ミュージック フロム ゲームワールド：Track 46

　初代「ポケットモンスター」のバーチャルコンソール版が，2016年2月27日にいよいよ配信開始になります。オリジナル版が発売された当時は某ゲーム雑誌の編集部にいた私も，もちろんダウンロードして遊ぶ予定です。大人になってもポケモン交換。また遊び尽くすぞー！　ということで，今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」でゲーム音楽情報をゲットだぜ！

懐かしさと新しさの融合！　最新のモンハンサウンド

「モンスターハンタークロス オリジナル・サウンドトラック」

タイトル	モンスターハンタークロス オリジナル・サウンドトラック	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2015年12月16日
価格	3000円（税抜）
発売元	カプコン セルピュータ
コピーライト	（C）CAPCOM CO., LTD. 2015 ALL RIGHTS RESERVED.

　発売後1か月足らずで国内出荷本数が300万本を突破したカプコンのニンテンドー3DS用ソフト「モンスターハンタークロス」ですが，その後も続々とイベントクエストが配信されており，現在も多くのハンターが狩猟生活を送っているのではないかと思います。そこで，今週の1枚めは「モンスターハンタークロス オリジナル・サウンドトラック」をご紹介します！

　作曲は「モンスターハンター3（トライ）」以降のモンハンサウンドを手掛けている裏谷玲央氏が担当。ココット村のアレンジ「目覚め 〜 MHXver.」では「エースコンバット」シリーズの小林啓樹氏，「ポッケ村のテーマ 〜 MHXver.」「秘湯を求めて 〜 MHXver.」では数々のアニメや劇伴を担当している和田貴史氏が編曲を担当。また，収録用アレンジとして「モンスターハンター オーケストラコンサート 狩猟音楽祭」の編曲を手掛けた竹岡智行氏らが参加しています。
　演奏陣も豪華で，和楽器ユニットHIDE×HIDEの尾上秀樹氏と石垣秀基氏を始めとした多数のミュージシャンが参加しており，和楽器をメインとした癒し系の曲から民族音楽風の曲まで，バラエティ豊かな迫力あるサウンドで構成されています。

　1曲めの「プロモーションムービー MHX」は，タイトルのとおりプロモ映像で使用された楽曲。前奏に続いて流れる民族音楽風のフレーズを交えたオーケストラサウンドは，本作の世界観を見事に表現しています。ティンホイッスルとアコーディオンの演奏によるメロディが印象な「オトモ広場のテーマ」は，ずっと聴き続けていたいと思わせる愛しい空気感が魅力。新たなバトル曲「灼熱の刃 〜 ディノバルド」や「決意を胸に灯して」も緊迫感あるオーケストラサウンドによるカッコいい仕上がりです。

　そして，収録曲の中でも個人的にとくにお気に入りなのがエンディング曲の「トラベルナ（Fullver.）」。ネコ嬢カティ（CV：上田麗奈さん）によるキュートなボーカルと，ふんわりとした和みの雰囲気をまとったアレンジによって極上のポップチューンに仕上がったこの曲は，一度聴けば虜になってしまうこと間違いなし。続くスタッフロールで流れる「スタッフロール MONSTER HUNTER X」も，ゲームで熱くなった心をゆっくりとクールダウンしてくれる優しい曲で，民族楽器の心地よい音色とオーケストラサウンドが体に染みます。2曲合わせて，ぜひオフのお供に聴いてみてください。

イーカプコン「モンスターハンタークロス オリジナル・サウンドトラック」

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思い出に浸りつつ，新発見もある

「タイトーデジタルサウンドアーカイブス 〜ARCADE〜 Vol.5」

タイトル	タイトーデジタルサウンドアーカイブス 〜ARCADE〜 Vol.5	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2015年12月24日
価格	3200円（税抜）
発売元	ウェーブマスター
コピーライト	（C）TAITO CORPORATION 1986,1996 ALL RIGHTS RESERVED.

　レトロなアーケードゲームファンの期待を一身に背負う「タイトーデジタルサウンドアーカイブス 〜ARCADE〜」シリーズ。タイトーのアーケードゲームの楽曲をデジタル録音で甦らせることをコンセプトに，これまでに4枚のサントラがリリースされてきました。そして今回，待望の第5弾が登場したので，今週の2枚めはこの「タイトーデジタルサウンドアーカイブス 〜ARCADE〜 Vol.5」を紹介します。

　収録作は「スクランブルフォーメーション」「アルカノイド」「アルカノイド リベンジオブDOH」「アルカノイドリターンズ」「バトルシャーク」「スーパーチェイス」「ソニックブラストマン」「リアルパンチャー」「カダッシュ」「クレオパトラフォーチュン」の全10タイトル116曲という大ボリューム。1980年代中盤から1990年代後半までのタイトルを収録し，今作でも年代の移り変わりによる音源の進化を合わせて楽しむことができます。

　まず触れておきたいのが「アルカノイド」シリーズ。初代「アルカノイド」の短いジングルを聴くと，人気絶頂時のゲーセンの風景が甦り，パドルがボールを跳ね返す“カーン”“コーン”というSEが自然と脳内に思い浮かんでノスタルジックな気分に浸れます。約10年を経て登場した「アルカノイドリターンズ」の派手なフュージョンサウンドも時代を感じさせ，中でもROUND 100で流れる「Dark crystal」は浮遊感ある独特の雰囲気にトリップできるイチオシの曲です。

　また，収録作の中で最も古い「スクランブルフォーメーション」で唯一のステージBGMである「Main BGM」の，前衛的過ぎるインダストリアルなフレーズはインパクト大。ゲーセンでは音が聴こえにくいガンシューティングだった「バトルシャーク」は，今回の初CD化によって，「Round BGM」等でメロディアスな曲展開が堪能できるという嬉しい再発見も。
　さらに「スーパーチェイス」の完成されたフュージョンサウンドや，「カダッシュ」のちょっとミステリアスな楽曲も魅力的。ラストに収録された「クレオパトラフォーチュン」の不思議な魅力を放つメロディ展開は，一度聴いたら忘れられないほど強烈です。またドリキャス版でプレイしたくなってきました。

　思い出に浸りながら新発見もあり，さらに昔好きだったゲームを久々に遊びたいという気持ちにさせてくれるレトロ系サントラ。こうしたさまざまな副作用を起こしてくれるのは，嬉しいサプライズでもあります。このサントラは，そんな感覚を久しく忘れていた人に，ぜひお勧めしたい1枚です。

ZUNTATA公式サイト「タイトーデジタルサウンドアーカイブス 〜ARCADE〜 Vol.5」

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■■風のイオナ■■ マーベルランドで産まれ，フェアリーランドで育ち，さざなみの島で一攫千金を夢見るも，バビリム王国に連れ去られて塔建設の奴隷として働く。巨大宇宙船に密航して惑星あくあへ逃亡後，仕事の都合でモタビア星に移住し，ハンターとして惑星ラグオルの調査をして生計を立てていたが，現在はNEO TOKYOを拠点に活動中。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。2016年で編集＆ライター生活20周年を迎えてしまいました。