プレイレポート
レジスタンス達の祖国解放の戦いを描くオープンワールドFPS「HOMEFRONT the Revolution」のプレイレポートを掲載
前作「HOMEFRONT」は全世界で260万本のヒットを記録したものの,同フランチャイズのIP(知的財産権)はTHQの(事実上の)倒産に伴う競売でCrytekが取得。しかし,今度はそのCrytekが経営危機に陥り,本作の海外でのパブリッシャであるDeep Silverの親会社,Koch Mediaに権利が売却されるなど,ファンをやきもきさせてきた。
今回は,そんな紆余曲折を経て,ついに発売される本作のシングルプレイ用「ストーリー」モードの序盤を一足先に遊んでみたので,そのプレイレポートをお届けしよう。
「HOMEFRONT the Revolution」公式サイト
戦いの舞台はオープンワールドのフィラデルフィア
まずは簡単に,本作の世界観を紹介しておこう。前作「HOMEFRONT」では,大朝鮮連邦(と,その軍隊であるKPA)のアメリカ侵攻から2年が経過した西暦2027年が舞台となっていた。本作では,そのさらに2年後の,西暦2029年のフィラデルフィアにおけるレジスタンス達の戦いが描かれる。
では,ストーリーは前作からそのまま続いているのかと言うと,実はそうではない。そもそもアメリカがKPAに占領された経緯からして異なっているなど,本作では“KPAの支配からアメリカを取り戻す”という共通のモチーフを用いた,まったく別のストーリーが展開するのだ。
前作ラストのゴールデンゲートブリッジでの激戦のあと,アメリカは一体どうなってしまったのか気になっていた筆者のようなプレイヤーには少々残念なところだが,そのぶん,新規プレイヤーでもすんなりと物語に入り込めるはず。本作の世界観やKPAに占領されたフィラデルフィアの様子は,下に掲載したムービーも合わせてチェックしてほしい。
そんな本作では,プレイヤーは主人公のイーサン・ブレイディとなり,KPAによる圧政が敷かれたフィラデルフィアでレジスタンス活動に参加することになる。ゲームシステムは,ストーリー主導のリニアなFPSだった前作から大きく変わってオープンワールドが採用され,自由度の高いゲーム進行が楽しめるのが特徴だ。
レジスタンス達は,建設途中で放棄されたため,どの地図にも載っていない地下鉄駅を本拠地としてゲリラ活動を行っており,フィラデルフィアの各所にある地下鉄トンネルの出口はファストトラベルの中継点として活用できる。また,本拠地にあるガンスミス・ロッカーでは,弾薬の補充のほか,武器を強化・改造するためのアタッチメントや主人公の装備品,ヘルスキットや爆弾といった消費アイテムの購入などが行える。
これだけでも前作とはかなり違う作品になっていることが分かるはずだが,とくに大きく変更されたのが武器のカスタマイズが導入されたことだ。本作では,KPAの武器はすべて生体認証によるロックが掛かっているため,倒した敵から奪って使うことはできない(弾薬は使用可能)。
こう書くと,装備面でこちらが圧倒的に不利のように思われるが,心配は無用。レジスタンス達の銃は,銃身を取り換えることで,その場ですぐにハンドガンをサブマシンガンに改造したり,アサルトライフルをリムペットマインランチャーに改造したりできるように加工されており,そこに高性能なフォアグリップやスコープなどを取り付けて,さらにカスタマイズできるのだ。
また,ヘルスキットや爆弾などのツール類は,瓦礫やジャンクから拾い集めたり,倒した敵から奪ったりした材料を使って,その場で作り上げることも可能。これも本作からの新要素で,武器のカスタマイズやツール類の使い方については,下のムービーを見てもらえればよく分かるだろう。
ゾーンごとに大きく異なる,2つのプレイスタイル
KPAに占領されたフィラデルフィアはいくつもの地区に分断されており,ゲーム序盤のメインミッションは彼らに拉致されたレジスタンスのカリスマ的リーダー,ベンジャミン・ウォーカーの救出を第一目標として進行していく。フィラデルフィアの各地区は「レッドゾーン」と「イエローゾーン」の2つに分かれており,それぞれでの戦い方やミッションが大きく異なるのが本作の特徴だ。
まず,レッドゾーンはKPAとレジスタンスが激しい戦いを繰り広げている地区だ。ここにはKPAの重要施設が存在し,レジスタンス達はその奪還を目指して攻勢を仕掛けている。大きく崩れた建物が無数に存在する街中を,KPAの歩兵やドローン,戦闘車両などが徘徊しており,こちらを発見すると容赦なく襲いかかってくる。
ここでの戦いは銃撃戦が基本で,視界に入った敵をとにかく撃ちまくるという,非常にFPSらしいゲームプレイが楽しめる。KPAの拠点を奪い返すと,その周囲がレジスタンスの支配エリアとなって攻撃拠点として利用できるようになり,本拠地と同様にガンスミス・ロッカーを使えるようになる。
レッドゾーンでは,味方のレジスタンス達も各所で戦いを繰り広げている。ミッションの目標地点に向かって移動していると,彼らから救援要請の無線通信が入るといった突発イベントが発生することがあり,戦場の臨場感をひしひしと感じられる。救援要請に応じるかどうかはプレイヤーの任意だが,味方の救援に見事に成功すると追加の報酬などを得られるので,手持ちの弾薬数や自分の腕前と相談しながら,可能な限り駆けつけたいところだ。
もう1つのイエローゾーンは,一般市民がKPAの厳重な監視のもとで生活している地区だ。ここでもまた,多数のKPA兵が街中をパトロールしているが,レッドゾーンとの違いは派手な銃撃戦はご法度であるという点。武器を持ったまま,堂々と通りを歩くなどもってのほかで,プレイヤーに求められるのは武器を隠し,一般市民に紛れてひっそりと目立たないように行動することなのだ。
自由を抑圧されながらも,かろうじて成り立っている今の生活をこれ以上荒らされたくないイエローゾーンの住民達は,必ずしもレジスタンスに協力的なわけではない。ここで重要となるのが,住民の「心情」メーターだ。これは,その地区におけるKPAへの反抗気運の度合いを示しており,これを高めていくのがイエローゾーンでの大きな目的となる。
「心情」は,街頭でプロパガンダ放送を流しているKPAの機器を破壊する,ラジオを通じてメッセージを発信する,KPAに“奉仕活動”をさせられている市民を救出する,KPAの重要施設を奪取するといった,さまざまな活動によって上昇する。そして,「心情」が最大に高まると市民が蜂起し,KPAの施設を取り囲んでシュプレヒコールを起こしたりするようになり,その混乱に乗じてより大きな(つまりは,銃撃戦を伴う)作戦を遂行するというのが,このゾーンでの流れだ。
最終段階での作戦までは,極力無用な戦いは避けなければならないが,不用意な行動でKPAに発見された場合,警報が発令されて,続々と周囲の敵兵が集まってくる。こうなってしまったら,無理に戦おうとしても勝ち目が薄いので,とにかく全力でその場から逃げたほうがいいだろう。ある程度KPA兵を引き離して物陰やゴミ箱に隠れ,しばらくして敵の警戒が解かれたらレジスタンス活動の再開だ。
壁をよじ登って,屋根の上を走ったりはできないのだが,隠密行動中に敵に発見され,逃走して騒ぎが収まるまで身を隠すという一連の流れには「アサシン クリード」シリーズを彷彿させるものがあり,レジスタンスとKPAが正面からぶつかり合うレッドゾーンと,隠密行動がメインのイエローゾーンという,メリハリの利いたゲームプレイが楽しめるのが面白い。このほかに,政府や軍部の高官が住む「グリーンゾーン」があるようだが,ゲーム序盤に訪れることはないので,どんな場所なのか気になるところだ。
また本作には,前作にあったオンライン対戦モードが無くなった代わりに,最大4人で協力プレイが遊べる「レジスタンスモード」が用意されている。今回は開発機でのプレイだったので試せなかったが,こちらはシングルプレイのストーリーモードとは独立しており,仲間同士で小隊を組んでKPAに対抗する,ミッションベースのゲームプレイが楽しめるとのこと。
前作「HOMEFRONT」はシングルプレイの短さが指摘されていたが,オープンワールド化によってボリュームが格段にアップし,長く楽しめそうな「HOMEFRONT the Revolution」。スパイク・チュンソフトから発売される国内版は,音声・テキストとも丁寧にローカライズされており,新しくなったオンラインプレイと合わせて,製品版でのプレイが楽しみな1本だ。
「HOMEFRONT the Revolution」公式サイト
- 関連タイトル:
HOMEFRONT the Revolution
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Homefront: The Revolution
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(C)2016 and published by Deep Silver, a division of Koch Media, Austria.
Developed by Deep Silver Dambuster Studios. Homefront, Deep Silver and their respective logos are trademarks of Koch Media GmbH. Portions of this software are included under license (C)2004-2016 Crytek GmbH. All rights reserved. Crytek, CryEngine and their respective logos are trademarks of Crytek Group. Uses Bink Video. Copyright (C)1997-2016 by RAD Game Tools, Inc. All other trademarks, logos and copyrights are property of their respective owners. All rights reserved. Licensed to and published in Japan by Spike Chunsoft Co., Ltd.
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