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[TGS 2013]東京ゲームショウに「乙女ゲームコーナー」が初登場。“リアル恋愛ゲーム”で来場者が大盛り上がり
女性向け恋愛ゲームをメインとしたブースは,もちろん単体ではこれまでのゲームショウにも出展されていたが,コーナーとしてまとめられたのは今回が初めて。
一種独特な雰囲気を醸し出していたコーナーの中で,来場客からひときわ大きな注目を集めていたのが,「誓いのキスは突然に」(iOS / Android / Mobage / GREE)をひっさげて出展したボルテージブースである。
本作は,プレイヤー扮する主人公(女性)が,ひょんなことから初対面である男性の妻のフリをすることになり,まるで本物の新婚夫婦のような生活を通して,ヒ・ミ・ツの甘い恋をたっぷり体験できてしまうという内容。男性読者率93.6%を誇る4Gamer.netとはあまり縁のないタイプのゲームだ。
そんな本作をPRしていたボルテージブースでは,「恋愛ゲーム リアル体験」と銘打ったイベントが開催されていた。来場者は「俺サマ系」と「癒し系」の2人からコンパニオンを選んだうえで,2人並んでベンチに座りスタートとなる。
俺サマ系を選んだ場合は,「照れちゃって,どうしたの? 寂しいから俺に会いに来ちゃった?」「ばーか,俺が会いたかったんだよ。一生離さないからな。●●●,覚悟しろよ(※来場客の名前を事前に確認している)」。癒し系だと「大丈夫? 無理してない?」「僕が世界で一番可愛い●●●の笑顔を守るからね!」といった会話が繰り広げられる。
ちなみに台本を見せてもらったところ,来場客の反応によって会話の分岐があるなど,しっかりとアドベンチャーゲーム仕立てになっていた。
甘い会話をしばらく楽しんだ後は,2人で幸せの鐘を鳴らしてハッピーエンド。希望者には一緒に記念撮影のサービスも。こういったやりとりを,大勢の来場者がいるTGSの会場内で行うのである。
筆者はブースの様子をしげしげと眺めていたのだが,来場者の多くは,ブースを発見した瞬間に「あ…ありのまま今起こったことを話すぜ(ry」な反応を見せたあと,不思議そうな表情を浮かべながらとりあえず並んでみて,記念撮影を終える頃にはテンションがMAX近くに達している……という感じだった。中には外国人,しかもどういうわけか分からないが男性客の姿も。
またとない機会なので,ブースにいたスタッフにあれこれと話を聞いてみることに。
ボルテージは1999年に有限会社として設立され,2011年6月には東証一部に上場。上場以降は女性向け恋愛ゲームの開発をメイン事業としており,現在の従業員数は360名以上で,女性向け恋愛ゲームのパイオニアを自負しているという。
サンフランシスコにも海外支社を構えており,同社タイトルの英語翻訳版を,世界130か国以上で配信中とのこと。またそれとは別に,現地化(カルチャライズ)を施した北米仕様の7タイトルを開発しているという。
カルチャライズの内容が気になるところだが,具体的にはキャラクターのグラフィックスとシナリオを,全体的にリアル系に振っているという。北米の女性は心身共にマッチョな男性に憧れ,絵のタッチはリアルなものを好むそうだ。アジアで人気のアニメ絵は,北米では幼稚に映るとのこと。
また,日本と北米では「イケメン」の定義も異なるという。日本では「オレ様」「ツンデレ」が人気だが,それらは北米の女性からするとウケが悪い。能動的,紳士的な方が受け入れられるという。漠然とそういったイメージを抱いている人は多いと思うが,同社はしっかりと現地女性の好みをリサーチしたうえでローカライズやカルチャライズを展開しているのだ。
ちなみに,海外版におけるタイトル名の変化はこんな感じだ。
- 「悪魔と恋する10日間」→「My Killer Romance」
- 「怪盗X 恋の予告状」→「My Lover's a Thief」
- 「王子様のプロポーズ」→「A Prince's Proposal」
- 「愛を捧ぐ伝説の騎士」→「Knight of My Heart」
- 「社内恋愛 2人のヒミツ」→「Intimate Business」
もちろん,国内の女性プレイヤーに対してもリサーチを行なっている。直近では2013年の3月から6月にかけて,19歳から44歳の女性5万2000人以上を対象に“恋愛ゲームの実態調査”を行ったそうだ。それによりボルテージは,「恋愛ゲームユーザーは女性全体と変わらない価値観を持ちつつ,好奇心が旺盛で堅実な一面もある」との総評を導き出している。
ちなみに実態調査の主な結果をまとめると以下のとおりだ。
- 女性の5人に1人が恋愛ゲームをプレイしたことがある
- 恋愛ゲームプレイヤーは,音楽・映画・ファッションなどへの興味/関心が高く,好奇心が旺盛で活動的
- 恋愛ゲームプレイヤーは,恋愛に対する興味・関心が高い
- 恋愛ゲームプレイヤーと女性全体で,価値観の差異はほとんど見られない
- 恋愛ゲームプレイヤーの恋愛感は現実的で,“白馬の王子様”を夢見ていない
- 女性が恋愛ゲームに求めるものは,「恋愛のドキドキ感」「ときめき」「非日常」「癒し」
- 恋愛ゲームをプレイする時間は,「休憩時間」「寝る前」
- 恋愛ゲームをプレイするアラサー女子の約6割は,就寝前に恋愛ゲームで1日をリセットしている
- 40代の恋愛ゲームプレイヤーは,非ユーザーと比べて恋愛に対する関心が高い
東京ゲームショウ出展の感想を聞いたところ,ボルテージはファンタジーとしての恋愛を追及しているので,リアル出展は不安だったそうだが,想像以上の手ごたえでびっくりしたとのこと。ええ,私も同感です。
「誓いのキスは突然に」公式サイト
「ボルテージ」公式サイト
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