インタビュー
「ハースストーン」,猛毒付きの武器でお互いに殺し合う新カードの「狂気の災厄」が本日公開。その導入コンセプトをBlizzardに聞いた
現在のハースストーンでは,ゲーム内イベント「炎の悪党祭り」が開催されている。イベントの概要は「こちら」の記事で紹介しているが,突撃!探検同盟に向けたプレビュー的な側面を持ち合わせており,ボスモンスターの討伐数に応じて,新カードが一足早くお披露目されるのだ。そして,用意されていた最初のゴールが日本時間の本日(7月13日)早朝に達成され,狂気の災厄が公開されたという流れである。
狂気の災厄はローグ用の1マナカードで,使用すると,猛毒を持った攻撃力2/耐久力2の武器を,両プレイヤーが装備する。猛毒付きの武器を1マナで使えるという強力無比な効果だが,そのメリットは対戦相手も享受できる。かなりのハイリスク・ハイリターンなカードといえるだろう。
4Gamerは狂気の災厄の公開に先駆けて,ハースストーン開発チームのStephen Chang氏へのメールインタビューを実施している。今回,無事にカードが公開されたことを受けて,本稿でその内容を紹介しよう。新メカニクス“災厄”を含む拡張パック全体の話なども聞いているので,プレイヤーはぜひ参考にしてほしい。
猛毒付き武器でお互いに殴り合う
ハイリスク・ハイリターンな“災厄”カード
4Gamer:
今回はメールインタビューに応じていただき,ありがとうございます。
新カードの「狂気の災厄」は,「突撃!探検同盟」で新たに登場するメカニクスの“災厄”が採用されています。先ずは,災厄の導入経緯についてお聞かせください。
Stephen Chang氏(以下,Chang氏):
Warcraftの世界において,ウルドゥムは砂漠かつ墓所という設定のエリアです。悪党同盟がウルドゥムへ侵攻する本拡張パックにおいて,その世界設定を活かした新たなメカニクスを導入したいと考えました。
そこで,強力な効果を敵味方に対して平等に与える,災厄のコンセプトを思いついたんです。そして悪党同盟の各クラス(ウォーロック,ウォリアー,ローグ,シャーマン,プリースト)にふさわしい災厄のカードを,それぞれ用意しました。
4Gamer:
それでは,「狂気の災厄」の導入経緯を教えてください。
Chang氏:
そしてウルドゥムの設定も踏まえ,最終的に,この墓所をあばいていた悪党同盟のコボルトらが,呪われた短剣を発見し,狂気に蝕まれながらお互いに殺し合うという設定を思いつきました。
4Gamer:
見るからにハイリスク・ハイリターンなカード効果ですが,あらためて解説をお願いします。
Chang氏:
1マナで猛毒が付いた2/2の武器を装備できるという,ご想像のとおり非常に強力なカードです。アグロ系をはじめ多くのローグ用デッキは,相手が繰り出す大型ミニオンの除去に悩まされますが,そんなときにも最適な一枚といえるでしょう。
また,相手も同じ武器を装備するわけですが,もともとローグは攻撃が得意なうえ,武器にもバフを乗せられるため,デメリットを上回るアグレッシブな動きが期待できます。
4Gamer:
Chang氏:
シンプルかつ強力なコンボといえるのが,狂気の災厄でお互いが武器を持った直後に,「ハリソン・ジョーンズ」や「酸性沼ウーズ」などで相手の武器を破壊することです。狂気の災厄は1マナカードなので,このコンボは使いやすいでしょう。
4Gamer:
この武器を使って実際に大型ミニオンを倒す状況を考えると,ローグ自身も大きなダメージを受ける可能性があります。基本的にローグは,自分自身の回復や被ダメージの軽減が苦手ですが,これをケアするための何かしらの手段は導入されますか?
Chang氏:
確かに,被ダメージに対する折り合いをどのようにつけるのかも,このカードを使うときのポイントのひとつになるでしょうね。そういった意味を含めると,「大型ミニオンの除去」というより,「ヘルスの高いミニオンの除去」に最適なカードといえるかもしれません。
今回の拡張パックの全貌はまだ明らかになっていませんが,今おっしゃった問題に対するケアの可能性も含め,今後のカード公開に注目してください。
4Gamer:
たとえデッキに含まれずとも,このカードが環境に存在する時点で,高コストのカードの使用に対するけん制が生じるかもしれません。また,最近では「文書管理官エリシアーナ」のナーフも記憶に新しいですが,ハースストーン全体のバランスとして,ロングゲームを抑制する意図などはありますか?
Chang氏:
いえ,それはとくに念頭には置いていませんでした。先ほども申し上げたように,災厄のコンセプトとローグの方向性に合致し,それでいてクールなカード効果を純粋に考えたうえで導入しました。
人気キャラやメカニクスを新鮮さをもって“再生”
4Gamer:
話は変わりますが,「爆誕!悪党同盟」の拡張パックを振り返っての感想を聞かせてください。
Chang氏:
爆誕!悪党同盟では,ラファームらのキャラがハースストーンに再び登場し,悪党同盟を結成して猛威を振るいました。また,それと機を同じくしてスタンダードフォーマットのローテーションも行われ,カード環境も大きく変化しています。これらを受けてコミュニティも盛り上がり,私たち開発者にとっても大きな手応えを得られました。
4Gamer:
悪党同盟に対抗するために新たに登場した探検同盟の面々も,長年のファンにとってはおなじみの人物ですよね。
Chang氏:
ええ。今回はレノ・ジャクソンらが大きく成長して帰ってきます! ちなみにレノはメイジ,エリーズはドルイド,サー・フィンレーはパラディン,そしてブランはハンターの各クラスに関連したカードとして登場します。
しかし,ラファームらがウルドゥムで何をやらかそうとしているのか,その計画はまだ明らかになっていません。悪党同盟と探検同盟が激突する拡張パックの行く末に,ぜひ注目してください。
4Gamer:
それにしても近年のハースストーンは,キャラクターやメカニクスなど,色々な要素を“再生”させているのが興味深いです。
Chang氏:
スタンダード環境からなくなったカードを埋もれたままにするのは,もったいないですからね。しかし,まったく同じものとして再登場させるのは,単なる焼き直しといえるでしょう。初めて目にするプレイヤーと,長年のファンの双方が新鮮さを感じてもらえるように再生することを心がけています。
探検同盟で再登場するクエストも同様で,あえて方向性を少し変えているんです。お気づきの方もいるでしょうが,いずれもヒーローパワーを置き換える効果があり,また,クエストの達成条件も比較的手軽にしています。
4Gamer:
Chang氏:
(笑)。
4Gamer:
それでは最後になりますが,ハースストーンのファンに向けてメッセージをお願いします。
Chang氏:
私たち開発チームの一同は,「突撃!探検同盟」のリリースに心底興奮しています。今後数週間のうちに拡張パックの全貌が明らかになりますが,それに対するコミュニティがどのような反応を見せるのか,今から待ち遠しいです。
「炎の悪党祭り」のイベントを通じて,少しずつ拡張パックへ移行しており,今回こうやって無事に「狂気の災厄」を発表できました。しかし,これはイベントに伴う公開予定カードの第1弾であり,残りの3枚がどうなるのかは,プレイヤーの皆さん次第です。この機会にぜひ,突撃!探検同盟に向けたお祭りに参加してください。
「炎の悪党祭り」に加担しよう!(公式サイト内)
「ハースストーン」公式サイト
「ハースストーン」ダウンロードページ
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(C)2017 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.
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