2022年7月30日と31日,幕張メッセ国際展示場の4〜6ホールにて人気スマホゲーム
「Fate/Grand Order」(
iOS /
Android,以下,FGO)のリアルイベント
「Fate/Grand Order fes.2022 7th Anniversary」が開催された。本稿では7月30日に行われたステージイベントから,さまざまな新情報や制作エピソードなどが語られた
「『Fate/Grand Order』スタッフトーク」の模様をレポートする。
「水着イベント2022」にプロトマーリンが登場
ステージには「FGO」第2部の開発ディレクター・
カノウヨシキ氏とマーケティングディレクターの
バスター石倉氏,開発スタッフの
安生 真氏,宣伝スタッフの
金沢利幸氏の4名が登壇。さまざまな新情報を公開した。
 カノウヨシキ氏(左)とバスター石倉氏(右) |
 安生真氏(左)と金沢利幸氏(右) |
まず毎年夏に開催されてきた”水着イベント”について,今年は舞台が”北極圏”であることが発表された。続いて新規サーヴァントの一部や,イベントで開放される男性サーヴァントの霊衣などがスクリーンに映し出される。ここでアーケードゲームの
「Fate/Grand Order Arcade」(以下,FGO Arcade)に登場しつつも,「FGO」には登場していなかったプロトマーリンこと
「★5レディ・アヴァロン」の実装が明らかになり,来場者にどよめきが広がった。
なお水着イベントは2022年8月中旬の開始予定で,より詳細な情報は8月10日に配信される
「FGO カルデア放送局 ライト版〜水着イベント2022〜」で発表されるとのことだ。
会場でひと足先に発表された2022年の水着サーヴァント「★5レディ・アヴァロン」と「★4ガレス」
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「アスクレピオス」「蘆屋道満」「燕青(新宿のアサシン)」には,夏仕様の霊衣が追加される
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「FGO Arcade」にマーリンが登場
本家「FGO」にレディ・アヴァロンが実装される一方で,アーケードゲーム「FGO Arcade」では
「マーリン」の実装が発表された。8月2日にピックアップ召喚がスタートし,合わせてマーリン登場を記念した期間限定イベントも行われるとのこと。また「FGO Arcade」では定期的に追加が行われるサーヴァントのカラーバリエーションとして,水着BBのカラー衣装3種が8月1日に登場する。
「FGO Arcade」のマーリン。会場で流れた映像では「FGO」をベースにした攻撃モーションや,宝具の“永久に閉ざされた理想郷(ガーデン・オブ・アヴァロン)”が確認できた
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「★5ムーンキャンサーBB(水着BB)」のカラーバリエーション
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オフィシャルグッズウェブ受注ラインナップ公開
会場のカルデアマーケット(物販スペース)で先行販売されていたグッズに加え,ウェブ受注販売が行われる7周年グッズのラインナップが発表された。購入は
ANIPLEX+から行え,注文の受付は8月31日まで行われるとのこと。
ANIPLEX+で受注限定販売される7周年記念グッズ
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タペストリーやラバーチャームなどのサイズ感は,こちらの写真を参照のこと
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グッズ紹介コーナーでは,オリジナルサウンドトラックのストーリーミング配信決定のアナウンスも
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曲亭馬琴や実物大アロンダイトの制作秘話が語られたトークパート
ステージではこのほか,「FGO」制作にまつわるエピソードやデータが登壇者の3名――バスター石倉氏と安生氏,金沢氏からそれぞれ語られる一幕も。
まず開発スタッフの安生氏からは,2022年6月29日から7月20日まで開催されていたイベント
「南溟弓張八犬伝」に登場したサーヴァント
「曲亭馬琴」のエピソードが,デザイン画を交えつつ披露された。
曲亭馬琴
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公開されたデザイン画は,曲亭馬琴の第1から第3臨までの衣装,小物,そしてお供の八犬志のものまでの計5枚。馬琴の頭についている犬耳は実物(?)ではなく,ピンで留めたアクセサリーの一種であることや,八犬志の犬種などが紹介され,ファンが気になっていた疑問のいくつかが解き明かされた。
曲亭馬琴のデザイン画。アクセサリーや扇,キセルなどの小物が詳細に描かれている
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第2再臨では羽織った衣装の裏地についてが,第3再臨では腰の珠を付け外しできる設定にし,ゲームの演出に活かした経緯などが,デザイン画と共に語られた
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「ウチのわんこかわいいでしょ」(安生氏)と言いたいがために,安生氏が持ってきた(?)という八犬志の設定画
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続いて金沢氏からは
「FGO Fes.制作うらばなし」として,今回の会場でお披露目されたメリュジーヌの宝具・イノセンス・アロンダイト(の造形展示)の制作過程が語られた。
会場の宝具スペースに展示されていたイノセンス・アロンダイト
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制作はまずメリュジーヌを「FGO」に実装するときに作られた設定画をもとに,今回の展示用イノセンス・アロンダイトを3Dグラフィックスで描き起こしたという。そのデータを元に,3Dプリントで各パーツを刷り出していったとのこと。
ちなみに今回のような”長物”を3Dプリンターで作り出すのにはかなりの時間が必要なそうで,パーツによっては作業完了までに10時間以上かかったものもあったとか。
メリュジーヌ実装時のイノセンス・アロンダイト設定画。ゲームに登場する形状だけでなく,劇中の年月経過でどのような変遷を辿って来たのかまで設定が作りこまれている
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展示用イノセンス・アロンダイトの3Dデータ。設定画を忠実に再現したうえで,ゲーム内での見え方や動きも参考にしたとのこと
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3Dプリンターで作り出されたイノセンス・アロンダイトのパーツ
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研磨や電飾の取り付け,塗装などが施され,完成品に近づいていく
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「FGO Fes.2022」会場で展示された実物がこちら
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ちなみに今回のイノセンス・アロンダイトの制作にかかった期間は,金沢氏によると「約2〜3か月」とのこと。制作にかかる時間はベースとなるデザインをスムーズにCGデータ化できるかどうかに左右されるそうで,「ダヴィンチちゃんのウルティモ・マニュピレーターみたいに複雑な機構だと時間がかかる」とも話していた
こちらは話題に挙がったダヴィンチちゃんのウルティモ・マニュピレーター
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展示物は,イベント前に金沢氏やバスター石倉氏が実物をチェックしているとのこと。宝具はもちろん,今回展示されたケルヌンノスのようなビッグサイズのものも「実際に展示される状態まで膨らませてもらい」最終確認しているという
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バスター石倉氏は,自身が出演したイベントや配信でたびたび披露してきた
「データでわかる!FGO」のコーナーを今回も実施。大量の種火や聖杯などを投じ,最も多くLv.120にされた★1〜★3のサーヴァントランキングのトップ10が公開された。
★1〜★3のレベルをカンスト(Lv.120)するのに必要とされる各種素材
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上位に「岡田以蔵」やランサーの「クー・フー・リン」「ロビン・フッド」「アーラシュ」といった実用性と(女性からの)人気の高い男性サーヴァントが並ぶ中,トップに輝いたのは
「清姫」だった。「FGO」初期から実装されていたサーヴァントかつ周回で使いやすいバーサーカーということで,多くのプレイヤーから愛されているようである。
多くのプレイヤーから膨大な素材を投入された上位5騎の★1〜★3サーヴァント達
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6位から10位には「FGO」初期から参戦していた「牛若丸」や,「メデューサ」「佐々木小次郎」などのいわゆる「stay night」組,あらゆる意味で有能な「陳宮」,第2部本編で活躍した「シャルロット・コルデー」らがランクインした
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