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「Dead by Daylight」×「悪魔城ドラキュラ」コラボ,本日スタート。両IPのスタッフがこだわりを語ったオンラインカンファレンスレポート
これに先がけて,8月26日には両社のスタッフによるオンラインプレスカンファレンスが開催された。登壇者は以下の5名だ(敬称略)。
- 「Dead by Daylight」シニアクリエイティブディレクター Dave Richard(デイブ・リチャード)
- 同 ゲームデザイナー Jason Guzzo(ジェイソン・グッゾ)
- コナミデジタルエンタテインメント 第6制作部プロデューサー 谷口 勲
- 同 第6制作部ディレクター 島﨑勝也
- 同 第6制作部リードアーティスト 中島 渉
「Dead by Daylight」公式サイト
「Dead by Daylight:悪魔城ドラキュラ」には,新キラーの「Dracula(ドラキュラ)」と,新サバイバーの「Trevor Belmont(トレバー・ベルモンド)」が登場する。とくにドラキュラは,本作で初となる吸血鬼のキラーであり,オオカミとコウモリに変身できる能力を持つ。
カンファレンスの序盤では,「悪魔城ドラキュラ」シリーズを手がけるコナミデジタルエンタテインメントのスタッフ3名が今回のコラボチャプターについて思うところを述べた。
初代「悪魔城ドラキュラ」が1986年にリリースされてから40年近く経つが,今なお大きな反響があることについて尋ねられた谷口氏は,シリーズには情熱的なファンがたくさんいて,「何を望んでいるのか」「何をやってほしくないのか」をハッキリと声を大にして伝えてくれるとして,「皆さんのおかげでシリーズがここまで長く続いてきたと感じる。日々感謝しております」と語った。
加えて,情熱的なファンが多いシリーズに携われることは光栄であると同時に,常にプレッシャーに晒されているようなものだという。自身もプロデューサーに就任する前からシリーズのファンであり,「企画を考えるときは,ファンの皆さんがどう思うかをいつも想像している。そんなとき皆さんの意見はすごく参考になるし,応援の言葉が活力になる」と述べていた。
そして,「悪魔城ドラキュラ」をプレイしたことのない人も多い中,今回のコラボチャプターによって,多くの「Dead by Daylight」ファンがシリーズの世界に触れるきっかけになることはワクワクすると期待をのぞかせた。
また,「Dead by Daylight」の中で表現される「悪魔城ドラキュラ」について,谷口氏は「シンプルに嬉しいし,新しい発見もあった」とコメント。制作を進めるうえでも,「Dead by Daylight」に霧やエンティティの設定があったおかげで,予想以上にIP同士がスムーズに馴染んだことを明かした。
谷口氏は今回の取り組みにより,「悪魔城ドラキュラ」のホラー的な側面をアピールできたことにも言及する。ついにドラキュラがキラー側のプレイアブルキャラクターとして登場することも,非常に新鮮で楽しみだと語った。
今回のコラボチャプターの制作を通じて印象に残ったことについて,島﨑氏は「Dead by Daylight」チームから最初に提案されたアイデアを見たとき,アセット数の膨大さなどからこだわりを感じ,「これは熱心な『悪魔城ドラキュラ』のファンだ」と思ったことを明かした。そのこだわりに応えるべく,島﨑氏らもかなりの熱量を持って今回のコラボチャプターの監修などに取り組んだとのこと。
また,「Dead by Daylight」チームが打ち出した大胆なゲームプレイと,ボリューム満載のコンテンツを多くのファンに届けられることが非常に楽しみだとも話していた。
一方,中島氏も「Dead by Daylight」チームの提案したアセットが,「悪魔城ドラキュラ」の世界観を上手に捉えたうえで,スムーズに「Dead by Daylight」の世界観に落とし込まれており,監修していて楽しかったと話す。モデルやアニメーションはもちろん,ゲーム内に登場するチャームやUI,素材に至るまで,何度もやり取りを重ねてブラッシュアップしていったが,その都度「Dead by Daylight」チームの対応が迅速で正確だった結果,両IPのファンが喜ぶような内容になったと称賛した。
谷口氏はあらためて,コラボチャプターではドラキュラ伯爵としてプレイできる機会に言及し,「『悪魔城ドラキュラ』の世界では倒されてしまうことの多い彼が,勝利する姿を見られるのは非常に楽しみ。サバイバーの皆さんも頑張ってドラキュラ伯爵を倒してください」とコメント。
そして,この機会にぜひ「悪魔城ドラキュラ」シリーズに触れてみてほしいとアピールしていた。
続いて,「Dead by Daylight」のシニアクリエイティブディレクターを務めるDave Richard氏が,「悪魔城ドラキュラ」のキャラクターを「Dead by Daylight」に登場させるために,どんな取り組みをしてきたのかを明かした。それによると,氏は子供の頃から作品の大ファンであり,自身の理想どおりにドラキュラを創り上げることについては非常に困難を感じたという。
そんな中でも幸いだったのは,「Dead by Daylight」の開発ノウハウが累積していたタイミングで,今回のコラボチャプターを手がけられたことだったそうだ。Richard氏は「『悪魔城ドラキュラ』のテーマであるゴシックロマンス──闇に潜むクリーチャー,光と闇の戦い,恐怖感と圧迫感を同時に感じることなど,そのすべてを『Dead by Daylight』に溶け込ませることができた」と自信を見せる。
コラボチャプターにおける悪魔城は原作と異なり,日食に封印されるのではなく,エンティティの領域に送り込まれた。そのため,悪魔城との結びつきが保たれたドラキュラは存在し続けられることになった。
また,ドラキュラのゲームプレイにはいくつかの選択肢があったが,最終的にはオオカミやコウモリに変身できる「シェイプシフター」の能力を持たせることに決まった。この能力は頻繁に姿を切り替えて,それぞれが持つ特徴を戦術的に生かせるように可能な限りシームレスな変身を目指したという。
「Dead by Daylight」のゲームデザイナーであるJason Guzzo氏は,ゲーム内でドラキュラと対峙するとき,サバイバーにはボスバトルで戦っているような気分を味わってほしいと考えたとのこと。そのため,ドラキュラはシェイプシフターの能力を駆使し,サバイバーの不意を突いたり,残忍な攻撃を仕掛けたりできるようなキラーに仕上げたと語る。
また,演出もほかのキラーとは異なり,威厳を感じさせるようなものにしているそうだ。障害物の乗り越えモーションには,霧のようなアニメーションを作り,すり抜けるようなイメージを持たせている。
一方,サバイバーのトレバー・ベルモンドは,「悪魔城伝説」のようにドラキュラ討伐を達成するべく仲間を求めるところを「Dead by Daylight」のイメージに重ねたという。
Guzzo氏は,シェイプシフターで切り替える3つのドラキュラの姿についても言及した。まずデフォルトとなる吸血鬼は,複数の炎の柱を前方に放つ中距離攻撃の「ヘルファイア」を駆使して戦う。ヘルファイアは,パレットや窓枠などの障害物を貫通する。
オオカミは追跡をテーマにしているとのこと。移動速度は吸血鬼と同じだが,血だまりや傷跡が鮮明に見えるそうだ。さらにサバイバーが定期的に残していく「セントオーブ」によって,サバイバーの方向を察知できるうえに移動速度も上昇する。
メイン攻撃の「飛びつき」は,運動エネルギーを高めて前方のサバイバーに飛びかかるというもので,影から突然飛び出してサバイバーを攻撃するのが楽しいと語る。なお,飛びつきを外した場合は一定時間の硬直が発生するそうだ。
コウモリは攻撃手段を持たないが,移動速度が速く,また一定距離内のパレットや窓枠などの障害物にテレポートできる。
なお,相手に探知されない半面,サバイバーを目視できず,見えるのは赤い傷マークだけとなる。それを補うために聴覚が向上しており,サバイバーの足音がほかの姿より大きく聞こえるとのこと。さらにサバイバーのいる方向を示し,近づくと徐々に音が大きくなる「子守歌」も使える。
上記の3つの姿を使い分けてドラキュラはサバイバーを追い詰めるが,「メメントモリ」も素晴らしい仕上がりになったとのこと。鋭い爪でサバイバーの喉を引き裂き,その傷から滴る血を受け止めたシャンパングラスを飲み干すという,ドラキュラらしさを見事に表現したそうだ。
ドラキュラのプレイを楽しむコツも紹介された。まず初心者は,プレイに慣れるまで1つの姿を集中して使うといいそうだ。そうしてプレイに慣れてきたら,変身を試すといいとのこと。
またベテランプレイヤーには,最初から変身や攻撃手段を駆使して,強さを誇示してほしいとGuzzo氏は語る。ドラキュラは柔軟なプレイスタイルを実現しているので,キラーの中でもかなり楽しいとまとめていた。
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