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「ジャストコーズ3」日本語版の最速体験会開催。スクウェア・エニックスの松田洋祐社長が「なんでもアリでハチャメチャなところが魅力」と魅力を語ったイベントの模様をレポート
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印刷2015/11/30 00:00

イベント

「ジャストコーズ3」日本語版の最速体験会開催。スクウェア・エニックスの松田洋祐社長が「なんでもアリでハチャメチャなところが魅力」と魅力を語ったイベントの模様をレポート

 スクウェア・エニックスは2015年11月28日,同社のオープンワールドアクション「ジャストコーズ3」PC/PlayStation 4/Xbox One)のイベント「PlayStation 4 Presents『ジャストコーズ3』日本語版最速体験会 CLUB EXTREME EDGES FAN Meeting」を東京都内で開催した。このイベントでは,2016年1月21日にリリースされる予定のPlayStation 4版「ジャストコーズ3」を,発売に先駆けて体験できたほか,スクウェア・エニックの代表取締役社長である松田洋祐氏と,ローカライズスタッフによるトークコーナーも設けられていた。本稿では,そんなイベントの模様をレポートしたい。

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「ジャストコーズ3」公式サイト


 今回の体験会に登壇したのは,スクウェア・エニックスの代表取締役社長 松田洋祐氏と,「ジャストコーズ3」ローカライズプロデューサーの赤石沢 賢氏,そしてローカライズディレクターの山本大輔氏の3名だ。体験会の冒頭では,この3名により,本作の主人公であるリコ・ロドリゲスの新たなアクションが紹介された。

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スクウェア・エニックス 代表取締役社長 松田洋祐氏
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「ジャストコーズ3」ローカライズプロデューサー 赤石沢 賢氏

「ジャストコーズ3」ローカライズディレクター 山本大輔氏
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 その一つは,主人公のリコが移動手段や攻撃手段として使うアイテム「グラップリングフック」の新たな機能で,今回は一つのロープを二つのオブジェクトに引っかけることが可能になっている。そして,その状態でロープを巻き上げてロープの両端についたオブジェクト同士を引き寄せることができる。

 これを応用することで,敵を高いところに宙づりにしたり,あるいは爆発するものとガスタンクをぶつけて,さらに大きな爆発を引き起こしたりできるのだ。

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 もう一つは,リコが装着している「ウィングスーツ」で,これを使うことでリコは高所から滑降できる。慣れてくると,いつでも使えるパラシュートやグラップリングフックを組み合わせることで,空中を自由自在に飛び回れるようになるという。

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 ゲームの紹介に続いて,来場者による「ジャストコーズ3」のフリープレイが行われた。オープンワールドアクションということで,どこで何をしようがプレイヤーの自由であり,今回の体験会でも,上記の新アクションを試したり,車やバイクを乗り回したり,銃器で街を破壊したりと,来場者達は45分間の試遊を,思う存分楽しんでいたようだ。

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ゲームには,ウィングスーツの飛行技術を競うというコンテンツがあるのだが,会場ではこれを使ったレースが行われた。1位となった来場者のスコアは,赤石沢氏や山本氏の予想を大きく超えるものだったという
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松田氏もレースに参戦。なかなかのプレイぶりで,洋ゲー好きの面目躍如というところだが,上位の来場者にはかなわなかった
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 続いて,松田氏,赤石沢氏,山本氏によるトークコーナーが始まった。赤石沢氏と山本氏によると,現在,「ジャストコーズ3」のローカライズは9割方終わり,いよいよ最終段階に入ったという。
 そのローカライズ作業だが,これはまず,デベロッパのAvalanche Studiosから送られてきた英語版のゲームをじっくりプレイし,テキストとボイスを日本語化していくところから始まる。次に,それらをゲームに組み込んで,実際に動かしながら誤訳などをチェックする。これを繰り返していくというから,かなり地道な作業だ。
 こうした手順を取るのは,ゲームの自由度が高く,一本道の展開ではないからだ。何度もブラッシュアップして,精度を上げていくほかはない。

 また開発においては,変更が頻繁に発生したそうだ。開発元に理由を聞いても返答がないことも少なくなく,一口に“ローカライズ”といっても,一筋縄ではいかないようだ。

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 開発チームとのコミュニケーションは,やはりゲームの話題を出すのが一番だという。最近の開発者はファミコン/スーパーファミコン世代が多いため,昔のゲームの話で意気投合し,盛り上がることが多いそうだ。
 ゲーム開発の過程において衝突が生じることは避けられないが,それは互いに「このゲームをより良くしたい」という思いがあるからこそだと,赤石沢氏と山本氏は語る。

 ちなみに,開発チームと意気投合した結果として,「ジャストコーズ3」には英語ボイスと日本語ボイスを任意のタイミングで切り替えられる機能が搭載されている。これは開発の初期段階から設計に組み込んでいないと実現が難しい機能で,この体験会で初めて披露された情報でもある。
 赤石沢氏は,この機能をこれからのスタンダードにしていきたい,との意気込みを見せていた。

会場は,洋ゲー好きとして知られる松田氏が夜な夜なゲームをプレイしている「秘密の隠れ家」をイメージした装飾が施されていた
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 ところで,スクウェア・エニックスは日本語ローカライズして販売するタイトルをどんな基準で決めているのだろうか。
 松田氏によれば,スタッフが世界各地で開催されるゲームイベントに参加したり,デベロッパを訪れたりして情報収集し,優れたタイトルを発掘しているのだそうだ。そして赤石沢氏によると,スタッフの中でもっとも尖ったタイトルの情報に詳しいのは松田氏だという。

 続いて,話題は「ジャストコーズ3」の内容に。本作のストーリーは,地中海の島メディチを舞台に独裁政権の打倒を目指すものだが,独裁者であるディラベロ将軍には独特の哀愁が漂っており,山本氏は「プレイを通じて,彼の秘めた思いを感じ取ってほしい」と述べた。どうやら,ただの悪役ではないようだ。

 トークの途中では,ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアのプレジデントを務める盛田 厚氏がゲストとして招かれた。登壇した盛田氏は,「海外のエンターテイメントといえばハリウッド映画」と捉えているそうで,その理由を「理屈抜きに楽しめる」と説明した。
 海外のゲームタイトルにも,それに通じるものがあるとし「プレイするとスカッとする。『ジャストコーズ3』はまさにそんなゲーム」「海外タイトルに目が高い松田社長がプッシュするゲームなら,間違いない」と評した。

ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア プレジデント 盛田 厚氏(左から二人め)
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 一方,松田氏は「面白ければ国内,海外を問わないが,海外タイトルには自由度の高いものが多い。国民性や開発スタジオごとの特徴が表れていると思う」とコメント。
 ローカライズにあたっては,現場のスタッフ一同,そんな海外タイトルの持ち味を壊さず,そのまま届けることを重視すると語る。

 今後のPlayStation 4における海外タイトルの展開についてだが,盛田氏によれば,2015年11月から12月にかけて発売されるタイトルや,翌年の「ジャストコーズ3」を中心に,ますます盛り上げていきたいと述べた。そして,プレイするだけでなく,ぜひ海外タイトルの面白さを周囲の人達に広めてほしいと来場者に呼びかけていた。

「ジャストコーズ3」に関する最新情報も公開された。12月2日からの公式生放送には,松田氏も登場する予定とのこと
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 トークの終わりには,来場者からのものや,Twitterで募集した質問に松田氏らが答えるコーナーが設けられていた。いくつか抜粋して紹介しよう。
 まず,従来作をプレイしていなくとも「ジャストコーズ3」を楽しめるかという質問に対しては,まったく心配する必要はないとのこと。このシリーズには,全編を通したストーリーや,主要人物の人間関係といったものはとくにないからだ。とはいえ,ストーリーは面白いので,シリーズならではの破壊を楽しみつつ,「最初からクライマックス」なリコの物語を堪能してほしいとのこと。

 実際にプレイして楽しいと感じた部分はどこか,という質問については,松田氏が「なんでもありな部分。オープンワールドで展開するハチャメチャなストーリーや,混沌としたところ」とコメントした。
 また赤石沢氏は「設置爆弾や固定機銃など,無限に使える武器が多いところ。最初はこれで大丈夫なのかと思ったが,最終的に底の見えないゲームに仕上がっている」「攻略済みエリアの隠しアイテムがマップに表示されるなど,ストレスフリーで遊べる」などと長所をアピールした。
 山本氏は日本語ボイスについて,「ぜひカットシーンのボイスを聞いてほしい。ディラベロ将軍の人となりを知ると,きっと感動するはず」と語った。

 体験会のエンディングでは,登壇した3名が来場者に挨拶し,最後に松田氏が「『ジャストコーズ3』は,スクウェア・エニックスとAvalanche Studiosの渾身の1作。開発中は大変なこともいろいろありましたが,それらを乗り越えてようやく発売です。ぜひ楽しんでください」と述べて,イベントを締めくくった。

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