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据え置き機としても使えるバックパック型PCなど,HPが2017年モデルのゲーマー向けPCを国内発表
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4機種はいずれも日本HPの直販サイト「HP Directplus」における取り扱いとなる予定で,Compact Desktop P1000は2017年9月14日,それ以外の製品は8月17日発売予定だ。具体的なラインナップと税別のメーカー想定売価は表1のとおりである。
製品名 | 価格(税別) | |
バックパック型PC | OMEN X by HP Compact Desktop P1000 | 34万8000円〜 |
デスクトップPC | OMEN by HP Desktop 880 | 23万8000円〜 |
ノートPC | OMEN by HP 17-an000TX | 21万9800円〜 |
OMEN by HP 15-ce000TX | 17万9800円〜 |
本稿では,事前説明会で披露された実機の写真と合わせて,各製品を簡単に紹介しよう。
Compact Desktop P1000
Compact Desktop P1000は,HPとしては初のバックパック型PCである。ノートPC用のGPUとCPUを採用したPC本体と,バックパックとして使う場合のハーネス,バッテリーといったアイテムに加えて,本体をはめ込んでデスクトップPCとして使うためのドッキングステーションがセットになっている。
製品にはHTCのVRヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)である「Vive」と組み合わせて使うための専用ケーブルが付属しており,HDMIとUSB,およびViveが使う電力をPC本体から供給できるようになっている。
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Compact Desktop P1000の本体サイズは240(W)×53(D)×340(H)mmで,15インチ級のノートPCを2台重ねたよりもやや小さい程度だ。これをドッキングステーションにはめ込むと,305(W)×130(D)×375(H)mmというサイズの省スペースデスクトップPCになる。
Viveと組み合わせたルームスケールVRを前提とするバックパックPCとしては,MSIの「VR One」やZOTAC International(以下,ZOTAC)の「VR GO」といった製品が市場で先行しているが,両製品はいずれも,ハーネス部を取り外し,机上などへ横置きすることでデスクトップPCとして利用できる仕様だ。それに対してCompact Desktop P1000は,ドッキングステーションに縦置きできるのが新しい。
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Compact Desktop P1000で面白いのは,バッテリーの装着方法だ。MSIやZOTACの製品は,バックパック型の本体にはめ込む装着方法を採用していた。それに対してCompact Desktop P1000は,PC本体ではなくハーネス側のベルト左右にバッテリーを1つずつ取り付ける「外付けバッテリーホルダー」(以下,ホルダー)があり,ホルダーとPC本体をケーブルで取り付けるという変わった仕組みを採用しているのだ。なお,バッテリーの片方はPCの動作中でもホットスワップで交換できる。
バッテリーを腰に付ける仕組みに,どのような利点があるのかについての説明はなかったのだが,おそらくは1人で使っている状況でも,背負ったPCを外すことなくバッテリーを交換できるようにと考えた構造なのではないだろうか。
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さて,Compact Desktop P1000のスペックも確認しておこう。
GPUにはノートPC向けの「GeForce GTX 1080」を,CPUには4コア8スレッド対応のノートPC向け「Core i7-7820HK」を採用。メインメモリ容量は8GB×2で,ストレージは容量1TBでNVMe接続のM.2 SSDとなっている。
MSIやZOTACのバックパック型PCよりは搭載GPUのスペックが高いことと,ドッキングステーションのおかげで単体PCとしての使い勝手が向上していることは,Compact Desktop P1000の利点と言えよう。ただ,税込で37万5840円という想定売価が相当に高いハードルとなるのは否めない。日本HPは,あくまでも個人向けの製品と考えているようだが,ゲーム開発者ではない個人で,この金額を投じる人がどれだけいるかというと,やや疑問も感じた。
●Compact Desktop P1000の主なスペック
- CPU:Core i7-7820HK(4C8T,定格2.9GHz,最大3.9GHz,共有L3キャッシュ容量8MB)
- チップセット:Intel H175
- メインメモリ:PC4-19200 LPDDR3 SDRAM 8GB×2
- グラフィックス:GeForce GTX 1080
- ストレージ:SSD(NVMe接続,容量1TB)
- パネル:なし
- 無線LAN:IEEE 802.11ac+Bluetooth 4.2
- 有線LAN:10/100/1000BASE-T
- 外部インタフェース:USB 3.1 Type-C/Thunderbolt 3×1,USB 3.0 Type-A×4,Mini DisplayPort出力×1,HDMI出力×1,4極3.5mmミニピン×1(※ヘッドフォン出力,マイク入力),Vive用電源コネクター
- スピーカー:なし
- バッテリー容量:搭載,ホットスワップ対応(容量未公開)
- ACアダプター:出力330W
- 公称サイズ:240(W)×53(D)×340(H)mm
- 重量:5.5kg
- OS:64bit版Windows 10
- メーカー想定売価:34万8000円から(税別)
OMEN by HP Desktop 880
ミドルタワーサイズのデスクトップPC新製品が,OMEN
ラインナップは,GPUに「GeForce GTX 1070」,CPUに「Core i7-7700」を採用する下位機種と,GPUに「GeForce GTX 1080 Ti」,CPUに「Core i7-7700K」を搭載して,後者には簡易液冷式CPUクーラーを標準で組み合わせた上位機種の2つで,機種ごとにプリインストールOSが異なる2モデルがあるため,合計2機種4モデル展開となる(表2)。
メーカー想定売価は23万8000円(税別)から。BTOに対応するかは,原稿執筆時点だと明らかになっていない。
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OMEN |
OMEN |
OMEN |
OMEN |
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GPU | GeForce GTX 1070 | GeForce GTX 1080 Ti | ||
---|---|---|---|---|
CPU | Core i7-7700 | Core i7-7700K | ||
CPU 冷却方式 |
空冷式 | 簡易液冷式 | ||
OS | Windows 10 | Windows 10 Pro | Windows 10 | Windows 10 Pro |
事前説明会で確認したところ,上位モデルである「OMEN
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また上位モデルの筐体には,筐体前面の上部,斜めになっている部分に3.5インチHDDを装着可能なストレージベイが2つある。ホットスワップには対応していないが,ストレージを載せるトレイは,ドライバーを使うことなく引き出したり取り付けたりできるのがポイントだ。
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CPUとGPU以外のスペックも簡単に見ておこう。
OMEN
ストレージはPCI Express接続で容量512GB SSDと,Serial ATA接続で容量2TBのHDDを内蔵しており,こちらも充実している。
スペックが充実し,拡張性も向上するなど評価すべき点が多いものの,税込の実売価格で25万円を超える価格の高さはハードルとなるだろう。性能と拡張性に加えて,大手PCメーカーのサポートにも期待する人向けの製品という点は,2016年モデル同様といったところか。
OMEN by HP 17-an000TX,OMEN by HP 15-ce000TX
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両製品とも,2016年に登場した製品からデザインを一新して,冷却能力を向上しているとのこと。また,GPUにGeForce GTX 10シリーズを内蔵したうえで,垂直リフレッシュレート最大120HzとNVIDIAのディスプレイ同期技術「G-SYNC」に対応する液晶パネルも採用するなど,全般的にスペックの強化を果たしている。
とくに,OMEN
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ラインナップは表3のとおり。税別のメーカー想定売価は,OMEN
OMEN |
OMEN |
OMEN |
OMEN |
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液晶 パネル |
17.3インチ,1920×1080ドット, 垂直120Hz,G-SYNC対応 |
15.6インチ,1920×1080ドット, 垂直120Hz,G-SYNC対応 |
||
---|---|---|---|---|
GPU | GeForce |
GeForce |
GeForce with |
|
CPU | Core i7-7700HQ | Core i7-7700HQ | ||
メイン メモリ 容量 |
8GB×2 | 8GB×2 | ||
ストレージ | 512GB NVMe SSD,1TB HDD | 256GB NVMe SSD,1TB HDD | ||
OS | Windows 10 Pro | Windows 10 | Windows 10 Pro |
新製品共通の特徴として,全キーロールオーバーおよびAnti-Ghosting(アンチゴースト)対応のキーボードを採用する点がある。[W/A/S/D]キーは目立つように,赤色に塗られたキーキャップを採用しているのもポイントだ。キースイッチ自体はノートPCでよくあるメンブレンタイプのようで,特筆すべき点は見当たらなかった。
なお,OMEN by HP 17-an000TXは,メインキー左側にマクロキーを6つ備えており,これは好みが分かれそうである。
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垂直リフレッシュレート165Hz対応の27インチ液晶ディスプレイなども登場
ここまであえて触れなかったが,日本HPはPCと合わせて,OMEN by HPブランドのゲーマー向け液晶ディスプレイとキーボード,マウス,ヘッドセット,マウスパッドも発表,発売した。まとめて簡単に紹介しよう。
「OMEN by HP 27 Display」は,27インチサイズで解像度2560×1440ドットのTN方式液晶パネルを採用する液晶ディスプレイだ。オーバークロック時最大165Hzの垂直リフレッシュレートとNVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」に対応する。直販価格は8万9800円(税別)である。
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ビデオ入力インタフェースは,DisplayPort 1.2とHDMI(※バージョン未公開,HDMI接続時に表示可能な垂直リフレッシュレートは最大60Hz)の2系統を装備。そのほかにUSB 3.0 Type-A×2のUSBハブ機能も備える。
●OMEN by HP 27 displayの主なスペック
- パネル:27インチワイド,TN方式,ノングレア(非光沢)
- バックライト:LED
- パネル解像度/最大垂直リフレッシュレート:2560×1440ドット/165Hz
- 輝度(通常):350cd/m2
- 表示色:約1677万色
- コントラスト比:1000:1
- 視野角:左右170度,上下160度
- 中間調応答速度:1.8ms
- 接続インタフェース:DisplayPort 1.2入力×1,HDMI入力×1,USB 3.0 Type-A×2,USB 3.0 Type-B×1
- チルト(上下回転):対応(−5〜+23度)
- スイーベル(左右回転):非対応
- ピボット(縦回転):非対応
- 高さ調整:対応(最大130mm)
- 消費電力:75W(最大時),65W(通常時),0.5W以下(スタンバイ時)
- サイズ:613.6(W)×272.5(D)×533.6(H)mm
- 重量:6.5kg
- 保証期間:1年間
「OMEN by HP Keyboard 1100」は,SteelSeriesのOEMだった2016年モデルとは異なり,OMEN独自という英字配列キーボードだ。
デザインはいわゆるフローティングタイプで,搭載するキースイッチに「Cherry MX Blue」互換のものを採用するとのこと。同時押し関連では,全キーロールオーバーおよびAnti-Ghosting(アンチゴースト)が謳われている。直販価格は1万円(税別)。
ちなみに,残るマウスとヘッドセット,マウスパッドは,光学センサー搭載の右手用ワイヤードマウス「OMEN by HP Mouse 600」が税別直販価格6000円,アナログ接続型ヘッドセット「OMEN by HP Headset 800」が税別直販価格8000円,布製マウスパッド「OMEN by HP Mouse Pad 100」が税別直販価格2000円といった具合で,本稿執筆時点では製品名と広報画像,価格程度しか明らかになっていない。
![]() OMEN by HP Keyboard 1100 |
![]() OMEN by HP Mouse 600 |
![]() OMEN by HP Headset 800 |
![]() OMEN by HP Mouse Pad 100 |
日本HPのゲーマー向けデスクトップPC製品情報ページ
日本HPのゲーマー向けノートPC製品情報ページ
- 関連タイトル:
OMEN(旧称:OMEN by HP)
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