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印刷2015/07/25 12:00

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【PR】歌って歩いて仲間を助けて,モンスとのんびり旅する「まかいピクニック」の不思議な魅力を紹介

画像集 No.031のサムネイル画像 / 【PR】歌って歩いて仲間を助けて,モンスとのんびり旅する「まかいピクニック」の不思議な魅力を紹介

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 “カジュアルパズル型友達マッチング系ゆけゆけ行進コミュニケーションゲーム”という,むやみやたらに楽しげなジャンルに加え,絶妙にユルいビジュアルで異彩を放っている「まかいピクニック」iOS / Android)。
 雰囲気からして“只者ではない”本作を手掛けたのは,スクウェア(現:スクウェア・エニックス)在籍時代に「クロノ・トリガー」や「スーパーマリオRPG」の開発に携わり,独立後は「moon」で多くのゲーマーを唸らせたクリエイターの西 健一氏だ。
 個人的に西氏の作品といえば,やはりmoonのインパクトが強く,世界観やキャラクターに一癖も二癖もあるアーティスティックな作風が印象深い。そしてご多分に漏れず,まかいピクニックも独特のセンスが溢れまくった内容となっている。本稿では,その珍妙不可思議な魅力をお伝えしていこう。

「まかいピクニック」公式サイト

「まかいピクニック」ダウンロードページ(App Store)

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遊びながら癒される,まかいのピクニック


 「モンス」と呼ばれるキャラクターで隊列を組み,「まかい」を旅して意地悪な“まおう”「アカメ」から仲間を救出するのが,唯一にして最大の目的である本作。
 そのほかにストーリーやキャラクター同士の会話といった要素は一切存在せず,横スクロールのステージに配置された緑色のエナジーボールを,制限時間内に五つ集めてゴールにたどり着き,檻に囚われた仲間を解放できればクリアという,極めてシンプルな設計になっている。救出したモンスは,次のプレイから仲間として使用できるので,ステージを進めれば進めるほど,仲間も増えていくという形だ。

ゲーム開始時,自分の分身となるモンスとプロフィールを設定する。「好きな映画」の項目が何に関わってくるのかは,謎
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 一見,いわゆる「マリオ」タイプの横スクロールアクションに近いものを感じるが,実は本作においてプレイヤーは,ステージ中のモンス達に対して,基本的には干渉することができない。ひとたびスタートすれば,あとは「レミングス」のようにひたすらゴールに向かって突き進むだけだ。

黄色いタンポポは獲得するとスコアが得られるアイテム。取らなくてもクリアは可能だが,なぜか意地になって全部集めたくなる
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ステージクリアで助けられるモンスは世界中にいるプレイヤーの分身。共に旅をして仲良くなれば,ちょっと良いことがあるかも
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 しかし,ステージ中にはさまざまなギミックが存在しており,その影響でモンスが隊列から脱落したり,エナジーボールを獲得し損ねることがある。ちなみにエナジーボールを集めきらずとも,モンスが1体でも残っていてギミックを越えられる限りは,ゴールにたどり着ける。しかし,その場合は仲間を救出できないためステージをクリアできず,アカメに嘲笑されたうえ蹴り飛ばされて最初からやり直しだ。

紫色の「ジャキ」に触れたモンスはどこかへと消えてしまうが,ステージを抜ければ復活する
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本作にはいわゆる“戦闘”要素は存在しない。エナジーボールを集めきってゴールすれば,アカメは捕らえていたモンスを諦めてあっさり飛び去ってしまう
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 では,そういったギミックをどうすれば乗り越えられるのか。ここで重要になってくるのが,モンスが種族ごとに持つスキルと隊列の関係だ。
 ステージクリアによって救出したモンスは最大8体まで隊列に組み込むことが可能で,穴を掘る,穴を埋める,ブロックを押し出す,ブロックを破壊する,高所のアイテムを取るなど,それぞれステージ中のギミックに対して自動的にスキルを発動してくれる。
 ステージの構造は事前に確認できるので,ギミックを把握したうえで必要なスキルを持ったモンスを隊列に組み込めばいい……というわけだ。

仲間を引き連れて乗り込む前にステージのギミックを確認しておくのが大切。スタートからゴール地点までスクロールできる
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 とはいえ,ステージが進めば進むほど複雑に,面白みを増していくのが良く出来たゲームというもの。本作においても,やがてギミックに対応したモンスをただ闇雲に並べるだけでは乗り越えられない壁にブチ当たる。まかいピクニックは,こうなってからが本番だ。
 前述したように,モンスは条件さえそろえばスキルを自動的に発動する。これが良いことばかりではなく,例えば穴を掘る能力を持つモンスを隊列の先頭に置いた場合,後ろに続くモンスたちも掘った穴に落ちてしまう。ほかにも足場にするべきブロックを破壊してしまったことでエナジーボールが取れなくなったり,スキルを発動するタイミングによって思わぬデメリットが発生することが多々あるのだ。
 それらを回避するため,穴を掘るモンスの真後ろに穴を埋めるモンスを配置するなど,隊列で各モンスの行動を調整する必要があるわけだ。
 前述のとおり,ステージ中のモンスの行動に対して,プレイヤーが直接干渉することは(基本的に)できない。しかし,放置しておけばいいかというと,そうでもない。どこでどのモンスがしくじるかなどは,きっちり画面を見ていないことには把握できないのだ。そのため,放置しているだけのはずなのに,思わず手に汗を握ってしまうようなことも,決して少なくはない。

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イモムー
穴を埋めることができる
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カイジュウ
穴を掘ることができる
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ブーデ
ブロックを壊すことができる
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ネイティ
ブロックを押すことができる
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ピヨン
高所のアイテムを取ることができる


 序盤の「お花畑」エリアは,上記の5種類のモンスをうまく隊列に組み込むだけで,ステージをクリアできる。しかし,「森」エリアまで進めていくと,今度はアカメの手下「ウニメ」が登場する。ウニメは,エナジーボールを隠し持つという手段で,モンス達の行く手を阻む。
 そこで役に立つのは,これまた森エリア以降に登場する「モンスのもと」を同一ステージ内で五つ集めることで手に入る,「気象モンス」だ。気象モンスの持つ「気象コマンド」は,プレイヤーが任意に気象モンスをタップすることで発動する。
 基本的に,ステージがスタートするとプレイヤーはゲームに介入しないタイプの作品ではあるが,この気象コマンドだけはプレイヤーが状況判断をして発動できるスキルとなる。この点のみ,注意しておこう。

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「モンスのもと」を集めたら「気象モンス」が手に入る。そして「気象コマンド」で「ウニメ」を倒すのだ
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サンドン
雷を操る
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アメン
雨を操る
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ドスン
地震を操る
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フー
風を操る


 そしてもう一つ,本作を語るうえで外せないのがサウンドの素晴らしさだ。モンスは種族ごとに違った鳴き声を持ち,ステージを進んでいる最中はずっと鼻歌を歌うように鳴き続けているのだが,仲間が増えるほどそれがリズミカルに重なり合い,やがて大合唱に化けるのである。これがまた,なんとも耳に心地良いリズムなのだ。
 また,モンスを救出したときに,そのモンスの持ち主に「ともだち申請」をして,それを先方が承諾すれば,「ともだち」になることも可能。そのともだちのモンスを使っていくと,親密度がアップし,これが上がれば上がるほど,モンス達の歌がうまくなるという仕掛けも用意されている。

 ちなみに,2015年7月11日,12日に京都・みやこめっせで開催されたインディーズゲームイベント「BitSummit 2015」にて,本作は最も優れたサウンドデザインを讃える「Excellence in Sound Design Award」を受賞している。
 西氏の携わってきたゲームにはサウンド面でも高い評価を得ている作品が多いが,本作も例外ではなかった。

本作はいわゆる“スタミナ制”を採用しており,ハートの数だけ連続でプレイできる(最大10)。使用したハートは時間経過で回復するが,続けてもっと遊びたい! というときには,有料アイテム「おおきなおかし」「ちいさなおかし」を使えばいい。また,どうしてもクリアできないステージをクリアしたことにできる,「ミラクルクリア」という有料アイテムもある。とはいえ,ガチャなどが用意されているわけではなく,課金要素は薄め
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 ……とまぁ,ここまでシステムを中心に解説してきたが,詳しく書けば書くほど野暮なことをしている気分になってくる。世の中には「多くを語らない」ことが魅力につながる作品というものが確実に存在し,本作もその一つであると筆者は感じている。ただなんとなく遊んでいるうちにやれること,やるべきことが見えてくるのが,まかいピクニックのキモなのだ。
 黒を基調とした世界に温かい色彩がちょろっと入り混じった,眼と心にやさしいビジュアル。テクテクと進んでいくモンスをボーっと眺めながら,鳴き声の奏でるBGMに聞き入る心地良さ。“遊び”と“癒やし”が一体になった,ストレスとは無縁の世界。こんな“まかい”であれば,ピクニックに行きたくなってもおかしくはない。

 シンプルながら語り尽くせない魅力に満ちた本作を,ぜひともダウンロードして体験してみてほしい。そしてできることなら,プレイするときにはイヤホンで雑音をシャットアウトし,モンス達の鳴き声に耳を傾けながら,まかいピクニックの世界に浸ってみよう。

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