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「Evolve」のメディア向けイベント開催。「Evacuation」など,新たなゲームモードが一挙に公開
4人対1人で戦う非対称型のオンライン対戦アクション
北米時間の2014年11月19日,大手パブリッシャの2Kは,ヨーロッパおよびアジア太平洋地域のメディアを「Evolve」(PC/PlayStation 4/Xbox One)の開発を進めるTurtle Rock Studiosに招待し,新しいゲームモードを紹介するというイベントを開催した。
「Evolve」公式サイト
すでにオープンβテストも行われ,日本でも知名度の高い「Evolve」は,2014年2月に開発が発表されて以来,E3 2014や東京ゲームショウ2014など,さまざまなゲームイベントで注目を集めてきたタイトルであり,その最大の特徴は,非対称型のオンライン対戦ゲームというところにある。ここで言う「非対称型」とは,対戦する双方がまったく異なる特性を持つという意味で,本作では4人のハンター役と,1人のモンスター役のプレイヤーが戦うことになる。
これまでの一般的なオンライン対戦ゲームは「すべてのプレイヤーが,同列にプレイをする」ことが基本であり,チーム戦であれ個人戦であれ,プレイヤーのスキルと経験(プレイ時間とほぼイコール)だけがモノを言うゲーム性が重要だとされてきた。
チーム戦のマップはなるべく敵味方が対称になるようにデザインされてきたし,両勢力のクラス名や武器が異なっていたとしても,それはあくまで見かけだけで,能力や性能は等しくなるようにバランスが取られるのが普通だったが,「Evolve」はその原則を打ち破った,非対称型の対戦ゲームになっているのだ。
すでに公開されている「Hunt」は,ハンター達がモンスターを狩るという本作のテーマを最も単刀直入に表現したモードだといえる。
モンスターを追うハンターには,アサルト,メディック,トラッパー,そしてサポートの4つのクラスがあり,プレイヤーは基本的に好きなものを選択できるが,同じチームに例えばアサルトが2人といった編成は許されていない。ハンターはこれまで各クラス3人,計12人が公開されている。4人セットで3回に分けて公表されてきたため誤解があるかもしれないが,セットは固定されているわけではなく,クラスが異なる限りメンバーの構成は自由だ。
今のところ公開されているモンスターはゴライアスとクラーケンが公開されている。さらに,欧米のプレイヤーのうち,予約注文した人には新たなモンスターを使用する権利が与えられるが,そのモンスターの名前については現在,ファンの投票を募っているところだ。
Parnell | Caira |
Abe | Cabot |
今回のイベントに登場していたのは,最後に公開された4人組。自分のヘルスと引き替えに火器の発射速度と移動速度を向上させられるParnell(アサルト),グレネードランチャーから治癒効果のある弾も撃てるCaira(メディック),トラッキングダーツでモンスターを追跡できるAbe(トラッパー),そしてレールガンを使えるCabot(サポート)で,これでゲームに登場する12人が勢揃いした。
新たなゲームモードが一気に公開
上記のように,2014年6月のE3 2014でプレイアブル展示されて以来,イベントの試遊ではずっと「Hunt」モードが使われてきたが,今回のプレス向けのイベントでは,一気に4つのゲームモードが紹介された。ただし4つめの「Evacuation」はちょっと毛色が違うので,あとでまとめて紹介しよう。まずは,単発のプレイが可能な3つのモードから。
■Nest
「Nest」は,その名のとおり,モンスターの巣を破壊することが目的となる。モンスターを追跡したりジェネレーターを守ったりする必要はなく,ハンター側は10分以内にマップの各所に散らばる合計6つの巣にある卵を破壊するのだ。各々のハンターが別の場所にある卵を破壊すれば効率が良いが,モンスターに遭遇したとき4人以下ではまず対処できないという不利が生じるし,卵の破壊にはそれなりの時間がかかるため,4人のほうが手早く処理できる。モンスター側は10分間,1つでも巣を守りきれば勝利となるが,ある程度の巣の破壊を覚悟して進化を優先させたり,ハンターが分かれたところで襲い掛かったりなど,いろいろな戦略が考えられる。デモをプレイしたところでは,1つのグループにまとまって行動した場合,3つか4つの巣を破壊した段階でモンスターが最高レベルに達するというタイムラインになっていることが確認できた。
試すことはできなかったが,クラーケンを使うと,ハンター達が巣の破壊に懸命になっているところへ,上空からひっそり接近することができるかもしれない。
■Rescue
「Rescue」は,基地のような施設に取り残されたNPCの生存者達を捜索し,彼らを救助船まで護衛するのが目的となる。生存者は合わせて9人おり,ミニマップ上には最初に2人の位置が表示され,彼らを救助したあとにもう2人,そして最後に残り5人が一斉に表示されるという感じだ。「Nest」モードの巣と同様,彼らの出現場所はランダムなので,プレイを重ねて効率の良い救出ルートを考えるという作戦はとれず,ひたすら救助と退路の確保を行わなくてはならない。プレイした感じでは,生存者を見つけだすことよりも,救助船まで連れて行くほうが重要だ。生存者はハンドガンを持ち,それなりに戦ってくれるのだが,途中で獰猛な原生生物に出くわして勝手にドンパチし始め,救助船まで一目散に走った筆者が振り返ると,生存者と後方警備担当のプレイヤーがいなかったという状況に陥ったこともあった。プレイヤーが生存者を,うまく目的地までリードしなければならないのだ。
モンスター側の戦略もいくつか考えられるが,最初の4人は無視して最高レベルに進化し,最後にハンターとの決戦に持ち込むというパターンがメインになりそうだ。
■Defend
名前のとおり,ハンター側は自分達の基地を守るため,波状攻撃をしかけてくるモンスターを撃退しなければならない。渓谷にある基地の両サイドは電磁波のような壁に守られており,その電磁波を発生させるジェネレーターが,自動タレットで防衛されている。このジェネレーターが2つとも破壊されると,コアジェネレーターに近づかれてしまい,コアジェネレーターを破壊されると負けという仕組みだ。モンスター側には,「ミニオン」と呼ばれるレベル1のゴライアスが配下として登場し,プレイヤーのモンスターはすでにレベル3に到達しているという変則ルールだ。ハンターの中には追跡や探索を得意とするクラスもあるが,このモードではあまり役に立たないという雰囲気だ。ほかのゲームモードと同様,ハンターは倒されてもリスポーンできるので,強力な火器を持つクラスを,ほかのクラスのキャラクターがしっかりサポートしたいところだ。
シングルキャンペーン風の「Evacuation」
さて,最後に紹介する「Evacuation」は,これまで発表された合計4つのゲームモードを組み合わせたもので,12月3日に掲載した記事でもお伝えしたように,5日後に脱出を予定している救助船に1人でも多の人々を誘導するというバックストーリーが用意されており,5日間,Day1からDay5まで5ラウンド戦っていく。
説明によれば,「Evacuation」には,必ず「Hunt」で始まって「Defend」で終わり,また,2つのゲームモードは連続しないというルールはあるものの,それ以外はすべてランダムであり,例えば,「Hunt→Nest→Hunt→Rescue→Defend」という流れになるかもしれないわけだ。
卵やNPCの出現地点,モンスターやハンターの組み合わせなど,すべてのバリエーションを考慮すると,実に約80万パターンが考えられるとのことで,またこれか,ということにはならなそうだ。一回の「Evacuation」には,大体45分〜1時間かかるという。
もっとも,どちらかといえばこのギミックはマップにランダム性を与える意味合いが大きく,基本的に連勝することは難しい。
例えばモンスター役のプレイヤーがゲームにあまりにも不慣れで大きな差が生まれても,途中でハンター役に交代することはできない。そのため「Evacuation」モードにはお互いのバランスがうまく取れるような自動調節機能が含まれているのだ。
今回のイベントでプレイした「Evacuation」モードでは,次のマップへ進むとき,直前の対戦結果から調整が入り,例えばモンスターの体力が増えたり,銃器のパワーが上昇したりしたようだ。どんなマッチメイキングが行われても,なるべく互角な戦いができるための機能で,「Left 4 Dead」の「AI Director」を思わせる。
もっとも「Left 4 Dead」はCo-opであり,「AI Director」も理解できたが,今回のような対戦ゲームの場合「あまりにも調整が入り,結局は最後の第5戦で勝負が決まるだけなのではないか」という疑問は残る。
ただ,実際にプレイした限り,最後までハラハラさせる展開であったことは付記しておきたい。
オープンβテストの「Hunter」モードでも十分に楽しめたが,今回,一気に「Nest」「Rescue」「Defend」の3つのモードが公開されたうえに,「Evacuation」という面白い要素も明らかになった。イベントにおける試遊の印象は,上記の自動調整機能もあってか,常に緊張感の高いプレイが続くという雰囲気で,オンラインをメインにしたタイトルのローンチにつきもののトラブルをうまくクリアできれば,ゲーマーから高い評価を受ける作品になるだろう。
海外では2015年2月,日本でも現時点で「2015年春」のリリースがアナウンスされている「Evolve」だが,2Kはかつてないほど早い段階から,日本のメディアに対するプロモーション活動を行っており,同社の本作に対する期待の高さがうかがえる。非対称型の対戦ゲームという目新しいコンセプトが,どれだけ日本のゲーマーに受け入れられるか。発売を楽しみにしていたい。
「Evolve」公式サイト
- 関連タイトル:
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(C)2010‐2014 Take‐Two Interactive Software, Inc. 2K, the 2K logo, Evolve, the Evolve logo, and Take‐Two Interactive Software are trademarks of Take‐Two Interactive Software, Inc. Turtle Rock Studios and the Turtle Rock Studios logo are trademarks of Turtle Rock Studios, Inc.
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