インタビュー
配信1周年を迎える「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」インタビュー。スキルツリーシステムの詳細や,新たな大型アップデート情報も公開
アップデートに先立ち,本作のプロデューサーであるゲームゲートの須田浩行氏に,1周年記念アップデートの内容やゲーム開発の裏側,今後の展望について聞いてきた。本稿ではその模様をお伝えしていこう。
「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」公式サイト
「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」ダウンロードページ
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スキルツリー機能で育成要素を大幅強化
来年前半にはさらなる大型アップデートも
本日はよろしくお願いします。
須田浩行(以下,須田氏):
はい,よろしくお願いします。
4Gamer:
「ガールズ&パンツァー 戦車道大作戦!」が配信されてからちょうど1年になりますね。「ガールズ&パンツァー 劇場版」公開後のタイミングだったのでよく覚えています。まずは,自己紹介を兼ねまして,本作における立ち位置を教えてください。
須田氏:
本作の開発責任者を務めております,プロデューサーの須田浩行です。ゲーム内で開催されるイベントの調整や新規キャラクターの追加,細かな運営周りといった,各種サービスの統括をしています。
4Gamer:
ありがとうございます。今回1周年記念に合わせて大型アップデートを実施するということですが,どのような要素が追加されるのでしょうか。
須田氏:
まずは,あんこうチーム全員(西住みほ,武部沙織,五十鈴華,秋山優花里,冷泉麻子)に1周年記念ボイスが追加されます。今後につきましても100ワード近いボイスを順次追加実装する予定です。
4Gamer:
登場キャラクターがかなり多いので,まずはあんこうチームにボイスを追加する,ということですか?
須田氏:
そうですね,ガルパンといえばやはりあんこうチームなので一番に着手しました。そのほかのボイスについては随時タイミングを見て実装していきます。というのも,ボイスはアプリの機能追加に合わせて実装する予定なんです。もちろんあんこうチームだけではなく他のキャラクターたちのボイスも順次追加していきますよ。
4Gamer:
おお,機能追加に伴ってということは,大型アップデートで新機能も追加されるのですね。
須田氏:
はい。新機能としてキャラクター育成の要素を強める“スキルツリーシステム”を実装します。
4Gamer:
スキルツリーといえば,戦略シミュレーションゲームと相性の良い成長ルールですね。本作においては,どういった仕組みのシステムになっているのですか?
須田氏:
網目状に広がったスキル一覧の中から,順番に能力を取得していくシステムです。同じキャラクターであっても育成方針によって異なる能力を発揮できるので,チームに新しい個性を持たせることができます。
4Gamer:
なるほど。スキルツリーで開放できる能力には,どういった種類があるのでしょうか。
須田氏:
開放するとステータスが向上するタイプと,新たな隊長スキルやチームスキルを獲得できるタイプを用意する予定です。習得可能なスキルは,隊長スキル,チームスキル各1種類ずつなので,2つ目のスキルを習得したら前のスキルに上書きされ,スキルレベルもリセットされます。スキルツリーの内容はイラストごとに異なるので,それぞれに対応した育成方法を考えてみてください。
4Gamer:
例えば同じ西住みほであっても,ハロウィンバージョン,クリスマスバージョンといった衣装違いのイラストごとにスキルツリーが用意されているということですか。
須田氏:
ええ。そうです。
4Gamer:
ああ,なるほど。ちょっと気になったのですが,最初からすべてのイラストにスキルツリーが追加されるのでしょうか……。
須田氏:
いえ,まずは一部の対応キャラクターへの実装となります。その詳細については,アップデート時にお知らせすることになるかと思います。
4Gamer:
では,キャラクターについてはいかがでしょう。本作のアップデートでは常に新衣装のキャラクターが追加されてきましたから,期待されている方も多いかと思います。
須田氏:
まずは,1周年記念アップデートに先駆けて,10月31日に大学選抜チームの4人(アズミ,メグミ,ルミ,島田愛里寿)が追加されます。
★4 アズミ[ボコ] |
★4 メグミ[ボコ] |
★4 ルミ[ボコ] |
★4 島田愛里寿[ボコ] |
★5 アズミ[不思議の国] |
★5 メグミ[不思議の国] |
★5 ルミ[不思議の国] |
★5 島田愛里寿[不思議の国] |
4Gamer:
これで劇場版までのアニメシリーズで登場した主要な学校は,すべてアプリに参戦したことになりますね。
須田氏:
はい。だいぶお待たせしてしまいましたが,ようやく主要チームを揃えることができました。期待されているお客さんも非常に多く,ご要望も多くいただいていた部分ですので,ぜひお楽しみいただければと。
4Gamer:
1周年記念のタイミングでは,キャラクターは実装されますか?
須田氏:
ええ。キャラクターというよりも,新しいバージョンとして1周年記念専用衣装のあんこうチームを追加予定ですね。また,それとは別に全員プレゼント用の西住みほも用意しています。
4Gamer:
みほ推しなんですね。プレイヤーとしては,1周年後の展開も気になるところだと思いますが,今後予定されている施策はありますか?
須田氏:
今回の機能拡張に続いて,来年の2月か3月頃にはまた大規模アップデートを考えています。まだ詳細はお伝えできませんが,スキルツリーで成長させたキャラクターを活かせるコンテンツになる予定です。
4Gamer:
矢継ぎ早のアップデートですね。まだ未確定の段階だとは思いますが,それは個人で遊ぶコンテンツになるのでしょうか。
須田氏:
開発段階なので,どのように固まるかは明言できませんが。今のところは,個人向けと対戦向けの二軸で考えています。仕様が公開できる段階になった頃には,アプリ内や公式Twitter等でアナウンスを行いますので,ぜひご期待ください!
ゲーム性と手軽さを両立した
戦略シミュレーションゲームへの挑戦
4Gamer:
せっかくなので,この機会に開発の裏側についても少し聞いてみたいと思います。本作は戦略シミュレーションゲームの流れを汲んだシステムを採用していますが,こういったシステムはスマートフォン向けのタイトルとしては珍しいですよね。ゲームシステムの構築は,どのように決定されたのでしょうか。
須田氏:
システムは割とあとの段階で決まったことで,まず時代の流れとしてスマートフォン向けのネイティブアプリを作ることが先に決定していました。そこから,昨今ではシッカリとしたゲーム性/独自性のあるシステムが求められている流れを汲み,濃い目のジャンルを目指すこととなりました。
4Gamer:
確かにそうですね。昨今ではアプリごとに独自のゲームルールを打ち出している印象があります。
須田氏:
根幹に明確なゲーム性を持っていて,かつ軍事系の戦略シミュレーションゲームとして馴染み深いシステムを考えた場合,落ち着く先はここかなと。
4Gamer:
アニメ版の作中でも,戦況解説画面にヘックス型のマップが表示されていましたからね。システム,デザインの両方でファンとしては馴染み深い形に落ち着いたように思います。
須田氏:
ありがとうございます。あと,スマートフォン向けの同ジャンルの作品が少なかったことも大きな要因でした。それだけ作るのが大変だということでもあるんですが,挑戦する価値はあるだろうと。
4Gamer:
スマートフォン向けに最適化という点では,「ガンガン」「こそこそ」「おまかせ」といったAIによる操作が基本になっていて,戦略シミュレーションゲームに慣れていないプレイヤーでも遊びやすい設計ですね。
須田氏:
操作の面では,短時間で気軽にゲームを遊んでもらうことを重視して調整しています。やはりタッチパネルですから,いわゆる戦略シミュレーションゲームのルールをそのまま採用すると,操作が非常に煩雑になってしまうんですよ。スキル関連も含め,とにかく操作が少なくまとまるようにシステムを構築しました。
4Gamer:
細かいところで言うと,作中の“こそこそ作戦”が元になっているんだなとか,アニメファンとしてはニヤリとするポイントですよね。
須田氏:
アプリを制作するにあたって作中の世界を壊さないように,こういったガルパン用語を散りばめています。
4Gamer:
話がやや逸れてしまいましたが,アプリ公開後のプレイヤーの反応はいかがでしたか。
須田氏:
さまざまなご意見をいただいていますが,スマートフォン向けの戦略シミュレーションゲームを作るという挑戦の部分に関しては,一定の評価をいただいています。ありがたいことに,イベントごとにマップ上のベストな布陣を図にしてまとめる濃い楽しみ方をしているプレイヤーもいますね。
4Gamer:
アプリ公開後にさまざまな施策が行われましたが,とくに反応が良かったものは?
須田氏:
やはり,キャラクターの描き下ろしイラストですね。アニメでは見られなかった衣装のキャラクターを,アニメ本編と比べても遜色ないクオリティでコンスタントに公開し,大きな反響をいただいています。
4Gamer:
個人的には,アプリ中でしか聞けないボイスがたくさん用意されていたのもうれしかったです。
須田氏:
そうですね,ボイスに注目してくださっている方も多いです。お客さんの中には,自力で全ボイスを調べて一覧化している方もいて,そのエネルギーには驚かされました。
4Gamer:
ああ,劇場版の新キャラクターが追加されたときは「ようやく新しい声が聞けるぞ!」と盛り上がった記憶があります(笑)。ファンとしてはどんな形でもいいので,キャラクター達が会話している様子を眺めたり,ボイスを聞いたりしたい欲求があるので,アプリ内でのボイス追加はいいコンテンツですよね。
須田氏:
劇場版のキャラクターは反響が大きかったですね。本作は“ドリームチームを作ろう”というコンセプトをもとに開発していますので,新規キャラクターを取り込む施策は可能な限り頑張って展開したいと思っています。
4Gamer:
反響というと,プロレスラーの蝶野正洋さんとのコラボは驚きました。「アプリにも来るのか!」と(笑)。
須田氏:
あのイベントは本当に反響が大きかったですね。公開日が4月1日だったこともあって,最初は「エイプリルフール企画なんじゃないの?」って言われていました。
4Gamer:
あの絵面を見ると,確かにそう思いますよね……。
須田氏:
ただ,正式なコラボが決まったときの反応は非常に良いもので,好意的な意見がほとんどでした。蝶野さんは劇場版の応援大使をやっていたので,ファンの皆さんの受け入れ体制が整っていたことも大きかったのかなと。
4Gamer:
ただのコラボ対象以上に受け入れられている印象がありますよね。蝶野さんのガルパン話の端々には「あ,本当に好きなんだ」と思える部分が見え隠れするといいますか。
須田氏:
本当にそうですね。(蝶野正洋コラボの)情報公開は当日の0時だったんですが,Twitterで告知したときのリツイート数が普段の10倍近くまで膨れ上がりまして。スタッフ一同,その人気に驚きました。
さすがは黒のカリスマ。
須田氏:
蝶野さん側の方も喜んでいただけたようで,ご本人の公式ファッションブランド「ARISTRIST」のイベント出展先では,コラボイラストのスタンドパネルを掲示していただきました。
4Gamer:
さすがはガルパン応援大使だ……。
須田氏:
本作はガルパンが好きな人のための作品ですから,また今後も何らかの形で関わることができればうれしいですね。
4Gamer:
蝶野正洋コラボの第2弾にも期待しています! 今後の展望についてもうかがえればと思うのですが,アイデアレベルでも構いませんので,今後チャレンジしていきたいものがあれば教えてください。
須田氏:
アニメには名前だけ登場しているような学校が多数あるので,今後はそういった学校も出せたらうれしいな,とは思っています。
4Gamer:
ヨーグルト学園やコアラの森学園等ですね。もともとは知波単学園もその扱いでしたから,何らかの形で世に出てくれれば……。
須田氏:
あくまでアニメ版の要素を取り込んでいくので,何かしらの展開があったらうれしいですね。あと,プレイヤーからの要望段階ですけど,聖グロリアーナ女学院のルクリリ,黒森峰女学園の赤星小梅,プラウダ高校のアリーナなどの名前もよく挙がっているんですよ。
4Gamer:
そういえば,まだ登場してないんですね。そうなってくると,かなりマニアックなラインナップとしてサンダースの装填手(アリサ指揮車)や,黒森峰女学園の履帯を壊されて怒っていた子(ヤークトパンター搭乗)の実装も期待してしまいますね。
須田氏:
かなり細かいですね(笑)。僕としてはスピンオフコミックのキャラクターも気になりますね。「ガールズ&パンツァー リボンの武者」や「ガールズ&パンツァー リトルアーミー」には,メインキャラクターと深い関わりを持ったキャラクターもいますから。
4Gamer:
おお,確かに。アプリで最初に声がつくかも,と考えたら夢が広がります!
須田氏:
まぁ,あくまで「こうだったらいいな」という希望なんですけどね。やはり本作のコンセプトは“ドリームチーム”なので,キャラクターを増やすことは重要な目標だと思っています。
4Gamer:
ありがとうございます。では最後に,本作を楽しんでいるファンに向けて,ひと言メッセージをいただけますか?
須田氏:
掲げたコンセプトに相応しい遊びをみなさんに提供できるよう,運営を続けていく予定です。今後も原作共々,長くお付き合いいただければ幸いです。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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