ミュージック フロム ゲームワールド：Track 245 「英雄伝説 黎の軌跡」「サイコドリーム」

Illustration by しなぷう

　最近は仕事の合間に，昔遊んでいた音ゲーをやるのがマイブーム。原稿を1本書いたら2〜3曲プレイ，イベントの座組を作り終えたらまたプレイ，といった具合で，仕事時間にメリハリができていい感じです。今メインで遊んでいるのは「うた組み575」「IA/VT -COLORFUL-」「けいおん！ 放課後ライブ！！」あたり。近々，未プレイの音ゲーも買ってこようと画策中です。

　というわけで，今週の「ミュージック フロム ゲームワールド」は，「英雄伝説 黎の軌跡」と「サイコドリーム」のオリジナルサントラの2枚を紹介します！

直球ど真ん中の王道ファルコムサウンド！

「英雄伝説 黎の軌跡 オリジナルサウンドトラック」

タイトル	英雄伝説 黎の軌跡 オリジナルサウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2022年3月9日
価格	3740円（税込）
発売元	日本ファルコム
コピーライト	(C) Nihon Falcom Corporation. All rights reserved.

　今週の1枚めは，人気RPG「軌跡」シリーズの最新作「英雄伝説 黎の軌跡」の楽曲をCD3枚組に収録した，「英雄伝説 黎の軌跡 オリジナルサウンドトラック」をご紹介。ゲームの発売からおよそ半年を経てのサントラ化ですが，首を長くして待っていた人も満足できる，大ボリュームの全85曲を収録しています。

　まずはDISC1の1曲め，主題歌の「名もなき悪夢の果て -Short Ver.-」でスタート。ギターのフレーズで始まるアッパーなロックチューンで，ボーカルはファルコム作品の歌姫としてすっかり定着した佐坂めぐみ。筆者も，リアル☆SPiKAのメンバーとして「東亰ザナドゥ」の主題歌「Seize the day」を歌っていた頃からの彼女のファンです！

　楽曲紹介に戻って6曲めの「ようこそモンマルトへ」は，落ち着いた雰囲気のジャジーな曲。上品なピアノの演奏を，ずっと聴いていたくなります。24曲め「Unreasonable Beast」はバイオリンとギターの演奏バトルが堪能できる，ファルコムサウンドど真ん中のクラシカルロックチューン。機会があれば，ファルコムjdkバンドによるライブ演奏にも期待したい！

　続いてDISC2へ。1曲めの「百花咲き乱れ」は祭りの音頭をイメージさせる和風曲。6曲めの「朱き賑わい -東方人街-」は異国情緒を感じさせるオリエンタルな曲となっています。20曲めの「カクテルを傾けて」はお洒落なムードの曲調で，キレイな夜景を見ながらお酒でも飲みたい気分に。

　サントラを締めくくる，DISC3のラストはエンディング曲「KURO - beyond the dawn -」。ピアノ，ギター，シンセなどが煌びやかに優しいメロディを奏でつつ，余韻を残しながら幕を閉じます。

　今秋には続編となる「英雄伝説 黎の軌跡II -CRIMSON SiN-」の発売も決まりましたが，それまでこのサントラを聴きながら待ちましょう！

「英雄伝説 黎の軌跡」公式サイト

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カオスでエキセントリックな精神世界を描くサウンド

「サイコドリーム オリジナル・サウンドトラック」

タイトル	サイコドリーム オリジナル・サウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2022年3月2日
価格	3630円（税込）
発売元	CASSETRON
コピーライト	distributed by diskunion （C）Edia Co.,Ltd.

　今週の2枚めは，1992年にリリースされたスーパーファミコン用ソフト「サイコドリーム」の楽曲を収録した，「サイコドリーム オリジナル・サウンドトラック」を紹介します。これまでは知る人ぞ知るという作品でしたが，昨年にNintendo Switch Onlineの配信タイトルに追加され，再び注目が集まる中でのサントラ化となりました。

　音楽は「ワイルドアームズ」シリーズなどで知られる，なるけみちこ氏が担当。“精神病者の夢”というタイトルどおり，全体的にカオスでエキセントリックな楽曲が多く，それらが作り上げるカルトな世界観が今も熱心なファンを引き付けています。

　まず2曲めは，冒頭から不安を煽るメロディが炸裂するタイトル曲「サイコドリーム」。4曲めの「Track1 昼下がり - 旧新宿都庁」は，アクションゲームのステージ1のBGMとしてはかなり前衛的な曲で，狂気的なシーケンスの繰り返しに心が取り込まれてしまいそう。

　7曲めはステージ2のBGM「Track2 廃都新宿地下街」で，退廃的なのに明るいという，受け止める側も困惑しそうな曲構成にびっくり。続くステージ3のBGM「Track3 黄昏 - 東京タワー」でも聴き手の情緒を乱す，強烈なシーケンスを浴びせてきます。

　12曲めの「Track6 深夜 - 浦安テーマパーク」は，ゆったりとした3拍子のリズムが舞踏会のような雰囲気を作り出している，ステージ6のBGM。続く「Final Chapter - 灰かぶりの城」はシューベルトの「アヴェ・マリア」をアレンジしたラストバトルのBGMで，サンプリングによるオーケストラサウンドが美しくもどこか不穏な気配を残しつつ，最後の戦いを演出します。

　本編のラストを飾る「エンディング」は心安らぐオルゴールの音色を軸にした前半パートから，コミカルな後半パートが展開。ゲーム中の雰囲気とかけ離れたこの曲で，ようやく現実世界に戻ってきたような気分を味わえることでしょう。
　全編を通じて，攻めたサイケデリックトランスが満載の本サントラ。精神が迷走し始める，そんな未体験ゾーンをぜひとも体感してください！

ディスクユニオン「サイコドリーム オリジナル・サウンドトラック」商品ページ

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■■風のイオナ■■ マーベルランド生まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来は惑星あくあに移住してサイキックと共存しながら最新ゲームで遊びまくるのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。地下アイドルグループ，あまりりすのプロデュース＆運営も手掛けています。