インタビュー
[インタビュー]観た人の脳みそを破壊させる気持ちで作っています。脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバックへの想いを聞く
ニトロキラルのBLアドベンチャーゲーム「DRAMAtical Murder」(以下,「ドラマダ」)を原作とした,脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック(以下,ドマステ)が,東京・品川プリンスホテル ステラボールにて,2023年4月28日から5月7日にわたり全16公演行われる。本公演は,2019年12月に上演された脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」の再演だ。初演は「紅雀」「ノイズ」「ミンク」「クリア」「蓮」の5ルートであったが,今回新要素として「ウイルス&トリップ」ルートが追加されている。
本稿では,初演から演出家として作品に携わっている中屋敷法仁さん,蓮&セイ役を演じる山﨑晶吾さんへのインタビューをお届けする。再演が決定したときの気持ちはもちろん,本作で主人公の蒼葉を演じる土屋直武さんの印象,新たなルートに関することなど,「ドマステ」の再演がさらに楽しみになること間違いなしの和やかなトークを堪能してほしい。
なお,インタビューにはネタバレが含まれているので,これから観劇する人は注意してもらいたい。
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再演で3年ぶりに蘇る「ドマステ」
主演の土屋さんの印象も聞き込み!
4Gamer:
まずは,再演決定を受けてのお気持ちをお聞かせください。
山﨑晶吾さん(以下,山﨑さん):
再演決定と同時に“台本がもう1冊増える”という噂を聞いたので,「あの分量から1冊増えて覚えられるのかな」とか,「(初演を)思い出せるかな」と思ったんですが,キャスト同士も仲が良かったので,あのメンバーでまた一緒に芝居を作れる楽しみがありました。あとは,中屋敷さんが稽古場で楽しそうにしていた記憶があったので,またあの姿が見られるのかなという期待もあります(笑)。シンプルに楽しみだなと思いました。
※4月27日23:26, 初出時,山﨑晶吾さんのお名前に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
山﨑晶吾さん |
蓮 |
セイ |
4Gamer:
台本は元々何冊くらいあったんでしょうか?
山﨑さん:
一幕が共通で,そこから5ルート分の物語があったので全部で6冊でした。今回は,6ルートになったので7冊ですね。
4Gamer:
すごいボリューミーな感じで。では,中屋敷さんはいかがでしょうか。
中屋敷法仁さん(以下,中屋敷さん):
原作の「ドラマダ」が好きで,ステキな俳優たちと一緒にいろいろなルートを余すことなく表現できたので,初演の時にやりきったといいますか,楽しく終われたんですね。それをもう一度観たいと言ってくださるお客様の声はすごく嬉しいです。それと今回,新しいルートが増えましたが,元々バッドエンドを求める声もあり,まだやっていないストーリーがあるというところで,まだまだ「ドラマダ」の世界をみなさんと共有できるというのはすごく嬉しいなと思っています。
4Gamer:
蒼葉を演じる主演の土屋直武さんは再演からの参加になりますが,稽古をとおしてどんな印象を抱きましたか?
山﨑さん:
センスと勘がすごくいいなと思っています。原作ゲームの蒼葉の声質や少年性といいますか,そういう部分がよく見えていますし,蒼葉の純粋な男の子であるところ,飾らない姿というのを伝えてくれるなと思っています。
4Gamer:
取材前にビジュアルを見せてもらったのですが,土屋さんの蒼葉もすてきですね。
中屋敷さん:
僕はビジュアル撮影のときに,蒼葉のビジュアルの土屋くんに会ったのがはじめましてでした。初演の時に永田聖一朗が作った蒼葉とはまた違い,またあらためて「ドラマダ」の世界を,土屋くんが演じる蒼葉と冒険できる楽しみがあります。
山﨑さん:
やっぱり6ルートに話が分岐するという大変な作品に急に入ってきて,いっぱいいっぱいになってるんだろうなっていうのが正直な感想ですが,一生懸命弱音を吐かずに頑張っているいい子ですね。
4Gamer:
続いて,山﨑さんご自身が演じるキャラクターについてうかがえればと思うのですが,本作では複数のキャラクターを演じられていますね。
山﨑さん:
大きく分けると4役なんですけど,それぞれ年齢,見た目,性格も全然違う役ですね。蓮とセイ以外は二幕目で誰かのルートに入ってから演じるんですが,格好はセイのままで紅雀ルートなら竜峰,クリアとミンクのルートなら東江をやるんですけど……演じる時は相手にどれだけうっとおしがられるかを心掛けています(笑)。
4Gamer:
ルートによってまったく違う役柄をやるって大変そうな……。
山﨑さん:
そうですね,さらに言うとストーリーテラーもやっています。この作品のストーリーテラーをするのは結構好きで,風景や状況などいろいろな説明はもちろん,人物の説明をしたりもするんですが,その場にいる役者に合わせる部分もあって,すごくやりがいを感じています。
4Gamer:
いろいろな役割を担当している山﨑さんですが,メインで演じている蓮を再度演じてみていかがでしょうか。
山﨑さん:
再演でまた演じるとなった時に,蓮は設定が複雑であらためてすごい難しい役だなと感じました。初演で演じた時はセリフの量が多くて,演じるキャラクターもいろいろあったので,自分の中でいっぱいいっぱいだったんです。
でも再演までの間にいろいろな経験をしてきて,またここに戻って蓮を演じるにあたって,見える部分がありました。蒼葉と絡むシーンは結局,自分自身と絡んでいるということになるので,脳みその中で自分と絡んでいると思うと,なんかすごい複雑ですよね。それを今,あらためて考えていて……。
物語が進むたびに,今まで感情がなかったものに対して急にぽっと感情が出てくるところも,それがどういう風に生まれてきているものなのか,稽古場に入ってからまだ正直つかみきれていなくて。そこを自分の中にうまく落とし込むことができたら,また新しい蓮ができるんじゃないかなと思いながら,今詰めているところです。
4Gamer:
なるほど。いろいろな役割を担っている山﨑さんを中屋敷さんはどう見ていますか?
中屋敷さん:
山﨑さんはいろいろな感情や思考が豊かなハートのある俳優さんなので,あえてオールメイトというロボットのような役を演じることで,単純に無機質なだけで終わっていないところがいいですよね。蓮は人工生命体だけど感情が無いわけではなく,感情がこぼれていく役なので,そこを考えながらも感情的になるところは難しいと思います。
山﨑さんはストーリーテラーもやるし,主人公の蒼葉くんのサポートもする。あえて主人公に敵対するキャラクターを演じたりもして,舞台全体をコントロールしていくといいますか,ケアしながら破壊していくようなこともあるので。いろいろなところをお任せしているんですけど,それを楽しんでくれたらいいなと思っています。
4Gamer:
かなり大忙しですね。でも,山﨑さんのファンにとってはいろいろな役を1つの舞台で見られるのはおいしいですね!
山﨑さん:
そうですね,とにかく全ルートを観に来てほしいです。いろいろな山﨑が見れるよーって!(笑)
新たに追加されたウイルス&トリップルート
ディープな「ドラマダ」ファンに嬉しい要素も!?
4Gamer:
続いて,再演の目玉として「ウイルス&トリップ」(略称,ウイトリ)ルートがあります。原作プレイ済みからすると,舞台化が可能なのか気になりますが,どのような演出を心掛けましたか。
ウイルス(演:富永勇也) |
トリップ(演:磯野 大) |
中屋敷さん:
このルートに関しては,勇也くん(ウイルス役:富永勇也)と大ちゃん(トリップ役:磯野 大)とかなりミーティングをしました。演出を施すというよりは2人の存在感,俳優の魅力を強く引き出せればいいなと思っていましたね。本当に気持ち良く,気持ち悪い2人ですので(笑)。
山﨑さん:
(笑)。
中屋敷さん:
まず,バッドエンドですから他のルートとはまるで違う様相です。舞台で観ると当然ゲームプレイ時とは違う圧迫感と爽快感がありますので,俳優さんの体からが出るものをそのまま見てほしいなと思います。あと,あれだけ元気だった蒼葉くんが全然元気がなくなってしまって,違う蒼葉像を見られるのもいいですよね。ストーリーとしてすごく厚みがあるようにしたいのと,そもそも「ドラマダ」自体が基本的に明るくて楽しいお芝居なので,1個ぐらい陰湿なエンドがあっていいんじゃないかなという風に心がけています。
4Gamer:
初演と同じくダンスも盛り込まれているとお見受けしたので,バッドエンドではありつつも,ただ陰湿なだけでは終わらなそうな印象ではありますね。
中屋敷さん:
そうなんですよ! 「ウイトリ」ルートだけ突然演出家が変わったかのように,急にウイルスさんとトリップさんが舞台を乗っ取ったような,そんな様相を目指しています。演出家と脚本はどこいったんだろう,急に(山﨑)晶吾くんもいなくなっちゃうもんね。
山﨑さん:
そうなんですよ(笑)。
中屋敷さん:
舞台にはいろいろなルートがあって,どれも俳優のコンビネーションが見られる作品になりますけど,ウイトリのルートだけウイトリの世界観が広がる。他のルートと比べると,ちょっとだけ異質なものを出しているかなと思います。
4Gamer:
ウイトリルートは原作ですとバッドエンドの1つなので尺的にはコンパクトな印象ですが,先ほど台本が1冊増えたとおっしゃられましたが,原作で見られなかった要素もあるのでしょうか?
中屋敷さん:
はい,よくぞ聞いていただきました! 原作ゲームだけではなくて,他の派生作品などから脚本の内田(裕基)くんがストーリーを起こしてくれています。ディープな「ドラマダ」ファンにとっても,これを観て初めて知る「ドラマダ」の世界があると思いますので,ぜひ観ていただきたいです。
4Gamer:
それは楽しみですね! ちなみに,山﨑さんは,稽古でウイトリルートは拝見されたことはありますか? あればどんな印象を抱かれたのかが気になります。
中屋敷さん:
このルートをどんな気持ちで見ているんだろう(笑)。
山﨑さん:
僕たちは初演をやってきて,やっぱり刺激的なものでも見続けていたら慣れていくものじゃないですか。今回の舞台で新しいものはウイトリルートだけなんですが,だからこそさらに新鮮でしたね。内容も全然ハッピーではなくてすごく見入ってしまうし刺激的だなぁと。
初演の時は,男同士のキスシーンが結構盛り込まれていて「ミンク」ルートがすごく激しいなと思っていました。当時はBL作品の舞台はあまり多くはなかったですし,だからこそすごいものをみなさんに見せられたんじゃないかなと。それを観てくれたみなさんが喜んでくださって,そこからさらにいろいろなBL作品が舞台化するようになって,中屋敷さんが過激な作品をやりまくっていき……。
一同:
(笑)。
山﨑さん:
あと,個人的にはトリップを演じる役者さんが吉岡 佑くんから,磯野 大さんになったことも印象的でした。初演ではそんなにフォーカスをあてられる役ではなかったですけど,今回はウイトリがフォーカスされるルートがあるので。それまでは不気味な雰囲気があったウイルスのほうが好きだなと思っていたんですけど,ウイトリルートを見てからトリップも可愛いなと思うようになって。新しいルートでトリップの新しい魅力を引き出してくれているんじゃないかなと感じていて,面白いです。
4Gamer:
ウイトリルートがさらに楽しみになりますね,ありがとうございます! そんなウイトリルート以外にも,前回から変わった点などがあればぜひ教えてほしいです。
中屋敷さん:
恥ずかしいんですが,やっぱり俳優さんがすごいです。初演の時は,公演に間に合わせるようにシナリオや演出プランとかに乗っかってもらっていましたけど,再演の稽古ではみんなキャリアを積んでここに来ているので,俳優としていろいろなお芝居ができているというのを感じていますし,それが僕の想像を越えてきていますね。
シナリオや演出をとんでもなく大きく変えているわけではないのですが,こっそり俳優さんの芝居に応じて音のタイミングをずらしたりといった変化もあります。もっとすごいものをだしてやりたい,同じものにはしないという気持ちの強さは,全員が持っていると思います。
4Gamer:
役者さんたちの成長を感じられたんですね。そんな現場の雰囲気はどんな感じですか。
山﨑さん:
前回は,全員が自分のことでいっぱいいっぱいでしたが,今回はそれぞれ自分のルートを持っているキャストが,強い意志をもって稽古場に来ているんだなというのを感じます。特にクリア役の山縣悠己くんはこの作品にかけている気持ちがすごく見えていて。オフの日にも稽古に来るし,誰よりも早く稽古場に来て誰よりもずっと残っているみたいな……今日はもう帰りましたけど(笑)。そういうのを見ていると,こっちもサポートしたくなります。
あとは,初演の3年半前はそれぞれみんな若かったというのもあって,自信はあるけどそれが過信になっていることに気づいていない部分もありましたから。それぞれこの3年間でいろいろ揉まれて大人になって,今,自分にできる能力+α,この舞台で成長しようって気持ちが溢れています。それを見て,なんかいいな……と。
4Gamer:
ご自身のルートにプライドを持っているというのがいいですね。プライドといえば,初演の千秋楽で自分のほうがキスシーンが多かったマウントを取り合う場面が見られましたが……。
一同:
(笑)。
中屋敷さん:
ありましたねぇ(笑)。
4Gamer:
プライドとはちょっと違うかもしれないのですが,そういう一面もあると分かるのはファンにとっても微笑ましいです。ちなみに,中屋敷さんから見た現場の雰囲気はいかがでしょうか。
中屋敷さん:
初演よりも今回は,BLをやっているという意識はなくて。原作はBL作品でありつつも,「ドラマダ」は深いキャラクター造詣や世界観が魅力的で,その先に恋愛もあるということなんですよね。初演の時は僕も完全にBL脳で稽古していて,逆算してBLを勉強していた気がするんですけど,再演ではまずはお芝居というか内容ありきになっている気がしています。
4Gamer:
BL作品に触れるというよりは,物語や設定を普通に楽しむ感じで。
中屋敷さん:
そうですね,そんなにBL要素がなくてもといいますか,そうじゃないところでもドラマがきちんとありますから。あとは,今回は初演のときよりもみんな余裕そうというか,周りのルートのこととか聞く余裕があって楽しそうだなって思います。
4Gamer:
自分がメインではないルートを見ている時に,アドバイスをするといった役者さん同士の意見のやりとりはあるんでしょうか?
山﨑さん:
ありましたね。同じことをやらないようにじゃないですけど,キャラクターごとにルートのストーリーラインとかは全然違うので,意識してここは変えたりしたほうがいいのかなといった意見が出たりします。
4Gamer:
みなさんで作り上げていく感じなんですね。
山﨑さん:
僕はもうずっと舞台の上から,それぞれの世界観をのぞいていますからね(笑)。その時に思うのは,やっぱりいろいろな蒼葉が見られて面白いです。ルートによって蒼葉が女の子みたいになったり男らしくなったり,年下らしくなったり……。人によって恋愛観が変わりますので,それが分かってくるとより楽しみだなと思います。
4Gamer:
山﨑さんがいろいろな役を演じるのとは違って,蒼葉はルートによって結構印象が変わりますよね。そういう部分を土屋さんは,うまく演じ分けというか,苦労されている感じでしょうか。
山﨑さん:
セリフ量が多いので,まずはそのセリフを入れる作業が大変そうです。でも,いろいろな蒼葉の一面を演じる際に必要なもの,そこに気づけば本人もすごく楽しみながら演じられるんじゃないかなと。頑張ってほしいですね。
中屋敷さん:
紅雀とミンクルートはやりやすいみたいな話はしていたね。
紅雀(演:小波津亜廉) |
ミンク(演:八巻貴紀) |
山﨑さん:
確かにそうですね。
中屋敷さん:
紅雀は友達,ミンクはよく分からない奴。ノイズとクリアは同世代ならではの間合いを取ってやっていて……。
ノイズ(演:富園力也) |
クリア(CV:山縣悠己) |
山﨑さん:
僕的にはウイトリルートが一番ノリノリでやっている気がします。されるがままなんで,たぶん,変な重荷がないんでしょうね(笑)。
4Gamer:
ウイトリが一番ノリノリなのは意外でした(笑)。ちなみに,再演稽古中で印象的なエピソードがあればお聞かせいただければと。
中屋敷さん:
自分の話で申し訳ないんですが……稽古を動画で撮って後で見返しているんですけど,そこに映っている「AI CATCH」(エンディング曲)に乗って動いている中屋敷(自分)がマジで本当にうざくて!
一同:
(笑)。
中屋敷さん:
初演の時はBL作品だからなんとかしなきゃっていう変な気持ちやプレッシャーがありましたけど,そもそも僕は「ドラマダ」が好きですから,その気持ち,ファン目線を持ってやらなきゃと思って。そうしたら,エンディング曲で歌ったり,踊りだしたりしてしまい……。一番面白いエピソードとしては,初演よりも演出家が楽しそうで,我ながら恥ずかしいです!(笑)
山﨑さん:
(笑)
中屋敷さん:
みんなはどうしているんだろう……みんなはなんかのんびりしてるよね。
山﨑さん:
前回と違うのは,元々仲良かったみんながもっと仲良くなって,そこに土屋くんが来て。良い意味なんですけど,ちょっと蒼葉との距離感がまだ離れているというか。前回の蒼葉役の聖一朗はいじられキャラで,わりとみんなが仲良く距離感も近くて,誰とでも引っ付きそうでしたね。
中屋敷さん:
あぁそうね。
山﨑さん:
対して,誰と引っ付くのかが分からないっていうのが土屋くんで,ちょこちょこみんなで距離感を詰めにいこうとしているのが(笑)。僕は役的にその必要があまりないので,その光景を遠目から見ていて面白いなって思います(笑)。誰が一番最初に仲良くなるんだろう,攻略するのかなって。
4Gamer:
ちなみに現時点では誰が一番距離感が近い感じでしょうか。
山﨑さん:
まだ誰も……(笑)。クリア役の山縣悠己くんとよく喋っているのは見ますが,まだ心開いてないです!
一同:
(笑)。
山﨑さん:
わりと亜廉くん(紅雀役:小波津亜廉)が一番近い気もしますね。
4Gamer:
なるほど,これからまた,ちょっと何か変化があるかもしれないってことですね。
山﨑さん:
はい(笑)。
4Gamer:
今後の動向が気になるところですが,稽古場のお話から離れて,再演でお気に入りのキャラクターをお聞かせください。
山﨑さん:
僕は今回,一択でトリップなんですよ。やっぱり知らなかったところを見せられるとすごい魅力的だなぁと。
中屋敷さん:
僕はミズキですね。攻略対象ではないですけど,ミズキって1人のキャラクターとしてとてつもなく魅力がありますよね。「漢気あるし,すごいやつじゃん!」って思うし,そういうキャラクターをしっかりと作っていくべきだなとも思っています。
また,今回は直弥(ミズキ役:岩城直弥)といろいろ話してますから。直弥とミズキはかっこよくなきゃいけない,みんなの憧れじゃないといけないからかなと。初演のときのミズキを観ると可愛いですけど,今の姿を観たら超かっこいいなと思います!
4Gamer:
蒼葉とも最初から一番仲のいいキャラで親しみやすいですよね。
中屋敷さん:
そうですね。でも,トリップとミズキって,通好みのめちゃくちゃマニアックなキャラ(笑)。
気になるキスシーンの稽古では,
キャストのプライドがぶつかり合う!
4Gamer:
続いては,今回の舞台で特に注目してほしいおすすめポイントを,これから舞台を観る人に向けて教えてください。
中屋敷さん:
再演で新しい蒼葉を迎えつつも,前回とストーリーは大きく変わっていないけれど,前回と違ったときめきがたくさんある気がしています。そういえば,稽古ではまだキスもしてないもんね。
山﨑さん:
そうですね。いつしようかなと……。
中屋敷さん:
キスをしたら,距離感とかいろいろ一気に変わってきそうだよね。心の動きみたいなものは,体の動きと連動しているというか。また違う緊張感がうまれてくると思うので……そういう注目してほしいところに,「どうなっちゃうんだろう?」と僕自身が注目しています(笑)。
4Gamer:
稽古だとまだキスシーンはされていなかったんですね。
山﨑さん:
まだ台本を持ってセリフを入れている状態で,気持ちがそこまで達してないと思います。嘘でキスするのも嫌だなって気持ちが多分,みんなにあるのでまだできていないですね。ただ,どっちからキスするというのは決まっていて,その時は相手の反応とかを見てですね。
中屋敷さん:
前回,最初にキスした時期って覚えてます?
山﨑さん:
前回は最終通し稽古くらいでしたかなと。
中屋敷さん:
あと,最初にやった人,覚えてます? 最初は山縣くんなんですよ! あいつが勝手にやりやがって(笑)。みんなで「誰が最初にキスをするかね?」って話している時に,稽古で急にキスして「おい,ちょっと違うだろ!」みたいになった記憶があります。
山﨑さん:
ありましたね(笑)。
中屋敷さん:
「ちょっとそれはみんなに相談してよ!」って,勝手にファーストキスみたいになってしまって(笑)。
4Gamer:
サプライズというか,抜き打ちでされるという。
山﨑さん:
キスシーンと言えば,最初「蓮,キスシーンなし」と台本に書いてあったんですけど,初めての通し稽古が終わった次の日に2ページくらいの台本が用意されて,蓮のキスシーンが追加されましたね。
中屋敷さん:
そうでした(笑)。
山﨑さん:
「蓮ルートにキスシーンがないなんて!」って,急遽ね。
中屋敷さん:
シナリオ増やしてね。
4Gamer:
キスシーンでお話が膨らみましたが,そんなキスシーンを実際に舞台でもされるとは思わず,初めて拝見した時は衝撃を受けました。どなたが1番にキスされるのか気になって仕方ないですね。
中屋敷さん:
お約束はできないですけどね,蒼葉くんの気持ちが乗らずに今日はほっぺに……という風に,もしかしたらやらないかもしれないですけど(笑)。逆に言うと,キスシーンをやってる時は本当に気持ちが込められているなと信じてほしいです。
山﨑さん:
これまでのキスシーンで「見てはいけないものを見てしまった!」と感じられていたら,多分,ウイトリルートを観た時は失神しますよ(笑)。想像力が高い人ほど見れば見るほど驚くと思います。その想像力を全部この作品にぶち込めてほしいですし,そこでいろいろなものを想像しながら終わったあとに「なんだったんだ,何を見せられたんだ!」ってなってほしいです。
4Gamer:
そんなにも刺激的な……!
山﨑さん:
そうですね,刺激がほしいならぜひウイトリルートをと(笑)。ウイトリルートがある日は2公演連続で来たほうがいいんじゃないでしょうか。30日(ウイトリルートの上演日)に来た人は多分,次の日に気持ちが落ちるかもしれないです。だから,お昼公演のウイトリルートをオススメします。でもお昼ご飯は食べられなくなると思います(笑)。
4Gamer:
それは俄然楽しみです! では,最後に公演を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。
中屋敷さん:
再演だけど同じことをやるんじゃなくて,もう1回観るっていう意味でタイトルに「フラッシュバック」とつけたんですけど,もうとっくに「フラッシュバック」を越えて「脳内クラッシュバック」だねって話をしています。観ている方の脳みそを破壊するような気持ちで,みなさんの心に永遠に残り続けるような,そういう瞬間を作ろうと思っていますので,ぜひ楽しみにしていてください。
山﨑さん:
みなさんが良い印象で評価してくださった作品を再演するということで,前に観たときのほうがが面白かったと思われないように,レベルアップした新しい「ドマステ」をみなさんに届けられたらと思います。男同士の恋愛もそうですけど,キャラクター同士のいろいろな感情がぶつかり合うのを見て,みなさんの背中を押せたりとか,悩んでいることとかを解決じゃないですけど,少しでも和らげられることにも繋がってくれたら嬉しいですね。少しでもみなさんの背中を押せるような作品になって,観に来てくれた人の1日を刺激的な日にできたらなって思ってます。
4Gamer:
本日はありがとうございました!
――2023年4月15日収録
脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック
<<配信情報>>
【対象公演】
(1)5月4日(木)18:00公演(ミンク)
(2)5月5日(金)13:00公演(クリア)
(3)5月6日(土)13:00公演(ウイルス&トリップ)
(4)5月6日(土)18:00公演(紅雀)
(5)5月7日(日)13:00公演(ノイズ)
(6)5月7日(日)18:00公演(蓮)
【配信内容】
ライブ配信+1週間の見逃し視聴
【見逃し配信期間】
(1)5月5日(金)18:00〜5月11日(木)23:59まで
(2)5月6日(土)18:00〜5月12日(金)23:59まで
(3)・(4)5月7日(日)18:00〜5月13日(土)23:59まで
(5)・(6)5月8日(月)18:00〜5月14日(日)23:59まで
※ライブ配信後、再配信処理を行いますのでご覧いただけない時間がございます。予めご了承ください。
【販売価格】
各公演 3,800円(税込)
※詳しくは購入ページ(https://www.dmm.com/digital/stage/-/theater/=/name=dmmd2023/)をご確認ください。
【販売期間】
4月20日(木) 18:00〜
(1)5月11日(木) 20:00まで
(2)5月12日(金) 20:00まで
(3)・(4)5月13日(土) 20:00まで
(5)・(6)5月14日(日) 20:00まで
【購入ページ】
https://www.dmm.com/digital/stage/-/theater/=/name=dmmd2023/
<<公演概要>>
【期間・劇場】
2023年4月28日(金)〜5月7日(日)
品川プリンスホテル ステラボール
【原作】ニトロキラル
【演出】中屋敷法仁
【脚本】内田裕基
【出演】
蒼葉役 土屋直武
紅雀役 小波津亜廉
ノイズ役 富園力也
ミンク役 八巻貴紀
クリア役 山縣悠己
ウイルス役 富永勇也
トリップ役 磯野 大
ミズキ役 岩城直弥
悪島役 牧田哲也
蓮/セイ役 山﨑晶吾
大石 樹
岡村 樹
神田初音ファレル
山中啓伍
【スタッフ】
音楽 GOATBED
振付 スズキ拓朗
美術 中西紀恵
照明 吉枝康幸
音響 山本能久
映像 荒川ヒロキ
衣裳 山下和美
ヘアメイク 小竹珠代
特殊造型 林屋陽二
演出助手 千代麻央/溝端理恵子
舞台監督 小林広道(DDR)
技術監督 堀 吉行(DDR)
宣伝美術 TRMN
宣伝写真 須田卓馬
【主催】
脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」製作委員会
脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック紹介ページ(ネルケプランニング公式サイト内)
(C)2012 NITRO ORIGIN (C)脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」製作委員会