隔絶神域オンラインは基本プレイ料金無料(アイテム課金制)。10月末時点で事前登録者が4万人を突破するなど,前評判もなかなかのものだった
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スマートフォン用ゲームの多くは「隙間時間で手軽に遊べる」ことをウリにしている。プレイヤーがカジュアルに向き合えるゲームということだ。この点が多くの忙しいゲーマーやそうでない人達の心を掴んだわけだが,その一方で,「主にゲーマーな人,隙間時間だけじゃなくていいんでじっくり遊んでください」というスタンスで展開しているタイトルもある。
2014年11月11日にAndroid版の正式サービスが,12月3日にiOS版の正式サービスが開始されたゲームオンの新作スマートフォン用アクションRPG
「隔絶神域オンライン」(
iOS /
Android。以下,ゼッシン)も,何を隠そうそんなタイトルである。
「8頭身のキャラクターによる写実的なグラフィックス」「リアルタイムでの4人同時プレイ」(どちらも「スマホ向けなのに!」という言葉がセット)をウリとする本作は,明らかに「じっくりとダンジョンに潜ってトレハンやレベリングに興じたい」「緊張感の高いパーティプレイを楽しみたい」といった人がターゲットとなっているのだ。
今回は,そんな本作のテストプレイで分かった,ゲームの流れやバトルのポイントなどをお伝えしていこう。基本的にはシングルプレイでのレポートとなるが,CPU操作の仲間を引き連れたバトルの様子などで,マルチプレイのプレイフィールも想像してもらえるだろう。
なお,本稿はあくまでもテスト段階のクライアントを使用したレポートとなっているので,固有名詞やシステムの内容,難度を始めとしたバランスは,正式サービス開始後とは異なる場合がある。その点はご了承を。
本作はスマホを横に持ってプレイする。ちなみに今回は,iPhone 6 Plusを使用した
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一般的な“ネトゲ”っぽいプレイフィールが魅力
バトルに集中できるMOタイプのアクションRPGだ
あらためて紹介すると,本作はファンタジー世界を舞台にしたアクションRPGである。平たく「剣と魔法の世界が舞台」と言ってしまっても差し支えないだろう。
この世界は,「世界のゆがみ」と呼ばれる場所から現れた「異形のものたち」と呼ばれるモンスターに平和が脅かされている。どうやらここは,神々とされる存在から見放され,消えていくことのみを許されている世界らしい。この世界自体が,まさに「隔絶神域」というわけである。
ワールドマップ。一つのエリアのダンジョンを制覇すると,少しずつ足を踏み入れられる領域が広がっていく
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本作は“極上のグラフィックス”を謳う作品だけあって,そのグラフィックスは3D,そしてキャラクターは8頭身のデザインが採用されている。プレイヤーキャラが身に付ける甲冑や剣などには金属の持つ重量感があり,スキル発動時のエフェクトはギラギラと眩しい。敵のビジュアルもそのダークな世界設定を反映した“まさしく異形”なものとなっており,ほのぼのテイストのソーシャルゲームとは一線を画したたたずまいだ。
プレイヤーは,3Dの俯瞰視点でキャラクターを操作することになるが,基本的にカメラは操作しない。このあたりは,操作系をシンプルなものにするためだろう
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さて,本作のマルチプレイは最大4人となっており,パーティを組んでダンジョンに挑む場合は,
リアルタイムで協力プレイを楽しめる。拠点となる村は多くのキャラクターが集うMMOタイプの広場となっている。とはいえいわゆるMMORPGライクなフィールドを冒険するわけではなく,こここからオレンジ色に輝くポータルのような場所を通ってダンジョンでの任務に向かうことになる。
つまり,ゼッシンのダンジョン攻略は,4人で挑めるMOアクションといった形なのだ。
この手のゲームにおけるPvPコンテンツでは,自分のキャラクターのみで戦うことが多いが,本作の場合,“4 vs. 4による乱闘”と呼べそうなPvPアリーナが備えられている。常にリアルタイムでほかのプレイヤーと絡むことになるこの点が,「隙間時間で手軽に」ではないゲームであるゆえんである。
一方で本作は,シンプルなインタフェースと,複雑さを廃したキャラクターの育成システムなどを備えた,実にモダンなタイトルでもある。つまり,「PCベースのMOアクションのようなプレイフィールを維持しつつ,可能な限りスマートフォンのインタフェースで遊びやすいよう工夫した」ものというのが,本作の正体(?)なのだ。
スタミナの概念はなくひたすら冒険を続けられる
やり込み派にはたまらない仕様
さて,ここからはスクリーンショットを基に,ゲーム進行の流れを見ていこう。
ログイン後,プレイヤーが最初に行うのはキャラクターメイキング。キャラクターのベースモデルごとに固定されている職業は,攻撃と防御のバランスのとれた近接攻撃特化型の「ガーディアン」,攻撃力を重視した遠距離攻撃特化型の「アクイラ」から選べる。そのほか,ガーディアンよりも体躯の発達した大剣使い「ヴァルケン」,小柄な少女の魔法使い「マギ」も用意されている
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キャラクターのビジュアルは,髪の色,肌の色,顔の形という3項目をカスタマイズできる。スクリーンショットにもあるが,ゲーム開始後にビジュアルを変更するには,有料ポイントである「水晶石」が必要となる
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「何を言っているのか分からないが言いたいことは分かる」タイプのオープニング。要するに「世界がなにやら大変なことになっている」ということだ
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プレイヤーキャラクターは,とある広場で目を覚ます。どうやらモンスターに襲われたらしいが,実はそのあと再びモンスターの群れに追われて,とある村に辿り着く
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ここが冒険の拠点となる村,その名も「村」だ
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チュートリアルで画面の見方や操作方法などをざっと学ぶ。なお,下画面にあるとおり,バーチャルパッドは画面全体を四分割した場合の左下にあたる領域となる。これを忘れて少し上のほうをタップしてもキャラクターは反応しないので,遊ぶときは注意しよう
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これはミニマップを開いたところ。装備品やアイテムを購入できる「武具屋」,装備品を強化できる「鍛冶屋」といった施設には,基本的にすべてメニューからアクセス可能だ。立っているNPCがかわいそうな気もするが,まあ便利なのでよし
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「とりあえず何をすればいいのか分からない」という状況なら,メニューから「挑戦課題」を開こう。これはいわゆるクエストだ。それぞれに報酬も用意されている
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まずはバトルをしなければ始まらない。というわけで,前述したオレンジ色のここから移動
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ここで,挑戦するダンジョンやルームの公開設定などを行う。獲得できる報酬もこちらで確認可能だ。なお「ルーム公開」をした場合は,ほかのプレイヤーの参加も受け付けられる
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バトルはシンプルなので,この画像で大体の意味は分かってもらえるだろう。右下にあるのが各キャラクターのデフォルトの攻撃手段となる「一般攻撃」ボタンで,その周りに下から「フォーススキル」「アタックスキル」「トリックスキル」という3系統のスキルが並んでいる
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バーチャルパッドの操作は,一般攻撃またはスキルのボタンをタップするだけと,非常にシンプルだ。ただし,一般攻撃ボタンはタッチアンドホールド(押しっぱなし)することで,数段の連続攻撃を繰り出せる
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マップ上にあるタルなどのオブジェクトは破壊可能で,中からゲーム内通貨となるゴールドや「ボックス」(宝箱)が出てくることもある
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ダンジョンの奥にはボスモンスターが待ち構えている。撃破すればこのダンジョンはクリアだ
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経験値や,道中で拾ったボックスなどを精算(これらは,途中で死んでダンジョンから抜けるともらえない)。さらに報酬として,アイテムを一つ獲得できる
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村に戻ったら,入手したり購入したりした装備で次なるダンジョン挑戦に向けて準備を整える
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スキルは,レベルに応じて段階的にアンロックされていく仕組み。前述のとおり3系統あるので,組み合わせを考えるのがなかなか楽しい
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レベル1〜8を対象とした最初のエリア「朽ち果てた鉱山」は,最後のダンジョンに大ボス(?)の「オメガロン」が控えている。ここまでの道のりは非常に平坦だが,ここから急に「死ねる」レベルに
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行き詰まったら,ゴールドを支払ってNPC「傭兵」を雇おう。敵側のターゲットも分散し,かなり冒険が楽になる。実は必要なゴールドも比較的少量で済む
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本作には,スマートフォン向けのカジュアルなRPGにあるような,いわゆる「スタミナ」システムは存在していない。1日のプレイ回数などに制限はなく,プレイヤーは,時間があれば仲間といつまでも遊び続けられる。
このあたりも従来のネトゲライクな仕様だ。「休みの日にでもじっくり遊んでください」という開発側の思いが見えてくるところだろう。
バトルは“半”フリーターゲティング
モンスターのワラワラ感と攻撃のバッサリ感はかなりもの
ここからは,バトルとキャラクターの強化についてもう少し詳しく見てみよう。
本作のバトルは,「フリーターゲティング」(ノンターゲッティング
※)のシステムが採用されており,フィーリングとしてはハック&スラッシュタイプのゲームに近い。
とはいえ,一般攻撃をタップアンドホールドして連続攻撃を繰り出した場合は,少し敵を追尾する。敵味方が入り乱れるような乱戦では,スキルを発動する場合以外は,一般攻撃ボタンを押しっぱなしでも大きな問題はなさそうだ。
※モンスターをロックオンせず,プレイヤーキャラクターが繰り出した技(攻撃/スキルなど)が,一定の範囲内のモンスターに効果を及ぼすシステム
バッサバッサとテンポ良くモンスターを倒していく。前述のとおり連続攻撃はある程度敵を追尾するが,それでも敵のまとまりを一方向に集めて一網打尽にしたほうが効率はいい
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ザコ戦,ボス戦共に,マナをうまく管理してスキルを使おう。今回テストプレイで使用したガーディアンは,範囲攻撃,単体へのスタン付きの強列な一撃,しかも回復まで持ち合わせているので,初心者にはちょうどいいかも
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ダンジョンには,敵を殲滅するもの,敵の攻撃から一定時間耐えるものという二つのパターンがある。後者は敵の湧き方が尋常ではなく,それに比例して狩りの爽快感も高い
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前述のとおり,スキルはレベルに応じて段階的にアンロックされる仕組みとなっている。アンロックされたスキルは,ゴールドを支払って習得する仕組みである。レベルの高いスキルを習得するにはそれなりのゴールドが必要になるが,同じダンジョンに繰り返し挑戦したり,自分の職業では使えないアイテムをどんどん売り払ったりすることでゴールドは入ってくるので,それほどお金に苦労することはないだろう。
スキル習得画面では,虫眼鏡のアイコンをクリックすることで技のモーションも確認できる。文字情報で意味を掴めない人は見ておこう
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スキルにはそれぞれクールダウンの時間が設定されているため,連続では使えない。ダンジョンでは,キャラクターが新たな場所へ移動しないと敵は出現しないので,スキルが使用可能になるまでその場にとどまるのもありだ
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キャラクターの強化方法についてだが,これははっきりいって
かなり装備依存だ。スキル選びやマナの管理,戦闘中の的確なターゲッティング(ターゲットはしないけど)などももちろん重要だが,スキルと同じようにレベルに応じて段階的に装備セットが販売されている本作では,やはり当該レベル帯の装備をキチンとそろえることが重要となる。
これに加えて,装備の強化を行い,さらに現在のプレイヤーキャラクターのレベル帯で装備可能なレア装備を手に入れるためにダンジョンに挑むといったことが重要となるのだ。
このように装備を集めて強化していくといった要素は,効果を実感しやすい分,それ自体が楽しく感じられるものだ。ある意味,ここがやり込み要素の大きな柱の一つであるとも言えるだろう。
なお,前述のとおり傭兵は
かなり安価かつ強力。そして,彼らもまたプレイヤーキャラクターの装備の一部である(実際に“装備する”という形で冒険に連れていく)。やはり本作はいかに強い装備を揃えるかにすべてがかかっているということだろう。
じっくり遊べるオンラインゲームが好きならば
ぜひ遊んでほしい作品の一つだ
プレイしたタイミングの問題で,今回はシングルプレイをメインに紹介したが,本作の特徴は大まかに把握してもらえただろうか。
冒頭で述べたとおり,本作はその大きな特徴の一つとして,リアルタイムでのマルチプレイが挙げられる。シングルでこれだけバトルを楽しめるのだから,PvPコンテンツやランキングシステムを駆使したマルチプレイ,そしてゲーム内で友達を作るということそのものにもかなり期待していいはずだ。
カジュアルなプレイよりも,仲間とじっくりダンジョンを攻略したいという人は,ぜひ遊んでみよう。