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  • Tozai Games
  • 発売日:2013/11/21
  • 価格:1000円(税込)
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82
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レトロゲーマーはバイドせん滅の夢を見るか。Tozai Gamesの「R-Type Dimensions」は,プレイフィールまで忠実に再現
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印刷2013/12/27 11:30

プレイレポート

レトロゲーマーはバイドせん滅の夢を見るか。Tozai Gamesの「R-Type Dimensions」は,プレイフィールまで忠実に再現

画像集#026のサムネイル/レトロゲーマーはバイドせん滅の夢を見るか。Tozai Gamesの「R-Type Dimensions」は,プレイフィールまで忠実に再現
 1980年代後半にアイレムよりリリースされたアーケードの傑作シューティング「R-TYPE」「R-TYPE II」。この2作をカップリング移植し,さらに独自のルールを採用した「インフィニティモード」,グラフィックスやBGMを今風にアレンジしたモードを搭載した「R-Type Dimensions」(アールタイプ ディメンションズ)PS3 / Xbox 360)のPlayStation 3版が,2013年11月21日にTozai Gamesより配信開始された。Xbox 360ではXbox Live Arcadeにて2009年にリリース済みの本作が,満を持してPS3に登場ということになる。
 今回はそのPS3版の配信を記念し,本作の詳しい内容やプレイフィールなどについて改めて紹介しよう。当然ながらゲームプレイはPS3版にて行っているので,コントローラ表記などについてはPS3版のデフォルト設定を基に執筆している。

「R-Type Dimensions」公式サイト



当時のプレイフィールをほぼそのままに移植
シリーズ初期2作品が一度に楽しめる


 オリジナルのR-TYPEは1987年にリリースされたアーケードゲームで,当時は高校生ゲーマーだった筆者も例に漏れず,ゲームセンターでハマったクチである。同作以前のアイレムのアーケードゲームは,「スペランカーコレクション」PS3 / PS Vita)にも収録されたアーケード版「スペランカー」のようなポップな明るい色づかいのグラフィックスを採用していて,雰囲気もどちらかというとコミカルなゲームが多かった。
 しかしこのR-TYPEでは,打って変わったように緻密に描き込まれたリアル調のグラフィックスを採用し,1986年公開の映画「エイリアン2」の影響を受けたとも思えるSFホラー的なテイストが随所に盛り込まれるなど,それまでのアイレム作品のイメージを一新。斬新なシステムと適度なゲームバランスなども含めて,筆者を含む多くのアーケードゲーマーの心を鷲づかみにした。そしてR-TYPE IIは,前作の大ヒットを受けて1989年にリリースされた非常に難度の高い続編で,前作ほどの話題にはならなかったものの,いまとなってみれば,後の業務用と家庭用で展開されるR-TYPEシリーズの布石としての存在感が光っている。

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 これら2作品は,自機(R-9)本体ではなく,その武装である「フォース」をパワーアップさせるというもので,状況によってそれを着脱して戦うという,当時としては非常に画期的なパワーアップシステムを持っていた。またR-9に標準装備された強力な「波動砲」は,その後のシューティングゲームにも大きな影響を与えた「タメ撃ち」の元祖的な存在でもある。
 このR-Type Dimensionsでは,当然ながらそのあたりは問題なく移植されていて,「クラシック」モードを選ぶことで,当時に近いプレイフィールで楽しめるようになっている。これまでも多くの家庭用ゲーム機でリリースされた移植作品の中でも完成度は高く,後述のさまざまな仕様も含め,価格などを考えると非常にお得感のある作品となっている。

古くからのアーケードゲームファンには懐かしいR-TYPEの画面。画面を「ワイドスクリーン」に変更すると画面にフィットし,スコアや波動砲のゲージが画面上側に表示される
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個性的なボスキャラクターが3Dで動く!
2Dと3Dの画面はシームレスに切り替え可能


 また本作は,両作品を3Dグラフィックスにしたアレンジモードも収録している。といっても,よく見られる「リメイク版」ではなく,オリジナルのグラフィックスとBGMを置き換えただけのシンプルなものだ。それでも見た目の印象はかなり変わっていて,R-TYPEの象徴ともいえるステージ1のボス「ドブゲラドプス」やステージ3の巨大戦艦,またR-TYPE IIでファンに衝撃を与えたステージ2のボス「バラカス」などは,その動きを表現するアニメーションが傑作なのでぜひ実際に見てみてほしい。ちなみにこのアレンジモードのBGMは,スペランカーコレクションのタイトル曲も手掛けた岩崎健一郎氏が担当している。

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タイトル画面は,R-TYPEステージ1のボス「ドブゲラドプス」と,R-TYPE IIのステージ1のボス「ザブトム」のアップが並ぶ。自機R-9も独自の3Dデザインで表現
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両者のアップライト筐体が並ぶメインメニュー。BGMにはそれぞれのネームエントリー時の楽曲が流れる

 面白いことにこのアレンジモードは,ゲームオプションで切り替えるだけでなく,ゲームプレイ中でも△ボタンを押すと,リアルタイムで切り替えられるようになっている。ゲームバランスなどはクラシックモードのそれが基準になっているようで,連続して切り替えてもゲームプレイに破綻はなく,モーフィングのようにナチュラルに切り替わるので,初めて触ったときは面白くて思わず何度も△ボタンを押してしまうはずだ。

△ボタンを押すとなめらかに2Dと3Dのグラフィックスが切り替わる。BGMもリミックスされるように変わっていくのだ。
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 またアレンジモードのグラフィックスは,3Dという性質を利用して「アングル」という斜め後方から見た視点にも切り替えられるが,こちらはオプションでのみ設定可能だ。さすがに本作はシューティングゲームなので,見た目的に少し遊びづらくはなるが,2Dでは見えなかったステージの各所や敵の前方が見られるようになるのはなかなか新鮮だ。

画面設定の「エフェクト」を変更すると,アレンジモードの画面ににじみがかかったようなエフェクトがほどこされ,よりレトロな雰囲気の画面でプレイできる
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画面設定で「2Dカメラ」を「アーケード」に設定すると,クラシックモード時の画面が筐体でプレイしているものに切り替わる(R3でズームが可能)。国内配信版は,できればここはテーブル筐体にしてほしかった……
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3Dカメラを「アングル」に変更すると,アレンジモードの画面の左側上下が少し狭まり,画面が斜めになる。同時にゲーム中のオブジェクトも,わずかなパースがかかって表示される


インフィニティモードとステージセレクトで,
バイドせん滅も夢ではなくなった!?


 そしてもう一つ,本作の売りとして導入されているのが「インフィニティ」モードである。このモードでは,R-9の残機が無制限かつ,ミスしてもその場で復活するルール(通常はステージの特定の場所まで戻される)が適用されていて,最終ステージのボスを倒すまでにどれだけ少ない機数でクリアできるかを競うという内容になっている。
 記録を気にしなければ,腕がなくても1周クリアまではたどり着けるので,筆者のように当時のアーケード版ではラスボスにたどり着けなかったプレイヤーでも,とりあえずこのモードでならエンディングを見るチャンスがあるというわけだ。

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インフィニティモードはその場で復活するため,一瞬の無敵時間を使って普段できないような攻略も可能だ。これは,強制スクロールを待たずしてステージ3の巨大戦艦の懐に飛び込んだところ
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アレンジモードでも,オリジナル同様の攻略方法はちゃんと通用するのでご安心あれ
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インフィニティモードでは各ステージでの成績が表示される。続ける場合は次のステージでスコアと消費機数はゼロになるが,パワーアップは継続され,通しでプレイしたときのトータル成績も記録されていく

 何よりありがたいのは,インフィニティとクラシックのどちらのモードでも,各ステージをクリアすることで,次のプレイからステージセレクトが可能となる点だ。ゲームを何度もプレイして敵の攻撃・出現パターンを覚える,いわゆる「覚えゲー」と呼ばれるR-TYPEシリーズにおいてのステージセレクトは,プレイヤーがそのステージを練習するという意味合いも強く,初代R-TYPEならステージ5〜6以降,難度が非常に高いR-TYPE IIにおいてはステージ2〜3以降を自由に選んでプレイできるのは,当時その独自のパターンに悩まされ,バイド(ボスをはじめとする敵生命体の総称)せん滅に挫折したプレイヤーにとっては非常にありがたい仕様である。まぁ最初から繰り返し遊ぶことが腕を上げる手段でもあるわけだが,そこはプレイヤーのとらえ方次第ということで……。

ゲームプレイ中にR2ボタンを押すと,画面に一瞬エフェクトが現れ,ゲームがスローモーションになる。敵の弾や障害物の動きが見やすくなり,攻略の糸口がつかめるかもしれない
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クラシック/インフィニティモード共に,クリアしたところまでのステージセレクトが可能。お手軽にチャレンジするもよし,集中して攻略パターンを見つけるもよし
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インフィニティモードでは,フォースを装備しているときにミスすると,その場で復活したときに1段階弱くなったフォースが現れる仕様となっている


新たなルールがほどこされたマルチプレイ
課題はプレイヤー人口の増加か


 本作で追加された要素の最後は,「マルチプレイヤー」モードである。その名のとおり収録作品を2人でプレイできるモードで,クラシック/インフィニティのどちらでもプレイ可能だ。難易度自体はシングルプレイ時と同じで,アイテムの出現率なども変わらず,同じ画面にR-9が2機登場するだけの,ある意味単純な仕様だ。ただし,攻撃力は単純に2倍になっているという意味でもあるわけで,プレイの仕方によってはシングルプレイ時とはずいぶん違った印象を受けるだろう。
 さらに,自機同士の当たり判定をオンにすると相手を押せるようになるので,インフィニティモードでのアイテムの取り合いや,狭い場所でのしのぎ合いなども面白くなりそうである。

マルチプレイで出撃すると,キャノピーが緑色のR-9が2P側の自機となる。画面だけでもワクワクするシーンだ。なおマルチプレイ時は,フォースがそれぞれの自機の色に変わるので見失うことはない
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 コントローラを2つ用意してプレイするローカルプレイのほか,PlayStation Networkを介したネットワークプレイにも対応していて,身近に相手がいなくてもマルチプレイは可能だ。残念なことに筆者が何度かアクセスしてみたときは一度もプレイヤーが見つからず,結局この原稿を上げるまでネットワークプレイを体験することはできなかった。本稿が掲載されたことでプレイ人口が少しでも増えて,ネットワークで互いにプレイができる機会も増えれてくれれば嬉しいのだが。

マルチプレイヤー時は,誰かが作ったロビーに入るか,自分がロビーを作って相手を待つことになる。ボイスチャットも可能だ
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ボリュームに対するコストパフォーマンスは高い
レトロゲームライブラリに加える価値あり


 同じTozai Gamesから今年リリースされた「スペランカーコレクション」などと比べると資料的な要素は薄いものの,現状でR-TYPE/R-TYPE IIがいつでも遊べる価値は非常に高い。オリジナルのアーケード版と比べると,クラシックモードでも一部効果音などがリッチになっていたり,プレイフィールの違いも若干感じられたりするなど,いわゆる「完全移植」と言えるかどうかは微妙なところなのだが,価格と内容のバランスを考えると,個人的には十分に満足いく内容だと思えた。
 また現行機のPS3ならば周辺機器の供給も充実しているので,アーケード版と同様にジョイスティックなどでプレイするのも容易だろう。オマケではあるが,マルチプレイモードもそこそこ楽しめる仕様だ。Tozai Gamesに限らず,近年数多く復刻されているレトロゲームのライブラリに加える価値のある1本なので,気になる人はまず体験版でその内容を確かめてみてほしい。

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キーコンフィグも可能で,ジョイスティックなどを使ったときにプレイしやすいボタンに設定が可能だ。また連射専用のボタンもあり,使い分けると遊びやすい

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