ネクソンが2013年夏にサービス予定のブラウザゲーム「
DIVA COLISEUM」。
「見えそうでちょっとだけ見える」というコンセプトや,山下しゅんや氏のデザインによるセクシーな女性キャラクターが多数登場するということは
発表されているが,肝心のゲーム内容はよく分からないままだ。
ちょっとだけ見えるとはどういうことなのか。
そもそも何が見えてしまうというのか。今回,ネクソンでテストバージョンを試遊してきたので,詳しくお伝えしよう。
3Dグラフィックスで描かれた
女性キャラクター達によるカードゲーム
本作のジャンルは,端的に言えば,ブラウザカードゲームだ。基本的なゲームの流れは,ゲーム内ポイントやネクソンポイントを使ったガチャでカードを集め,自分のデッキを編成し,戦っていくということになるので,ここだけ見れば,「よくあるソーシャルカードゲームね」という印象になるかもしれない。しかし,本作は
カードのデザイン,そして戦闘システムがかなり凝っており,一般的なソーシャルカードゲームとは一味違っている。
順に説明していこう。まず本作の世界観は,資本主義が肥大化したために,一握りの大企業が世界を支配した近未来という,いわゆるサイバーパンクになっている。この世界におけるプレイヤーの立ち位置は,とある巨大企業のセキュリティチームに着任した
「コマンダー」。プレイヤーは,企業へのサイバー攻撃に対抗するため,
「コントラクター」と呼ばれる女性キャラクター達に指示を出して戦っていくのだ。
そしてゲーム中,コントラクター達はカードとして登場する。
要するに,本作に登場するカードはすべて女性ということになるのだが,ここでポイントとなるのは,カードの中にいる彼女達が全員,3Dグラフィックスで描かれているということだ。一枚絵で描かれたキャラクターではないので,戦闘時に彼女達が攻撃モーションを繰り出したり,ギャラリーでカメラを回転させて360度の方向から彼女達を見られたりと,一般的なカードゲームよりも力が入ったキャラクター表現を楽しめるのである。カメラを回転させられるということは,
もちろん上からも下からも眺められるわけで,それが何を意味するかは,皆さんのご想像にお任せしておこう。
また,本作にはコントラクター達とのコミュニケーション要素も用意されている。ここでは,アドベンチャーゲームのような感じで選択肢を選び,彼女達と会話できるのだが,これを通じて仲良くなると
「ハイクオリア係数」(いわゆる,やる気やテンションに相当するもの)が向上し,戦闘時の能力が変わってくる。彼女達に指示を出すコマンダーとしては,あくまで下心ではなく職務として,しっかりコミュニケーションを取って戦闘を有利に進めたい。
会話中,目の保養になりそうな仕草をしてくれるコントラクター。カメラさん,もうちょっと上か下です
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駆け引きとカード強化が鍵になるコマンド選択式バトル
本作のもう1つのポイントが戦闘システムだ。一般的なソーシャルカードゲームであれば,デッキを編成して後は自動戦闘ということになりがちだが,本作では駆け引きが重要な,ターン制のコマンド選択式バトルが採用されている。
戦闘に参加するコントラクターは,敵味方ともに3名ずつ。コマンダーは,自分のチームの3人にそれぞれ指示を出すのだが,ここで選べるのは以下のコマンドとなる。
- 「Attack」:通常の攻撃
- 「Boost」:テックポイントを消費して繰り出す強力な攻撃
- 「Counter」:AttackやBoostを受けた時に,攻撃を跳ね返して逆にダメージを与える防御行動。効果中は,カードが横向きに表示される
- 「Charm」:Counterと同様にカードが横向きになる。この間に攻撃を受けると解除されてしまうが,フェーズ終了(全カードの行動が一巡する)まで維持できれば,テックポイントが大きく上昇する
- 「Move」:カードの配置場所を変更する。配置場所には攻撃力が上昇する「フロント」,フェーズ終了時に体力が回復する「ミドル」,防御力が上昇する「バック」が存在するので,戦局に応じてうまくコントラクターを配置していく
「Attack」「Boost」は攻撃系コマンドをつかさどる「Strike」の項目,「Counter」「Charm」は防御系コマンドをつかさどる「Tactics」の項目を選択すると選べる
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画面上部にある橙色のバーは,ライフポイントの量を表している。青色のバーはテックポイント(いわゆる必殺ゲージ)の量で,いっぱいになると1テックポイントがチャージされる
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戦闘のキモになるのは,CounterとCharmという2種類の防御行動が,敵からは同じ
「カードが横になっている状態」という表示になり,
見分けがつかないということ。つまり,Counterを警戒して攻撃しないでおくか,それともCharmを防ぐために攻撃するかという駆け引きが発生するのである。もしCharmが成功してテックポイントを貯められてしまうと,非常に強力なBoost攻撃を使われてしまうため,何としても阻止したいところ。これらの仕組みで,カードゲームながらカードの能力だけでは勝敗が決まらない戦闘を楽しめるようになっている。
さらに戦闘を面白くする要素が
「アドオンカード」だ。本作では,コントラクターカードにほかのカードを“与える”ことでレベルアップさせる,ソーシャルカードゲームおなじみの強化要素以外に,さまざまな追加効果を付与してコントラクターを強化できるアドオンカードが用意されている。
この効果がなかなか凝っていて,一定の確率でフェーズ開始時に能力が向上するもの,一定の条件で発動して戦局を有利に導くもの,Attackが範囲攻撃に変化して,配置場所が隣接しているコントラクターにもダメージを与えるものなど,かなりの種類が用意されている。しかも,アドオンカードは複数装着できるので,組み合わせによって,同じカードでもまったく性能が違ってくるのだ。
戦闘は,敵のコントラクター3人の体力をゼロにしたプレイヤーの勝利となる。ここで特筆しておきたいのは,バトルでコントラクターを撃破すると,“やられた”という感じで,カードの中で倒れる演出が入ることだ。そして,この演出後しばらくは,マウスを動かすとカメラの位置を変更でき,倒れたコントラクターを好きな方向から眺められる。つまり,カードの中の小さな枠の中ながら,
あんな方向やそんな方向から倒した相手を眺め放題というわけである。これには「“ちょっと見える”ってそういうことなのか!?」と思わざるを得ない。
ちなみに,今回はテストプレイだったので,NPCとの対戦しかできなかったのだが,本作のメインコンテンツは対人戦で,ランキング機能はもちろんのこと,勝率によって対戦相手が決まるマッチングシステムなども用意されているのだという。対人戦では,ほかのプレイヤーとリアルタイムでコマンドを選択しあう形になるとのことで,ソーシャルカードゲームというよりは,トレーディングカードゲームのような感覚で戦うことになりそうである。
今のところ,詳細なサービス日程は発表されていないが,お色気要素だけでなく,ゲーム部分も十分に楽しめそうなタイトルなので,続報を待ちたい。
カードイラストの例