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ミュージック フロム ゲームワールド:Track 31
秋も深まり,紅葉もキレイなシーズンになってまいりました。なんとなく秋を感じながら,たそがれてみたい今日この頃ですが,そんな気分に似合うゲーム音楽はないかなと思いながらマイCDラックをあさってみたら……ありました! 鈴木慶一氏の作曲による「リアルサウンド 〜風のリグレット ― オリジナル・サウンドトラック」です。
ノスタルジックなアコースティックギターの音色が心地よく,今の時期に本当にピッタリな音で,最近はずっと聴いています。それでは,今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」,いってみましょう。
佐藤天平氏自らが手掛けたバラエティに富んだアレンジ
「魔界戦記ディスガイア5 アレンジサウンドトラック」
タイトル | 魔界戦記ディスガイア5 アレンジサウンドトラック | |
発売日 | 2015年8月14日 | |
価格 | 3000円(税込) | |
発売元 | Miss Kiss Disc | |
コピーライト | (C)2015 Nippon Ichi Software, Inc. |
1000時間遊んでもまだ序の口――そんなやり込み仕様で知られる「魔界戦記ディスガイア」シリーズの最新作「魔界戦記ディスガイア5」が2015年3月に発売され,作曲者の佐藤天平氏自らがアレンジを手掛けたアルバムがこのたびリリースされました。今週の1枚めは,この「魔界戦記ディスガイア5 アレンジサウンドトラック」を紹介します!
ゲームに使用された楽曲から選ばれた14曲のアレンジバージョンを収録した,このアルバム。ゲームのBGMという制約から解き放たれ,単体の音楽として楽しめるようにアレンジされたこれらの曲では,佐藤天平氏がそれまで抑えていたエネルギーが爆発したかのような多彩なサウンドが楽しめます。
オープニングを飾るのは,終末の叫びを思わせるコーラスと宮野真守による力強いボーカルが交じり合うサタニックロックチューンの「Kill Real」。また,Naluの歌う「Moving On」は,アコースティックの優しいサウンドと癒しのオーラがあふれるコーラス&ボーカルで,気分は思わず夢心地。天国まで昇れそうです。
佐藤天平氏が自らボーカルを務める「Lieze Rock」はストレートなハードロックナンバーで,氏がボーカルを担当するゲームミュージックバンドMissKissでも演奏されている1曲。この曲のアレンジが気に入った人なら,MissKissのライブに足を運ぶと幸せになれるはず。
インスト曲も魅力的な曲が並びます。チップチューン的なサウンドがSFっぽい雰囲気を感じさせる「Invisible Zoon」は,1990年代ゲームミュージック風の仕上がりで,その手のサウンドが好きな人にはストライクなアレンジ。また,クラシカルなメロディで勇敢さを表現した,鳥肌モノのアレンジを聴かせてくれる「Catch The Rainbow」や,童話のような曲調が次々と変化していくコミカルな「Popping Pink」も耳から離れません。
「魔界戦記ディスガイア5」の音楽の新たな一面を見せてくれる,このアレンジアルバム。ゲームを未プレイでも楽しめるのはもちろん,シリーズファンならぜひ聴いておきたい1枚です!
Miss Kiss Disc「魔界戦記ディスガイア5 アレンジサウンドトラック」
ROMカセットが放つKONAMIサウンドを堪能
「コナミ・ファミコン・クロニクル Vol.3 ROMカセット編」
タイトル | コナミ・ファミコン・クロニクル Vol.3 ROMカセット編 | |
発売日 | 2015年8月21日 | |
価格 | 2500円(税込) | |
発売元 | EGG MUSIC RECORDS | |
コピーライト | (C)Konami Digital Entertainment (C)2015 D4Enterprise Co.,Ltd. |
KONAMIのファミコンゲームの魅力は,その音にもあります。当時遊んだゲームを思い返すと,ゲームから流れてきた印象的なBGMの数々も脳裏をよぎりますよね。そんなKONAMIのファミコンゲームファン待望の「コナミ・ファミコン・クロニクル」シリーズ最新作がリリースされました。今週の2枚めは,この「コナミ・ファミコン・クロニクル Vol.3 ROMカセット編」を紹介します!
“ROMカセット編”と題されたVol.3には,「月風魔伝」「ドラゴンスクロール 甦りし魔竜」「マッドシティ」「モアイくん」,そして未発売の「バトルチョイス」を加えた5タイトルの楽曲を収録。ファミコン人気が絶頂だった頃のKONAMIサウンドが1枚のCDに詰まっており,聴いているとノスタルジックな感動の涙を流さずにはいられません。
トップバッターは「コナミワイワイワールド」にも登場した人気キャラ,風魔が活躍する「月風魔伝」。風魔のテーマとも言える「行け!月風魔」や「1000億光年の彼方」は,月夜と孤独が似合う和風メロディを乗せたKONAMIサウンドが疾走する曲。
続く2番手は,ノーヒントでの攻略は困難を極めた「ドラゴンスクロール 甦りし魔竜」。森のBGMとして流れる「BGM1」はゲーム中で一番長く聴くはずのBGMながら,謎めいたゲームの雰囲気にぴったりとマッチしたミステリアスなメロディが秀逸。当時,ラストシーンに驚きつつもなんとかクリアできたこの作品の楽曲を,サントラで聴けるようになるとは思ってもいませんでした。
3番手は西部劇を題材にした「マッドシティ」。「BGM1」に代表されるように,ファミコン音源でファンク・ミュージックに挑戦したような異色な楽曲も完全にKONAMIサウンドとして消化されており,さすがの仕上がりです。
そして4番手は,それまでのKONAMI作品にたびたび登場していたモアイが主人公となった「モアイくん」。可愛くなったモアイくんを彩るように,BGMもコミカルな曲が占めます。「笑点」のテーマをファミコンアレンジで聴けるのは,この「モアイくん」だけ!
ラストを飾るのは未発売タイトル「バトルチョイス」。2015年の今,新曲としてファミコンのKONAMIサウンドを聴ける喜びを味わえるなんて!
また,ボーナストラックには「マッドシティ」のROMカセットにVRC VI音源を追加したら――という仮想アレンジをVRC VI エンハンスド バージョンでレコーディング。さらに,チップチューンアーティストのhally氏によるノンストップDJミックスとなっています。
価格もお手頃で収録内容もばっちりなこのサントラ。KONAMIのファミコンサウンドが好きな人は迷わず聴いておきたい1品です。
EGG MUSIC RECORDS「コナミ・ファミコン・クロニクル Vol.3 ROMカセット編」
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魔界戦記ディスガイア5
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