ミュージック フロム ゲームワールド：Track 78 「ゼルダの伝説」「ストリートファイターV」

Illustration by しなぷう

　修学旅行の定番と言えば，やっぱり京都。筆者も中学生の頃に京都・奈良に行きました。当時は「ポートピア連続殺人事件」の舞台にもなっていたことを意識していなかったと思いますが，今の学生さんは好きな作品の舞台が修学旅行先だったらテンションが上がったりするのでしょうか。
　秋も深まる10月の中旬，それでは今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」に出発！

「ゼルダの伝説」シリーズ30年の歴史を音楽で

「30周年記念盤　ゼルダの伝説 ゲーム音楽集」

タイトル	30周年記念盤　ゼルダの伝説 ゲーム音楽集	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2016年9月28日
価格	3000円（税抜）
発売元	日本コロムビア
コピーライト	（C）1986-2016 Nintendo

　ファミコンのディスクシステム用ソフト「ゼルダの伝説」が1986年にリリースされてから今年で30周年！　「スーパーマリオ」シリーズと並ぶ2枚看板として任天堂ハードを牽引してきた「ゼルダ」シリーズのベストアルバムが登場しました。今週の1枚めは，シリーズ全作から代表的な曲をCD2枚組に収録した「30周年記念盤　ゼルダの伝説 ゲーム音楽集」を紹介します！

　収録タイトルは

• ゼルダの伝説
• リンクの冒険
• ゼルダの伝説 神々のトライフォース
• ゼルダの伝説 夢をみる島
• ゼルダの伝説 時のオカリナ
• ゼルダの伝説 ムジュラの仮面
• ゼルダの伝説 ふしぎの木の実
• ゼルダの伝説 風のタクト
• ゼルダの伝説 4つの剣＋
• ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
• ゼルダの伝説 夢幻の砂時計
• ゼルダの伝説 大地の汽笛
• ゼルダの伝説 スカイウォードソード
• ゼルダの伝説 神々のトライフォース2
• ゼルダの伝説 トライフォース3銃士

　以上の15タイトル。皆さんはどのゼルダが思い出に残っていますか。

　ディスクシステムが奏でる単音のFM音源を交えた，「ゼルダの伝説」のファミコンサウンドで始まるこのベストアルバム。懐かしさだけではない，色褪せない音色の魅力がたまりません。続く「リンクの冒険」も同じディスクシステムサウンド。「地上マップBGM」は，「ゼルダの伝説」の「地上BGM」と同じ前奏から新たなメロディへと展開するという，音楽的演出も秀逸です。

　スーファミ音源へと進化した「神々のトライフォース」，ファミコン音源とはまた違った魅力のチップチューンサウンドでゼルダの音楽世界を提示してくれたゲームボーイ音源の「夢をみる島」，飛躍的に進化したサウンドに驚かされたNINTENDO64版「時のオカリナ」と「ムジュラの仮面」等，さまざまなハードの音源が鳴らす楽曲が次々と繰り出されます。

　後半に収録された「スカイウォードソード」の豪華かつ進化したゼルダサウンドを聴くと，「思えば遠くに来たものだな……」と30年の歴史の重みを感じ，感慨深いものがあります。このベストアルバムを聴きながら，ぜひ皆さんの思い出を振り返ってみてください。最後にあらためて「ゼルダの伝説」シリーズ30周年，おめでとうございます！

「30周年記念盤　ゼルダの伝説 ゲーム音楽集」特設サイト

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オーケストラとテクノサウンドで迫る「ストV」サントラ第2弾

「ストリートファイターV ゼネラルストーリー『A Shadow Falls』オリジナル・サウンドトラック」

タイトル	ストリートファイターV ゼネラルストーリー「A Shadow Falls」オリジナル・サウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2016年9月14日
価格	3000円（税抜）
発売元	カプコン セルピュータ
コピーライト	（C）CAPCOM U.S.A., INC. 2016 ALL RIGHTS RESERVED.

　カプコンの人気格闘ゲーム「ストリートファイターV」（PC/PS4）の無料DLCとしてリリースされた「ゼネラルストーリー」。その楽曲を収録した「ストV」サントラ第2弾が登場しました。「ゼネラルストーリー」は総勢22キャラが登場するという，シリーズ初の本格ストーリーモード。その本気っぷりは膨大な追加曲からもうかがえます。今週の2枚めは，その「ストリートファイターV ゼネラルストーリー『A Shadow Falls』オリジナル・サウンドトラック」を紹介します。

　「ゼネラルストーリー」の追加曲は，ゲーム本編にもコンポーザーとして参加している深澤秀行氏が全曲を担当。ハードなバンドサウンドを前面に押し出していたサントラ第1弾とは打って変わって，デジタルなテクノサウンドとストーリー進行を演出するオーケストラサウンドが中心です。

　1曲めから，格闘ゲームの楽曲としては異質な「幽闇の復讐者 1（幽闇の復讐者）（Chapter 1）」でスタート。映画のサントラを聴いているかのような静と動が同居した，これまでの「ストリートファイター」シリーズにはなかったオーケストラ曲です。
　そして「ストV」サウンドのダークで重い雰囲気を継承しつつ，テクノナンバーとして仕上がった「Ryu’s Theme -Hesitating Fist-（惑いの拳）（Chapter 1）」や「Shadaloo’s Theme（友を探して）（Chapter 1）」等の曲が「ゼネラルストーリー」サウンドのもう一つの要になっています。

　後半で聴ける「Final Battle（全ての力が行き着く先）（Chapter 5）」における，ヘヴィなサウンドの中に哀愁漂う弦楽器の生音を重ねたアレンジは，戦いの先にある虚しさを表現しているかのよう。そして「神話の始まり（Chapter 5）」は夜明けの情景が浮かぶようなアッパーなロックバラード曲。ローファイなギターサウンドもGOOD！　「ストリートファイターV」が持つもう一つの側面を満喫できる，ファン必携の1枚です。

イーカプコン「ストリートファイターV ゼネラルストーリー『A Shadow Falls』オリジナル・サウンドトラック」

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■■風のイオナ■■ マーベルランドで産まれ，フェアリーランドで育ち，さざなみの島で一攫千金を夢見るも，バビリム王国に連れ去られて塔建設の奴隷として働く。巨大宇宙船に密航して惑星あくあへ逃亡後，仕事の都合でモタビア星に移住し，ハンターとして惑星ラグオルの調査をして生計を立てていたが，現在はNEO TOKYOを拠点に活動中。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。2016年で編集＆ライター生活20周年を迎えてしまいました。