ミュージック フロム ゲームワールド：Track 150 「METAL GEAR SURVIVE」「東亜プラン ARCADE SOUND DIGITAL COLLECTION Vol.4」

Illustration by しなぷう

　2015年4月10日に始まったこの連載も3周年を迎えました。紹介してきたゲームミュージックのサントラは300タイトル。「何かいいサントラないかな」なんて思ったそこのあなたは，連載のバックナンバーを読み返しながら，お気に入りのサントラを見つけてみてください。

　それでは，連載4年めの「ミュージック フロム ゲームワールド」，今週もゲームミュージック史に残る2枚を紹介します！

映画音楽のような重厚感が味わえる1枚

「METAL GEAR SURVIVE ORIGINAL SOUNDTRACK」

タイトル	METAL GEAR SURVIVE ORIGINAL SOUNDTRACK	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2018年3月14日
価格	3700円（税抜）
発売元	KONAMI
コピーライト	（C）Konami Digital Entertainment

　今週の1枚めは，KONAMIから発売中の「METAL GEAR SURVIVE」（PC/PS4/Xbox One）の楽曲をCD3枚組に収録した，「METAL GEAR SURVIVE ORIGINAL SOUNDTRACK」をご紹介。Metal Gear Sound Teamによる，オーケストラを取り入れた映画音楽のような重厚なサウンドが楽しめます。

　DISC1の1曲めは「Good to See You Again」。新たなドラマの幕開けを，重くゆったりとしたメロディが伝えます。6曲めの「Wardenclyffe Section」は，同じモチーフの短いメロディが繰り返される中，張り詰めた糸のような緊張感が支配する曲。9曲めの「A Parade of the Dead」は無機質なリズムとインダストリアルなフレーズが絡み合って暴走する，タイトルどおり“死の行進”に相応しい仕上がり。ときおり顔を覗かせるストリングスのフレーズだけが人間味を醸し出しています。

　DISC2の1曲めは，ゲームのメインテーマとなる「Metal Gear Survive Main Theme」。数々の楽器が楽曲を彩り，激情のメロディを作り上げていく迫力に圧倒されます。10曲めの「Seth」はアグレッシブで暴力的なアレンジとドラマチックなメロディ展開で迫る曲。爆発音のようなイントロで始まる15曲めの「Do-Or-Die」は，重たい四つ打ちのリズムに乗って，さまざまなメロディが重なり合いながら進行します。24曲めの「Memory of Survivors」はスタッフロール曲。まるでレクイエムのような前半パートに始まり，希望を感じさせる中盤パートを挟んで，カオスな様相を見せる終盤パートで締めくくる長編曲です。

　最後のDISC3は「METAL GEAR SURVIVE」のマルチプレイモードのBGMや，「METAL GEAR ONLINE」のCo-opプレイ用楽曲で，過去作の懐かしのフレーズも使用されている「Abandoned Airport Wave」「Forsaken Ruins Wave」などを収録した，ボーナス的なディスクです。
　重く激しいサウンドで形成された本サントラは，まるで映画音楽のよう。ぜひ大音量で聴いて，その迫力を体全体で味わってみてください。

「METAL GEAR SURVIVE」公式サイト

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「アウトゾーン」と「フィグゼイト」の2作をカップリング

「東亜プラン ARCADE SOUND DIGITAL COLLECTION Vol.4」

タイトル	東亜プラン ARCADE SOUND DIGITAL COLLECTION Vol.4	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2018年3月28日
価格	2700円（税抜）
発売元	クラリスディスク
コピーライト	（C）TOAPLAN Co., Ltd. （C）TATSUJIN Co., Ltd.

　今週の2枚めは，東亜プランのアーケードゲームをデジタル録音でサントラ化するシリーズの第4弾「東亜プラン ARCADE SOUND DIGITAL COLLECTION Vol.4」を紹介します。今回の収録タイトルは1990年にリリースされた「アウトゾーン」と，1992年に登場した「フィグゼイト-地獄の英雄伝説-」の2作品。どちらも任意スクロールシューティングで，システム上のつながりを持つタイトルになっています。

　CD前半は「アウトゾーン」の楽曲を収録。作・編曲は上村建也氏が担当しており，FM音源の音色を巧みに使った，硬派なロックサウンドが特徴です。
　3曲めの「第二章 奴らに弾のプレゼント」は，男の哀愁を漂わせるメロディとリズミカルなビートが心地よく，タイトルのインパクトも抜群。上村氏がリーダーを務める東亜プランのゲームミュージックバンド，U-Brandでもよく演奏されている曲です。5曲めの「第四章 かっ飛びソルジャー」もアッパーで爽快な曲で，上村節とも言えるメロディ進行が楽しめます。

　また，CD後半には「フィグゼイト-地獄の英雄伝説-」の楽曲を収録。作・編曲は「ホラーストーリー」や「ヴィマナ」といった，東亜プランの中でも異色のタイトルを手がけてきた富沢敏明氏が担当しています。
　16曲めの「BGM 1 'FIXER'」はクールでメロディ感の薄い曲調が終盤に入ってから急展開する，シューティングゲームとしては意外性のある曲。続く17曲めの「BGM 2 'O.T.'」は，複雑なリズムとダウナーなメロディが絡み合う曲構成が魅力的です。22曲めの「BGM 7 'SANCTUARY'」は，シンプルなメロディに挿入される男性のサンプリングボイスが強烈！　一度聴いたら忘れられないインパクトがあります。

　2月には「ヘルファイヤー」と「ゼロウィング」の2作を収録した「東亜プラン ARCADE SOUND DIGITAL COLLECTION Vol.3」もリリースされており，こちらもファンには見逃せないところ。レトロアーケードゲーム愛好家は，全シリーズ揃えていくことをオススメします。

クラリスショップ「東亜プラン ARCADE SOUND DIGITAL COLLECTION Vol.4」

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■■風のイオナ■■ マーベルランド産まれのフェアリーランドで育ちで現在はNEO TOKYO在住のフリーライター＆編集者。将来はモタビア星に移住して隠居するのが夢。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。世界の半分を手に入れることを目的にした限界地下アイドルグループ，DORCA（ドルカ）のプロデュースもまったりやっています。