来る2019年1月25日,待ちに待った「
KINGDOM HEARTS III」(以下,KHIII)がついに発売される! 「
トイ・ストーリー」や「
モンスターズ・インク」,さらには「
アナと雪の女王」などがワールドに登場すると発表されており,ゲームのファンも原作のファンも期待が高まっていることだろう(
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「KINGDOM HEARTS」シリーズと言えば,さまざまなディズニーの作品を
“世界”(ワールド)として登場させているのが大きな特徴で,1作目から数えてみると
23作もの映像作品が登場している。
そこで描かれる物語や世界観は,いずれも原作をモチーフとしていて,見覚えのある風景や街並みを冒険できるだけでも,ディズニーのファンにとってはたまらなく嬉しい。しかも,そこへドナルドやグーフィ―,さらにはヴィラン(悪役)が絡んできたりもして,「KINGDOM HEARTS」だからこそ見られる夢のような演出がたくさんあるのだ。
白ウサギが走り去ったり,シンデレラがガラスの靴を落としたりと,有名なシーンがゲームの中に詰まっている
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最新作では,グラフィックスが格段に向上している。原作映画とほぼ同じと言っても過言ではない
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そんな「KINGDOM HEARTS」シリーズ最大の魅力でもある「ディズニーの作品」のワールドを,本稿で一気に振り返ってみようと思う。執筆にあたり,PS4で発売されている「
KINGDOM HEARTS -HD 1.5+2.5 ReMIX」「
KINGDOM HEARTS -HD 2.8 Final Chapter Prologue-」で,ゲーム本編が収録されている5タイトル
*を一通りプレイしてみた。23ワールドもあるのでかなり駆け足になるが,スクリーンショットとともに紹介していくので,その世界観を堪能して,最新作への期待をさらに膨らませてほしい。
*「KINGDOM HEARTS FINAL MIX」,「KINGDOM HEARTS Re:Chain of Memories」,「KINGDOM HEARTS II FINAL MIX」,「KINGDOM HEARTS Birth by Sleep FINAL MIX」,「KINGDOM HEARTS 3D [Dream Drop Distance]」の5タイトル
■目次
・ワンダーランド(作品:ふしぎの国のアリス)
・オリンポス(作品:ヘラクレス)
・ディープジャングル(作品:ターザン)
・アグラバー(作品:アラジン)
・モンストロ/プランクスターズ・パラダイス(作品:ピノキオ)
・アトランティカ(作品:リトル・マーメイド)
・ハロウィンタウン(作品:ナイトメアー・ビフォア・クリスマス)
・ネバーランド(作品:ピーター・パン)
・100エーカーの森(作品:プーさんとはちみつ/他)
・ザ・ランド・オブ・ドラゴン(作品:ムーラン)
・ビーストキャッスル(作品:美女と野獣)
・タイムレス・リバー(作品:蒸気船ウィリー/他)
・ポートロイヤル(作品:パイレーツ・オブ・カリビアン)
・プライド・ランド(作品:ライオン・キング)
・スペース・パラノイド(作品:トロン)
・エンチャンテッド・ドミニオン(作品:眠れる森の美女)
・ドワーフ・ウッドランド(作品:白雪姫)
・キャッスル・オブ・ドリーム(作品:シンデレラ)
・ディープスペース(作品:リロ・アンド・スティッチ/他)
・ラ・シテ・デ・クローシュ(作品:ノートルダムの鐘)
・ザ・グリッド(作品:トロン:レガシー)
・カントリー・オブ・ザ・マスケティア
(作品:ミッキー,ドナルド,グーフィーの三銃士)
・シンフォニー・オブ・ソーサリー(作品:ファンタジア)
ワンダーランド(作品:ふしぎの国のアリス)
難度順にゲームを進行すると,シリーズ初のディズニーのワールドは「KINGDOM HEARTS」に登場する「ワンダーランド」となる。「ふしぎの国のアリス」が原作だ。物語はソラたちが大きな穴に落ちてしまうところから始まり,その後には白ウサギが走り去るシーンや,薬を飲むと体が縮むギミックなど,原作にある演出が豊富に登場する。
ハートの女王の城では,女王を襲った容疑でアリスが裁判にかけられている真っ最中だった。もちろんそれは濡れ衣で,真犯人に心当たりのあるソラたちが割って入り,証拠を集めてアリスの無罪を証明することに。
お馴染みのチェシャ猫も登場し,アリスを助けるための助言をくれる。常ににやにや笑っていたり,首だけ宙に浮いていたりと,ちょっと不気味な雰囲気もそのままだ
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ストーリーを進めるとトランプ兵とのバトルになる。シリーズで初めて対峙するディズニーのキャラクターになるだろう
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オリンポス(作品:ヘラクレス)
最も多くのシリーズ作品に登場しているのが「ヘラクレス」を原作としたワールド「オリンポス」だ。「KINGDOM HEARTS 3D [Dream Drop Distance]」以外のタイトルには全て登場しており,「KHIII」にももちろん登場する。
舞台がコロシアムなだけあって,ほとんどのタイトルが闘技大会に参加するバトルイベント中心で描かれている。高難度の大会ともなるとレベルを上げたり,装備を整えて挑まないと勝つことができない難しさだ。
シリーズで初めて訪れた時は,フィルに子ども扱いされ追い返されてしまう。しかし,ハデスがチケットをくれたおかげで闘技大会に参加できるように。ハデスの思惑とは裏腹に,ソラたちはメキメキと強くなっていく
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「KINGDOM HEARTS」では,「ファイナルファンタジーVII」のクラウドがハデスに雇われた傭兵として登場し,闘技大会の決勝で相まみえることになる。去り際にはお馴染みのセリフも
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「KINGDOM HEARTS II」には,「
ファイナルファンタジーX」の
アーロンが登場。彼もまたハデスによって呼び出されたのだが,ハデスの誘いをバッサリと断り,ソラたちと共に行動してくれる。
「KINGDOM HEARTS Birth by Sleep」では,「
ファイナルファンタジーVII」の
ザックスが,英雄に憧れる少年として登場。“原作リスペクト”でしょっちゅうスクワットをしている姿が描かれている。そして,まさかのアクアをナンパするシーンも……双方のファンからいろいろな悲鳴があがりそう。
ディープジャングル(作品:ターザン)
原作と同じくアフリカのジャングルが舞台。ヒロインのジェーンがいるキャンプを拠点に,ターザンが仲間になり,長く伸びたツタにぶら下がったり,カバの背中をジャンプして渡ったりと,ワイルドなアクションを楽しみながらジャングルを探索する。
ターザンはソラたちをゴリラの巣へ案内しようとするが,なかなかゴリラのボス「カーチャック」に認めてもらえない。おまけに,猟銃を持ったクレイトンがゴリラを捕獲しようと動き回るせいで,ゴリラとの間に険悪な空気が流れる。
原作に登場した凶悪な豹「サボー」が襲ってくることもある。ゲーム内ではそんなに強くないのだが,サボーが登場する時はほかのハートレスたちが湧かず,威圧感に思わず緊張してしまう
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ジャングルの上層からは,木を滑り降りるスライダーアクションを楽しめる
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このワールドは1作目の序盤ということもあって,ソラとドナルドが喧嘩をする珍しいステージでもある。最後にはすっかり仲直りして,このステージで彼ら3人の絆がより深まるのだ
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アグラバー(作品:アラジン)
舞台はアラジンが住んでいる砂漠の王国「アグラバー」の城下町だ。ゲームでは若干狭くなっているが,劇中でアラジンが駆け回った街並みをしっかり再現している。
砂漠では,大きく口を開けた「タイガーヘッド」から魔法の洞窟へ入ることができる。この洞窟こそが,空飛ぶ絨毯(じゅうたん)や魔法のランプが眠っていた場所で,内部には罠がたくさん仕掛けられており,まるで入って来た者を拒むかのようだ。ちなみに,タイトルによって洞窟の様相は大きく変化している。
「KINGDOM HEARTS」では,映画「アラジン」をベースにした物語が展開する。ジーニーが初登場するシーンのハイテンションぶりは,原作に負けず劣らずのクオリティ
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敵となるジャファーは元々魔法使いなだけあって,ゲームのボスキャラとしてもまったく違和感がない。バトルでは,手加減なしの強力な魔法をソラたちに向けて放ってくる
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「KINGDOM HEARTS II」では,原作の続編にあたる「アラジン ジャファーの逆襲」の物語がベースになっている。前回は敵だったオウムの「イアーゴ」が,心を入れ替えて仲間になりたがっているが,ソラとドナルドは信用ならないと思っているようだ。
モンストロ/プランクスターズ・パラダイス(作品:ピノキオ)
モンストロとは,原作のピノキオに登場した巨大なクジラのこと。「KINGDOM HEARTS」でソラたちはモンストロに飲み込まれてしまい,その体内が冒険の舞台となる。
モンストロの体内では,船ごと飲み込まれてしまったゼペットじいさんが登場し,どこかへ行ってしまったピノキオを探すようにソラたちに頼んでくる。腹の中は物凄く入り組んでいるうえに高低差もあって,シリーズ屈指の迷路ワールドと言える。
モンストロの口から奥へと進んで行くのだが,上から行くと「のど」へ,下から行くと「腹部」へと繋がっている。これは気管と食道に分かれているのだろうか? 壁や足元は細胞らしき物がピクピクと動いてちょっと気持ち悪い
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「KINGDOM HEARTS 3D [Dream Drop Distance]」では,原作で「プレジャーアイランド」と呼ばれていた遊園地も登場する。遊園地の奥にはサーカス小屋もあり,楽し気な雰囲気なのだが……,実際は子供をロバにして肉体労働をさせている恐ろしい場所なのだ。ここではピノキオも,耳や尻尾が生えてロバになりかけていた。
アトランティカ(作品:リトル・マーメイド)
「リトル・マーメイド」が原作とあって,舞台は海の中だ。ここでは,ドナルドの魔法でソラ,ドナルド,グーフィーの姿がこの世界の住人風に変化している。ソラは「アリエル」と同じく人魚風に,おっとりしたグーフィーはカメに変身してとても可愛らしい。さて,ドナルドはと言うと……? 下半身がタコでヴィランの「アースラ」風といったところだろうか。思わず2度見してしまうインパクトの強さだ。
「KINGDOM HEARTS」ではアトランティカの大海やアリエルの隠れ家,トリトン王のいる宮殿を冒険。終盤には,アースラがいる不気味な洞窟も訪れる
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「KINGDOM HEARTS II」では,バトルや冒険は一切なく,リズムゲームのみとなっている。ミュージカル色が強い「リトル・マーメイド」らしいステージだ。
ハロウィンタウン
(作品:ナイトメアー・ビフォア・クリスマス)
ちょっと不気味な原作に登場する同名の町が舞台で,広場の中央にギロチンがあったり,たくさんの墓地が並んでいたりする。ここでもドナルドの魔法により,ソラたちの衣装がホラーっぽく変化している。
「KINGDOM HEARTS」では,ゲームオリジナルのストーリーが展開。フィンケルスタイン博士の作った「心」が小鬼達に盗まれてしまい,それを取り返すためウギー・ブギーの屋敷へ乗り込むのだ。
ギロチン広場などに加えて,DVDのパッケージにもなっている満月をバックにした,渦巻き状の丘や墓地などもあり,原作の再現度が非常に高い
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「KINGDOM HEARTS II」では,ジャックが「クリスマスタウン」に迷い込んだことでクリスマスに夢中になってしまうという,原作に近いストーリーとなっている。ソラたちもクリスマスタウンへ行けるようになり,そこでは衣装がクリスマス風に変化する。
「サンタクロース」と対面するシーンでは,リストに自分の名前があるのかみんな気になって仕方ない様子。すっかり逞しくなったソラが,珍しく年相応にウキウキしている
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ネバーランド(作品:ピーター・パン)
シリーズで初登場となったのは1作目の「KINGDOM HEARTS」で,ステージ名こそ「ネバーランド」だが,実際はフック船長の海賊船が舞台。捕まってしまったソラたちは,海賊船の一室に閉じ込められるが,キーブレードを使えばあっという間に鍵が開いてしまうので,すぐに抜け出して海賊船内を散策することに。
原作のシーンをほぼそのまま再現する一幕も。お腹からチクタク音が鳴るワニもやっぱり登場
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終盤にはピーター・パンと空を飛んで,あの時計塔(ビッグベン)を訪れることができる。映画を知っている人なら誰しもが憧れるワンシーンだろう
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「KINGDOM HEARTS Birth by Sleep」では,ネバーランド本島が登場。原作に登場するピーターの隠れ家や人魚の入り江,ドクロ岩などを探索できる。ここでは動物のコスチュームを着た「ロストボーイズ」が登場。ヴェントゥスやアクアは彼らと一緒に島の中を探検することになる。