現時点で表に出ている情報をかいつまんで言うと,本作の舞台となるのは「デスストランディング」という現象によって分断されてしまった世界。主人公のサムは,そんな世界に生きる人々を助けるために,物資を運ぶ配達人をしており,そのかたわら,分断された世界を「カイラルネットワーク」と呼ばれる特別な通信網でつなげていくのも,プレイヤーの大きな目的になる。

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 今回用意されたデモ映像では,ある拠点から別の拠点へ物資を運ぶまでの流れが紹介された。サムが配達するものは,食料,資源,物資,精子/卵子と幅広く,一度に多くのものを運ぶ。何をどれだけ運ぶかはプレイヤーが決められるが,重量バランスには気をつけなければならないという。
 とくに重要なのはバランスで,プレイヤーは物資をバックパックのどこに積むか自由に選べるのだが,ここで重心が片側に寄りすぎると,歩き出した途端バランスを崩して転び,配達物を破損してしまうことになる。

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 そうでなくても,移動中は常にバランスに気を配る必要があり,とくに足場の悪い場所では転倒のリスクがぐっと上がる。バランスは,[R]ボタンと[L]ボタン(おそらくトリガー部分)で調整するそうだが,そもそも荷造りの段階でバランスが悪いと,ただ歩くだけでも苦労する。

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 一度に多くのものを運びたいときは,スケルトン(強化外骨格)が役に立つ。
 スケルトンには,総重量を上げるパワー型のほかにも,移動速度を上げるスピード型などいろいろな種類があり,そのときの状況に応じて使い分ければ良いという。もちろん,最初から所有しているわけでなく,スケルトンをはじめとした装備類は,カイラルネットワークがつながった地域でのみ利用できる「カイラルプリンター」で製作できる。

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 サムは疲れがたまりすぎると勝手に寝てしまうので,そうならないよう,小まめに休憩を取ることも重要だ。マッサージをしたり,ブリッジベイビー(ポッドに入った赤ちゃん)とのコミュニケーションを取ったり,仮眠をしたりして,疲れをため込まないようにしなければならない。

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 マップ上には温泉が湧いているところもあり,場所によって効能も変わるという。デモで紹介されたのは「バッテリー温泉」というもので,疲れが取れる以外に,機器類のバッテリーがチャージされる効能がある。
 ちなみに,温泉につかっているときにコミュニケーションボタンを押すと,サムがザ・ドリフターズで有名になった「いい湯だな」を歌い出す。見方を変えればノーマン・リーダスさんが歌っているわけで,なかなかシュールな画面だ。

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1人だけど1人ではない感覚。世界中のサムとつながるオンラインプレイ


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 本作は,常時オンラインにつながっているのが基本だが,ほかのプレイヤーを直接見ることはなく,その代わり,ほかのプレイヤーが残したものが共有される仕組みになっている。
 誰かが立てかけた梯子や,誰かが作ったシェルター,誰かが落とした物資や乗り捨てたバイクなど,誰かの行動の足跡(そくせき)はすべてが共有され,それを使うことができる。なお,落とし物を拾って自分のものにした場合,ほかのプレイヤーからはそれらが見えなくなるという。

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 そうした共有物が周囲にあるのかどうかを確認したいときは,コミュニケーションボタンを押す。そうすることで周囲に呼びかけることができ,共有されているものが近くにあれば,呼びかけに応じる声が返ってくる。
 本作では「足跡(あしあと)」も共有されるので,足跡が多い道は安全だと確認できる。足跡をたどるプレイヤーが数多くいれば,そこがやがて獣道になることもあるそうだ。

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 こうして共有されたオブジェクトに対しては,「いいね」を送れる。そのオブジェクトにどれだけ「いいね」が集まっているかは,使用前に確認できるので,それで有用性を判断することも可能だろう。もちろん,自分が共有したものが「いいね」されることもあるだろうし,「いいね」をもらえればやはり嬉しいだろう。

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 マップ上では,作りかけの橋やシェルターといった建築物が共有されることもある。そこに物資を提供することで製作に参加でき,完成後の建築物には一番貢献した人の名前が表示されるという。
 上記のとおり,オンライン上のほかのプレイヤーは見えない存在なのだが,この間接的な助け合いがもたらす「1人だけど1人ではない」という感覚こそが,本作のキモといえそうだ。

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あの世に存在する「BT」とは


 デモではまた,いくつかの戦闘シーンも紹介された。1つは,黄色い防護服の集団を相手にしたもので,この集団は,ほかのプレイヤーの物資を奪っては拠点に持ち運んでいるので,拠点の中は大量の物資で埋め尽くされている。
 この拠点を襲撃して物資を奪還するというプレイが披露されたのだが,ステルスだけでなく,正面から銃撃戦を演じたり,走ってる車に飛び乗って敵を引きずり降ろしてボコボコにしたりと,予想以上に派手な立ち回りができるようだ。

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 もう1つの相手が,あの世を徘徊する「BT」と呼ばれる存在で,こちらは非常に厄介だ。「BT」は雨の降っている地域に現れ,サムの存在を感知すると,タールのような液体とともにサムを別世界へ引きずり込もうとしてくる。
 そうならないため,プレイヤーは「BT」を避けて進まなければならないのだが,「BT」はあの世にいるため,普通の状態では見えない。彼らの姿を見るためには,あの世とつながっているブリッジベイビーに接続する必要がある。

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 役に立つのが,肩の上でパタパタと動く装置「オデラデグ」だ。これまでのトレイラーにもさんざん登場してきたので,あれがどういう装置なのか察している人も多いと思うが,オデラデグはBTの位置を感知して教えてくれる機能を持っており,BTと対峙したときに,とても頼りになる。

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 ただし,今回のデモではBTにつかまり,別世界に連れていかれてしまった。そこには巨大な化け物が待ち構えており,これを倒さない限りは元の世界には戻れないという。こうした異次元の敵に有効なのは,サムの血が混じった武器なのだそうだ。それ以外にも,サムの老廃物を利用した武器も有効だという。
 今回デモでは,血を混ぜた爆発物をふんだんに使って敵の体力を削っていたが,途中で物資が尽きてしまい,さあどうするといった状況に追い込まれた。

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 活路を開いたのが,コミュニケーションボタンだった。通常のマップでは,周囲の共有物を確かめるために使うものだが,ここではヘルプに応じたほかのプレイヤーが白いサムとなって登場し,サムに物資を分け与えたり,応援したりしてくれる。これがリアルタイムで同期されているのかは不明だが,こういった場面でも,ほかのプレイヤーとのつながりが重要になってくるのだ。

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 今回のデモの内容は以上のとおり。「DEATH STRANDING」のステージイベントは,9月14日と15日にも行われる予定となっており,前者では実機プレイを用いた解説が行われ,後者では出演声優陣達をゲストに招いたトークが実施される。とくに実機プレイでは,拠点内でできることなども紹介されるそうなので,続報を楽しみにしてほしい。

ゲーム内にカメオ出演しているミュージシャンの三浦大知さんがスペシャルゲストとして登場。小島監督の作品に対する愛を存分に語ってくれた
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