ミュージック フロム ゲームワールド：Track 264 「英雄伝説 黎の軌跡」「エレメンタルマスター」

Illustration by しなぷう

　あけましておめでとうございます！　今年もたくさんのゲーム音楽を楽しみつつ紹介していきたいと思いますので，よろしくお願いいたします！

　さて，筆者は年末から「EGRET II mini」の「アーケードメモリーズVOL.1」を堪能中。中でも「大旋風」は当時から大好きで，今回も一番遊んでいます。地上の敵がメインで空中の敵が登場しない地味な画面と展開ながら，何発も撃ち込まないと破壊できないデカくて堅い戦車達との戦いが気持ち良すぎる！

　ということで，今年最初の「ミュージック フロム ゲームワールド」は「英雄伝説 黎の軌跡」のアレンジアルバムと「エレメンタルマスター」の新録サントラの2枚を紹介します。

ライブ感も味わえる最新アレンジアルバム

「英雄伝説 黎の軌跡 SUPER ULTIMATE」

タイトル	英雄伝説 黎の軌跡 SUPER ULTIMATE	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2022年12月22日
価格	3080円（税込）
発売元	日本ファルコム
コピーライト	（C）2021 Nihon Falcom Corporation. All rights reserved.

　今週の1枚めは「英雄伝説 黎の軌跡」初のアレンジアルバム「英雄伝説 黎の軌跡 SUPER ULTIMATE」をご紹介。本サントラは「Ys VIII」「Ys IX」の「SUPER ULTIMATE」シリーズに続く第3弾で，今回もボーカルの佐坂めぐみを始め，ギターの関口功二やキーボードのgakia2といったファルコムjdkバンドのメンバーが演奏に参加。ライブ感も味わえるアルバムになっています。

　1曲めは「怪盗グリムキャッツ」。インスト曲だった原曲がスカアレンジを取り入れたファンキーなボーカル曲にリニューアル。末廣優里のクールな歌もカッコいい！　続く2曲めの「光芒のレゾナンス」はミステリアスなメロディを乗せた，踊れる四つ打ちトランスアレンジになりました。

　3曲めの「Unmitigated Evil」はエレキギターとヴァイオリンのバトルを軸にした王道ハードロックナンバー。ギターが情熱的なフレーズをハードに奏でたかと思えば，ヴァイオリンは高貴でクラシカルなフレーズで対抗。ネオクラシック好きのハートに直球で突き刺さるイチ押し曲です！

　7曲めの「虚空と空と その狭間に生きる者」は原曲の「白銀の剣聖」からテンポを大幅に落とした，ピアノアレンジによるボーカル曲。和の趣がある，ゆったりとしたメロディと歌詞が上品な雰囲気を作り上げ，アルバム中盤のハイライト的な曲に仕上がっています。

　そしてラストは，ツーバス連打のドラムをバックにゴリゴリのギターが暴れまくる「Diabolic Howl」で締めくくり。熱いメロディとシンセの絡みや，サビのヴァイオリンのフレーズなど，聴きどころ満載のアグレッシブな展開で興奮が収まらず，何度もリピートしたくなること間違いなし！

　毎回，完成度の高いアレンジ曲で楽しませてくれる「SUPER ULTIMATE」シリーズ。今作もファルコムファン必聴の1枚です！

「英雄伝説 黎の軌跡」公式サイト

「英雄伝説 黎の軌跡II -CRIMSON SiN-」公式サイト

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メガドラサウンドが奏でる北欧メタル

「Technosoft Music Collection - ELEMENTAL MASTER -」

タイトル	Technosoft Music Collection - ELEMENTAL MASTER -	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2022年12月14日
価格	3080円（税込）
発売元	ウェーブマスター
コピーライト	（C）SEGA

　今週の2枚めは1990年にテクノソフトからリリースされたメガドライブ用ソフト「エレメンタルマスター」の新録サントラ「Technosoft Music Collection - ELEMENTAL MASTER -」を紹介します。過去に発売されたサントラは長い間入手困難な状況にあり，ゲーム内のBGM全曲をメガドライブ実機で新規録音した今回のサントラはまさにファン待望といったところでしょう。

　まず注目したいのが，ステージ1のBGMである4曲め「火炎の舞い」。ギターリフ風の前奏に始まり，ダークでミステリアスなメロディが展開される曲です。7曲めはステージ2のBGM「風のように」。ミディアムテンポで落ち着いた曲調から繰り出される，流麗なサビメロの虜になってしまうこと請け合い。

　ステージ曲のテンポはほどほどに抑えられている反面で，ボス戦の曲はスピードナンバーのオンパレード。ローファイなメタルコアを聴かせるステージ2のボス曲「魔獣の叫び」，不穏で不気味なサウンドが鳴り響くステージ3のボス曲「魔性の鼓動」，終始高速でクールに駆け抜けるステージ4のボス曲「水に凄す物の怪」など，曲ごとの個性も際立っています。

　サントラ後半，ステージ7のBGMである20曲め「暗黒の旋律」はとことん陰鬱。クライマックスへ向かうプレイヤーの恐怖心をこれでもかと煽る曲です。22曲めはラスボス曲「骸羅王復活」。救いのない未来を感じさせる曲調に不安が募ります。24曲めのスタッフロール曲「旅立ち」は本作で唯一明るい曲で，重苦しい世界から解き放たれるこの瞬間が気持ちいい！

　ラストは高西 圭氏によるメドレーアレンジ「Elemental Master -Super Arr Ver.-」を収録。令和になって「エレメンタルマスター」のアレンジ曲を聴けるとは思っていなかったこともあって，嬉しいサプライズです。秀逸なメガドラサウンドをぜひ堪能してください！

「Technosoft Music Collection - ELEMENTAL MASTER -」特設ページ

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■■風のイオナ■■ マーベルランド生まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来は惑星あくあに移住してサイキックと共存しながら最新ゲームで遊びまくるのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。地下アイドルグループ，あまりりすのプロデュース＆運営も手掛けています。