任天堂から2015年6月25日に発売予定のトレーディングカードゲーム(以下,TCG)
「TCGファイアーエムブレム0」(以下,FE0)の
披露会が秋葉原UDXのAKIBA_SQUAREにて2015年4月14日に開催された。
詳しいゲーム内容やカードなどが初披露されたこのイベントの模様を,写真と共にお届けしていこう。
披露会は完全招待制で,メディアや流通関係者が集まっていた
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「ファイアーエムブレム」(以下,FE)のメインテーマが流れてスタートした披露会のステージには,まず任天堂の営業部部長
松田俊彦氏が登壇。1990年の「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」の発売以降,現在までに13作品をリリースし,今年25周年を迎えた人気シリーズの新たな可能性を切り開くのが,このTCGであると語った。
 任天堂 営業部部長 松田俊彦氏 |
 「ファイアーエムブレム0」プロデューサー 川出亮太氏 |
開発を手がけるのは,任天堂とともに25年間ずっとシリーズを開発してきたインテリジェントシステムズ。内容ももちろんFEにちなんだものとなり,松田氏は「普段はビデオゲームばかり遊んでいる弊社の社員が,昼食を早めに切り上げてこのTCGにのめり込んでいる」と語り,その手応えに自信を見せた。また同氏は,第1弾のカード発売以後,長く愛されていく作品とすべく,コンシューマゲーム機版のFEと並行して販売していくと約束した。
続いては,本作のプロデューサーを務める
川出亮太氏が登壇。ゲームの特徴やカードの内容が解説された。剣と魔法の世界を舞台に,国家間の戦争と,それにまつわる群像劇を描いてきたFEシリーズ。もちろん,TCG版もその内容をカードゲームへ昇華させた作品となるという。ゲームのファンが求める「FEらしさ」と,TCGファンが求める「奥の深さ」を両立すべく,インテリジェントシステムズ社内では,コンシューマゲーム機版と隣同士になって制作が進められているそうだ。
タイトルの「0(サイファ)」には,「ゼロ」「無」などのほかに,つながった円の形から,「終わりのないもの」「無限」という意味も込められている。またビデオゲームだけでない,シリーズのすべてを含めた,新しいファイアーエムブレムの世界をゼロから構築していくという意味を込め,このタイトルが名付けられたそうだ。
なお6月25日に発売予定の第1弾カードには,初代の「暗黒龍と光の剣」より
「暗黒戦争篇」が,そしてシリーズ最大のヒットとなった「ファイアーエムブレム 覚醒」より
「覚醒篇」がラインナップされている。それぞれ,購入後すぐにプレイできる50枚入り
スターターデッキ(税別1300円)と,10枚入りの
ブースターパック「英雄たちの戦刃」(税別350円)が発売されるとのこと。
カードはすべてキャラクターカード,かつイラストは描き下ろしで,レアリティの高いものにはホログラムやフラッシュビジョン,箔押しなどの加工が施される。さらにキャラクターを演じる声優さんのサインが箔押しされたカードなども封入されるとか。
またイラストレーターには,
コザキユースケ氏(覚醒)や
Daisuke Izuka氏(新・紋章の謎)をはじめ,シリーズにゆかりのあるクリエイターを起用。ほか,
ワダサチコ氏,
四季童子氏,
広岡政樹氏,
大熊ゆうご氏,
竹安佐和記氏,
王 欣太氏,
HACCAN氏,
島崎麻里氏,
獅子猿氏など,そうそうたるメンツが揃っているとのことだ。
Daisuke Izuka氏は,アートディレクターとしてすべてのイラストの監修にも当たっているそうだ
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このようにカードを並べることで1枚のイラストとして完成するものもある
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ペガサスナイト時代のミネルバや,勇者になったリフなど,ゲームには登場しないオリジナル設定のカードも
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ルール面では,まずデッキは50枚のカードよって構築することが明らかとされた。その中の1人が主人公となり,対戦ではこの主人公を倒すことが互いの勝利条件となる。自分の好きなキャラクターを主人公に据えたり,シリーズを超えた軍団を編成したりなど,本作ならではの楽しみ方ができるのが特徴とのことだ。
また原作どおり,キャラクターの武器の射程が重要な意味を持つとのこと。例えば射程1である剣などが目の前の相手しか攻撃できないのに対し,射程2の弓なら後方からでも攻撃できるなど,ルール的にも原作を再現したものになっているようだ。
後衛に逃げていても,前衛がやられると,後衛のキャラクターは前衛へと押し出される
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特定のキャラクターは,上級職のカードを重ねることでクラスチェンジし,戦闘力が上がる
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「絆」の要素により,山からカードを引くことで戦場のキャラクターの戦闘力が上がる支援効果も
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手札から同じカードを出すことで,能力がアップする要素も。デッキへの組み込み方や,いつ使うかという戦略を考える必要がある
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ここでステージには,ゲストにコザキユースケ氏と,「
ファイアーエムブレムif 白夜王国 /
暗夜王国」でヒロインのアクアを演じる
Lynnさんが登場し,完成したばかりという本作の「開封の儀」を行った。
といってもカードは製品版ではなく,会場に展示されていた大型サイズのもので,コザキ氏のルキナや,過去にFEのコミックを手掛けていた箱田真紀氏のマルス,そして噂の獅子猿氏によるリフなど,第1弾に封入されるいくつかのカード内容がステージ上でお披露目となった。
左から川出氏,Lynnさん,コザキユースケ氏
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Lynnさんの演じるアクアは,このイベントでその名前が明らかにされた
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その中に1枚白紙のカードが入っており,ここに今回の第1弾には入っていないアクアのカードイラストを,コザキ氏がステージ上でライブドローイングするという演出が行われた。完成したイラストは,次弾以降のカードとして登場することが川出氏によって宣言され,思わぬサプライズに,会場内は大きく沸き上がることに。
開封の儀で用意された特大カード。もちろんこれは非売品だ
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数分でアクアのアップを描き上げたコザキ氏。これを清書したものが,実際にカードとなることがプロデューサー権限により決定した
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最後にステージでは,本作の今後についての情報も明らかにされた。
FE0の次弾以降のラインナップは既に決定しており,第2弾は「ファイアーエムブレムif」より
「白夜王国」と
「暗夜王国」が,第3弾では
「if」と
「蒼炎の軌跡」が発売される予定。また第1弾のスターターデッキとブースターパックのボックスには,「ファイアーエムブレムif」でFE0のキャラクターが使えるダウンロードコードがそれぞれ同梱されるとのことだ。また店舗でのティーチングイベントや公認大会,ユーザー親睦会,そして公式大会なども,現在企画中とのことだった。
スターターデッキには,それぞれマルスとルキナのダウンロードコードが同梱される
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ブースターパックのボックスに同梱されるダウンロードコードは,ドラゴンナイトにクラスチェンジする前の,ペガサスナイト時代のミネルバだ
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任天堂とインテリジェントシステムズという,コンシューマゲーム機版と同じのタッグによって展開される本作。川出氏も「我々も本気で盛り上げていきます」と宣言しており,今後の展開にも期待がかかる。デジタルとアナログ,双方ともファンが納得できるタイトルになることを楽しみにしつつ,6月25日の発売を待っていてほしい。
披露会終了後は,開発スタッフがアドバイスしながらの体験会も行われた
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